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2018年度運動方針

2018年4月18日

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2018年度運動方針

1.情勢と課題
(1)はじめに
私たちは、第48回衆議院選挙で、2012年12月26日からスタートした第二次安倍自公政権の5年間を厳しく批判し、安倍一強政治に終止符を打つことを求めてきました。
しかし、安倍政権に対しては、森友・加計学園問題や東京都議会議員選挙での大敗、各種の世論調査でも安倍政権の不支持が支持を大きく上回るなど、拮抗する傾向が続いたにもかかわらず、結果として、自公両党で3分の2の議席を許すこととなりました。私たちはこのことを重く受け止めなければなりません。
この結果は、これまで様々な取り組みの中で培ってきた野党共闘が、民進党や自由党の希望の党への合流によって暗礁に乗り上げ、野党間の選挙区での競合・つぶし合いが起きたことが大きな原因であることは明らかです。
この希望の党への合流にあたっては、「寛容な保守政党を目指すこと」や憲法違反の「安全保障法制の容認」、「憲法改正を支持すること」、「外国人の地方参政権付与に反対すること」など8項目の条件が付与され、かつ、民進党の一部議員が「排除」されたため大きな政治的混乱が生じ、新たに立憲民主党が生まれることとなりました。
「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(「市民連合」)は、立憲4党と市民の協力体制を作るべく、7項目の基本政策を4野党と合意してきました。その直後、民進党の希望の党への合流が決定し、市民と立憲野党の協力の枠組みが大きく崩れることになりました。
その後、10月7日に「市民連合」が、立憲民主党との間で「憲法9条改正反対」「原発ゼロの実現」「森友学園、加計学園及び南スーダン日報隠蔽の疑惑究明」など7項目の基本政策に合意することにより、社会民主党、日本共産党と合わせた選挙協力が実現しましたが、準備不足から野党共闘による与野党逆転は困難な事態となりました。
それまで、「市民連合」は、2016年には、衆議院北海道5区補欠選挙、参議院選挙、都知事選挙、新潟県知事選挙の中で大きな役割を果たし、参議院選挙では、32の1人区すべてで「候補者を一本化」し闘うことによって、大きな成果と希望を作りだしました。このことは、全国各地の1人区で、それぞれの異なる地域の政治状況に応じ、「安倍一強体制の打破」、「安保法制の廃止と立憲主義の回復」、「脱原発社会の実現」などを求め、様々な労働組合や市民団体、平和団体、立憲野党が結束して取り組んできた成果といえます。
この中央・地方一体となった実質的な「市民連合」の取り組みと野党共闘こそが、民主的な国会運営を否定し立憲主義を破壊してきた安倍政治に選挙闘争を通じて終止符を打つ唯一の道であったといえます。  
今後の参議院選挙や統一自治体選挙をはじめとした政治日程の中で、私たち平和フォーラムは、中央・地方における「市民連合」の中心を担うとともに、引き続き「違憲の安保法制を前提とした9条改悪反対、立憲主義の回復」を基本とした野党共闘の強化を求めていかなければなりません。

(2)戦後最大の危機を迎えた平和憲法
①3月25日、自民党大会で憲法改正の基本的な方向性を確認
1月22日、第196通常国会が150日の会期日程で開会しました。
 安倍首相は、施政方針演説で「各党が憲法の具体的な案を国会に持ち寄り、憲法審査会で論議を深め、前に進めていくことを期待する」として改憲を訴えています。
また、改憲を進める「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の櫻井よしこ共同代表は、「政治日程を考えれば憲法改正の機会は18年しかない。この1年で憲法改正を成し遂げることができなければ、日本の真の意味での再生は難しい」と述べ、18年中の憲法改正を強く求めています。特に、「自衛隊ありがとう」キャンペーンなどをテコにしながら、さまざまな改憲のための世論づくりが行われており、3月14日、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開催した「憲法改正賛同1000万人達成中央大会」では、2018年の取り組みとして、「自衛隊の根拠規定を憲法に明記する。緊急事態条項を憲法に新設する」ことを発表しています。
一方、自民党の改憲推進本部は、衆議院選挙で改憲の具体的な内容として掲げた「自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消」など4項目を中心に議論を進め、3月25日の党大会で憲法改正案をまとめるとしていましたが、森友学園問題の再燃により党大会での改正案の発表は見送られ、基本的な方向性が確認されるにとどまりました。
具体的な改憲について、安倍晋三首相は、党大会で「自衛隊を明記し違憲論争に終止符を打とう」と呼びかけ、憲法改「正」の方向性として、自民党の憲法改正推進本部での議論を踏まえ、①自衛隊の明記については、9条1項と2項を維持し自衛隊を明記する。②緊急事態条項については、73条2項や64条2項を追加し大規模災害時の内閣による政令制定権や議員任期の延長を可能とする。③参議院選挙の「合区」について、47条を改「正」し、「地域的な一体性」を求めその解消を目指す。④教育の充実については、教育が「国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担う」として26条を改「正」する方向が確認され、今後、引き続き改憲案を取りまとめていくものと思われます。
この方向性の中で、9条改「正」は、集団的自衛権を行使する自衛隊を一気に憲法上正当化するばかりでなく、「後法優先の原則」(後法は前法に勝る、後法は前法を破る)から2項は残っても後から追加された条文が優先し2項の「空文化」「死文化」をもたらす可能性があります。また、緊急事態条項の方向性は大規模災害に止まらず、軍事的な緊急事態における内閣の権限拡大や人権の大幅な制限に適用される危険もはらんだものとなっています。

②「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の運動を中心に改憲発議や国民投票を許さない闘いを。
自民党は「2020年までに新憲法の施行」を求めており、最終的にはなりふり構わない改憲発議と国民投票の強行実施もありうるものとして、十分に警戒する必要があります。
3月に実施した毎日新聞の調査では、年内発議について、「する必要がない」が42%、「年内発議した方がよい」が、39%で、ほぼ拮抗してきています。また他の世論調査では、9条1項2項を残しての自衛隊の憲法への位置づけに関しては、賛成者が多いという世論の動向もあり予断を許さない状況が続いています。
また、安倍首相が掲げる「改憲」の内容には自民党内でも異論があり、与党の公明党との間でも改憲に対して温度差があります。
そして、憲法を守る闘いは、国会での力関係だけで決するものではありません。
現在、「総がかり行動実行委員会」の運動の蓄積を基礎としつつ、これまでの「総がかり」運動を質・量ともに超える「総がかり」の連帯・共同創出をめざし「安倍改憲NO!全国市民アクション」が2017年9月8日に「キックオフ集会」を開催しスタートしました。その後、11月3日には4万人の参加者による国会包囲行動を、1月7日には北とぴあで1300名が参加し、「戦争止めよう安倍9条改憲NO!2018新春の集い」が開催されるなど市民アクションの運動は大きく全国に広がってきています。
平和フォーラムは都道府県レベルでの運動展開を実現し、全国的なネットワークを形成してきた「戦争をさせない1000人委員会」運動に加え、「違憲訴訟の会」による取り組みや「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の中心的役割を担い、全国各地で3000万署名を基軸に拡大している様々な改憲反対の取り組みをさらに大きく前進させ、改憲発議や国民投票を許さない闘いを進めていかなければなりません。
 
(3)緊張が高まる東北アジアの中で、専守防衛の枠を超えて拡大する防衛政策
①北朝鮮の核・ミサイル開発の中で高まる東北アジアの緊張
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、核開発で「水爆の実験に成功した」と内外に表明し、ミサイル開発では、アメリカの首都が射程に入る推進能力を持つに至ったICBM級の技術開発に成功したとしています。
一方、米韓両国は、大規模な軍事演習を度々実施し、朝鮮半島に近接した空・海域ではアメリカと日本の自衛隊が空母や戦略爆撃機を伴った日米の共同訓練を行うなど、北朝鮮と日米韓双方の挑発が繰り返されてきました。
 「すべての選択肢がテーブルの上にある」とするアメリカは、対話の前提に核兵器の破棄をあげて、武力的解決も辞さない立場をとっています。アメリカに追従し、圧力と制裁一辺倒の安倍政権の姿勢では、緊張がさらに高まることは自明です。偶発的なきっかけで戦争に発展する可能性は飛躍的に高まっています。
 戦争を回避し、東北アジアにおける平和構築のためには、対話を基調とした外交努力が不可欠です。対話路線に反するような、専守防衛から逸脱する防衛装備・技術の獲得、イージス・アショアの配備、敵地攻撃の合法化を阻止する闘いをすすめ、憲法9条改悪を許さない闘いとあわせ、平和構築への道程を進んでいかなくてはなりません。

②中国の海洋進出に対する南西諸島での自衛隊強化、日本版海兵隊である水陸機動団の新設
 経済関係について、中国の「一帯一路」路線にたいして、安倍政権は「中国とも協力する」とする姿勢を見せています。しかしその一方で、尖閣諸島をめぐる問題や中国の海洋進出を口実にして、既に陸上自衛隊の警備部隊が配備された与那国島を皮切りに、石垣島、宮古島、奄美大島にミサイル部隊を配備する新基地建設など、南西諸島の軍事化を進めています。さらに、日本版海兵隊である水陸機動団を長崎県の陸上自衛隊相浦駐屯地に新設しましたが、この水陸機動団を沖縄のキャンプ・シュワブにも配備する動きがあります。
 偶発的な衝突を回避するために、日本と中国の防衛当局間で「海空連絡メカニズム」の早急な運用開始が求められますが、安倍政権は、中国に対抗するとして軍事強化を優先し、いまだに合意に至っていないことは問題です。

