憲法審査会 | 平和フォーラム

2026年10月30日

憲法審査会レポートNo.80

今週は29日に衆議院憲法審査会が開催されました。参議院憲法審査会については28日に行われた幹事懇談会で、11月4日に今国会初となる憲法審査会を開催することで合意されています。

【参考】

参院憲法審、11月4日初討議
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026102800696&g=pol

2026年10月29日(木)第222回国会(臨時会)
第2回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56493
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【マスコミ報道から】

衆院憲法審 国民投票広報協議会めぐり与野党が討議
https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261029de67628

与党、偽・誤情報対策訴え 「広報協議会」規程案議論―衆院憲法審
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026102900214&g=pol

国民投票でネット対応議論 衆院憲法審、偽情報を警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2941K0Z21C26A0000000/

衆院憲法審、広報協議会規定のイメージ案提示 ネット巡り政党差
https://news.yahoo.co.jp/articles/670331f7b348f4a8c60cf9244b977bdd4035cd6d

「国民投票広報協議会」規定案を議論 衆院憲法審 憲法改正に関し国民に判断材料提供
https://www.sankei.com/article/20261029-KTJ5RBEXSBOILC5JNPHGTWPXYM/

【傍聴者の感想】

きょうの議題は「国民投票広報協議会の関係諸規程」でした。国会で改憲発議された際、改正案の広報のために設置される「国民投票広報協議会」の具体的な運用のあり方を定める「規程」のイメージ案を法制局が提示し、その後討議に移りました。

自民や維新は「ピン留め(この間自民党・新藤幹事が連発している語句。議論はもう不要、確定させよう、の意のようです)」「成案を得るべき」などと主張、それでも「協議会が行うことが検討されている事項」(ファクトチェックなどの偽・誤情報対策、インターネット利用のガイドライン、プラットフォーム事業者との関係など)については引き続き議論が必要だとも述べました。

他の会派からは広報協議会の役割としてネット広報を位置付けることやAIなどへの対応の必要性、「ファクトチェック」というかたちで自由な意思表明へ介入することへの懸念などの指摘が相次いでいました。

自民・維新などは今国会中にも話をまとめたいところなのでしょうが、いまや世界的な問題として対処すべき偽情報やAIなどへの対策を、国民投票にかかわるところだけに切り縮めて議論するのは適当でしょうか。また、(改憲を発議した当の国会の下に置かれた)広報協議会が賛否に偏らず公平・公正・平等に広報するというコンセプトそれ自体の難しさからすれば、簡単に結論を出せる問題とは到底思えません。

「いのちを見つめ 平和をつなぐ、憲法理念の実現を求める全国署名」にご協力ください!

一人ひとりの人権が尊重され、立憲主義に基づく市民が主役となる社会、すべての国の人々がお互いを尊重し合い、戦争を放棄する国際社会の実現のために、「いのちを見つめ 平和をつなぐ、憲法理念の実現を求める全国署名」に参加して声を上げましょう。

詳しくは→ https://www.peace-forum.com/info/kenpourinen-shomei.html
オンライン署名→ https://change.org/kenpourinenshomei

2026年10月23日

憲法審査会レポートNo.79

10月22日、今臨時国会初となる衆院憲法審査会が開催されました。政権与党の自民・維新は、今国会会期中に衆参憲法審査会の下に「条文起草委員会」を設置することを目標としていると考えられます。いっぽう、自民・維新による「憲法改正条文起草協議会」は10月6日・14日とくり返し開催されていますが、改憲項目などでいまだ両党には隔たりがある状況です。

今年4月の自民党大会では、高市首相が「改正の発議について、メドが立った状態で来年の党大会を迎えたい」と広言しました。来年2027年の自民党大会は2月の予定であることもあり、与党は今国会で何らかの具体的成果をつくることに必死になるものと思われ、いっそうの警戒をもってこれらの動きに注視する必要があります。

【マスコミ報道から】

進むか改憲議論 与党は条文起草委の設置目指す 緊急事態条項軸に議論へ
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1384750/

与党、9条改正議論を再開 現行法制への影響整理
https://www.47news.jp/15080637.html

2026年10月22日(木)第222回国会(臨時会)
第1回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56464
※「はじめから再生」をクリックしてください

【マスコミ報道から】

衆議院憲法審査会 ヨーロッパ訪問受けて与野党が討議
https://news.web.nhk/newsweb/na/nd-20261022de63454

衆院憲法審査会が再開 「意見集約に向け議論を」 古屋会長が呼びかけ
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000542112.html

改憲に与野党温度差、「めど」見通せず 今国会初の衆院憲法審
https://mainichi.jp/articles/20261022/k00/00m/010/207000c

改憲の緊急事態条項、維新が早期条文化を主張 欧州を引き合いに討議
https://www.asahi.com/articles/ASVBQ32FCVBQUTFK00TM.html

自民「今こそ改憲」、公明「内容と効果を慎重に検討」 今国会初の衆院憲法審、起草委焦点
https://www.sankei.com/article/20261022-IC4KQ7WSKRPW7G37WULV32B4IQ/

【傍聴者の感想】

衆議院では予算委員会の審議中は他の委員会はあまり動かさないという慣例があり、その流れで憲法審査会も開かないという不文律があるといわれますが、あくまでも慣例であって各会派が合意すれば開けるという柔軟な運用がされているようです。

10月5日に開会した第222回臨時国会は、簗前農水相の地元での「予算カット発言問題」で冒頭から紛糾し、憲法審査会の開会ももう少し先になるかと高をくくっていたのですが、前々日に「開かれそうだ」の一報が入り、急遽日程を調整して傍聴に駆けつけました。

この日の憲法審査会は9月2日から13日までの日程で、スイス連邦、ハンガリー及びイタリア共和国の憲法や国民投票制度について調査した調査議員団の報告と、報告に対する質疑でした。調査のポイントとしたのは、①国防、安全保障、②緊急事態条項、③国民投票の3項目を軸として、調査に訪れた3か国は何度も憲法改正が行われていることから対象としたとの説明でした。

視察に参加した自民党の新藤議員は、緊急事態時の議員任期延長についてハンガリーの例を挙げ、「国民による民主的統制を絶やさないための非常手段で、議員の地位を守るためではない」と説明しつつ、議論を深める必要性を強調しました。日本維新の会の馬場議員は、議員任期の延長について憲法に明文規定のないスイスの状況と比較して、「わが国の議論は大きく進み、議論は出尽くしている」と述べ、5月に衆院事務局が示した「条文素案」を基に、条文作成作業に速やかに入るよう主張するなど、調査報告というよりもこれまでの自身の主張を繰り返しました。

