6月, 2017 | 平和フォーラム

2017年06月30日

平和軍縮時時評2017年6月号 自衛隊の現状から安倍改憲案を伐る 湯浅一郎

 5月3日、安倍首相は、憲法改正推進派の団体が開いた集会に自民党総裁としてビデオメッセージを寄せ、憲法9条をとりあげ、戦争放棄をうたった1項と戦力不保持を定めた2項を堅持した上で、自衛隊の存在を明記する条文を加えるよう主張し、2020年には改定憲法を施行したいと述べた。また、これは国民的な議論に値するともした。9条第2項を削除し、「国防軍」の保持を明記するとした2012年の自民党改憲草案と比べるとやや穏便な案で、公明党や民進党の一部にもあるような考えかたに近いものとなっている。しかし、自民党として決めた改憲草案とは異なる案を首相が勝手に提起した形になっていることは驚きである。

 また言うまでもなく9条第2項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」は、一切の戦力の保持と交戦権を否認している。その上で、第3項として、世界第7位に相当する軍事費を使っている実力を有する自衛隊という軍事組織を憲法に明記した場合どういうことになるのか? ここでは、自衛隊の任務、権限はいかなるものかが問題となる。普通に考えれば、第2項と安倍案で言う第3項とは明らかに矛盾していると考えられるが、この点を正確にとらえるためには、自衛隊の現状と歴史的変遷を押さえておかねばならない。ここでは、私なりに関わってきた呉における海上自衛隊の基地強化の変遷を振り返ることを通じて考える。

軍隊としての実体を拡げてきた自衛隊
 
16年3月施行された「平和安全法制」=戦争関連法は、「切れ目のない」(シームレス)という言葉をいたるところで使い,日米の軍事一体化を進め、自衛隊が地理的限定を受けないで戦争に関与できるための大掛かりな法体系となっている。その背景には13年12月、戦後初めて作られた「国家安全保障戦略」があり、その基本理念が「国際協調主義に基づく積極的平和主義」である。同日、約10年の長期的な防衛力整備に関する基本方針である防衛計画大綱、大綱に基づいて5年間の「防衛予算」を定める「中期防(中期防衛力整備計画)」が策定された。 大綱は「統合機動防衛力」をうたい、3自衛隊を統合的に運用し、機動的、柔軟に対処する力をつけていくとする。主要装備の概要を見ると、陸自定数15万9千人を維持、北朝鮮の弾道ミサイル対応を念頭にミサイル防衛の体制を増強し、海自イージス艦を4隻から6隻、さらに8隻へと倍増する。中期防は、減少していた防衛費を増やし、14年度から5年間の所要経費を約24兆6700億円に設定した。重点は南西諸島での離島防衛で、陸上自衛隊に離島防衛を専門的に行う「水陸機動団」を新設。水陸両用車52両を導入する。機動展開能力や警戒・監視活動強化のため、事実上オスプレイを指す「ティルトローター機」17機を陸上自衛隊が購入する。このように整備した防衛力は、安保法制の背景をなす日米の新々ガイドラインに沿って、日米軍事一体化の基礎をなす。
 
しかし、米軍との軍事一体化の流れは、安倍政権で急激に進んだわけではない。この流れは、既に78年11月、旧ガイドラインから始まっている。以来、日米共同演習が普通に行われるようになり、そこから、専守防衛を逸脱する装備、大型化が進行した。

海外派兵の中心を担ってきた海上自衛隊
 
1954年呉地方総監部創設以来、呉基地は「掃海」と「潜水艦」を特色とする基地であった。「潜水艦」は「おやしお型」に加えて2009年より「そうりゅう型」を併せて10隻の潜水艦隊と潜水艦教育訓練隊(練習艦隊)をもつ、日本最大の潜水艦基地である。特に1980年代以降、基地の拡大と艦船の大型化が一段と進んだ。
 
