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学習指導要領解説の改訂など安倍政権の教育改革に対する見解

2014年1月31日

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2014年1月31日

学習指導要領解説の改訂など安倍政権の教育改革に対する見解

フォーラム平和・人権・環境
事務局長 藤本泰成

   文部科学省は、中学校および高等学校の「学習指導要領解説」を改訂し、1.竹島は我が国固有の領土であり韓国に不法に占拠されている、2.尖閣諸島は、我が国固有の領土であり有効に支配され解決すべき領土問題は存在しないことを理解させるよう、地理的分野・歴史的分野・公民的分野に明記させました。拙速な改訂は、その内容とともに極めて問題です。
   2006年、第一次安倍内閣で安倍首相自身がその改「正」に関わった教育基本法は、教育の目標に「国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」と記載しています。 そして現行の高等学校学習指導要領では、必修とされる世界史の目標を「世界の歴史の大きな枠組みと展開を諸資料に基づき地理的条件や日本の歴史と関連付けながら理解させ、文化の多様性・複合性と現代世界の特質を広い視野から考察させることによって、歴史的思考力を培い、国際社会に主体的に生きる日本国民としての自覚と資質を養う」としています。これらは、国際化の進展を見据えつつ、その中で生きていく子どもたちには十分な国際感覚が必要であることの認識を表しています。
   しかしながら今回の解説の改訂は、日本政府の一方的な認識だけを子どもたちに強要するものです。国際化が進む中で、日本の将来を担う子どもたちは、お互いの文化や伝統、歴史そして政治的主張の違いを理解しながら、友好と協調の中で活動していくことが望まれます。平和フォーラムは、このような視点に立って、一方的に日本政府の主張のみを教え込む教育のあり方に反対を表明します。
   安倍政権は、加えて「道徳の教科化」や「教育委員会制度の見直し」を表明しています。自治体首長の権限を強化し、子どもたちには特定の価値観を押しつける教育のあり方は、安倍首相がどのように否定しようとも、戦前の修身の復活であり、戦前の教育のあり方に近づけようとするものと言わざるを得ません。市民社会の発展に尽力し、生活者が満足できる社会をめざすためにとりくむことが、政治の唯一の役割であると考えます。差別や偏見、そして格差のない心豊かな社会をつくることに、政治は専念すべきです。そのような社会の構築こそが、他を思いやる心を育み、子どもたちの成長を促すのです。
   安倍首相は、昨年12月に靖国神社に参拝し米国政府から「失望した」との批判を受けました。1月29日に開かれた国連安全保障理事会においても、韓国政府代表から「誤った歴史認識に立つ日本の指導者の言動が、東アジアの緊張をかつてなく高めている」と非難されるなど、国際社会の批判を集めています。菅官房長官は「我が国の歴史認識などを批判する発言が行われたのは極めて遺憾だ」と述べていますが、その歴史認識自体が多くの国の批判の対象なのです。安倍首相の政治姿勢に対して、戦後日本を描いた「敗北を抱きしめて」でピューリッツア賞を受賞したマサチューセッツ工科大学のジョン・W・ダワー名誉教授は、「それは、日本が再び『アジアを捨てる』ことを意味する」と近著で述べています。そのことは、戦前の日本の侵略と植民地支配の歴史を意味することは明白です。
   平和フォーラムは、侵略と植民地支配の歴史の反省にたって、アジア諸国から信頼と共感を得て友好と協調の関係を作り上げていくことこそが、日本の将来にとって重要であると考えます。そのために日本政府が勇気を持って歩き出すべきと考えます。

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