これに対し、民主改革の会の西村議員は、緊急事態への対応について「国民生活、経済、外交など課題は山積している。憲法改正が最優先の課題とは思えない。憲法改正までして行うべきなのか、説得力のある説明をいただけていない」と指摘して、「権力を持つ側が憲法改正を積極的に提案してくる場合、正当性や必要性を厳しく判断することは当然のことだ」と主張しました。

紙幅の都合で調査の報告内容や質疑のすべてを紹介できませんが、憲法にはその国の歴史、政治体制の変化、戦争や革命の経験、社会が大切にしてきた価値観が強く反映されることが海外調査で明らかになることを感じました。

すべての国に通底している近代憲法の精神は、憲法で国家権力をしばり、自由や権利を守る考え方が土台となっていることです。憲法議論は、日々の政局対応や感情的な応酬から距離を置き、落ち着いた環境で合意点と対立点を整理しながら進めるべきです。「議論は出尽くした」と声高に主張する馬場議員の姿勢には眉をしかめるばかりです。

今臨時国会でも、財源が明らかになっていない飲食料品の消費税減税や民意の切り捨てになりかねない議員定数削減など、市民生活に直結し民主主義のあり方を脅かしかねない重要な課題が山積しています。慣例による不文律の申し合わせなのかもしれませんが、改憲ありきの拙速な審査会の開催には最大限の注意を要します。

【国会議員から】西村智奈美さん(民主改革の会・衆議院議員/憲法審査会委員)

最近の憲法議論について、私の基本的な考え方を改めて申し上げながら、調査報告に関して意見を述べます。

現在、憲法「改正」が最優先の課題と私には思えません。逆に「国旗損壊罪」のように、憲法違反の疑念が各方面から示されている法律が、多数の力で成立していることに強い危機感を感じます。国民生活、経済、外交など、憲法改正以外に課題は山積しています。こうした中、例えば緊急事態の対応についても、参議院選挙の合区解消についても、憲法改正以外に方法がないのか。憲法改正までして行うべきなのかについて、説得力ある説明をいただけていません。

権力者が勝手な政治を行わないよう憲法によって国家権力を制限し、国民の自由や人権を守るべきだと考えるのが立憲主義です。憲法改正を権力を持つ側である政府や与党が積極的に提案してくる場合、その理由の正当性、必要性を厳しく判断することは当然だと考えます。こうした私の立場から、改憲の旗を振る高市総理大臣の最近の発言には強い違和感があります。

9月24日、総理は日本会議の会合へのメッセージで、「憲法は時代の要請に合わせて、本来定期的な更新が図られるべきだ」と述べています。改正の中身に触れず、定期的な更新などと述べるのは、憲法をソフトウェアのアップデートか何かと同列に考えているかのような表現で、適当とは思いません。また先週16日の参議院予算委員会での辻元清美議員との質疑で、「憲法はあくまで国家権力を制限するもの」とする辻元議員に対し、総理は例えば「現行日本国憲法の前文にも、当時日本が目指そうとした理想の姿が書かれています」と、現行憲法前文に理想について書かれていることを引き合いに出し、国家権力の制限のみでなく、国家の理想についても書き込むことに強いこだわりを示しました。こうした総理のこだわりにも私は強い違和感を持ちます。さらに、この総理答弁、非常に問題です。日本国憲法前文について「当時日本が目指そうとした理想」と、勝手に過去形にされているのですが、全部の理念は現在でも日本が目指すべき理想なのではないでしょうか。いつから過去の理想になったのでしょうか。こうして現行憲法の理念を補足にねじ曲げる答弁に強い憤りを感じます。

本日、本審査会の海外調査の報告をお聞きしました。やはり海外調査には意義があると感じる重要な指摘を複数お聞きすることができました。団長報告のハンガリーについての部分が特に重要だと感じましたので繰り返し読み上げます。「2010年選挙で3分の2超の議席を獲得したオルバン政権による2011年基本法の制定と、その後の「時に権力維持のため」との評価もある15次にわたる改正等憲法改正が、時の権力の維持に恣意的に利用された様子が述べられ、このように頻繁な改正を重ねているためか、ハンガリーの要人からは一様に、制定後80年にわたり改正を経ることなく、現在に至っている日本国憲法の安定性に対して羨望の念が示されました」と、わが国にとって大変名誉なコメントもいただいたようです。これらを受けた古谷団長の所見でも、「国家の姿が定まらない中で、憲法もその波に翻弄されるように17次にわたる改正を繰り返し、制度的、国家的な安定を欠いてきた歩みは、憲法改正のあり方を考える上で極めて示唆に富むと感じたところです」と、大変意義深い学びを得られたようです。私も強く共感いたします。

海外調査データ、これらの学び、所見を今後の審査会の運営にしっかり生かしていただくことを強く希望して、私の発言といたします。

(憲法審査会での発言から)

「いのちを見つめ 平和をつなぐ、憲法理念の実現を求める全国署名」にご協力ください!

一人ひとりの人権が尊重され、立憲主義に基づく市民が主役となる社会、すべての国の人々がお互いを尊重し合い、戦争を放棄する国際社会の実現のために、「いのちを見つめ 平和をつなぐ、憲法理念の実現を求める全国署名」に参加して声を上げましょう。

詳しくは→ https://www.peace-forum.com/info/kenpourinen-shomei.html
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2026年07月24日

憲法審査会レポートNo.78

7月22日、参院憲法審査会で「国民投票法改正案」が採決されたものの、24日・本号編集時点では参院本会議での採決には至っていません。国会延長により会期末は25日となっていますが、「副首都」構想法案の成立が見通せないことから、再延長などという動きが出ています。

これは政府・与党の国会軽視による「身から出た錆」であり、野党に責任転嫁できるものではありません。前号の繰り返しとなりますが、「このような政府・与党には憲法という根幹となるルールに手を出す資格などないことが、よりいっそう明白になっていると言えます」。

2026年7月22日(水)第221回国会(特別会)
第8回 参議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=9213

【マスコミ報道から】

国民投票法改正案 参議院憲法審査会で賛成多数で可決
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015182381000

国民投票法改正案を可決 参院憲法審、24日にも成立
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026072200136&g=pol