79年、洋上給油ができる補給艦「さがみ」が呉に配備される。基準排水量5000トンで、呉基地では当時一番大きい艦船であった。、同艦が随伴すれば、掃海艇などが世界中どこへでも行けることになり、これは、専守防衛を旨とする自衛隊が持ってはならない装備である。案の定、自衛隊は、80年からリムパック環太平洋合同演習への参加を始める。当時、リムパックは、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアなどで多国間合同演習をしていた。集団的自衛権の行使そのものである。気が付くと、米軍に次ぐ規模は自衛隊。ニュージーランド海軍はフリゲート艦を全国で4隻だけ。当時、自衛隊は約150隻を保有していた。気づいてみれば、日本はニュージーランドの40倍の規模になっていた。海自は2年おきのリムパック演習に参加し続けている。
 
私たちは呉でリムパック演習への海上自衛隊参加に反対する基地への申し入れで、将校に「自衛隊はどういう顔をして米軍と接するのか」、相手は世界最強の軍隊で自衛隊は軍隊ではない、その両者が共通の目標を持った軍事演習をする、おかしいじゃないかしつこく質問していた。1人だけ答えた人がいる。彼は「自衛隊は自衛隊です」と一言答えた。軍隊として米軍に接するという言い方はしなかった。その構造を変えるべきではない。
 
87年「さがみ」退役で8100トンの補給艦「とわだ」型の配備が始まり、90年には補給艦「とわだ」型の3隻体制ができあがる。タイミングが良すぎるが、翌年、湾岸戦争が起きる。91年4月に横須賀、呉、佐世保から掃海艦隊4隻をペルシャ湾に派遣する。法律もないのに閣議決定で行う。戦後初の海外派遣。これから、海外派兵が日常化していく。
 
92年9月から、PKO法によるカンボジア派兵が行われる。背景には洋上給油ができる補給艦を保有し、米軍との共同演習を10年積み重ねてきた実績があったから即座にできたのである。01年9・11後も同じことが繰り返された。小泉政権は1か月半の10月29日対テロ特措法を成立させ、11月2日施行。補給艦第1陣が佐世保を出たのは11月7日で、法施行から1週間も経ってない。03年、イラク特措法の時も全く同じ。洋上給油ができる艦船を持ってしまった意味は、かなり大きなものがある。空中給油機も小牧基地に配備されるようになった。中期防には新型給油機3機調達計画が含まれている。空中給油機が一緒に行けば、空自も世界中どこへでも行ける。
 その後、戦車揚陸艦としての大型輸送艦「おおすみ」、実質ヘリ空母である大型護衛艦「いせ」、「かが」の配備などが相次ぎ、大型化が進行した。これらはほとんど国民的な議論もないまま、既成事実が蓄積されてきた。
 
ヘリ護衛艦「いせ」は「護衛艦」だが、前後の甲板を行き来できる空母型で1万5千トン級のヘリ空母である。日本で一番大きいのが2万トン超の護衛艦「いずも」で、17年4月3日、3月22日に就役したばかりのヘリ空母「かが」が、海上自衛隊呉基地に配備された。「かが」は、23中期防に基づく24DDHとして建造され、全長248メートル、基準排水量は19,500トン、満載排水量26,000トン。費用は1,155億円。「いせ」に比べ基準排水量で5,550トン、全長で51メートルも大型化し、「いずも」とともに海上自衛隊最大の艦船であり、全通甲板のヘリコプター5機のサイトを装備し14機のヘリコプターが搭載可能である。垂直離着陸機オスプレイも使用できる。佐賀空港にオスプレイ配備がされれば、オスプレイを艦載して「離島防衛」などの名目で南西諸島「パトロール」を始めるとみられる。防衛省ではヘリコプター搭載型護衛艦というが、世界的に見ればヘリコプター空母(航空母艦)である。この結果、ヘリ空母は「ひゅうが」DDH-181(舞鶴)、「いせ」DDH-182(佐世保)、「いずも」DDH-183(横須賀)、「かが」DDH-184(呉)の4隻となり、護衛艦隊の4護衛隊群のそれぞれに配備され、海上自衛 隊は艦船の大型化を一層すすめた。
 
