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新たな「食料・農業・農村基本計画」に対する見解

2010年3月31日

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2010年3月31日

 新たな「食料・農業・農村基本計画」に対する見解

フォーラム平和・人権・環境
 事務局長  藤本 泰成

 政府は3月30日の閣議で、今後10年の農政方針を示す「食料・農業・農村基本計画」を閣議決定しました。同計画は「食料・農業・農村基本法」に基づき、2000年から5年ごとに見直し策定を行っていますが、今回は昨年の政権交代を受け、これまでの自民党農政の下で進めてきた大規模農家に施策を集中する「選別政策」を転換して、多様な経営体を支援する農政への転換が図られようとしています。

 日本農業はこの間、生産物価格の低迷、担い手不足などで、生産維持がますます困難になっています。食料自給率も先進国最低の40%程度にとどまり、食への不安・不信も高まっています。また、農林業・農山村の危機的状況は、地球温暖化問題とも併せて、森林や水をはじめとした環境問題にも影響を与えています。特に、この15年間で農業所得は半減し、販売農家数が3分の2に減るなど、危機的状況を迎えています。

 一方、世界的には食料不足に苦しむ人々は年々増加し10億人を越えており、今後も世界的な食料需給のひっ迫傾向と価格の高騰が予想されています。

 こうした中で基本計画では、2020年の食料自給率目標を50%に設定し、そのための政策の柱として、(1)戸別所得補償制度の本格導入、(2)安全や安心など消費者ニーズに合った生産体制への転換、(3)生産・加工・販売や自然エネルギー発電を結びつけた「農業の6次産業化」による所得増大などをあげ、農業・農村の再生をめざすとしています。

 平和フォーラムは、3月11日に農民・消費者団体とともに、「これからの農業政策を考える生産者・消費者集会」を開催するなど、基本計画の策定に向け、農林水産業を資源循環型社会の基軸として位置づけ、食の安全や環境問題などに配慮した政策への転換を求めてきました。今回の基本計画では、そうした要求課題の多くが取り込まれており、今後の政策の展開に期待するものです。

 しかし、こうした方向性を実現するためには、財政問題が大きな課題になっています。計画の策定にあたっても、戸別所得補償制度では、2010年度からモデル対策を行う米以外は、具体的な対象品目、導入時期、制度設計が明確になっていません。また、農林業がもたらす環境保全などの多面的機能を評価した助成や、条件が不利な中山間地域への直接支払制度の法制化も今後の検討課題とされています。これらには、財務省が難色を示していると言われています。しかし、農林水産省予算は80年代に比べて大幅に減額されてきた一方、防衛費は同期間に2兆円近くも増額されており、国全体の政策のあり方を根本的に問い直さなければなりません。

 そのためには、今後の国会論議などを通じて、食料・農業・農村政策の確立に向けた法・制度と着実な実施が求められます。平和フォーラムは、今後とも生産者・消費者団体とともに、地域から具体的な施策や要求を集約し、その実現を求める取り組みを進めます。そして、人間の生存に欠かせない食・みどり・水を見直し、持続可能な循環型社会の形成、食の安全・安定、農林水産業の再生にむけた運動を展開します。

以上

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