国民投票法案が可決 参院憲法審、24日成立へ
https://www.47news.jp/14664463.html

国民投票法改正案、参院憲法審で可決 ネット規制は「必要な措置を」
https://www.asahi.com/articles/ASV7Q1C2PV7QUTFK008M.html

「国民投票法」改正案が参院憲法審で可決、24日成立へ 賛成の立憲民主「これで完成するわけではない」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/502968

【傍聴者の感想】

7月22日、参議院憲法審査会は、日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(衆第11号)(衆議院提出)に対する質疑、討論、採決(附帯決議含む)という流れで進行しました。発声した傍聴者に対して「出ていけ馬鹿野郎」などと怒鳴る委員の姿もあり、一時異様な雰囲気になりました。

事前の幹事会が長引いたため、予定より遅れて10時10分に開会しました。質疑は小西洋之委員(立憲)、原田大二郎委員(公明)、山添拓委員(共産)、奥田ふみよ委員(れいわ)の順に、9人の法案提案者(衆議院憲法審査会委員)に対して行われました。

そもそも憲法改正をするは必要ない、十分な議論がなされていない、ネット社会の状況に十分に照らし合わされていない、憲法改正は望まれていない、という趣旨の質疑者からの発言に対し、衆議院の憲法審査会で繰り返されたものと同様の回答をする法案提案者たち。「憲法審査会を通して議論を進めていきます」「議論を進めていく中で、中身が詰まった部分から形にしていく」という、見切り発車もいいところだと思いました。

今回の「改正手続き法を改正する法案」についても、曖昧な回答の仕方や言い切れない部分が多いところからも、議論途中で「もういいだろう」と採決に進んだように感じられます。

討論に進み、山添委員が反対意見を述べた後、小西委員が「賛成の立場で」と発言した一瞬、傍聴席からは声にならない声が聞こえました。「憲法解釈すらきちんとないまま暴論で毎週憲法審査会をやるなんて」「憲法が壊れたら国民を守れるものはなくなる」というまっとうな発言をしてきた姿が印象的だったこともあり、落胆した傍聴者がいたようでした。

採決は、賛成多数で可決。その後、吉田忠智委員が付帯決議を読みあげた後に、あわせて付帯決議も採決し、こちらも可決となりました。

立民会派が賛成に回った理由は、付帯決議で「ダメなものはダメ」としっかりやっていくからいいだろうということでしょうか。もちろんしっかりと議論ができるなら、問題はありません。しかし、衆議院ではそれが出来ないまま今日に至ったのに、これからの憲法審査会できちんと議論ができるのかは疑問です。

「いのちを見つめ 平和をつなぐ、憲法理念の実現を求める全国署名」にご協力ください!

私たちは、日本国憲法の基本理念「基本的人権の尊重」、「主権在民」、「平和主義」の実現を求めます。
私たちは、すべての人びとの人権が尊重される社会、差別のない社会、多様性を認め合う社会、違いを尊重し合い誰ひとり取り残されることのない社会を求めます。
私たちは、民主主義が守られ、権力の集中を許さない立憲主義に基づく政治を求めます。
私たちは、戦争放棄を宣言する日本国憲法9条を変えることに反対します。
私たちは、憲法前文で謳う「国際協調主義」の実現のために、日本政府が国際社会の先頭に立つことを求めます。

私たちは、政府・国会に次のことを求めます。
1.私たち市民が求めていない憲法「改正」はやめてください。
2.大軍拡路線を止めて、社会保障や教育の充実など市民生活を優先してください。
3.日本政府は、世界平和の実現のために国際社会の先頭に立ってください。

詳しくは→ https://www.peace-forum.com/info/kenpourinen-shomei.html
オンライン署名→ https://change.org/kenpourinenshomei

2026年07月17日

憲法審査会レポートNo.77

本号編集時点では国会に会期延長の提案がされていませんが、7月25日までの小幅延長が見込まれています。こうした動きにより、15日の参院憲法審査会での「国民投票法改正案」の採決は見送られました。また、衆院憲法審査会では当初今国会中に目論まれていた「条文起草委員会」設置が見送られています。

衆院議員定数削減法案しかり、皇室典範改定案しかり、「副首都」構想法案しかり。まともな審議なしで強行しようとするも、国会運営上の最低限のルールすら守れずに空回りする様子が見て取れます。このような政府・与党には憲法という根幹となるルールに手を出す資格などないことが、よりいっそう明白になっていると言えます。

【マスコミ報道から】

国民投票法改正案、立憲が参院憲法審での採決見送りを自民へ伝達
https://mainichi.jp/articles/20260715/k00/00m/010/133000c

与党、条文起草委見送り 衆院憲法審、中道の反発強く
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026071400808&g=pol

2026年7月15日(水)第221回国会(特別会)
第7回 参議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=9171

【マスコミ報道から】

参議院憲法審査会 国民投票の課題めぐり意見交換
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015177841000

国民投票法案、採決を見送り 参院憲法審、野党が反発
https://www.47news.jp/14629034.html

国民投票法改正案、質疑と採決を見送り 会期延長に野党反発
https://mainichi.jp/articles/20260715/k00/00m/010/391000c

【傍聴者の感想】

15時10分開会と、通常の時間設定(13時ころ)とは異なる開催となった参議院憲法審査会。同時刻で開催された党首討論や国会会期延長といった状況との関係だと思われます。

今回は「改正国民投票法」(改憲手続き法)についての採決を見送るということが確認されての開催となりました。よって、各党各会派からこれについての意見を表明するということになり、一人8分の持ち時間の中で8人が話して散会となりました。