③社会保障費を抑制する一方で、6年連続で拡大する2018年度防衛予算
 2018年度の防衛予算は、2017年度当初予算5兆1251億円を1.3%上回る5兆1911億円と膨らみ、安倍政権下の2013年から6年連続の増加となっています。生活保護受給費のカットなど社会保障にかかわる予算の配分が低下する中で、防衛費が突出しています。 
 注目すべきは、新型潜水艦の建造、ステルス戦闘機F35Aの追加取得、高速滑空弾、巡航ミサイルの導入に向けた調査費などの攻撃型兵器や、ヘリ搭載護衛艦(DDH)「いずも」の甲板を改修して、垂直離発着が可能なF35B戦闘機を導入することが検討されている他、陸上配備型のイージスシステム(イージス・アショア)を2基配備、敵のコンピュータシステムの破壊を目的とする電磁パルス弾の技術検討費など、歴代自民党政権が踏み出すことのなかった専守防衛の枠を突破する軍事装備品の導入や技術検討が防衛予算に入ったことです。
 北朝鮮のミサイルに対処するとしたJアラートシステムの導入と防災訓練で、市民社会に過剰な不安感が煽られ、ヘイトスピーチにみられる一部の排外主義的な社会の傾向により敵愾心を煽られています。私たちは、こうした専守防衛の枠を突破する軍事強化を容認していくような社会的雰囲気を警戒しなくてはなりません。
 2018年末には新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画を立てることを安倍政権は明言しています。弾道ミサイル防衛システム(BMD)の強化やサイバー対策、宇宙空間の軍事化を視野に入れるとされており注視が必要です。また、陸上自衛隊の軍事運用を一元管理する「陸上総隊」が新設されたことから、シビリアンコントロールのあり方についても議論を深める必要があります。
 一方、防衛力の強化と安全保障関連法(戦争法)の施行で自衛隊員の任務が拡大し、「戦死」の危険性が現実のものとなりつつあります。ましてや、南スーダンPKOであったように、治安悪化の状況を隠蔽しようとする政府の対応では、自衛官のストレスは増すばかりです。軍隊の中で起こりうるいじめや自死などは、自衛隊も例外ではありません。
 安保法をめぐって、存立危機事態になっても防衛出動の義務がないことの確認を求めた現役自衛官の訴訟において、東京高裁は、一審の東京地裁の「出動命令が出る可能性はない」として審理に踏み込まずに訴えを却下した判断を否定し、その可能性があることを前提に審理の差し戻しを命じています。国は、存立危機事態は「国際情勢に鑑みても具体的に想定しうる状況にない」「北朝鮮との衝突は抽象的な過程に過ぎない」などと主張し、「国民の平和と安全を守るためには必要」とした安保法成立の論拠を覆す主張を繰り返しています。

④死の商人への道と産学官の軍事化
 防衛装備移転三原則により武器・技術の輸出に前のめりになる安倍政権は、フィリピンに海上自衛隊の練習機「TC90」を無償譲渡したほか、インド、マレーシアなど東南アジアに中古武器を輸出する動きを活発化させています。さらに、イスラエルとの無人機の共同開発計画、イギリスとの空対空ミサイルの共同技術開発も進んでいます。このミサイルは最新鋭のステルス戦闘機F35に搭載されることとなり、実用化にいたれば、中東をはじめ各地の紛争地で使用されることは確実です。
武力ではなく平和的に国際紛争を解決しようと努力することを誓った戦後の日本が、いよいよその一線を越え、「死の商人」の仲間入りを果たすことは断じて容認できません。 
2015年に新設された「安全保障技術研究推進制度」は、明治時代の殖産興業以降の科学技術と軍事を結び付けてきた国策の復活ともいえるものです。「国立大学運営交付金」の削減にみられるような大学・研究機関の交付金を削減して、「軍事助成」に誘導しようとする政府の意図は明らかです。こうした政府の動きに対して、戦後2度にわたって「戦争目的の軍事研究はしない」と声明を発してきた日本学術会議は、2017年3月、改めて軍事研究をしない新たな声明を決議しています。翼賛体制でアジア・太平洋戦争に流れ込んでしまった時代を再び繰り返さないために、この学術会議の声明を支持し、私たちの暮らしの中から抵抗する環境を作り上げていくとともに、防衛省資金の学術研究への助成に強く警戒しなくてはなりません。

(4)進む日米軍事同盟と基地機能の強化
①日米ガイドライン―平和安全法制で進展する日米軍事一体化
 小野寺五典防衛大臣は、国会質問において北朝鮮がグアムに向けミサイルを発射した場合、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」であるとする可能性に言及し、自衛隊が迎撃することは法的に可能とする判断を示しました。
自衛隊の補給艦が、日本海で作戦行動中の米海軍イージス艦に洋上給油し、米艦防護をも作戦行動として実施しました。航空自衛隊も米空軍B1戦略爆撃機と共同訓練をはじめ、米軍機の防護を行ったことが発覚するなど、日米双方の基地の共同使用を含め軍事的一体化が進んでいます。
 いつでもどこでもシームレスに米軍と協力して軍事行動をとることを可能とした「日米防衛協力のための指針(日米ガイドライン)」(2015年4月改訂締結)とその国内法の整備とみなされる安全保障関連法(戦争法)(2016年9月成立)が、この具体的な軍事一体化を加速させました。日本国憲法はおろか、日米安保条約の「極東条項」の制約を逸脱する日米ガイドラインが、国会での議論もなく、日米の政府間での行政協定として締結していることを厳しく指摘しなければなりません。

②危険なオスプレイの訓練拡大
 沖縄では日米合意に反したパラシュート降下訓練や米軍機の飛行が繰り返され、事故も相次いで発生し、県民の怒りを呼んでいます。岩国基地(山口県)では、F35ステルス戦闘機の配備に続き、厚木基地から空母艦載機が移駐し、嘉手納基地に次ぐ極東最大の米空軍基地となっています。事故が多発しているオスプレイも、その運用が見直されることなく、事前通告もなしに飛来することもあり、訓練エリア周辺や基地周辺住民の不安を増長させています。
いったん延期となっていた横田基地(東京都)への米空軍オスプレイの配備も2018年夏頃に予定されており、配備阻止に向けた取り組みが必要です。

③求められる日米地位協定の抜本的な見直し
 米軍機は日本の航空法の適用が大幅に免除され、また政府は「日米安保条約の前提として、提供区域外であっても訓練飛行は認められる」としています。また、日米地位協定の下で、米軍が事件や事故を起こしても日本の警察や消防などが現場検証にあたることができず、第1次裁判権もない問題は、米軍が駐留しているドイツやイタリアなどと比較して、あまりにも従属的といえます。
 これまでに日本弁護士連合会が提言をまとめてきた他、沖縄県が2017年9月、地位協定見直し案を政府に提出しています。東アジアでの緊張が続き、訓練も拡大する中で、兵員の過密勤務や老朽化した装備品などの課題等もあり、事故、事件が続発する危険性は高まっています。日本の主権が制限されるような日米地位協定を抜本的に改訂しなければ、私たちの命とくらしは脅かされ続けることになります。

④辺野古新基地建設、高江ヘリパッドの運用を許さない沖縄の闘い
 沖縄県民が反対し続ける中、海底ボーリング調査や浚渫工事に不可欠の行政手続きである岩礁破砕許可申請も無視して、安倍政権は辺野古新基地建設を強行しています。翁長県知事は、岩礁破砕許可申請を出すよう政府に求め提訴し、同時に工事差し止めの仮処分を求めてきました。しかし、3月13日の那覇地裁の判決は、差し止め請求を審理の対象外とする国の主張に沿って沖縄県の訴えを却下するという極めて不当なものとなりました。
新基地建設工事は護岸工事が主体で、本格的な埋め立て工事は、この夏以降とされています。名護市長選は残念ながら建設推進派の自公候補に敗れたものの、本格着工をさせるか否かを決する沖縄県知事選挙は11月に予定されています。沖縄平和運動センターと密接に連携し、知事選に勝利し、大衆運動を拡大していくことをめざします。
 また、辺野古の埋立てにあたっては、県外からの土砂搬入を阻止する闘いをすすめていくことも重要です。鹿児島県の奄美大島など、地域の平和フォーラムが主導し土砂搬出反対の取り組みを行ってきた他、採石地とされる各地域には搬出に反対する市民団体のネットワーク組織である「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」も立ち上がり活動を続けています。こうした取り組みとも連携を深め、沖縄県外から辺野古新基地建設阻止の動きを構築していきます。
 一方高江では、完成したヘリポートに昼夜を問わず、オスプレイ等の米軍ヘリが離発着を繰り返し、地域住民の生活の重大な影響を及ぼしています。米軍機の規制を求める闘いが必要です。
 辺野古新基地建設反対の取り組みは、基地問題の側面はもとより、国策によって地域の民意がないがしろにされる国の統治のあり方を問うことも重要です。地方分権改革の精神を無視し、中央集権的な安倍政治を糾弾していかなければなりません。

⑤山城博治沖縄平和運動センター議長らへの政治弾圧と裁判闘争
 山城博治沖縄平和運動センター議長は、辺野古新基地建設及び高江ヘリパッド建設の抗議行動をけん引するなど、その闘いにリーダーシップを発揮してきました。これらの闘争の渦中で、いわれなき公務執行妨害や威力業務妨害などの罪を問われ、5か月間も長期に拘束されうえ、3月14日の裁判で那覇地方裁判所は、山城博治沖縄平和運動センター議長に対し「反対運動のリーダー的存在として主導的役割を果たし共犯者らの犯行を煽った」として、懲役2年執行猶予3年が言い渡しました。
 この裁判は、本来、沖縄県知事選挙など様々な機会を通じて示された「新基地はいらない」とする沖縄県民の声を一顧だにすることなく、米国の言いなりに沖縄に基地を押し付け、高江のヘリパッドや辺野古新基地建設などを強行してきた政府の姿勢そのものを問うべき裁判でなければならなかったのです。にもかかわらず地裁の判断は、被告の行為のみに着目するという近視眼的で形式的な不当判決であったのです。
山城議長に加え、稲葉博さんには懲役8月執行猶予2年、添田充啓さんには懲役1年6月執行猶予5年が言い渡されましたが、山城議長と稲葉さんについては即日控訴が行われ引き続き司法での闘いが継続されることとなりました。
接見禁止に加え、差し入れが制限されるなど人権を無視した長期にわたる勾留は異例で、国内はもとより世界の人権団体、環境団体などからも表現の自由に対する弾圧・規制であるとして、日本政府に対して抗議の声が上がりました。国連人権高等弁務官事務所も、特別報告者デービッド・ケイ氏の対日調査報告書を公表し、日本政府の過度の権力行使に懸念を示しています。山城議長らに対する弾圧は、政治弾圧であり、人権問題としても裁判支援を継続していかなければなりません。

(5)東北アジアの平和と安定を求めて
①朝鮮半島の緊張緩和に向け国際連帯活動の強化を
北朝鮮と日米韓双方の挑発が繰り返され東北アジアの緊張が高まる中で、2018年2月の平昌オリンピック・パラリンピックを契機に南北の歩み寄りがみられ、南北間・米朝間で対話の兆しが見えつつあります。3月27日には、中朝首脳会談が開催され、4月には南北首脳会談、5月には米朝首脳会談が開催される見通しで、朝鮮半島での「非核化」と「平和と安定」に向けて新たな局面が開かれようとしています。
この間、日本政府は、対話を基調とした平和外交を拒否し、アメリカに追従して圧力と制裁一辺倒の対応に終始してきましたが、この安倍政権の誤りが明らかになってきています。今こそ、北朝鮮のミサイル発射に対処するとしたJアラートや防災訓練によって、国民に過剰な不安感を煽る政策から、これまでの日朝ピョンヤン宣言や6か国協議の経過を踏まえた平和外交によって、朝鮮半島の非核・平和を実現していかなければなりません。
平和フォーラムは、南北間・米朝間の対話を支持するとともに、対話に逆行し、軍事的緊張を煽ろうとする日本政府の姿勢を厳しく批判していかなければなりません。引き続き「東アジア市民連帯」に参加し活動を進めるとともに、「コリア国際平和フォーラム」など国外の平和運動団体との連帯強化や韓国からのインターン学生を受け入れながら国際連帯運動を進めていきます。