この間、呉基地では神戸製鋼の跡地の基地利用、Fバース・Sバースの延長、昭和埠頭の基地利用と、拡大の一途をたどり、2015年にはFバースはさらに420メートルに延長された。「護衛艦」のみならず、1987年の補給艦「とわだ」、1998年3月の強襲揚陸艦(輸送艦)「おおすみ」、掃海母艦「ぶんご」の就役を契機として艦の大型化も進み、現在は強襲揚陸艦「おおすみ」「しもきた」「くにさき」の3隻、2011年就役のヘリ空母「いせ」(佐世保に移籍)、そして、この度のヘリ空母「かが」を擁するに至った(写真)。そうした中で、1991年のペルシャ湾への掃海艇派遣、翌年のカンボジアPKO派遣に始まる相次ぐ「海外派兵」が「専守防衛」の枠を超えて続けられ、今もソマリア(ジプチ)派遣は継続している。こうして、呉基地は、「後方支援」型の基地に加えて「海外派兵」に向けた「出撃基地」の機能を併せ持つ「総合基地」に変容してきたのである。

 
5月1日、横須賀基地に停泊するヘリ空母「いずも」が出港し、2日には呉基地から護衛艦「さざなみ」が出港し「いずも」に合流しで米艦防護にあたった。これは、安保法制の施行を受けて、自衛隊が専守防衛を踏み越え、集団的自衛権行使を可能とする日米の軍事一体化を象徴する出来事であった。今後、こうした動きは常態化していくと考えられる。日米の軍事一体化を進め、自衛隊が地理的限定を受けないで戦争に関与できるための大掛かりな法体系があり、自衛隊は、その法を前提とし、その法の下で運用されている。地震対策など防災における自衛隊の機能から、自衛隊の存在そのものを否定する市民が少なくなっていることを考慮すると、安倍改憲論は自民党改憲草案よりも市民から受け入れられやすい側面を持っている。しかし、そうであればこそ、本稿でみたような自衛隊の現状と実態、そのありようを無視して、憲法に自衛隊の存在を明記することが、そもそも9条第2項と矛盾することを明らかにしていかねばならない。安倍改憲論をつぶしていくためには、自衛隊の現状と歴史的変遷を明らかにし、問題点を浮き彫りにし、その認識を広く市民の間で共有していくことが重要である。



全通甲板の大型艦船がひしめく海上自衛隊呉基地。左側のFバースにヘリ空母「かが」、
右側のEバースに「いせ」、右手前が強襲揚陸艦「おおすみ」。

2017年06月27日

沖縄だよりNO.26(PDF)

http://www.peace-forum.com/okinawa-branch/okinawa_No26.pdf

2017年06月26日

沖縄だよりNO.25(PDF)

http://www.peace-forum.com/okinawa-branch/okinawa_No25.pdf

2017年06月23日

谷本正憲 石川県知事の発言に対する抗議声明

2017年6月23日

石川県知事

谷本正憲 様

 

谷本正憲 石川県知事の発言に対する抗議声明

 

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 藤本泰成

 

報道によると石川県の谷本正憲知事は6月21日、金沢市内で行われた県町長会定期総会後の懇親会で、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)による弾道ミサイル発射に関し「(県内の)北陸電力志賀原発を狙う暴挙をするなら、兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させなければならない」と発言した。翌22日に谷本知事は「人命は尊重されなければならない」として前日の発言を「撤回する」としながらも、「北朝鮮の国民に影響が及ぶ可能性があるが、内部から体制が崩壊していくような状況をつくることが必要だ」などと同じような主張を繰り返した。

 

わたしたちはこうした谷本知事の暴言に対して断固抗議する。

谷本知事の発言は朝鮮に対する敵愾心をいたずらに扇動し在日コリアンへの差別・ヘイトスピーチを助長しかねない。日本にはいまだに韓国、朝鮮、そして在日コリアンに対する差別意識が根強く存在している。さらに近年は「高校無償化制度」からの朝鮮学校排除に象徴されるように、政府・自治体による差別も問題とされている。石川県知事という要職につく者の発言は社会的影響が大きい。谷本知事は公人としての責任を全く自覚していない。

 