それぞれの発言内容については以下の通りです。

(自民)国民投票法を公職選挙法と同様にすることは、事務負担の観点から考えても必要。広報協議会の役割が重要になるので両院憲法審査会でそのルール作りを進めるべき

(立憲)世論は今、憲法改正を望んでいない。ネット広告規制等がないことは欠陥と言わざるを得ない。自由意志がゆがめられる可能性がある限り憲法改正発議は許されない

(国民)速やかに改憲手続き法を改正すべき。ネット規制については事業者のとりくみに期待する。国が直接ではなくてもファクトチェックする仕組みを整えることは重要

(公明)投開票事務の観点から考えると改憲手続き法は速やかに成立をはかるべき。ただこれで環境が整う訳ではないので、両院憲法審査会事務局は次の準備を始めてもらいたい

(維新)速やかに改憲手続き法を改正すべき。憲法改正に向けた条文起草委員会の常設が必要。参議院憲法審査会にも衆議院憲法審と同様にNHKの取材を入れて欲しい

(参政)もともと日本国憲法は占領下でつくられたもので、「改憲」の考えに「全面改正」の観点を入れるべき。街頭宣伝妨害を防止する国民投票運動の規制の追加も必要

(共産)「国民投票法」もともと安倍政権下で強行に作られた反民主的な内容。根本的に欠陥がある。公選法と性格が違うので並べて考えることは間違い。なぜ今必要なのか

(れいわ)今回は採決にならなかったが来週採決するのであれば意味がない。参院憲法審の会長権限で憲法審査会を開くな。最低投票率の規定がないなど問題が多くある。

各党各会派がそれぞれ自分たちの態度を表明するということに終始した1時間でした。れいわ関係者による傍聴行動、また議員会館前でのパブリックビューイングと報告集会に、支援者が多数駆けつけていました。その影響もあって傍聴席はいっぱいになり、一部入れ替えも実施されました。

今週「改憲手続き法」の採決を見送る決定を話し合った際、「来週は採決を実施する」とすでになっているのではないかと感じてしまいました。この一週間、国会の会期延長とあわせ、立憲を中心とした野党のがんばりをできるだけ後押ししたいと考えます。7月16日に開催される衆議院憲法審査会はNHKが入り、放送されます。そこでの議論も注視をしていきます。

今回の法改正は、立会人の要件緩和等が内容になっています。その根底にある「公職選挙法と国民投票法はできるだけ同じルール」が望ましいのか、「二つのそれぞれの違いを考えると異なっていること」が望ましいのか、その相違について議論を尽くす必要があると感じました。憲法「改正」の国民投票についてはもちろん実施したことがないのですから、そこに関わる事務作業の観点も含めた幅広い議論は必要だと考えます。憲法「改正」の中身の議論とは分けたうえで、手続きについても十分見通しを持つことができないのであれば、おのずと結論は、国民投票の実施はそう簡単ではないとなるはずです。拙速に進めると混乱や分断を招く危険性が高まります。

何をもって「時が来た」と判断したのか、今日の憲法審査会の各党各会派の意見表明を聞いていると、到底議論が深まった状態とは思えません。審査会を開くのであれば、その議論内容については「憲法が活かされた社会となっているか」「そうなっていないのであればどういった法改正が必要か」を考える必要があるのだと思います。憲法「改正」の結論ありきで、手続きをどうするかといった話を展開する審査会に、はじめからおわりまで「そうじゃないのだけど」と感じてしまう私の感覚が、間違っているのでしょうか……。

2026年7月16日(木)第221回国会(特別会)
第13回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56385
※「はじめから再生」をクリックしてください

【マスコミ報道から】

衆院憲法審査会 今国会の審議振り返る総括的な討議
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015178131000

自維国、緊急条項「議論加速を」 中道は慎重―衆院憲法審
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026071600107&g=pol

自民、早期の改憲案主張 審査会初中継、中道慎重対応を
https://www.47news.jp/14631304.html

改憲の起草委、今国会でも困難に 高市首相が「時は来た」と主張も
https://www.asahi.com/articles/ASV7J30XLV7JUTFK007M.html

憲法9条めぐり自民「自衛隊明記」維新「国防軍の創設」国民民主「優先度低い」…改憲勢力間でも違い鮮明に
https://www.tokyo-np.co.jp/article/501868

憲法審査会、事実上最後の討議 改憲政党間の主張に隔たり顕著
https://www.sankei.com/article/20260716-JF7PESIOXVMB3FK4PTHUAGNNLM/

【傍聴者の感想】

会期通りであれば今国会最後となる審査会は、国会が延長されるかどうか定まらない中でしたが、「今日で終了」の雰囲気が色濃く漂いつつも、審査会始まって以来初のNHKの実況中継が入る(ネット中継は今までもやっていましたが)ということで、少し「まじめ」さを増して始まりました。

本日の課題は総括的な討議ということで、7つの会派がそれぞれ10分ずつ、会派の主張を行うというもの。したがって相互の質疑応答や新たな知見の提示もありませんでしたが、NHK中継ということもあり、あらためて各会派の姿勢をわかりやすく示すものでした。

自民党の(新藤幹事の)スタンスは「現行憲法の未完成部分を補う」というもので、今の憲法を基本的にあまり悪く言わないというもの。悪しざまに「みっともない憲法」などと発言していた安倍元首相に比べればトーンが変わっていますが、この辺がテレビ中継を意識したものなのでしょうか。

維新の会は、審査会の定例化や「議論が進捗した」ことは自身が成し遂げた成果であると強弁することに半分を費やし、残りの半分は国民民主党・玉木代表の「9条は後回しに」という主張をやり玉にあげ、改憲を主張しつつも与党との違いを目立たせようとする国民民主党の姿勢を批判しつつ自らの「革新性」を主張するというものでした。

その国民民主党の主張は、憲法改正は「護憲・改憲」「保守・リベラル」という二項対立を乗り越えて進まねばならず、議論の幅が大きい9条は急がずに、緊急状態条項と合区解消にしぼって進めるべきで、そうしないと再来年の参議院選に間に合わないから夏休み返上で審査会をやるべきだというもの。本質的な議論を避けつつ改革派のポーズを示し続ける、いかにも玉木代表らしいというのが筆者の感想です。

これらに対して中道改革連合は、改憲そのものを目的とした議論には与しないということを前提としつつ、3つの原則を堅持するために必要があれば検討することは拒まないという姿勢。その上でアメリカとの同盟関係の維持、防衛力の強化は必要であり、安保法制によって相互防衛関係が整備されているから憲法改正は必要がない、一方で自衛隊の民主的統制のために73条に書き込むことは検討の余地があると表明。また緊急事態条項よりも平時の国会機能の充実・強化が重要としつつ、万万が一のための緊急事態に備えるなら、その際に権力の乱用を防ぐための要件の検討こそすべきという見解を示しました。従来の立憲民主党の考え方と変わってきていると個人的には感じる部分もありますが、主張そのものが変わったのか、強調するポイントが変わったのか、目指すものまで変わったのかなどは、審査会での意見表明から軽々に判断はできません。

憲法について議論をすること、テレビ中継を含めて少しでも多くの人が知る機会を得ることは、筆者は悪いことだとは思いません。仮に改憲発議ということになれば、多くの人があらためて憲法に興味、関心を持ち、このことが憲法の価値をさらに高めることになるかもしれません。

ある意味最悪なのは、改憲などしなくても憲法理念が骨抜きにされ、憲法が守られていようがどうだろうが関係ないという事態でしょう。
改憲阻止を声高に叫ぶだけでなく、日常的に個人を尊重すること、主権者としての権利を守ること、他国であっても戦争の犠牲に胸を痛めることを当たり前のことにしていくことが憲法を実践することだろうと思います。

「いのちを見つめ 平和をつなぐ、憲法理念の実現を求める全国署名」にご協力ください!