②すべての当事者が納得できる日本軍「慰安婦」問題の解決に向けて
日本軍「慰安婦」問題を巡る日韓合意によって、日本の戦後責任問題はよりねじれたものとなってしまいました。文在寅政権は「再交渉は求めない」としながらも、「日韓合意のような政府間のやり取りだけでは解決できない」とし、日本政府による真摯な対応を求めています。日本政府はこれに強く反発し、「日韓合意の着実な実施」を求め、国内の主要メディアも韓国政府の姿勢を批判しています。
そもそも日韓合意の本質は不可逆的解決という、日本軍「慰安婦」という重大な戦争犯罪を歴史から抹消しようとする点にあります。過去の植民地支配・侵略戦争を隠蔽・美化しようとする安倍政権の下、アジアとの友好関係が築けないのは明らかです。平和フォーラムは日本政府が過去の侵略戦争と植民地支配の歴史を認め、当事者の納得を基本にした解決を求めるとともに、アジア蔑視の国民的感情を払拭するために、史実に基づいた歴史教育の確立やアジア諸国との友好親善への努力を引き続き行っていきます。

(6)民主教育を進める取り組み 
 2018年3月27日、2019年度から中学校で使用される同教科書の検定結果が公表されました。中学校3学年で8社から24点・30冊が合格しました。検定における修正意見は184件(2017年小学校は244件)、「指導要領に照らして扱いが不適切」との意見は7件(同43件)と、2017年の小学校では、「伝統と文化」の項目に関する意見を受けて「パン屋」を「和菓子屋」に変更して合格した例が多くみられましたが、中学校では内容の大幅な変更は少数でした。
今回の中学校道徳教科書検定に、日本教科書株式会社が参入しました。日本教科書は、「道徳専門の教科書会社」として、安倍首相の政策ブレーンとして知られる八木秀次麗澤大学教授らが、2016年4月に設立した教科書会社で、晋遊舎の関連会社です。
日本教科書の道徳教科書は、文部科学省の読み物教材や副読本「私たちの道徳」から13の教材を引用しています。これは検定に合格した8社の中で最も多い数です。また、①モラロジー研究会の雑誌「ニューモラル」から2本、②日本教育再生機構のパイロット版道徳教科書「はじめての道徳教科書」(育鵬社)から1本、③モラロジー研究会主催の「教育者研究会」や日本会議の講師をしている白駒妃登美さんの文章を2本、を引用していて、日本会議系の教材が多く見られますので、日本会議系教科書と言っても過言ではありません。今後、採択しないように取り組みを進めていく必要があります。
 平和フォーラムは、市民グループ「教科書検討会」の仲間とともに、歴史教育課題・道徳教育課題に対応するため、問題・課題を共有し授業実践の還流を目的としたホームページを市民等の協力のもと立ち上げ、運営していきます。

(7)ヘイトスピーチと様々な人権課題
朝鮮学校への「高校無償化」制度適用を巡る広島地裁、東京地裁の不当判決は、司法が安倍政権の差別政策を代弁したものであり断じて許すことはできません。安倍政権の下では、司法の場ですら在日コリアン、外国人労働者とその家族、障がい者、女性などマイノリティーへの差別を容認する状況にあります。この間、ヘイトスピーチ規正法・障害者差別解消法・部落差別解消法・外国人技能実習法などが成立したにもかかわらず、差別解消に向けた取り組みがほとんど見られないことも指摘しなければなりません。
また、今年1月、旧優生保護法に基づき不妊手術を強制された60代女性が国に損害賠償を求めた裁判の第1回口頭弁論が3月28日行われ、政府としても全国的な被害の実態調査に乗り出すことになってきました。
平和フォーラムは差別を容認・助長する安倍政権を批判するとともに、多くの人々との連帯を強化しながら差別撤廃・人権確立の取り組みを進めていきます。
 
(8)核兵器廃絶に背を向ける被爆国日本                                          
①核拡散への日本政府の矛盾した対応
 2017年7月7日、国連で「核兵器禁止条約」が採択されました。しかし、唯一の戦争被爆国であるにもかかわらず、日本政府はこの動きに背を向け、「条約」の交渉を拒否し、批准・発効に反対し続けています。
例年日本政府が国連に提出している「核兵器廃絶決議案」において、2017年の同決議案では「核兵器のあらゆる使用」から「あらゆる」が削除され、核拡散防止条約(NPT)第6条「核保有国の核軍縮義務」への言及もなくなるなど内容を大きく後退させています。核保有国が主張する「(北朝鮮の)核の懸念に向き合わず核軍縮のみ進めるのは非現実的」との主張に沿って、北朝鮮の核実験・ミサイル発射などの脅威を強調し、核兵器の抑止力を肯定する方向も強まっています。このような日本政府の姿勢が、同決議案の賛成国数を急減させることに繋がっています。
北朝鮮の核・ミサイル開発の急速な進展、トランプ大統領の新たな核開発方針などにより、核戦争等による世界の終わりを示すといわれる「終末時計」の針が1953年以来の「2分前」を指すに至っています。
 私たちは、日本政府に対し、核兵器禁止条約を直ちに署名・批准するとともに、核兵器保有国に対しても被爆国として署名批准を促していくことを強く求めなければなりません。
②トランプ政権の「核態勢見直し」(NPR)を高く評価する日本政府
2018年2月3日、トランプ政権は、政権初の「核態勢見直し」(米国の核政策の指針)を発表しました。北朝鮮を意識し、東北アジアへの核兵器配備に言及し、実戦で使える小型核の開発や新型の核巡航ミサイルの開発を進めるとともに、非核兵器による攻撃に対しても核兵器の使用を拡大するとしています。2月の公表を前に、米上院軍事委員会の公聴会では、ジョージ・シュルツ元国務長官やヘンリー・キッシンジャー元国務長官から、「核兵器は核兵器であり、小型核を使えばより大型の核を使う事になる」「北朝鮮の直接的な核攻撃よりも、他国に拡がる核拡散のリスクのほうが大きな脅威だ」などと強い懸念が表明されています。
こうした懸念は、「大統領の先制核攻撃命令」の権限を制限しようとする米国議会の動きとしても現れてきています。
 しかし、日本政府はトランプ政権に追従し、米国内ですら批判されているトランプ政権の「核態勢見直し」(NPR)を高く評価するとともに、新たな核兵器開発による抑止力強化の動きを礼賛するなど、被爆国としてあるまじき態度を示しており、断じて許すわけにはいきません。
 
③日本の核燃料再処理計画の中止により、東アジアの安全保障環境の改善を
現在、日本は、非核兵器国で唯一核燃料再処理を行い、すでに核弾頭数千発分にあたる使用予定の立たない47トンものプルトニウムを保持しながら、六ヶ所再処理工場を本格稼働させる計画を進めています。
米国が日本に再処理を認めている日米原子力協力協定は今年7月以降自動延長になることが決まりましたが、年間8トンも核兵器物質プルトニウムを増産する計画に対して、米国からは核拡散上の懸念が度々表明されてきました。R・ガルーチ元国務次官補・北朝鮮核問題担当大使は、再処理をどうするかは日本にとって「エネルギーの問題だが、それが米国や北東アジア諸国の安全保障に影響を与える。これは、国際安全保障の問題だ」と指摘しています。同様の指摘は、米国国内に止まらず、国連においても中国などから度々表明されてきました。
日本政府は、使い道のないプルトニウムの生産を中止することにより、核セキュリティーサミットで世界に向けて公約した核兵器物質の最小化への道を開き、東アジアの安全保障環境の改善へと繋げていかなければなりません。

(9)安倍政権の原発推進政策と核燃料サイクルの破綻
①世界に拡がる脱原発の流れと逆行する安倍政権
(ア)アジアで拡がる脱原発の流れと逆行する日本
福島原発事故は世界に大きな衝撃を与えました。近隣のアジア諸国においても、2017年1月11日、台湾が「2025年までに原発の運転を完全に停止する」と宣言し、「原発ゼロ」を法律に明記するとともに、電力事業を段階的に自由化し、再生可能エネルギーへの移行を図るとしました。また、韓国では、2017年2月7日、韓国ソウル行政裁判所は、月城原子力発電所1号機(慶尚北道慶州市)が設計寿命(30年)を迎えたとして、運転許可を取り消す判決を出しました。台湾の動きに続き、韓国でも脱原発の動きが進んでいます。今後も紆余曲折はあるにしても、脱原発の流れは着実にすすんでいくといえます。
一方、日本の安倍政権は、2030年における電源構成に占める原発の割合を20%~22%とする方針を示し、そのために原発の再稼働と共に新増設やリプレース、原発運転の60年への延長、核燃料サイクルの推進、原発輸出などを積極的に進めようとしています。このように、安倍政権は、エネルギー基本計画の見直しを進め、原発推進路線をさらに押し進めようとしていますが、産業界も原発推進の旗を振り、国内での原発の展開が難しい中、イギリスへの原発輸出を進め、財政的な補償を日本政府が行うなど、原子力産業の延命を図ろうとしています。
(イ)破綻する原子力政策
原子力業界では、東芝が傘下に収めた米・ウエスチィングハウス社が、買収した原発建設会社S&W社に7000億円もの負債があったことが発覚し、会社自体の存亡の危機に見舞われました。三菱重工が手掛けた米国のサンオノフレ原発も蒸気発生器のトラブルによって廃炉となり、三菱重工は、電力会社から損害賠償を求められる事態が起きました。
ホライズン・ニュークリア―・パワー社を買収した日立も、英国での原発の建設を目指していますが、その資金を、日本政策投資銀行や国際協力銀行などの日本政府系金融機関から調達し、債務保証を日本貿易保険に頼ろうとしています。私たちの税金が国民の理解を得られない民間企業の原発政策支援に投入されることは極めて問題です。福島原発事故以降、安全対策などによって、原発建設のコストは高騰し、事業継続の大きなリスクとなっています。  
安倍政権の進める原発推進政策は、日本経済にも深刻な打撃を与えるものです。
(ウ)電力自由化に反した託送料による廃炉・賠償費用の消費者への転嫁
 電力システムの改革のなかで、2016年4月から一般消費者も電力を選べるようになりました。再生可能エネルギーへの転換を消費者自らが選択できることの意味は大きく、既存の様々な取り組みとも連携し、私たち自身の手で脱原発・再生可能エネルギーへの転換を推し進めることが大切です。
 発電量に占める自然エネルギーの割合は、先進的な取り組みを進めるスウェーデン、ポルトガル、デンマークなどでは、2016年に50%以上に達しています。日本は、2010年の9%からは徐々に増加しているとはいえ、現在約15%にとどまっています。新電力の中には、再生可能エネルギーを中心に、エネルギー政策の改革を掲げるところも出てきていますが、大手の新電力は、石炭火力の新設など気候変動対策に逆行する計画を進めています。
 一方で、スマートメーターへの付け替えが進まないことや、地域によっては再生可能エネルギーの選択肢がないことにより、大手電力から新電力への切り替えは東京電力エリアで10.5%、関西電力エリアで9.8%、全国平均では7.3%にとどまっています。
送電網を独占する大手電力会社は、再生可能エネルギー事業者に、基幹送電線の容量がないことを理由に高額の送電費用を課したり、接続を拒否するなどしてきましたが、基幹送電線の利用実態は全国で2割程度であることを明らかにした調査もあります。旧大手電力により消費者の自由な電力の選択が制限されないよう公正な情報公開が必要です。
 託送料に上乗せするという形で、原発の廃炉費用を新電力にも負担させることが決まりました。
この制度は、これまでの総括原価方式同様に、託送料の中に、福島第一原発の廃炉・賠償費用、他の原発廃炉費用の現在試算されている不足分の8.3兆円を強制的に加え一般消費者に負担させるというものです。
 事故処理や廃炉の費用を消費者の負担に転嫁する前に、「脱原発」の方向性をきちんと決定した上で、明確な発送電分離を進め、東京電力の所有する送電網など資産の売却を優先すべきです。そして、日本政府は、既存の送電網でも柔軟な運営を通じて再生可能エネルギーの比率を高めていったドイツの前例に学び、再生可能エネルギー比率を高めるべく明確な政策誘導を行うべきです。
 平和フォーラムは、消費者が新電力の電源構成をみて再生可能エネルギーによる電力を選択できるよう情報提供を始めた「パワーシフト・キャンペーン」に協力して、再生可能エネルギーの電力を消費者の側から後押しする取り組みを進めます。