「内部から体制が崩壊していくような状況をつくることが必要」という発言は、東アジアにおける戦争危機を煽るという点で問題である。朝鮮による度重なる核実験やミサイル発射の背景には、日米韓3国による軍事的挑発がある。朝鮮の「体制が崩壊していくような状況」を作ろうとしてきたこれまでの政策が、むしろ朝鮮の態度を硬直化させ核武装の道へと追い込んできたのである。しかし今、韓国では「対話による解決」を掲げる文在寅政権が誕生し、米国のトランプ政権も圧力を加えながらも体制の崩壊までは求めないとする対朝鮮政策を決めたばかりだ。朝鮮の脅威を煽りながら「戦争できる国づくり」を正当化しようとする日本のあり方は許すことはできない。真の平和を願うのであれば、「対話による解決」を目指して取り組んでいかなければならない。

 

わたしたちは、谷本知事に対して21日・22日の両発言について真摯に謝罪し撤回することを要求する。敵意をむき出しにするのではなく、対話を通じて信頼関係を築いていくことのみが現在の東アジア情勢を打開する唯一の道であること、そして日本国内からヘイトスピーチをなくし真の多文化共生社会を実現する道であることを、谷本知事には理解していただきたい。

 

2017年06月23日

谷本正憲 石川県知事の発言に対する抗議声明

2017年6月23

石川県知事

谷本正憲 様

 

谷本正憲 石川県知事の発言に対する抗議声明

 

フォーラム平和・人権・環境

共同代表 藤本泰成

 

報道によると石川県の谷本正憲知事は6月21日、金沢市内で行われた県町長会定期総会後の懇親会で、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)による弾道ミサイル発射に関し「(県内の)北陸電力志賀原発を狙う暴挙をするなら、兵糧攻めにして北朝鮮の国民を餓死させなければならない」と発言した。翌22日に谷本知事は「人命は尊重されなければならない」として前日の発言を「撤回する」としながらも、「北朝鮮の国民に影響が及ぶ可能性があるが、内部から体制が崩壊していくような状況をつくることが必要だ」などと同じような主張を繰り返した。

 

 わたしたちはこうした谷本知事の暴言に対して断固抗議する。

 谷本知事の発言は朝鮮に対する敵愾心をいたずらに扇動し在日コリアンへの差別・ヘイトスピーチを助長しかねない。日本にはいまだに韓国、朝鮮、そして在日コリアンに対する差別意識が根強く存在している。さらに近年は「高校無償化制度」からの朝鮮学校排除に象徴されるように、政府・自治体による差別も問題とされている。石川県知事という要職につく者の発言は社会的影響が大きい。谷本知事は公人としての責任を全く自覚していない。

 

 「内部から体制が崩壊していくような状況をつくることが必要」という発言は、東アジアにおける戦争危機を煽るという点で問題である。朝鮮による度重なる核実験やミサイル発射の背景には、日米韓3国による軍事的挑発がある。朝鮮の「体制が崩壊していくような状況」を作ろうとしてきたこれまでの政策が、むしろ朝鮮の態度を硬直化させ核武装の道へと追い込んできたのである。しかし今、韓国では「対話による解決」を掲げる文在寅政権が誕生し、米国のトランプ政権も圧力を加えながらも体制の崩壊までは求めないとする対朝鮮政策を決めたばかりだ。朝鮮の脅威を煽りながら「戦争できる国づくり」を正当化しようとする日本のあり方は許すことはできない。真の平和を願うのであれば、「対話による解決」を目指して取り組んでいかなければならない。

 

 わたしたちは、谷本知事に対して21日・22日の両発言について真摯に謝罪し撤回することを要求する。敵意をむき出しにするのではなく、対話を通じて信頼関係を築いていくことのみが現在の東アジア情勢を打開する唯一の道であること、そして日本国内からヘイトスピーチをなくし真の多文化共生社会を実現する道であることを、谷本知事には理解していただきたい。

 

2017年06月15日

参議院本会議の「共謀罪」法案の強行採決に対する抗議声明

 参議院本会議の「共謀罪」法案の強行採決に対する抗議声明

 

2017年6月15日

フォーラム平和・人権・環境

事務局長  勝島一博

 

6月15日午前2時30分過ぎに開催された参議院本会議において、自民、公明、維新が、「共謀罪」法案(「組織的犯罪処罰法改正案」)の審議を打ち切って採決を強行し、同日午前7時46分、可決されたことに、私たち平和フォーラムは満身の怒りを込めて強く抗議する。