私たちは、日本国憲法の基本理念「基本的人権の尊重」、「主権在民」、「平和主義」の実現を求めます。
私たちは、すべての人びとの人権が尊重される社会、差別のない社会、多様性を認め合う社会、違いを尊重し合い誰ひとり取り残されることのない社会を求めます。
私たちは、民主主義が守られ、権力の集中を許さない立憲主義に基づく政治を求めます。
私たちは、戦争放棄を宣言する日本国憲法9条を変えることに反対します。
私たちは、憲法前文で謳う「国際協調主義」の実現のために、日本政府が国際社会の先頭に立つことを求めます。

私たちは、政府・国会に次のことを求めます。
1.私たち市民が求めていない憲法「改正」はやめてください。
2.大軍拡路線を止めて、社会保障や教育の充実など市民生活を優先してください。
3.日本政府は、世界平和の実現のために国際社会の先頭に立ってください。

詳しくは→ https://www.peace-forum.com/info/kenpourinen-shomei.html
オンライン署名→ https://change.org/kenpourinenshomei

2026年07月10日

憲法審査会レポートNo.76

衆院議員定数削減法案・「副首都」構想法案をめぐる与党の横暴をめぐり、野党が対決姿勢を打ち出したため、この間、衆参ともに憲法審査会の開催がありませんでした。

衆院議員定数削減法案の見送りによって「国会正常化」が図られた結果、7月9日、2週間ぶりに衆院憲法審査会が開催、16日にはテレビ入りの開催が合意されています。

いっぽう、参院憲法審査会も8日開催の幹事懇談会で、15日の開催とそこでの「国民投票法改正案」審議と採決で合意しています。

したがって今国会中の「国民投票法改正案」成立が見込まれています。このことが改憲発議そのものと直結しているわけではありませんが、今後も改憲に向けた策動を強めていくことが予想されることから、こうした動きにしっかりと対峙していくことが重要です。

【マスコミ報道から】

国民投票法改正案、15日採決 参院憲法審、今国会成立へ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026070800808&g=pol

参議院憲法審査会 国民投票法改正案 15日採決で大筋合意
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015171931000

2026年7月9日(木)第221回国会(特別会)
第12回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56368
※「はじめから再生」をクリックしてください

【マスコミ報道から】

衆院憲法審査会 「合区」や自治体テーマに2回目の討議
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015172671000

自民「改憲で地方自治明確化」 中道は慎重姿勢―衆院憲法審
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026070900150&g=pol

合区、地方自治で各党討議 9条改正も、衆院憲法審
https://www.47news.jp/14596580.html

衆院憲法審、2週間ぶり開催 参院選「合区」巡り討議も与党内に考えの隔たり
https://www.sankei.com/article/20260709-AVFQ2PEDNFL3DECZN2E65ODPDA/

「いのちを見つめ 平和をつなぐ、憲法理念の実現を求める全国署名」にご協力ください!

私たちは、日本国憲法の基本理念「基本的人権の尊重」、「主権在民」、「平和主義」の実現を求めます。
私たちは、すべての人びとの人権が尊重される社会、差別のない社会、多様性を認め合う社会、違いを尊重し合い誰ひとり取り残されることのない社会を求めます。
私たちは、民主主義が守られ、権力の集中を許さない立憲主義に基づく政治を求めます。
私たちは、戦争放棄を宣言する日本国憲法9条を変えることに反対します。
私たちは、憲法前文で謳う「国際協調主義」の実現のために、日本政府が国際社会の先頭に立つことを求めます。

私たちは、政府・国会に次のことを求めます。
1.私たち市民が求めていない憲法「改正」はやめてください。
2.大軍拡路線を止めて、社会保障や教育の充実など市民生活を優先してください。
3.日本政府は、世界平和の実現のために国際社会の先頭に立ってください。

詳しくは→ https://www.peace-forum.com/info/kenpourinen-shomei.html
オンライン署名→ https://change.org/kenpourinenshomei

2026年06月26日

憲法審査会レポートNo.75

2026年6月24日(水)第221回国会(特別会)
第6回 参議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=9123

【マスコミ報道から】

参院憲法審査会 自民など4党提出の国民投票法改正案が審議入り
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015158311000

参院憲法審、緊急集会巡り討議 国会機能の代替可能期間が争点に
https://news.yahoo.co.jp/articles/767959f842147a9d45b156eeca25eb76385d8275

自民、緊急事態条項訴え 立民「憲法私物化」―参院審査会
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026062401011&g=pol

自民「喫緊」vs維新「道草」  参院合区解消の改憲、与党でも乱れ
https://www.asahi.com/articles/ASV6T2SY7V6TUTFK00CM.html

【参考】

<社説>憲法審査会議論 改憲前のめりはいけない
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-5326878.html

【傍聴者の感想】

今回の審査会では、緊急事態対応について各会派からの立場が表明されました。

各党とも日本国憲法第54条2項に示す「参議院の緊急集会」をどう扱うかで意見が割れています。緊急集会の限界を問いながら権限を柔軟にすることで、国会議員の任期延長や選挙実施の延期を可能とする解釈が説明された一方で、緊急集会の活用のみで法の支配と立憲主義は守られるという主張も表明されました。

また他方で、参政党は憲法に自衛隊を明記し作戦行動を付与すべきであると同時に、緊急事態において閣僚や国会議員にスパイ防止法を適用させ、国家存亡にかかる機密情報を保持しなくてはならないと述べました。先の国家情報会議設置法の成立といい、日本をまたも戦争の道へ導かせるものではないかと疑念を持たざるを得ません。

「国民主権の観点から」、「国民の命と暮らし、財産を守るため」……。

審査会では聞こえのいい言葉がよく出たが、これに乗じて時の政権による権力乱用を許してはいけないと思います。主権者である私たち自身が、政治家の言葉をしっかり見極め、改憲ありきの議論に歯止めをかけるべきではないでしょうか。