②民意を無視して進められる原発の再稼働
多くの市民の反対を押し切って、鹿児島県川内原発(九州電力)や福井県高浜原発(関西電力)、愛媛県伊方原発(四国電力)、福井県大飯原発(関西電力)や佐賀県玄海原発(九州電力)において、強引な再稼働が行われました。各種の世論調査において再稼働反対の意見は、常に多数を占めており、「世論を無視」する安倍政権や電力会社の姿勢は厳しく糾弾されなければなりません。
今後、茨城県東海第2原発(日本原子力発電)、新潟県柏崎刈羽原発6、7号機(東京電力)などが続こうとしています。
老朽原発では、事故の危険性が常に問題となります。しかし、原子力規制委員会は、これまで運転開始から40年を経過した、福井県高浜原発1、2号機、美浜原発3号機(関西電力)に20年の運転延長を認めました。今年11月には40年を迎える東海第二原発も延長を狙っています。
原子力規制委員会の姿勢は、危険な老朽原発を次々と増やすことになり、極めて問題です。
そもそも長期にわたって運転した原発のデータは少なく、劣化がどのように進んでいくかという知見も限られ、未知の部分も多いと指摘されています。劣化の状況と安全性の関係については、机上の計算に頼る部分も多く、明確に予想できるものではありません。
中越沖地震、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、熊本地震などと近年、立て続けに大地震が起きています。御嶽山、口永良部島、草津白根山、新燃岳など、火山活動も活発化し、日本の火山は活動期に入ったとの指摘もあります。広島高裁は、2017年12月、阿蘇山の巨大噴火の可能性を指摘し、伊方原発3号機の運転差し止めを命じています。老朽原発はもちろんのこと、早期の「脱原発」が求められています。

③「核のゴミ」の最終処分問題
7月28日、政府は、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場を選定するための「科学的特性マップ」(適地マップ)を公表しました。それによると、国土の約65%が適地とされ、そこには全国の8割を超す約1500の自治体が含まれています。この「適地」マップは、日本中のほとんどの地域で半減期が2万4000年の極めて危険なプルトニウムを含む高レベル放射性廃棄物の最終処分場の誘致が可能となるということを意味しています。
政府は、これまでの原発誘致政策同様に、「文献調査」「概要調査」などと称する調査協力費の名目で地方自治体に対して多額の「交付金」を支給することで誘致の実現を図ろうとしています。最終処分場の危険性を考え、地方自治体が福島原発事故の反省に立てば、誘致の実現は不透明です。
今必要なことは「脱原発」を国の方針として確立し、これ以上放射性廃棄物を増やさないことです。現存する放射性廃棄物の処分に関しては、再処理を行わず、直接処分によるものとし、ドライキャスクなどを基本に、当面サイト内などにおいて目に見える範囲での貯蔵・管理を行い、今後、最終処分の方法も含めて安全な放射性廃棄物の管理の技術開発及び、世論形成を行なっていくことが重要です。

④破綻した核燃料サイクル
核燃料サイクル計画の中核を占める高速増殖炉・原型炉「もんじゅ」は、2016年12月20日の関係閣僚会議で廃炉が決定されました。核燃料サイクル計画存続のために、「もんじゅ」の廃炉後はフランスとの高速炉共同開発(増殖炉・実証炉「ASTRID」計画)を進めようとしています。しかし、研究開発の内容や費用総額も、建設の是非も不確定な部分が多く、先行きは不透明です。
そもそも、地震国日本で運転可能な高速増殖炉計画のために、独自開発に取り組んできたということであり、原子力推進の側からも「地震国日本に相応しい炉型は、仏国の肉薄大型タンクではない」「如何ほどの協力費の負担を強いられるかわからない」などとの批判があがっています。
「もんじゅ」の炉内にあるナトリウムは、水と混ざると爆発する恐れがあり、廃炉作業における安全な抜き取りには新たな技術革新が必要になるといわれています。廃炉作業は47年度まで30年かかる予定で、費用は普通の原発の5倍以上の3,750億円を予定していますが、新たな技術開発の行方次第では大きく膨らむことも懸念されます。
福島原発事故以来、軽水炉自体の将来的見通しが立たない中、高速炉計画はエネルギー政策としての意味を失っています。原発の維持が経営そのものを圧迫している電力会社では、電力自由化が進んでいく中にあって、廃炉も含めて巨額な費用がかかる高速炉を選択する可能性はほとんどないといえます。
「もんじゅ」の廃炉は、軽水炉での使用済み核燃料を再処理し分離したプルトニウムを高速増殖炉で活用するという核燃料サイクル計画全体に波及していくことは明らかで、青森県六ヶ所村の再処理工場などの核燃料サイクル施設の存在意義も問われています。
六ヶ所再処理工場は、2018年の完工が、3年も延び、2021年度上期とされました。建設着工以来23回目となる完工延期は完工の見通しが立たないことを象徴しており、核燃料サイクル計画への信頼を大きく損なうものです。ガラス固化体製造工程などでのトラブルが絶えず、建設費も当初の4倍にもあたる2.9兆円に膨らんでいます。再処理工場近くには活断層の存在も指摘され、高レベル廃液の保管状況など安全性への厳しい指摘もあります。原発サイト以上に大きな危険性のある再処理工場を動かしてはなりません。
現在日本は国内外に約47トンものプルトニウムを抱えています。米国や中国などからは、原発の多くが稼働できていない状況の中で、大量のプルトニウムの所有に大きな懸念が示されています。日米原子力協定が自動延長(18年7月)されることが確実となり、再処理が国際的に認められることとなっています。プルトニウムをMOX燃料に使うにしても、多くの原発が停止したままの現下の状況では、余剰プルトニウムは持たないとする国際公約を履行することさえできない状況にあります。
このことは、米オバマ前大統領が進めた、核セキュリティーサミットにおけるプルトニウムの低減という国際公約からも、六ケ所再処理工場で新たに使い道のないプルトニウムを作り出すことは大きな国際問題となっています。
もんじゅ廃炉、再処理工場の度重なる完工延期からも核燃料サイクル計画の破綻は明らかであり、プルトニウム利用を基本に据えたエネルギー政策を根本的に見直すことが必要です。

⑤重要性を増す「さようなら原発1000万人アクション」の取り組み
2011年3月11日の福島原発事故以来、「さようなら原発1000万人アクション」は、全国で「脱原発」の運動に粘り強く取り組んできた人々と一般市民を繋いで、「脱原発」を象徴する運動に発展してきました。結果として「脱原発」は市民の確固たる信念として日本社会に根付いてきました。
2017年10月の総選挙で誕生した立憲民主党は、2018年2月20日に「さようなら原発1000万人アクション」との意見交換会を開催するなど、市民との対話を各地で重ねながら、運転中の原発を速やかに停止し法施行後5年以内の廃炉を決定する、使用済み核燃料については再処理を行わないことなどを盛り込んだ「原発ゼロ基本法案」をとりまとめ、3月9日、社民・共産・自由の3党に呼びかけ、衆議院に共同提出しました。小泉元首相や細川元首相が顧問を勤める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」も「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を1月10日に発表しています。4党は今後、「国民運動にしていくことが重要」だとしていることからも、「原発ゼロ基本法案」を「さようなら原発1000万人アクション」の運動の中心に据え取り組んでいくことが求められています。
原発再稼動の阻止、核燃料サイクル計画の放棄、再生可能エネルギー推進、福島の原発被害者の権利の確立、高レベル放射性廃棄物などの処分問題など山積する課題への取り組みは、長い間全国を結んで「脱原発」に取り組んできた原水禁や、その原水禁が事務局を担う「さようなら原発1000万人アクション」が中心的な役割を担わなければなりません。私たちが進める「さようなら原発」の運動は「脱原発」実現のために重要な責任を負っています。原水禁・平和フォーラムは、さようなら原発1000万人アクション実行委員会に引き続き結集し、市民とともにその運動の中核を担っていきます。

(10)急がれる福島の復旧・復興
①困難な廃炉作業と巨額な廃炉費用
福島原発事故から7年が過ぎましたが、事故の収束作業は難航しています。
凍土壁は一定の効果を上げているものの、汚染水は増え続けています。原子力規制委員会では、基準値以下に薄めれば海洋放出も可能との考え方もあり、その動向を注視しなければなりません。
廃炉に向けて最も難関と言われている溶融燃料(デブリ)の取り出しは、非常に高い放射線に阻まれて先の見通しが立っていません。デブリの一部は確認できていますが、いまだその全容を明らかにするには至っていません。政府・東京電力は、デブリの取り出し開始を2021年内、廃炉完了の目標を2041年から2051年と時期を示していますが、これまでの経緯をみれば、さらに長期に及ぶ可能性が高いと考えられます。
 経産省は、2016年12月に福島第一原発廃炉など事故処理にかかる費用が、それまでの2倍の21.5兆円になるとの試算結果を発表しました。これら費用に関しては、新電力の託送料などに転嫁するなど、一般消費者からの徴収を企図しています。  
試算結果は、あくまで「試算」であり、さらに変動することは明らかであり、今後の推移次第では、莫大な費用負担が求められると想定されます。

