WTO・FTAにおける農業交渉に対する要請
WTO(世界貿易機関)交渉は、先に、今後の交渉に前提となる大枠合意がなされました。関税などの具体的な数値は今後の交渉に委ねられたものの、アメリカや農産物輸出国からは依然として、上限関税の設定や、高関税品目の大幅引き下げ、関税割当数量の大幅拡大などが要求されています。
また、アメリカなどが行っている国内農家への手厚い補助や、輸出補助政策について、大枠合意では実質的削減に結びつかないといわれ、途上国などから反発が高まっています。このような公平さを欠いた交渉を是正し、地球規模での食料・環境問題を解決するため、各国が自国の生産資源を最大限活用し、共生・共存できる「新たな農産物貿易ルールの確立」が求められています。
また、FTA(二国間自由貿易協定)については、現在、韓国、マレーシア、フィリピン、タイとの交渉が行われていますが、特に東南アジア各国からは農産物の貿易自由化が求められています。先のメキシコとのFTA交渉でも見られたように、工業製品の輸出促進のために、農業分野が大幅な譲歩を強いられ、食料や農業は大きな影響を受けることになるのは必至です。
私たちは、WTOおよびFTAにおける農業分野の交渉にあたって、農業の多面的機能の発揮と食料主権、各国の農業の共存と食料自給向上が可能な貿易ルールが実現できるよう、下記の通り強く求めます。
記
| 1. |
WTO農業交渉では、世界的な飢餓の拡大や地球規模での環境悪化につながることのないよう、農林水産業の多面的機能の発揮や食料主権を確立し、各国の多様な農林水産業が共生・共存できる貿易ルールに改めるよう確固たる姿勢で臨むこと。 |
| 2. |
上限関税の設定や関税割当数量の一律的・義務的拡大には断固反対すること。 |
| 3. |
国内農林水産業の維持を可能とする関税率水準や国家貿易体制、特別セーフガードの維持などの国境措置を確保し、急速な市場開放には絶対に応じないこと。 |
| 4. |
行き過ぎたAMS(助成合計量)削減の是正と、「緑の政策」の要件緩和など国内支持政策に関する適切な規律を確保すること。 |
| 5. |
各国とのFTA交渉において、農林水産物の関税撤廃・削減は、国内農業へ打撃を与え、WTO農業交渉や他国との交渉に重大な影響を与えることから、絶対に行わないこと。 |
| 6. |
WTO・FTA交渉についての情報公開を徹底し、各国の農業者や消費者・市民の声を反映すること。 |
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