破綻したプルトニウム利用 ― 政策転換への提言 ―
2010年06月28日
編著:原子力資料情報室/原水禁
発行:緑風出版
定価:1,700円
日本のエネルギー政策は、依然として原子力を中心としています。そして、原発の使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、高速増殖炉で燃料として使用することを模索しています。本書は多くの科学者が疑問を投げかけている「核燃料サイクルシステム」が、すでに破綻し、いかに危険で壮大なムダであるかを、詳細なデータと科学的根拠に基づいて分析しています。そのうえで、このシステムを無理に動かそうとする政府に対して、政策の転換を提言しています。ぜひお読みください
もくじ
まえがき 藤本泰成
Ⅰ 核燃料サイクルとはなにか 伴英幸
Ⅱ 動けない六ヶ所再処理工場 澤井正子
1 再処理工場とは何か
六ヶ所再処理工場建設計画の経過/日常的な放射能放出/原発一年分の放射能を一日で出す再処理工場/米に炭素‐一四、海藻にプルトニウム/被曝量は〇・〇二二ミリシーベルト?/被曝量は仮定と推定の結果/四つの線量評価/環境の汚染が始まっている
2 海外の再処理工場の実態
北西大西洋の放射能汚染/セラフィールド再処理工場(イギリス)/ガードナー論文/COREの報告/ラ・アーグ再処理工場(フランス)/ACROの測定活動
3 六ヶ所再処理工場の現状
高レベル放射性廃液/高レベル廃液一五〇リットルが漏洩/再処理は放射性廃棄物を減らす?/すでに放射性廃棄物の増加が始まった/アクティブ試験であふれる廃棄物/使いみちのない回収ウラン/余剰プルトニウム生産工場
4 再処理工場直下に活断層が存在
大陸棚外縁断層は活断層
[再処理語録]
Ⅲ 高速増殖炉に未来なし 伴英幸
はじめに/日本の高速増殖炉開発/高速増殖炉懇談会/設備としての歴史/「もんじゅ」の仕組みとナトリウム漏洩火災事故/ビデオ隠し/動燃改組と実用化戦略調査研究/原子力立国計画と核燃料サイクル/高速増殖炉の実用化はあるか
[「もんじゅ」語録]
Ⅳ プルサーマルがもたらす無用の危険 上澤千尋
1 はじめに
2 プルトニウムという物質
核兵器材料/プルトニウムの毒性
3 プルサーマルの安全上の問題
MOX燃料の物理的・化学的な問題点/MOX燃料の核的特性に関する問題点/MOX燃料使用にともなう放射線の危険性/MOX燃料の軽水炉での使用の安全上の問題点/プルサーマルで大事故が起こったら
[プルサーマル語録]
Ⅴ 誰もが損する核燃料サイクル 西尾漠
1 再処理工場の経済性
一九兆円の請求書/六ヶ所再処理工場の総費用/コストはどんどんふくらむ/再処理単価は五億円?/コスト試算隠し/動かし続けることは不可能/すべてのツケは地元に
2 高速増殖炉の経済性
ふくれあがる建設費/ウランの有効利用になるか/増殖はできるのか/第二の「むつ」/高速増殖炉実用化の経済性
3 プルサーマルの経済性
MOX燃料の値段/六ヶ所MOX燃料加工工場/影響なしの実態
4 結論
Ⅵ 世界は脱プルトニウムに向かう 西尾漠
1 再処理
各国の再処理事情/先進再処理のゆくえ/建設中止の歴史
2 高速増殖炉
米欧の高速炉開発/旧ソ連の高速炉開発/アジアの高速炉開発
3 プルサーマル
MOX燃料製造と再処理
4 プルトニウム処分
イギリスの処分オプション
Ⅶ 核燃料サイクル政策の転換を提言する 原子力資料情報室/原水爆禁止日本国民会議
「原子力政策大綱」の改定/放射性廃棄物は埋設から管理へ/安全規制機関の独立/情報公開・住民参加の保障
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