② 避難生活と政府支援の打ち切り
被災地福島では、県内に1万5420人、県外に3万4095人、合計4万9515人(2018年3月5日復興庁調査)が、長期の避難生活を余儀なくされています。避難指示が出されている地域の住民でも、避難先で自宅を購入した人や、県などの住宅支援を受けずに東京電力から家賃の賠償を受けて賃貸住宅で暮らす人などは含まれていません。また、住宅の提供が打ち切られた自主避難者も含まれず、福島県・復興庁の調査では避難の現実が明らかになっていません。
福島県の震災(原発事故)関連死者数は2202人(2017年9月30日復興庁調査)で、全体の55%となっています。この数字は、福島県では自然災害である東日本大震災に加えて、福島原発事故の影響が大きいことを明らかにしています。ふるさと喪失と長期避難、生活や将来への不安などによりものと思われるうつ病などによる自死者が増加しています。
一方、帰還困難区域を除いた、居住制限区域・避難指示解除準備区域では、除染作業が進められ、これまでの基準の20倍、年間被ばく量20mSvを下回る地域から避難指示を解除しました。それに合わせて、帰還を強要するかのように住宅支援などの補償の打ち切りが行われています。避難指示解除区域に於いても、教育や医療、日常生活に必要な各種インフラの整備は追いつていません。被害者は、20mSv/yというこれまでに経験の無い高放射線量の中に戻るか、補償が打ち切られても避難し続けるのかの厳しい選択が迫られています。そこには、政府の被害者に寄り添う姿勢が欠けています。原水禁が、当初から主張してきた、被害者それぞれの選択に対する支援のあり方を確立しなくてはなりません。「福島原発子ども被災者支援法」の第2条2項には「被災者一人一人が第八条第一項の支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」と記載されています。安倍政権が進める原発事故被害者への施策は、これらの考え方を根底から否定するもので、福島原発事故の早期幕引きがその目的であり、被害者を切り捨てようとする「棄民」政策と言わざるを得ないものです。
十分な補償と支援を求めて原発事故被害者は、全国各地で裁判を起こしています。2017年3月には前橋地裁が、9月には千葉地裁が原告勝訴の東京電力に賠償を命じる判決を下しています。2018年2月20日には、原発事故後に飯舘村で自殺した男性(当時102歳)の遺族が東電を相手に損害賠償を求めた裁判で、事故と自殺の因果関係を求め賠償を命じる判決も出ています。
原発事故後に全村避難となった飯舘村の村民が東電に慰謝料の増額を求めた裁判外紛争解決手続(ADR)で、2018年2月、東電が和解案の受け入れを拒否したことが判明しました。東電は「20mSv程度の被爆の危険性は証明されていない」「精神的賠償は既存の金額で十分」などと主張しています。東電は当初、「ADRの和解案は尊重する」としていましたが、その後このような拒否を繰り返し真摯に対応していません。このような事故の責任を明確にせず放射能被害を認めない東電の姿勢が、全国各地での訴訟につながっていると考えられます。
自主避難者に対する数少ない支援が災害救助法に基づく住宅の無償提供でした。しかし、国と福島県が2017年3月で無償提供を打ち切りました。この措置によって、一方的に住宅を追い立てられた多くの家庭が生活困難に陥っています。山形で提供終了後も雇用促進住宅に住み続けていた8世帯が、所有者の独立行政法人「高齢・傷害・求職者雇用支援機構」に訴えられるという事態も起こっています。
福島原発事故の刑事責任を求めて、被害者らが告訴した「福島原発刑事訴訟」は、検察庁が不起訴にするも、検察審査会が強制起訴しました。2017年6月30日の初公判以来、2018年4月10日には第5回公判が開かれています。17年6月30日に初公判が開かれ、刑事裁判がスタートしました。原発事故被害者への不誠実な東電の態度は、事故の原因を予想を超えた津波によるものとして東京電力が事故の責任をうやむやにしていることにあると考えます。国や東電は加害者であることを認め事故の責任を全うすべきであり、原発事故をなきもののように振る舞う姿勢は被害者をさらに追い詰めるもので許すことはできません。

③子どもや労働者の「いのち」を守れ
福島県では、福島第一原発事故による放射性物質の被害を踏まえて、県民の被ばく線量の評価や県民の健康状態の把握、疾病の予防、早期発見、早期治療のために「県民健康調査」を実施しています。とくに2011年3月11日現在で概ね18歳以下であった子どもたちには、甲状腺(超音波)検査を実施してきました。これまで3巡目の調査を終えて161人が甲状腺がん、36人ががんの疑い(2017年12月末福島医大・県民健康調査検討委員会)があると診断されています。今後もさらに増えることが予想され、被害者の健康には特に注意を払わなければなりません。今後、長期にわたる公的なケアと医療面、経済面でのサポートが重要であり、県民の健康不安、特に子どもの健康にしっかりと向き合うことが求められています。

(11)ヒバクシャの援護・連帯に向けての取り組み
①被爆者の課題解決にむけて
広島・長崎の原爆投下から72年を経過して、ヒ口シマ・ナガサキの被爆者は高齢化(平均年齢 81.4歳/2017年3月31日)し、その子どもである被爆二世も高齢の域に入りつつあります。原爆症認定の課題、被爆体験者の課題、在朝被爆者などの在外ヒバクシャの課題、被曝二世・三世の課題、被爆体験の継承の課題、様々な課題解決に残された時間は多くありません。
米オバマ前大統領のプラハ演説に始まって、昨年の核兵器禁止条約の成立や、ICANのノーベル賞受賞など、核兵器廃絶の声は高まり続けています。世界の核兵器廃絶の運動に大きな影響を与えたのは被爆者の存在でした。日本被団協は、「ヒロシマ・ナガサキの被害者が訴える核兵器廃絶国際署名」に取り組んでいます。核兵器廃絶の声を絶やすことはできません。
被爆者でありながら長崎市外に居住していたことを理由に「被爆体験者」として差別されている161人が、長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付申請却下処分取り消しなどを求めた訴訟の第一陣は、12月5日、最高裁に於いて入市被ばくが想定される一人を除いて残り587人の敗訴が確定しました。「被爆体験者」は、被爆者の認定を求めて新たな裁判を準備しています。第二陣の訴訟では、長崎地裁判決で被爆者として認められた10人を除き、151人が福岡高裁に控訴しています。引き続いて裁判支援にとりくみます。
2017年2月、全国被曝二世団体連絡協議会は、被爆二世を対象とする被爆者援護法は憲法違反として訴えを起こしました。この裁判は、広島と長崎で係争中であり、原水禁としても被爆二世の権利の確立に向けて、訴訟支援等を行っていくことが重要です。
このような裁判の背景には、絶えず政府が原爆被害を過小評価し、原爆被害を根本から補償しようという立場に立たないことがあります。ヒロシマ・ナガサキの被爆者に対する十分な補償の確立は、フクシマの被害者に対する補償の充実に繋がるものと考えます。                            

②被曝労働者との連帯を
福島原発事故に伴い、収束作業や除染作業にあたる労働者の被曝問題は深刻です。政府は、労働者の緊急時被曝限度を100mSvから250mSvへ引き上げ、生涯被曝線量を1000mSvへと引き上げました。こうした労働者の被曝線量基準を、健康被害を考えることなく、労働現場の実態に合わせようとする姿勢は絶対に認められません。
この間、 原水禁・平和フォーラムとして被曝労働者の様々な裁判を支援してきました。また、福島原発事故以降も厚生労働省や文部科学省、復興庁などへ被曝量の低減など「安心・安全」に働ける労働環境の整備求め、現地福島の市民団体とともに交渉を重ねてきました。今後、公務員や運輸関係者など、緊急時に避難誘導などに携わる人たちの被曝線量の引き上げも検討されており、関係する組合とも協議を踏まえ交渉を進めていきます。
事故の収束作業や除染作業などに外国人労働者を含め多くの労働者が従事しています。放射線量の高い場所での労働は、常に被曝と健康被害のリスクにさらされています。多くの労働者が1次2次下請けによる労働を強いられていますが、収束作業の責任を持つ東電や除染作業を受注している大手ゼネコンなどが、労働者の被曝線量や健康管理に責任を持たなくてはなりません。中間搾取も常態化し現場労働者の権利侵害も報告されています。今後も長く続く事故の収束作業や除染作業における現場労働者の労働条件整備を求めていく必要があります。

③ 世界の核被害者との連帯について                          
世界に拡がる核被害は、核の軍事利用・商業利用を問わずウラン採掘に始まり、あらゆる核開発の過程で存在し続けています。核被害者との連携強化は、ヒロシマ・ナガサキだけでなくフクシマの被害の実相を明らかにするうえでも重要です。今年の原水禁世界大会でも核被害者との交流を進め、核と人類は共存できないことを世界に訴えていくことが必要です。

(12)TPPなど通商交渉に対する取り組み
 政府は、米国抜きの11ヵ国による環太平洋経済連携協定(TPP11)の交渉や、日本とヨーロッパ連合との経済連携協定(日欧EPA )、東南アジア諸国連合(ASEAN)10ヵ国と日中韓印豪NZの6カ国による広域的な東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉、そして、日米自由貿易協定(FTA)交渉につながる「日米経済対話」など、TPPを規範とする重要な通商協定(TPPプラス)の交渉を進めてきました。
これらの通商交渉は、農産物などの市場開放ばかりでなく、各国独自の規制や基準を撤廃し均一化を図り、自由化を求めるものです。特に、食品添加物・農薬規制の緩和や、遺伝子組み換え食品の表示などの食の安全施策、さらに、簡保、共済なども含む金融・保険、サービス貿易、投資、知的財産権、公共調達など、広範な分野に関して、多国籍企業の利潤につながるものです。
このうち、TPP11交渉は、今年1月に最終的な決着が確認され、協定の署名式が3月に行われ、日本は今通常国会で協定承認案と関連法案を審議します。協定は6ヶ国が国内手続きを終えれば発効することから、早ければ今年末から来年初めにも発効する見通しとなっています。
日欧EPAは、昨年12月に交渉の妥結が発表され、日本政府は2019年の発効をめざし、今年の秋の臨時国会での承認も視野に入れています。このほかの交渉についてはまだ見通しがたっていませんが、どの交渉についても、TPP以上に内容が明らかにされていないことは大きな問題です。今後、トランプ米大統領が、日米2国間の通商交渉を求めて、日本に対して一層の市場開放や規制緩和を迫ってくることが予想されるなか、徹底した情報公開や市民との意見交換を求めていく必要があります。
平和フォーラムは「TPPプラスを許さない!全国共同行動」の共同事務局のひとつとして、関係団体と連携を取った運動の展開が求められています。学習・集会の開催や政府交渉なども進め、グローバリズムの問題や各国との連携のあり方も検討していく必要があります。

