憲法審査会レポート、2026年

2026年04月17日

憲法審査会レポートNo.68

参院憲法審査会が今国会初の開催

4月15日、今国会初となる参議院憲法審査会が開催され、各党からの意見表明が行われました。来週22日の開催についてもすでに合意されており、「一票の格差」をテーマに参考人質疑が行われる予定です。また、16日には衆院憲法審査会も開催されています。

4月12日に行われた自民党大会では、自民党総裁である高市首相が「時が来た」などと発言し、来年の党大会までには国会での改憲発議の目途を立てる方針を打ち出しています。

しかし、改憲を最優先とすることを求めるような世論は、まったく存在していません。こうした政治主導で改憲ムードを煽り立てるようなやり方は、はっきりと批判されなくてはなりません。私たちとしても引き続きこうした動向に注視しながら、情報共有を図っていきます。

【参考】

高市首相「来年党大会までに改憲発議のメド立てる」 自民党大会で異例、具体的日程に言及「時は来た」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/481334

2026年4月15日(水)第221回国会(特別会)
第1回 参議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=8959

【マスコミ報道から】

参議院憲法審査会が今の国会で初めて開催 各党が意見表明
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015100061000

参議院で今国会初の憲法審査会開催 合区めぐり「解消をいち早く」「国民主権が侵害されている」と参考人陳述
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2601534

自民、合区解消訴え 参院憲法審が今国会初開催
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026041500938&g=pol

参院憲法審「合区解消を」 首相改憲姿勢に批判相次ぐ
https://www.47news.jp/14156739.html

参院は甘くない?…今国会初の参院憲法審査会 衆院より与党の勢力薄く、改憲に走る高市首相と温度差くっきり
https://www.tokyo-np.co.jp/article/482033

参院憲法審「合区解消」で周回遅れ挽回なるか 今国会初の開催、根強い護憲派の影響力
https://www.sankei.com/article/20260415-BO66XQQFCJJMND2HZCSGY6ZUMM/

2026年4月16日(木)第221回国会(特別会)
第3回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56183
※「はじめから再生」をクリックしてください

【マスコミ報道から】

衆憲法審 自民“緊急事態条項を” 中道“臨時国会召集期限を”
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015100861000

高市総理「時は来た」発言後、初の衆院憲法審査会 今後の議論の進め方について討議
https://www.fnn.jp/articles/-/1031217

「緊急条項」集中討議を提案 与党、改憲加速狙う―衆院審査会
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026041600142&g=pol

自民「任期延長の集中討議を」 中道「国会召集期限が優先」
https://www.47news.jp/14160672.html

自民党、緊急事態条項の集中討議を提案 衆院憲法審査会
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1643K0W6A410C2000000/

衆院与野党、憲法審査会の進め方巡り討議 今国会2回目 論点整理済み項目から検討か
https://www.sankei.com/article/20260416-SQE44WFR4RL6PGWJRDIOJ5HTZM/

【傍聴者の感想】

全体で一時間半弱、各会派の発言が一巡したのち、自由討議に移り、希望者が発言するという流れで進行しました。

まず自民党からは、緊急事態条項について「すでに議論は尽くされている」との認識が示されつつ、「選挙困難時に全国の一体性が損なわれ広範性に関して議論を深める必要がある」として、速やかに具体的な検討を進めるべきだという主張が述べられました。

対して、中道改革連合は、前回の議論で指摘された内容を踏まえ、個別の論点ごとに丁寧に議論を重ねていく必要性を指摘し、拙速な議論の進行をけん制しました。

日本維新の会は、「“会議は踊るされど進まず”を繰り返している。可及的なテーマは緊急事態条項と時代の遺物である憲法9条に収斂されたことは事実で、さらに活発な議論を進めるべき」と主張しました。

チームみらいは、一括して議論を進めるのではなく、個別の論点を一つひとつ整理しながら議論すべきだと述べました。発言自体は整理され表現も容易なものでしたが、会派として憲法議論にどのような軸を持って臨んでいるのかはやや見えにくい印象も受けました。

最も強い違和感を覚えたのは国民民主党の発言でした。「改憲を実現するためには自分たちの提案に沿って進めるしかない」といった姿勢が前面に出ており、改憲そのものが目的化しているかのように感じられました。本来、憲法改正は「より良い社会を実現するための手段」であるはずですが、その前提が置き去りにされているのではないかという懸念を抱きました。

共産党の発言は、現在の国際情勢に触れつつ、改憲ではなく憲法理念の実現こそが重要であるという主張でした。本来であれば極めて重要で筋の通った指摘であるにもかかわらず、それまでの議論が「改憲ありき」で進んでいたために、あたかも異なる方向性の発言であるかのように受け止められてしまう空気があったことも否定できません。

自由討議に入ってからは、「少数意見も丁寧に拾い上げ、数の力で押し切ることがないようにすべきだ」との中道からの発言がありました。まさにその通りだと感じる一方で、各会派の発言後に起こる拍手、とりわけ自民党や日本維新の会の発言に対して大きな拍手が起こっていたことから、少数意見がかき消されていくのではないかという危うさも感じました。

また、緊急事態条項をめぐる議論において、時の総理大臣や内閣に対する根拠のない信頼を前提とする発言が散見されたことにも強い違和感を覚えました。国際情勢を見渡せば、多数の支持を得て選ばれた政権であっても、必ずしも常に適切な判断を行うとは限らない現実があります。国会の機能強化の議論ばかりを進めることは極めて危ういものです。

今回の審査会を傍聴したことで、拙速な改憲議論への懸念が、より強くなりました。

TOPに戻る