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核不拡散条約(NPT)再検討会議の閉幕に際しての談話

2015年5月27日

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核不拡散条約(NPT)再検討会議の閉幕に際しての談話

原水爆禁止日本国民会議
事務局長 藤本泰成

 4月27日に開幕したNPT再検討会議は、合意文書を採択できずに1か月にわたった会議を5月22日に閉幕した。「合意に至らなかったことに失望している」との国連パン・ギムン事務総長の声明に、原水禁は全面的に同意する。中東非核地帯にむけた国際会議開催の期限に関して、米英およびカナダが合意しなかった。NPTに加盟しないイスラエルの核の脅威にさらされているアラブ諸国にとって、中東非核地帯化には強いこだわりがある。2010年の再検討会議合意文書の行動計画では、「国連事務総長および中東決議共同提案国(米英露)の召集による、すべての中東諸国が参加する中東非核地帯設置に関する国際会議を2012年に開催する」と記載されたが、米国やイスラエルの反対で実現されなかった。今回の、「非現実的で実行不可能な条件にこだわった」とするガテマラー米国務次官の非難は、これまでの経緯を考えると同意できない。
 今会議では、核兵器の非人道性が中心的課題の一つとされた。「核兵器禁止条約制定に向けた議論を求める」ことを内容とする、オーストリアが提唱した誓約文書には、閉幕時には107カ国の賛同を得た。パン・ギムン事務総長も、声明の中で「核兵器の非人道性がより広く知られることで、核兵器の禁止と廃絶に向けた有効な措置が講じられることを期待する」と述べ賛意を示した。着実に核兵器禁止への賛同が広がっている。しかし、核兵器保有国からは、これら非核保有国の声を一顧だにせず切り捨てる発言が相次いだ。核兵器が非人道的兵器であることは、2010年の再検討会議で確認されている。核兵器保有国は、核保有という既得権にこだわること無く核兵器廃絶への道のりを明確にする責任がある。「NPT体制の正当性は説明がつかない。アパルトヘイトと同様にNPTは少数者を利するしくみだ」との南アフリカ代表の批判に真摯に向き合うことがなくてはNPT体制が崩壊に向かうことは間違いない。
 日本政府は、被爆国として核保有国と非核保有国の間に立って、核兵器廃絶への自らの役割を全うしたとは言えない。米国との軍事的同盟関係を強め、その核の傘に依存する立場から、存在感を示すことができず、オーストリアが提唱した誓約文書にも賛同しなかったことは、極めて遺憾である。早期に、非核保有国としての「核絶対否定」の明確な立場に立つことを望む。また、日本が提案した「世界の指導者への広島・長崎訪問の呼びかけ」の記述をめぐって、中国や韓国から反発を受けた。国際交渉の場において歴史認識の問題が障害となっている。侵略戦争と植民地支配の歴史には明確な謝罪の姿勢が重要である。そのことが日本の国際的発言を強化するに違いない。
  2015年のNPT再検討会議が合意文書を採択できずに決裂したことは極めて残念である。しかし、核兵器廃絶にむけた具体的なとりくみ課題は多い。英国のスコットランドでは、潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント」40発全てが更新時期を迎える。スコットランド民族党が、更新に強く反対している。核保有国の英国が核兵器廃棄を決断することは大きな意義がある。米国内では、核兵器の即時警戒態勢を解除すべきとの声があがっている。原水禁は、日本が原子力発電における核燃料サイクル計画を断念し、核兵器の原料となるプルトニウムをつくり出す再処理工場建設を止めるよう要求してきた。このことは、東北アジア非核地帯構想を進めることに重要な役割を果たす。
 原水禁は、世界と手をつなぎ、2020年には核廃絶のゆるぎない道筋ができあがるよう全力でとりくむ。
 

 

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