(13)食の安全の取り組み
各国との通商交渉は食の安全にも関わります。これまでも日米間の協議では、アメリカからは食品添加物の拡大や残留農薬基準の緩和、牛海綿状脳症(BSE)に関する輸入制限緩和などが求められてきました。今後も遺伝子組み換え農産物の輸入拡大などが迫られる恐れがあります。
そうした中で、消費者庁で「遺伝子組み換え食品」の表示改正が検討されており、消費者の権利を尊重する制度を求めていく必要があります。また、今後は食品添加物の表示改善を求めていくことも必要です。
 機能性表示食品制度は、依然として、安全性や効果を示すデータの信ぴょう性、公開情報が不十分なことが指摘されています。このため、トクホも含め、健康食品制度に関する見直しが求められています。放射線照射食品については、禁止措置の継続を求めて、今後も政府、業界への働きかけを進めていく必要があります。

(14)水・森林・化学物質・地球温暖化問題などの取り組み
水問題については、今後も、化学物質の排出・移動量届出制度(PRTR制度)を活用した合成洗剤の規制など化学物質の総合的な管理・規制にむけた法制度や、有害物質に対する国際的な共通絵表示制度(GHS)の合成洗剤への適用などを求めて運動を展開していく必要があります。
また、水の公共性と安全確保のため、今後も水循環基本法の理念の具体化や、グローバリゼーションの進展の中で、水の商品化、水道事業民営化の動きを注視し、ライフラインである水道・下水道事業の公共・公営原則を守り発展させることが、引き続き重要な課題となっています。
地球規模での森林の減少と劣化が進み、砂漠化や温暖化を加速させています。日本は世界有数の森林国でありながら、大量の木材輸入により、国内の木材自給率は低迷してきました。最近は、国産材の使用拡大施策などが図られ木材自給率も回復しています。しかし、様々な通商交渉の中で木材製品の関税削減による、木材自給率等への影響を注視する必要があります。今後も、温暖化防止の森林吸収源対策を含めた、森林・林業政策の推進に向けて、「森林・林業基本計画」の推進、林業労働力確保、地域材の利用対策、山村における定住の促進などを求めていくことが必要です。
地球温暖化問題では、原発とともに、石炭火力発電所を推進する日本のエネルギー政策の抜本的な見直しなど、目標達成のための実行性をともなう仕組みづくりが求められています。また、身近な地域資源を活用したバイオマス燃料や風車、太陽光発電など地域分散型の再生可能エネルギーの事業を興していくことが大切です。そのための法・制度、生産システムの確立を求めていくことが必要です。

(15)食料・農業政策の取り組み
安倍内閣は、農林水産業を「成長戦略」の柱の一つにあげ、規制改革推進会議の提言をもとに「農業改革」を進めています。企業の農業参入や規模拡大を進めるとともに、条件不利地域や小規模農業の切り捨てにつながる施策も進められています。また、食料自給率(カロリーベース)は38%と、依然として低迷が続いていますが、今後の通商交渉によってはさらなる低下が予想されます。
 特に、今年度からは米の生産調整の数量目標配分が廃止され、また、生産調整に参加した農家への直接支払交付金が無くなります。このように、安倍政権は貿易自由化、競争原理を追い求める一方、食料の安全保障をおろそかにしています。急進的な農業改革によって、地域社会や国土保全に貢献している農業の多面的機能を軽視し、農村地域を支えてきた多様な担い手を切り捨てることは、自給率のさらなる低下につながります。今後も農民・消費者団体と協力し、際限のない国際競争や規模拡大ではなく、食料自給率の向上や所得補償制度の拡充、食品の安全性向上などの法・制度確立と着実な実施を求めていく必要があります。また、各地域でも食の安全や農林水産業の振興に向けた自治体の条例作りや計画の着実な実施が重要です。

2.具体的な取り組み課題
(1)平和憲法を守る取り組み
①戦争国家づくりを推し進める安倍政権の動きに対抗する全国的運動として「戦争をさせない1000
人委員会」の取り組みをすすめます。人々の「生命」(平和・人権・環境)を重視する「人間の安
全保障」の政策実現を広げていく「武力で平和はつくれない!9条キャンペーン」、「9の日行動」な
どを各地で行います。「持続可能で平和な社会(脱原発社会)」を求める「さようなら原発1000万人
アクション」のとりくみと連携します。

②「総がかり行動実行委員会」「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」主催の共同行動に取り組む
とともに、「戦争をさせない1000人委員会」独自の諸集会・行動、宣伝活動を展開します。

③戦争法の廃止・憲法改悪の阻止の取り組みを引き続き全力で進めます。米軍再編、自衛隊増強な
どを許さない取り組みと連携して、日米軍事同盟・自衛隊縮小、「平和基本法」の確立、日米安保
条約を平和友好条約に変えるを取り組みすすめます。とりわけ、改憲発議や国民投票が具体化した
場合は、従来の国会前をはじめとした大衆行動を中央・東京で開催するとともに全都道府県で実施
します。

④自民党による改憲策動に対抗する取り組みを強め、立憲フォーラムと協力し、院内外での学習会
などを東京やブロック単位で開催します。
また、機関誌「ニュースペーパー」での連載企画や冊子発行、論点整理をホームページで掲載す
るなど適宜情報発信します。
 さらに、SNSの利用による「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」などの教宣を充実していきます。

⑤新しい時代の安全保障のあり方や、アメリカや東アジア諸国との新たな友好関係についての大衆
的議論を巻きおこす取り組みを引き続きすすめます。

⑥5.3憲法集会を、2015年以来の共同の取り組みを継続、「9条改憲NO!平和といのちと人権を!5.3
憲法集会」として開催し、安倍政権とたたかう諸団体・個人の総結集をめざします。あわせて、全
国各地での多様な取り組みを推進します。

⑦「憲法理念の実現をめざす第55回大会」(護憲大会)は、下記日程で佐賀県・佐賀市にて開催し
ます。2018年については、佐賀県内において11月17日~19日の3日間の日程で開催する準備をすす
めています。
11月17日(土)午後 開会総会
11月18日(日)午前 分科会
11月19日(月)午前 閉会総会

(2)緊張が高まる東北アジアの中で、専守防衛の枠を超えて拡大する防衛政策にたいする取り組み
①「戦争をさせない1000人委員会」とともに、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、および「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」に結集し、平和安全保障関連法(戦争法)の廃止および憲法9条改悪阻止の取り組みをすすめていきます。

②自衛隊基地の新設、基地機能の強化に対しては、地域のフォーラムの呼びかける行動を支援するほか、全国的な課題とするために、機関誌、ホームページ等での情報提供の他、情宣用の資料作成などを行います。

③専守防衛から逸脱する装備・技術研究に反対し、防衛予算の拡大に反対する取り組みを行います。軍事強化を容認する雰囲気が市民社会に浸透していくことがないよう情報宣伝活動を進め、その活動に資するための資料作成を行います。また人権問題にかかわる自衛官の隊内いじめや自殺などにも関心をよせ、「防衛大人権侵害裁判に支援する会」の取り組みに協力していきます。

④防衛装備移転三原則に基づく武器・技術の輸出に反対し、政府援助をやめさせる取り組みを追及します。

(3)進む日米軍事同盟と基地機能の強化に対する取り組み
①全国基地問題ネットワーク、オスプレイと低空飛行に反対する東日本連絡会など在日米軍の問題にかかわる団体と連携して取り組む課題のなかで、日米軍事一体化やその枠組みが明文化された行政協定である日米ガイドラインの問題を追及していきます。

②普天間基地に配備されたオスプレイの配備を撤回させ、横田基地への空軍仕様のオスプレイの配備を阻止する取り組みを行っていきます。オスプレイと低空飛行に反対する東日本連絡会や全国基地問題ネットワークおよび反基地運動に取り組む市民団体との協力を強化し、沖縄等米軍基地問題議員懇談会に結集する国会議員とも連携して、政府交渉を行っていきます。

③在日米軍基地の機能強化に反対し、米軍基地がある14都道府県運動組織の取り組みに協力していきます。また日米地位協定の抜本的な改定を求める取り組みを追及します。こうした課題に資するため、情宣活動用資料等の作成を行います。

④辺野古新基地建設を許さず、沖縄の過剰な基地負担をやめさせるために、沖縄平和運動センターのよびかける取り組みを支援し、協力していきます。また、平和フォーラム沖縄事務所を今年度更新し、沖縄からの情報発信に努めます。また、総がかり行動と連動した取り組みを行うほか、「辺野古土砂搬出反対」全国連絡協議会との連携を追及します。

⑤山城博治沖縄平和運動センター議長らの裁判闘争を支援していきます。

⑥「復帰46周年(第41回)5.15平和行進」(5,15沖縄平和行進)を呼びかける沖縄平和運動センターを支援し、全国からの結集を目指します。2018年は、5月10日~13日の日程で開催します。
5月10日(木)全国結団式
 5月11日(金)平和行進1日目
 5月12日(土)平和行進2日目
5月13日(日)平和行進3日目・県民大会

(4)緊張が高まる東北アジアの非核・平和を求める取り組み
①韓国の平和運動団体と連携し、米韓軍事演習など軍事的恫喝や制裁措置の強化などに反対する運動を進め、日米韓の政府への要請に取り組みます。
韓国の平和運動団体から提案のあった国際平和機構「KIPF(korea international peace forum)」には、「戦後70年 新しい東アジアへの一歩へ! 市民連帯」の枠で参加し、国際的な連携の強化に努めます。

②韓国の平和運動団体からインターン学生を受け入れ、将来の国際連帯強化をにらんだ人材育成を行っていきます。

③あらゆる核に反対し平和を求める立場から、北朝鮮政府に核放棄を求めるとともに、米国が朝鮮戦争の休戦協定を平和協定へと転換する協議を直ちに開催するよう米国に求めていきます。

④引き続く東北アジアの緊張状態や「制裁」による在日コリアンの人権侵害の動きに対して、日朝国交正常化全国連絡会による対話と友好の取り組みをすすめ、政府・外務省などに対する働きかけをおこないます。

(5)民主教育を進める取り組み
①大阪市における教科書採択の不正に対して、第三者委員会の議論を注視しつつ、育鵬社版教科な
どの採択阻止に取り組んできた市民と連携して、採択取り消しなどの方向性をもって、真相の追究
を行ないます。また、文科省の責任を追及するともに、教科書無償化措置法においての対応を求め
ていきます。

②育鵬社や教育再生機構が大阪府岸和田市の企業と結託した、教科書展示会での不正アンケート問
題では、大阪の運動団体と連携し、大阪市議会での追及に取り組むとともに、公正取引委員会への
資料提供などを通じて不当採択の問題として排除勧告などを引き出すよう取り組みをすすめます。