この参議院本会議に先立って、14日午前中には、参議院法務委員会が開催されていたが、政府・与党は、この「共謀罪」をめぐる法務委員会審議を一方的に打ち切るとともに、委員会採決を省略し、本会議で直接採決を行う「中間報告」によって、「共謀罪」法案の採決を強行した。

この「中間報告」という異例の手法を駆使してまで強引に法案の成立を図った背景には、直近の世論調査で、「共謀罪」法案に関する政府の「説明が不十分とする」回答が、77%に達したことや、森友学園及び、加計学園の疑惑が国会審議の中で深まっていったこと、さらに、これらが原因で安倍内閣の支持率が低下したことにより、政府・与党が6月18日までの会期を延長することなく閉会し、幕引きしようと目論んだ結果である。

こうした政府・与党による強行採決は、委員会審議を否定するものであるばかりか、議会制民主主義を踏みにじる強権的な国会運営であり断じて許されるものではない。

さて、衆・参を通じた国会審議の焦点は、この「共謀罪」法案の目的、及び、その対象やどのような場合に適用されるかについてだった。しかし、審議を重ねるほどに明らかになったのは、テロ対策のためといわれた「共謀罪」法案が、全くテロ対策の役に立たないということであった。

それどころか、政府は、参議院の審議で、環境保護や人権保護を掲げた団体であっても、それが「隠れ蓑」であれば処罰の対象となると答弁し、また、「組織的犯罪集団」の「周辺者」も処罰の対象となるとするなど、捜査機関の恣意的な運用によっては、一般市民でも「組織的犯罪集団」の一員となり得る危険性が逆に明らかになった。改正組織的犯罪処罰法が、政府に批判的な労働組合や市民団体を弾圧するための手段となる危険性はより鮮明となったといえる。

また、この間、政府は、2013年の秘密保護法、2015年の集団的自衛権行使を盛り込んだ憲法違反の戦争法の強行成立、さらに、2016年には「盗聴法・刑事訴訟法」の改悪を通じ、「戦争できる国づくり」を進めてきた。そして、今回の「共謀罪」法案は、1925年に制定された「治安維持法」と同様の内容を含んでおり、「戦争できる国づくり」に向けて、監視社会を強め、これに反対する発言や活動を委縮させ弾圧する危険性を内包していることを強く指摘しなければならない。

一方、共謀罪法案について、プライバシー権に関する国連特別報告者のジョセフ・ケナタッチ氏は、その書簡のなかで、「他の法律と組み合わせて幅広い適用が行われる可能性があり、プライバシーの権利やその他の基本的な国民の自由の行使に深刻な影響を及ぼす」との危惧を表明している他、国際的な人権団体であるアムネスティ・インターナショナル日本やグリンピース・ジャパンからも「民主主義の根幹である表現の自由を脅かすもの」として強い懸念が表明されている。

このように「共謀罪」法案に対する、批判や懸念の声が高まりつつあるにもかかわらず、こうした声を一顧だにせず「共謀罪」法案の採決に邁進した安倍政権は、国際社会の人権感覚からも逸脱した民主主義の破壊者であると言わざるを得ず、一刻も早い退陣を求めていかなければならない。

今後、私たちは、新設された「共謀罪」の危険性について、引き続き国民に広げていくとともに、政府や捜査機関による濫用を未然に防いでいく闘いが求められている。そのため、私たち平和フォーラムは、引き続き、「戦争させない1000人委員会」や、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」に結集し取り組みを強化するとともに、平和フォーラム加盟の中央加盟組織、都道府県運動組織が一体となって中央・地方で、監視社会の強化に反対し基本的人権を守る闘いと安倍退陣に向けた闘いを強化するものである。