審査会終盤では、「日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案」の趣旨説明が新藤義孝・与党筆頭幹事(自民党)からなされ、これに関する質疑応答は後日行うこととなり、散会しました。

2026年6月25日(木)第221回国会(特別会)
第11回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56356
※「はじめから再生」をクリックしてください

【マスコミ報道から】

衆院憲法審査会 参院「合区」などテーマに集中的な討議
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015159601000

衆院憲法審査会 参議院の「合区」テーマに集中討議 自民・国民・参政が憲法改正による合区の解消に前向きな姿勢示す
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/withbloomberg/2757055

自民、合区解消へ改憲主張 衆院憲法審、中道は慎重
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026062500125&g=pol

衆院憲法審で参院選「合区」解消を議論、改憲勢力内で意見分れる 自民は議論加速呼びかけ
https://www.sankei.com/article/20260625-CP5U6CJ4X5LWPIVK4HDJPH76HA/

【傍聴者の感想】

本日は参議院選挙における合区の解消が討論のテーマとなりました。

これまでに島根県と鳥取県、徳島県と高知県が「合区」となり、参議院選挙が実施されています。昨年の参院選でも東京選挙区と福井選挙区の1票の格差は3倍以上に開いており、このまま地方の人口減少が進めば、今後も「合区」が行われることが予想されます。

これについて、「投票価値の平等の実現には、憲法の地方自治をめぐる条項には、民意をどう反映するかをめぐる規定がない。飛び地合区をふせぐためにも民意の反映をめぐる条文を追加すべき」(自民)、「投票価値の平等の実現は選挙制度をめぐる唯一の価値基準ではない。合区解消と憲法の問題は別。まずは参議院の選挙制度について議論すべき」(中道)、「1票の価値の平等を実現するためにも、参院選は全国を11ブロックにわけて選挙すべき。道州制の実現にもつながる」(維新)、「投票終了時間を前倒しにしている自治体が増えている。電子投票、インターネットの活用で投票環境を整備すべき」(みらい)、「合区は自民党の党利党略で導入された。参議院は比例代表を中心とした選挙制度に」(共産)といった意見が出されました。

自由討論では、中道の西村ちなみ委員から「衆院の比例定数の削減を進める自民党には、参院選挙における1票の格差の是正を言う資格はない」という指摘があり、私も大いに賛同します。

他方、共産党の「比例区中心の選挙制度を」という主張には違和感を持ちました。たとえば、参議院の「沖縄の風」という会派に所属する2人の参議院議員は沖縄選挙区から選出され、まさに沖縄の代表として反戦平和を訴える役割を果たしています。「比例代表を中心とした選挙制度」になった場合、「沖縄の風」の参議院議員を通じて国会に届けられる沖縄の声が「全国」に埋もれてしまう事態をもたらさないでしょうか。「比例代表を中心とした選挙制度」は沖縄の人々の声を希釈してでも自党に有利な選挙制度下で参院選挙に臨みたいという、自民党のやり方を後押しするおそれがあるように思いました。

2026年06月19日

憲法審査会レポートNo.74

6月18日開催の衆院憲法審査会で「国民投票法改正案」が可決され、19日、衆院本会議を通過しました。参院については24日の参院憲法審査会をもっての審議入りが予定されています。

十分な審議時間もない、改憲それ自体を目的化した、ただただ前のめりな「改正」強行と言わざるを得ません。

【マスコミ報道から】

国民投票法改正案 衆院憲法審査会で賛成多数で可決
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015153261000

国民投票法改正案、衆院憲法審で可決 今国会中の成立めざし
https://news.yahoo.co.jp/articles/0e3f246daa5641056c7dc60769e018dcf6de4572

改憲手続き定めた国民投票法改正案、衆院憲法審査会で可決…投票立会人の選任要件を公選法とそろえる
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260618-GYT1T00235/

憲法改正手続き定めた「国民投票法改正案」衆議院憲法審査会で可決
https://www.fnn.jp/articles/-/1061957

国民投票法改正案 衆院を通過 本会議で賛成多数で可決
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015154441000

【速報】国民投票法改正案が衆院を通過 24日から参院憲法審査会で審議入りへ
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2743210

【参考】

〈社説〉憲法の岐路 国民投票法改定 急がず根本から議論を
https://www.shinmai.co.jp/news/article/gf01d8ntvvksmgmh3n1u7re0

「お互いに顔を立てて」参院は憲法審見送り、巨大与党の衆院と温度差
https://www.asahi.com/articles/ASV6K32W4V6KUTFK00QM.html

2026年6月18日(木)第221回国会(特別会)
第10回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56339
※「はじめから再生」をクリックしてください

【マスコミ報道から】

衆院憲法審査会 9条をテーマに与野党が討議
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015153491000

【詳報】9条改正 各党の見解そろわず 衆院憲法審査会
https://www.47news.jp/14489114.html

9条改正巡る論点整理提案 自民、議論加速狙う―衆院憲法審
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026061801025&g=pol

「9条」集中討議も各党見解に隔たり 衆院憲法審、自民は意見集約を呼びかけ
https://www.sankei.com/article/20260618-ZPAKAVGA5ZJBJLYLP6CBGYGMOI/

【傍聴者の感想】

今回の衆院憲法審査会は、国民投票法改正案の採決が、開始早々行われました。極めて淡々と、委員の緊張感もなく、ヤジもなく、傍聴席は見守る市民でいっぱいにはなってはいますが。

そもそも解せないのですが、3週間前の第7回審査会で、今後の議論のテーマは何にしましょうかと話し合っていました。そして2週間前の第8回審査会で国民投票をめぐる集中討議を行っています。その翌日の6月5日、自民、維新、国民、参政の4党が共同して国民投票改正案を国会に提出。6月11日の第9回審査会で、国民投票法改正案の趣旨説明と若干の質疑が行われたのにすぎません。

それなのに、今回の採決。あまりにも議論がなさすぎます。重要法案がたかだか数時間にも満たない審議時間でよいのでしょうか。議論が尽くされるべき課題については、可もなく不可もないような「次に掲げる事項について必要な措置を講じるものとする」付帯決議が付されたにすぎません。反対したのは共産党の委員のみ。

続いて行われたのが、憲法9条についての討議。まずは各会派が9条にかんしての見解を述べました。委員はほぼ改憲派ですから、特に目新しい議論はありません。国民の玉木さんが、与党の自民と維新の9条改正案で違いがあるのは良くないから、与党でまとめてくださいね、とはっぱをかけているのが印象的でした。