③政権の意図に偏った恣意的な教科書検定の実態を明確にし、バランスのとれた教科書の記述内容
を求めて取り組みをすすめます。

④憲法改悪反対の取り組みと連動し、「修身」などの復活を許さず、復古的家族主義、国家主義的
教育を許さない取り組みを展開します。

⑤人に優しい社会への取り組みを様々な方向から強化し、貧困格差を許さない方向からも、教育の
無償化への取り組みを強化します。

⑥歴史教育課題・道徳教育課題に対応するため、問題・課題を共有し授業実践の還流を目的とした
ホームページを、市民等の協力のもと立ち上げ、運営していきます。

⑦日本教科書の中学校道徳教科書については、市民とともに教育委員会等へ採択しないように取り組みをすすめます。

(6)ヘイトスピーチと様々な人権課題
①朝鮮学校に対する差別を許さず、「高校無償化」裁判や各自治体からの補助金支給の実現に取り組む運動を支援していきます。「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」を中心に全国や韓国の支援運動との連携をすすめていきます。

②実効性ある人権救済法の制定と国際人権諸条約・選択議定書の批准に向け、「国内人権機関と選択議定書の実現を求める共同行動」や日弁連の取り組みに参加・協力します。「国連・人権勧告の実現を!」実行委員会に参加・協力し、日本政府に国連の人権勧告を遵守するよう求めるキャンペーンを取り組みます。

③狭山差別裁判第3次再審の実現など、えん罪をなくす取り組みに参加・協力します。

④冤罪発生の危険性を高め、捜査機関の権限拡大を図る刑事司法改革関連法に反対するとともに、実効性ある「取り調べの可視化」の実現を求めて運動を進めていきます。

⑤「共謀罪」「特定秘密保護法」の廃案を求めます。

⑥障がい者権利条約の完全実施を求める当事者団体の取り組みに協力します。

⑦重大な人権侵害をもたらす恐れが指摘されている医療観察法の廃止を求める取り組みに協力します。

⑧定住外国人参政権法案の制定に向けて、参政権ネットや民団と協力して、全国各地で取り組みをすすめます。またヘイトスピーチを許さず、アジアへの蔑視・差別感に対する教育活動に取り組んでいきます。

⑨女性の経済的自立と意思決定の場における発言力を高めるための運動に取り組みます。「選択的夫婦別姓」を巡る最高裁の不当な判断に反対し、I女性会議など関係団体とともに取り組みを強化します。「クオータ制」実現のための「女性の政治参画推進法案」の成立を全力で支援します。さらに、女性の人権を国際的水準に引き上げる「同一価値労働同一賃金」の実現を運動の要として取り組みます。

⑩一般市民の戦争犠牲者の救済を求める取り組みとして、東京大空襲訴訟・空襲被害者立法の支援をおこないます。重慶爆撃の被害者による訴訟の取り組みに協力します。

⑪「菅首相談話」にも明記された遺骨問題や文化財返還問題については、関連団体と連携した取り組みをすすめます。「強制連行・企業責任追及裁判全国ネットワーク」などがすすめる「朝鮮人強制労働被害者補償立法の実現を求める要請署名」に協力します。

⑫外国人労働者とその家族の権利保障のため、そして外国人技能実習生制度の見直しを求めて、各運動体と連携していきます。

(7)核兵器廃絶、核軍縮の取り組み
①核兵器廃絶に取り組む国内外のNGO・市民団体との国際的な連携強化をはかり、核兵器廃絶に向けた取り組みを進めます。

②原水禁・連合・KAKKIN3団体での核兵器廃絶に向けた運動の強化をはかります。

③東北アジア非核地帯化構想の実現のために、日本政府や日本のNGOへの働きかけを強化し、具体的な行動に取り組みます。さらにアメリカや中国、韓国などのNGOとの協議を深めます。

④非核自治体決議や「核兵器禁止条約」批准決議などを促進し、自治体の非核政策の充実を求めます。さらに非核宣言自治体協議会や平和市長会議への加盟・参加の拡大を促進させます。

⑤政府・政党への核軍縮に向けた働きかけを強化します。そのためにも核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)や国会議員と連携した取り組みをすすめます。

⑥日本政府に対し、核兵器の非人道性声明に署名しながら、核政策としての拡大抑止政策を変更しようとしない姿勢をただします。国連の「核兵器禁止条約」の成立後、被爆国として核兵器廃絶に向けた積極的な役割を果たすよう追求します。

⑦日本のプルトニウム増産への国際的警戒感が高まる中、再処理問題は核拡散・核兵器課題としても取り組みを行います。

⑧8月に国連ジュネーブ本部を訪問する高校生平和大使の運動をサポートし、運動の強化をはかります。

⑨「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に協力します。

(8)被爆73周年原水爆禁止世界大会及び被災65周年ビキニデー集会       
① 被爆73周年原水爆禁止世界大会は、下記の日時で開催します。
7月下旬        福島大会
8月4日~6日   広島大会
8月7日~9日   長崎大会

② 被災65周年3.1ビキニデー集会を2019年3月に静岡で開催します。

(9)原発再稼働を許さず、脱原発に向けた取り組み
①原発の再稼働阻止にむけて、現地と協力しながら、課題を全国化していきます。合わせて自治体
や政府への交渉を進めます。

②老朽原発の危険性を訴え、廃炉に向けた運動を進めます。

③「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」の運動に協力し、事務局を担い、「1000万
署名」の達成、各種集会等の成功をめざして取り組みの強化を進めます。

④核燃料サイクル政策の破綻を明らかにし、六ヶ所再処理工場の建設中止を求め、「高速炉開発」
に反対します。また、「4,9反核燃の日」全国集会を開催します。現地の取り組みを支援するとと
もに、国・事業者などへも要請や提言を行います。

⑤フルMOX燃料の大間原発や上関原発などの新規原発の建設中止を求めていきます。

⑥中越沖地震の集会、JCO 臨界事故の集会など各地の集会に協力します。

⑦高レベル放射性廃棄物の地層処分のための「科学的有望地」の動きに対して、その問題点を明ら
かにし、各地での取り組み支援とネットワークの強化を図ります。

⑧イギリスやインドなどへの原発輸出に反対し、政府などへ要請します。

⑨原子力空母の危険性を訴え、寄港地での防災対策について政府や自治体と交渉を行います。

⑩電力システム改革に対して、政策決定の過程を明らかにさせる取り組みを行います。

⑪eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)などによるキャンペーン、パワーシフトにも協力し、消費者の側から購入電力を選ぶことを推進し、再生可能エネルギーへの転換を進めます。

⑫廃炉費用、福島原発事故処理費用の原則事業者負担を求め、託送料に上乗せすることに反対します。

(10)フクシマの課題を前進させる取り組み                                      
①福島原発事故に関する様々な課題について、現地と協力しながら運動を進めます。被災者問題や
被曝問題について、政府や行政への要請や交渉を進めます。

②フクシマ連帯キャラバンを、労働組合の若い組合員を中心に取り組みます。

③福島原発事故にかかわる各種裁判を支援します。

(11)ヒバクシャの援護・連帯に向けた取り組み
①原爆症認定制度の改善を求めます。被爆者の実態に則した制度と審査体制の構築に向けて、運
動をすすめます。

②在外被爆者の裁判闘争の支援や交流、制度・政策の改善・強化に取り組みます。

③在朝被爆者支援連絡会などと協力し、在朝被爆者問題の解決に向けて取り組みます。

④健康不安の解消として現在実施されている健康診断に、ガン検診の追加など二世対策の充実を
はかり、被爆二世を援護法の対象とするよう法制化に向けた取り組みを強化します。さらに健康
診断などを被爆三世へ拡大するよう求めていきます。また、被爆者二世裁判を支援します。

⑤被爆認定地域の拡大と被爆者行政の充実・拡大をめざして、現在すすめられている被爆体験者
裁判を支援し、国への働きかけを強化します。

⑥被団協が進める核兵器廃絶国際署名に協力します。

⑦被曝線量の規制強化を求めます。被曝労働者の被曝線量の引き上げに反対し、労働者への援護・
連帯を強化します。

⑧被爆の実相を継承する取り組みをすすめます。「メッセージ from ヒロシマ」や「高校生1万
人署名」、高校生平和大使などの若者による運動の取り組みに協力します。

⑨世界のあらゆる核開発で生み出される核被害者との連携・連帯を強化します。

(12)環境・食の安全・食料・農業問題に取り組み
①様々な通商交渉に対し、その情報開示を求め、問題点を明らかにする取り組みを幅広い団体と連携を図りながら進めます。そのため、集会や学習会などを開催していきます。

②輸入食品の安全性対策の徹底とともに、日米二国間交渉等にともなう食品規制緩和の動きに反対して、消費者団体などと反対運動を進めます。

③「食品表示制度」に対し、消費者のためになる表示のあり方を求めていきます。「機能性食品表示制度」の機能表示制度に関する見直しを求めます。

④遺伝子組み換え食品の表示制度の改善や照射食品を認めない運動をすすめます。

⑤「きれいな水といのちを守る全国連絡会」の事務局団体として、活動を推進します。特に10月に岩手県盛岡市で開かれる「第35回きれいな水といのちを守る全国集会」の開催に協力していきます。また、「水循環基本法」の具体化に向けた取り組みを求めます。

⑥関係団体と協力して、「森林・林業基本計画」で定めた森林整備の確実な推進、地産地消による国産材の利用拡大、木質バイオマスの推進などにとりくみます。

⑦温暖化防止の国内対策の推進を求め、企業などへの排出削減の義務づけや森林の整備など、削減効果のある具体的な政策を求めます。

⑧自然(再生可能)エネルギー普及のための法・制度の充実を求めていきます。また、温暖化防止を名目とする原発推進に強く反対します。

⑨農林業政策に対し、食料自給率向上対策、直接所得補償制度の確立、地産地消の推進、環境保全対策、自然エネルギーを含む地域産業支援策などの政策実現を求めます。

⑩各地域で食品安全条例や食育(食農教育)推進条例づくり、学校給食に地場の農産物や米を使う運動、子どもや市民を中心とした支援米作付け運動や森林・林業の視察・体験、農林産品フェスティバルなどを通じ、食料問題や農林水産業の多面的機能を訴える機会をつくっていきます。

