被災47周年目の3月1日、原水禁は静岡市内でビキニデー全国集会を開き、県内外から400名が参加し、核被災の恐ろしさが改めて浮き彫りとなりました。
「原水禁・平和フォーラムが世界の核廃絶運動の先頭に立って自覚と責任をもって活動をすすめていこう」という岩松繁俊原水禁議長のあいさつの後、3名のゲストから問題提起と訴えをうけました。
『ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンスツ』誌発行人のスティーブン・シュウォーツ氏は冷戦後も米・ロ・中の核保有国は各々の理由(政治的・経済的)から核に固執していることを厳しく指摘。一部で言われている『核はいい保険』(信用できないから核をもつ)という論議に対しても、「火災を起こす条件のある家に保険をかけるようなもので、とんでもない話。これ以上核依存を続けることは許されません」と述べました。東京国際大教授の前田哲男さんは「北東アジアの非核地帯にむけて」と題して講演、2月に起きた米原潜と「えひめ丸」との衝突事故を例に上げ、「第五福竜丸にとっても、死の灰を浴びたことが青天のへきれきだったと同様に、えひめ丸事件も軍事の論理がまかり通ってしまう点では軌を一にするものだ」と指摘。その上で、第五福竜丸が不幸を引き受けながらも示した核兵器廃絶と北東アジア非核地帯実現に向けた取り組みの重要性を強調しました。そして、核保有国のうち、中国は核の先制不使用を決めており非核地帯条約を拒否する理由もなく、ロシアも隣国モンゴルが非核国家宣言をしたことを国連総会で確認された時に認めており、条約に反対することは矛盾が生じることから、日本政府が積極的に推進し、アメリカが認めるなら、実現の条件は十分にあるとし、逆流の動きである核の傘に依存し、日韓台湾を巻き込む集団的安全保障の動きや、ブッシュ政権が推進し、日本が協力するNMD(本土ミサイル防衛)やTMD(戦域ミサイル防衛)の開発をすすめる動きに対して実現させない世論をつくることの重要性と北東アジアの非核地帯化実現が、朝鮮半島の平和と統一に寄与し、アメリカのTMDへの反論になることを強調しました。
さらに第五福竜丸の元乗組員で被災者の大石又七さんは、「被災後に生まれた初めての子どもが奇形児で死産であったこと、差別を恐れて46年前に東京に逃げるなど、被災の事実をこれまで語らなかったが、政府の慰謝料の支払いで決着済、もう被爆者でないという姿勢は許せない。23人いた仲間のうち11人が死去した現在、核兵器、放射能の体験とその恐ろしさを未来のために皆さんに語りついでいく決意になった」とあふれる思いを語りました。集会は佐藤康英原水禁事務局長が、今夏の原水禁世界大会の構想を提案し、「これ以上のヒバクシャを作らないためにも、内外に向かって非核社会のメッセージを発信しよう」とした「ビキニデーアピール」を採択して終了しました。