各会派の見解表明の後、数人の委員の発言もあったのですが、気になったのは、一人を除いてすべての委員が、「激変する安全保障環境」を枕詞にしている点です。そして、一人の委員を除いて、憲法前文および植民地主義、加害の歴史に関しての言及なり認識を全く示さない点です。国民やチームみらいが拙速な議論は避けるべきと述べたことがまだしもの救いでしょうか。

2026年06月12日

憲法審査会レポートNo.73

2026年6月10日(水)第221回国会(特別会)
第5回 参議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=9090

【マスコミ報道から】

参議院憲法審査会 緊急事態対応などテーマに参考人質疑
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015146141000

緊急事態条項「不要」 参院憲法審で参考人質疑
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026061000928&g=pol

緊急事態条項「必要ない」 有識者、参院集会で対応可
https://www.47news.jp/14447584.html

【参考】

(社説)「合区」の解消 改憲で対応する問題か
https://www.asahi.com/articles/DA3S16477817.html

【傍聴者の感想】

このところの衆院憲法審査会は、「緊急時の国会機能の維持」を理由とした緊急事態条項の創設、議員任期の延長について、議論は出尽くしたのだから発議に向けた手続きを進めるべきと改憲推進会派から声高に主張されています。

憲法第54条では、「衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に国会を召集しなければならない」とされ、2項では、「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる」とされています。

この日の参院憲法審査会は、早稲田大学法学学術院の長谷部恭男教授と専修大学大学院法務研究科の只野雅人教授を参考人として招き、衆院憲法審査会で議論の中心となっている緊急事態時の対応について参考人との質疑が行われました。

長谷部教授は、衆院の解散後に大規模災害が起きても、現行憲法で参院の緊急集会での対応が規定されているのだから、参院で国会機能を暫定的に代替できると述べられました。その上で、「(憲法第54条1項による)参院緊急集会の70日限界説」について、70日と限定しているのは、時の政権の都合により国会を召集しないことを防ぐためであり、政権の居座りを許さないために設けられていると解するべきとしました。

専修大学大学院法務研究科の只野雅人教授は、あまりにも想定し難い緊急時を挙げて緊急事態条項を創設すると、例外的な対応を長期化させることになりかねず、例外を例外にとどめるための制度設計をすべきとし、緊急事態条項は強い手段と広い例外を認めることになりかねないと指摘しました。その上で、長期間衆議院選挙が実施できない場合も、参議院の緊急集会で対応することが許容されるという認識を示しました。

緊急事態条項は、緊急事態を名目に政権を批判する言論や運動が抑圧される危険性をもちます。権力側にことさら強力な権限を持たせることで差別や暴力、人権侵害が広がった歴史があります。東日本大震災や新型コロナなど、これまでの大災害や感染症の対応で、緊急事態条項がなかったから対応できなかったという事例も示されていません。

現行憲法でも参議院の緊急集会などで対応可能法であることは、この日の参考人からの意見で理解が深まりました。まずは法律でできることを尽くしてから議論すべきで、「改憲ありき」の衆院憲法審査会の議論の進め方に違和感を覚えます。

憲法審査会の衆参両院の温度差や議論内容の乖離が明らかになっています。こうした議論の積み重ねこそ重要であることを感じます。「時は来ました!」とする高市首相の認識は決定的に誤りです。

2026年6月11日(木)第221回国会(特別会)
第9回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56323
※「はじめから再生」をクリックしてください

【マスコミ報道から】

衆院憲法審査会 自民など4党提出の国民投票法改正案 審議入り
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015147181000

自民、ネット広告に法制措置も 国民投票運動巡り
https://www.47news.jp/14451227.html

憲法9条で溝浮き彫りの自民と維新 「2項」維持巡り 衆院憲法審
https://news.yahoo.co.jp/articles/859b6cde497aa1e543bf015c3f04b25eff3a9a5e

投票環境の整備など盛り込んだ国民投票法改正案が衆院憲法審査会で審議入り 来週採決の見通し
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2726462

国民投票法改正案18日採決へ 衆院憲法審で与野党合意 立会人要件緩和や離島開票規定など整備
https://www.fnn.jp/articles/-/1057557

国民投票法改正案が審議入り 野党は投票運動巡るネット規制主張 自民は採決に向け調整
https://www.sankei.com/article/20260611-532SM4ASPFJLFGBWFRKUBFJUO4/

【傍聴者の感想】

本日の審査会は、すでに施行されている公職選挙法の改正内容に国民投票法も平仄を合わせることを目的とした、改正国民投票法の改正案が議員立法で提出され、趣旨説明と質疑が行われました。

立会人の選出や選挙時のFM放送が主な内容で、このこと自体に反対する会派はほとんどありませんが、中道改革連合はそもそも宿題となっている附則4条をめぐる課題や、この間の審査会でもたびたび議論となってきたニセ情報対策、有料広告の資金規制、外国勢力の介入の課題などについて早急に解決することの約束を迫りました。

チームみらいは普通選挙も含めた投票環境の改革、共産党は投票全体を取り仕切る広報協議会が会派比率によって構成されることの不当性などを訴えましたが、法案提出議員は「速やかに議論する」「必要があれば検討する」という答弁に終始しました。

改憲にかかる投票は、「人・政党が自由に主張し、人・政党に投票する」選挙とは異なり、「改正」案の正否を問うものなので、発議にあたっては当然ながらその目的・理由や経過や影響などについて賛否双方の考え方が適切かつ公平に広報されなければなりません。

しかし現行法の規定では、資金力が大きいほど有利、ウソでもデマでも言ったもん勝ち、改憲推進派が投票全般を取り仕切るという状況になることは明らかです。加えて最低投票率の定めもないので、改憲派は改憲に賛成する人だけが投票すればよいという考えに流れるのは必至だと思います。

議論の中では改憲派もフェイク対策や資金規制を課題として発言をしてきていますが、真剣に取り組むつもりがあるかは極めて疑わしく思っています。

改憲発議や国民投票が、市民の中に分断と対立をあおり、社会の不安定化を招くようなことになれば、そのこと自体からして改憲は失敗です。投票制度のあり方は、投票の信頼度や納得性を高めるために極めて重要です。現状における「改憲反対派は敵である」という意識を隠さない改憲推進派の姿勢をみるにつけ、現行の投票法は断じて容認できません。