⑪「第50回食とみどり、水を守る全国集会」の開催(日時・会場等未定)に向けて取り組みます。

3.平和フォーラムの運動と組織の強化にむけて                         
(1) 巨大な安倍政権と闘う組織の強化を
2017年10月22日投開票で行われた第48回衆議院選挙では、自公政権を中心とした改憲勢力が3分の2を占める結果となり、衆・参両院で改憲勢力が3分の2を占め、憲法改正に向けた動きが加速することは間違いありません。2018年1月22 日、安倍首相は、開会された通常国会の施政方針演説で「各党が憲法の具体的な案を国会に持ち寄り、憲法審査会で議論を深め、前に進めていくことを期待する。」と、年内の国会発議をめざし、通常国会で議論を加速させる構えです。
明治維新150年の今年は、安倍政権のもとでいよいよ憲法改正に向けて正念場の闘いを迎えることになります。
これまで3度廃案になった共謀罪法案は、法務大臣のでたらめ答弁、法務官僚の出席強行をはじめとする強権的な法務委員会運営、前代未聞の「中間報告」による強行採決により、2017年6月15日に可決・成立し、7月11日に施行しました。
また、福島第1原発の事故以降、停止していた原発も、「原発はいらない」という世論に背を向け老朽原発も含めた再稼働へと進んでいます。
一方、沖縄の辺野古新基地建設は、全国の機動隊を導入した暴力と山城博治沖縄平和運動センター議長の不当逮捕・長期拘束にみられるような国家的な弾圧により、沖縄の民意は踏みにじられ工事が強行されています。
私たち平和フォーラムは、かつてない多くの困難な課題に直面しながら、平和と民主主義、人権と反差別、原発とエネルギー政策などで市民や労働組合の奮闘に依拠しながらその運動の中心を担い、安倍政権の政策と全面的に対決してきました。
もちろん、この安倍政権との闘いは、第一に、総評労働運動の歴史的な運動方針を継承し、共闘の基礎基盤を担う産別中央組織と中央団体によって。第二に、全都道府県に組織されている地方組織の活動によって支えられてきたものです。
私たちの取り組みは、今なお重要な局面が継続しているばかりか運動領域も拡大し、かつ困難さも増してきています。これらに対応できる総体としての平和フォーラムの組織強化が、今こそ内外から求められています。
そして、この組織強化は、平和フォーラムの事務局機能と組織力量の強化にとどまることなく、平和フォーラムに結集する中央組織、地方組織の総体の意志統一を基礎としたものでなければなりません。
そのため、組織検討委員会や同作業委員会での討議をはじめとして、組織強化の具体化について中央・地方の機関会議などで討論を進めていきます。

(2)より広範な運動展開と社会の多数派を目指す活動
安倍政権の国会内の多数の力と民意をまったく顧みない政治手法に怒りの声をあげる新たな人々の広がりが生まれてきています。また、従来保守層と言われていた人々の中からも、「戦争」への危機感から抗議の声があがっています。このように、安倍政権自身が生み出しているこのような政権反対派の人々と連帯、連携することも重要な課題です。
「さようなら原発1000人アクション」と「戦争をさせない1000人委員会」の運動は、従来の枠組みを超えた新しい運動を展開してきました。なかでも結成から4年を経過した「戦争をさせない1000人委員会」は、ほぼ全都道府県で「1000人委員会」が結成され、市町村でも「1000人委員会」地域組織も立ちあがってきています。しかし、この間の取り組みの中でも正確な実態については把握しきれておらず、平和フォーラムの中央、地方組織の将来の組織強化を展望するうえからも「1000人委員会」の拡大と合わせて組織的な整備も行っていかなければなりません。
一方、戦争法の成立に続き安倍政権下で憲法改悪を許してはなりません。今日の圧倒的な安倍政権に対峙し、戦争法の廃止や憲法改悪を阻止するためには「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」、さらには、全国で訴訟を展開する「違憲訴訟の会」との連携は重要です。
また、立憲主義の確立を求め、超党派の国会議員でつくられた「立憲フォーラム」や地方議員を対象にした「立憲ネット」との連携した取り組みも広げていかなければなりません。
さらに、組織労働者への不断の働きかけなくして、社会の多数派形成はなく、連合との共同行動や連携の重要性がますます高まっています。平和と憲法、立憲主義、核兵器廃絶と被爆者援護、人権と環境など、平和フォーラムが取り組む課題を提起しながら、共有課題を尊重して連合とより積極的な連携をはかることが中央・地方で求められています。

(3)運動を担う主体の強化について
平和をめぐる意見の相違が先鋭化している中、労働組合において平和と人権の意義、役割をより丁寧に宣伝する活動が重要となっています。「防衛力の増強が戦争の危機を招来している問題」、「侵略戦争の過去の謝罪と総括がいかに不十分か」、「憲法の先見性、普遍性」など、とくに若い世代に丁寧に伝えることが重要です。次代をになう人材の育成が組織強化の使命です。これらの課題を目的意識においた対策が柔軟に講じられる必要があります。沖縄平和行進やフクシマ連帯キャラバンなどの具体的な課題を通じて若い世代が参加し交流できるよう工夫することが求められます。
また、運動の協力者(サポーター)を組織活動の周りにひきつけ、行動を共にする中から後進の育成を展望する取り組みを検討します。個々の集会、運動などの機会が、新しい運動の担い手の結集の機会でなければなりません。そのために、運動の情報発信をより広く行い、取り組みの意義と目的が迫力のあるものとするよう努めます。

(4)政策の実現をめざして
平和フォーラムは東アジアの平和友好、立憲主義の回復と憲法理念の実現、脱原発、人権、貧困・格差の解消、食と環境などの運動の到達点を踏まえ政策実現の取り組みを進めなければなりません。そのため、新しい政策実現への展望を切り開きつつある運動体との連携を進める中で政策化をはかり、政府との対抗関係を構築します。
とりわけ、ナショナルセンターとしての連合にその役割を果たすことを期待し連携を強化するとともに、広範な運動の構築をめざしていきます。
また、立憲フォーラムや立憲ネットをはじめ、立憲民主党、民進党、社民党など連携し、よりきめ細かな政府・各省・自治体等への対策を強化します。また、2019年春に予定されている統一自治体選挙に向けての取り組みは重要です。立憲フォーラムをはじめとする国会議員、立憲ネットワークなどの地方議員、連合の奮闘に期待すると同時に平和フォーラムも従来の取り組み経過を踏まえ最大限の取り組みを進めます。
こうした取り組み全体を促進するため、研究者・研究団体、NPO・NGO、青年や女性団体などとの連携も強化します。

(5)結集軸としての組織活動
①機関運営について
平和フォーラムの目標を具現化するために、常任幹事会、運営委員会・原水禁常任執行委員会を開催し、具体的な運動の課題と目標の共有化につとめます。また、各地方組織の課題、共通目標の確認のため各都道府県・中央団体責任者会議、全国活動者会議を開催するとともに、各地方ブロック会議とも積極的に連携します。
②情報の発信と集中、共有化について
全国組織の平和フォーラムにとって、ホームページ、メールマガジン、機関誌「ニュースペーパー」、パンフレットやブックレット、記録集の発行などは情報の発信と共有化のための重要な役割を果たしています。それぞれの機能を有効に活用し、一方的な情報発信にならないような工夫、情報の整理と蓄積などが今後の課題です。
また、「さようなら原発1000万人アクション」「戦争をさせない1000人委員会」の運動の中で、インターネットやその他の通信手段で平和フォーラム・原水禁の取り組みに参加する市民が増えており、インターネット等による平和フォーラム・原水禁の精力的な発信力が求められています。
③集会の開催、声明などの発信
中央、地方の大衆的な集会の開催、署名活動、社会状況や政治的動向に対する見解や声明などの発信などは、平和フォーラムの運動目標を具現化し、社会的な役割を拡大するために重要な取り組みです。日程や場所など参加しやすい環境づくりとともに運動の拡大をめざし、前例踏襲型にならない工夫が必要です。
④政策提言の発信
環境政策、エネルギー政策と原子力規制、基地と原発依存からの脱却、ヒバクシャの課題など、政府等に対する政策要求・提言活動を強めます。
 そのため、学者やNGO専門家の協力を得るよう努めます。

(6)具体的な取り組み
①事務局体制の強化
全国組織の事務局として、情報の収集発信機能を強めるとともに、地域の運動と中央の課題を結びつけ、持続的な運動を組み立てる視点で運営します。
(ア)課題別担当、中央団体・労働団体、ブロック別担当を配置し、コミュニケーション機能を強めます。
(イ)要請・紹介文書・各種資料・宣伝物などについて、構成組織の実態を踏まえた作成・連絡・配布など丁寧な運営に努めます。
(ウ)情報提供体制の充実に努めます。
・提供する情報量の充実をめざします。
・ホームページについて、引き続き画面の改革、掲載情報量の豊富化をめざします。
・リーフ、パンフレットなどの充実をめざします。
・機関誌「ニュースペーパー」、メールマガジンは内容の充実をはかります。とくに「ニュースペーパー」については配布先の拡大、発行部数の拡大をはかります。

②組織の運営
(ア)平和フォーラムでは、常任幹事会、運営委員会を定期的に開催すると同時に中央・地方組織責任者会議、全国活動者会議など必要に応じて開催し、取り組みの意思統一を深めます。また運動目的に合わせて課題別委員会を設置します。
(イ)原水禁では、常任執行委員会を定期的に開催すると同時に、必要に応じて専門部、専門委員会を設置し、課題別の取り組みを推進します。また各種集会では、可能な限り運動交流部会を開催し、意志統一と交流を深めます。引き続き、平和フォーラム運営委員会と原水禁常任執行委員会を合同で開催します。
(ウ)運動の重点化、年中行事型運動の見直し、運動スタイルの見直しなど運動全体の改革を行います。
(エ)各ブロック協議会を確立し、各都道府県組織を強化するとともに、地域社会への影響力の拡大をめざします。
(オ)組織体制や運動づくりを男女共同参画の視点で行います。
(カ)常任幹事会のもとに組織検討委員会を設置し、長期的視野にたった運動と組織のあり方を協議し提言をまとめます。また、その課題検討のために、組織検討委員会・作業委員会で議論を深めます。
(キ)運動の前進と継続のため、財政基盤の確立と効率的な執行に努めます。
(ク)沖縄の闘いの強化と全国への情報発信などのため「平和フォーラム沖縄事務所」を継続します。

③組織の拡大と連携
(ア)平和フォーラムの運動を進める上で労働組合の参加は不可欠であり、ナショナルセンターの連合中央、地方連合との連携を強化します。
(イ)引き続き労働団体、市民団体、平和団体に加盟を呼びかけます。国会議員会員の拡大も含めて取り組みを強化します。
(ウ)運動の拡大をめざして、平和団体、市民団体、人権団体との連携を強化します。研究者、文化人との連携も強化します。
(エ)国際的平和団体、反核団体、市民団体、労働団体などと連帯し、国連や関係政府に働きかけると同時に運動の国際連帯を強化します。とりわけ東アジアを重点とした関係強化を図ります。
(オ)制度・政策活動の充実に向けて、他団体、政党・議員との連携を強化し、政府・各省・地方自体・関係企業などとの交渉力を強めます。また政策課題に対応した立憲フォーラムをはじめとする議員団会議、議員懇談会との連携を強化します。
以上

 

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