投票法改正案の質疑後は再び各会派からの「テーマ出し」となり、自民と維新の会は9条と自衛隊について、中道は政治広告に関する規制のあり方について意見を述べました。国民民主の玉木委員は、緊急時の議員任期延長と国会機能の維持に論点を絞り込まないと発議にたどり着けない(だから9条とか自衛隊とか他の課題はもう言うな?)旨の発言をし、参政、チームみらい、共産と発言をして審査会を終了しました。

2026年06月05日

憲法審査会レポートNo.72

【参考】

【速報】自民・維新・国民民主・参政の4党が投票環境の整備を盛り込んだ国民投票法の改正案を提出
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2712066

4党、国民投票法改正案を提出 改憲へ今国会成立期す
https://www.47news.jp/14419640.html

2026年6月3日(水)第221回国会(特別会)
第4回 参議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?sid=9073

【マスコミ報道から】

参議院憲法審査会 緊急事態対応と緊急集会テーマに意見交換
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015139851000

自民、任期延長「必要」 参院憲法審、立民は反対
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026060300972&g=pol

緊急事態条項創設を―自民 任期延長改憲に反対―立民
https://www.47news.jp/14410887.html

参院自民、緊急事態条項の必要性強調 衆院との温度差も 憲法審
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ae187a706c07227e59b0ab1adb06128db1cdbb5

歯止め利かない、緊急集会でできる 緊急事態条項、参院で反対続出
https://www.asahi.com/articles/ASV633DTXV63UTFK00QM.html

【傍聴者の感想】

今回のテーマは「緊急集会」、憲法第54条にある参議院の緊急集会について議論が展開されました。はじめに法制局局長からそもそも「緊急集会」とはどのような想定で何を行うかの説明があり、参議院憲法審査会事務局からこれまでの議論経過についての話がありました。

その後、各党・各会派からの意見表明と説明への質疑が行われ、概要についてのメモは以下の通りです。

自民・古賀さん:
・国民主権の原理からすると国会議員の任期延長の改憲は必要
・いわゆる「70日」という限定的な考えを画一的にするべきではない
・多くの国が何らかの緊急事態条項を制定している
立憲・小西さん:
・衆議院で議論されている「70日」はまったく根拠のない一つの考え方に過ぎない
・「良識の府」として参議院の機能がある、衆議院の議論には抗議の意を示す
国民・足立さん:
・衆参をまたぐ議論が必要であることから、衆参合同の憲法審査会の開催が必要
・衆議院の「イメージ案」について自民党は党として了解、了承しているのか
⇒自民党は党本部でこのことを議論していないとの返答
公明・谷合さん:
・選挙を行うことが第一であり、選挙困難事態をどう防ぐのかを議論すべき
・参議院の緊急集会があるが、極力早く二院制に戻す必要がある
・「合区解消」の議論(地元から代表者を選出する)とセットで議論すべき
維新・柴田さん:
・参議院の緊急集会の限界がある→近いうちに国会が開かれるという前提がある
参政・安達さん:
・緊急事態条項は必要だが、衆議院で出されたイメージ案には反対
・自衛=軍隊とセットで議論をすべき
・日本の建国の精神や歴史に学び、何を守りたいのか、情報戦、経済戦に備えるべき
共産・山添さん:
・戦前の反省から緊急事態時に政府の一存で決めてはならないというのが参議院の緊急集会の意味
・超法規的措置は悪用されることを歴史の事実から学ぶ必要がある
れいわ・奥田さん:
・戦争ビジネス、大企業のいいなりでは戦争への道が加速する
・日本国憲法99条の義務がある国会議員、議員の任期延長など憲法違反

その後、もう一巡ずつそれぞれの議員が意見表明や質問を行いました。

衆議院で言われている議員の任期延長を含む緊急事態条項による改憲の必要性を強く訴えたのは自民・国民・維新、明確に反対を述べたのは立憲・共産・れいわ・参政となりました。

ただし参政党は緊急事態条項など憲法の一部を変えることよりも憲法全体を「日本人」で創るべきとの主張です。

立憲の辻元さんは東日本大震災が起きた後に、衆議院解散を迫る内閣不信任案を出そうとした自民党、新型コロナパンデミックの渦中にある中で大阪都構想の住民投票を実施したのが日本維新の会という事実を忘れてはなりませんと話されました。

日本維新の会の浅田さんは「参議院議員がいる前提の緊急集会において、参議院議員の多くが命の危機に瀕したら…」といった話もありました。

そもそもの立法事実(現状を変えなくてはならない事実)がどこにあるのかという原点は、緊急事態条項には明確にはないと感じています。

「この先こういった困ったことが起こらないように…」「いざという究極的な状況になったときのために…」そう話す国会議員がまずは考えるべきことは、「困ったこと」や「究極的な状況」を作り出さない政策の実現であるはずです。

究極的な自己矛盾議論を聞かされながら、そもそも政治の役割とは何ぞやという、当たり前のことをずっと考えていました。

現在の世界情勢を引き合いに危機意識を煽り、この道しかないと狭義の「防衛」政策に陥り、勇ましい言葉で人気を得ようとする政治状況を見たときに、やはりいつか来た道を歩み始めている実感を持たずにはいられません。

私は私なりに、歴史の事実に学ぶという言葉の意味を、同じ間違いは繰り返さないという教訓であると思ってきました。

憲法は誰のためにあるのか、難しくなくシンプルに考えることで分かりやすく発信して言えるように心がけたいと考えています。

2026年6月4日(木)第221回国会(特別会)
第8回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=56312
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【マスコミ報道から】

衆院憲法審査会 国民投票をテーマに与野党が集中的な討議
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015140911000

衆院・憲法審査会が国民投票テーマに集中討議 自民は国民投票法改正案を今国会提出の方針示し速やかな審議求める
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2709991

自民、国民投票法改正を提案 憲法審、改憲発議で環境整備
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026060400125&g=pol

自民、憲法改正国民投票法審議を 中道、CM規制の議論前提
https://www.47news.jp/14413599.html

ネット広告の規制、手つかずの「宿題」 改憲の国民投票、整わぬ土台
https://www.asahi.com/articles/ASV642SCRV64UTFK00HM.html

緊急事態条項 三つの論点 危うい緊急政令、どうする国会機能維持、創設不要論も
https://news.yahoo.co.jp/articles/f99834836503d9932960d51b606fdc1034df48ee

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