2017年06月10日

辺野古埋立て反対 共謀罪廃案!国会包囲行動に18000人

6.10集会稲嶺.JPG

6.10大城.JPG6.10清水.JPG

「辺野古新基地建設反対!」「共謀罪は絶対廃案!」。6月10日、国会周辺は安倍政権に対する市民の怒りの輪が取り巻きました。「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委」や「基地の県内移設に反対する県民会議」「止めよう!辺野古埋立て国会包囲実行委」が主催した「止めよう!辺野古埋立て 共謀罪法案は廃案に!6.10国会大包囲」の行動が行われ、1万8千人が参加しました。
集会は国会周囲の4ヵ所で行われ、このうち、戦争をさせない1000人委員会が運営する国会議員会館前エリアでは、主催団体として、1000人委員会事務局長の内田雅敏さんが「戦争法に続いて、現代の治安維持法の共謀罪の成立、辺野古新基地建設を絶対に許してはならない。森友学園や加計学園問題等も含め、安倍政権を徹底的に追及しよう」と呼びかけました。
さらに、同県民会議事務局長の大城悟沖縄平和運動センター事務局長(顔写真左)は「今も違法な工事が行われている辺野古で、本日1800人が集まり連帯集会を行った。県民の民意を踏みにじる安倍政権を許さず、沖縄を戦場にさせない闘いを続ける」と決意を表明。また、辺野古現地から「ヘリ基地反対協議会」共同代表の安次富浩さんも登壇し、「我々は権力の弾圧を恐れない。民主主義は勝ち取るものだ。沖縄の問題を日本全体の問題として闘おう」と訴えました。
さらに、オール沖縄会議共同代表の稲嶺進名護市長が、沖縄平和運動センターの山城博治議長が不当に長期勾留されたことをあげ「これは共謀罪を先取りし、反対運動を萎縮させようとするものだ。辺野古に基地は絶対に作らせない」と力強く語りました(上写真)。一方、辺野古基地建設のための本土からの土砂搬出に反対する全国連絡会の湯浅一郎さんも「どこにも戦争に使う土砂は一粒もない」とエールを送りました。
一方、共謀罪の問題では、日本体育大学の清水雅彦教授(顔写真右)が「沖縄基地問題と共謀罪の根は同じ。強行採決を許さず、法案を阻止しよう。そのため、学者もがんばる」と決意を述べ、弁護士の米倉洋子さんも「共謀罪は一般市民の基地反対運動も対象になるものだ」と警鐘を鳴らしました。
集会には、野党各党の代表も参加し、民進党の近藤昭一副代表や社民党の吉田忠智党首、「沖縄の風」の糸数慶子参院議員、自由党の玉城デニー衆院議員が、共謀罪法案の廃案と辺野古新基地建設に反対し、野党共闘を進める決意を表明しました。
最後に「共謀罪は、国会会期末の1週間の闘いにかかっている。連日の集会に最大の運動を」(総がかり行動実行委の福山真劫さん)と行動提起があり、全員でコールを行って終了しました。
6.10コール.JPG

2017年06月10日

対話による解決を 国際シンポジウム「朝鮮半島と東アジア」開催

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による度重なるミサイル発射や、史上最大規模の米韓合同軍事演習の実施など、2017年に入り朝鮮半島情勢はより緊迫の度合いを増しています。そんな中、6月11日に東京・駿河台記念館で「6.15南北共同宣言17周年国際シンポジウム 朝鮮半島と東アジア‐平和への新たなステージへ」(主催:東アジア市民連帯)が開催され、約300人が参加しました。

 

国際シンポ6.11.jpg

 シンポジウムには、キム・ヨンウンさん(ロシア科学アカデミー極東問題研究所 朝鮮問題研究センター上級研究員)、ミシェル・チョスドフスキーさん(オタワ大学名誉教授)、浅井基文さん(日本、大阪経済法科大学客員教授)、リ・ビョンフィさん(朝鮮大学校文学歴史学部准教授)、キム・ビョンギュさん(韓国、韓国進歩連帯 反戦平和委員長)、チョン・ギヨルさん(中国清華大学客員教授)の6名が参加し、纐纈厚さん(山口大学名誉教授)のコーディネートのもと議論を交わしました。そして対話による緊張緩和と朝鮮半島の自主的平和統一のみが東アジア平和への道であることを確認しました。

 

※以下、集会アピール文

 

.11国際シンポジウム アピール文

 

 いま朝鮮半島は戦争の危機に直面しています。トランプ政権や安倍政権、そしてマスメディアも、その責任のすべてを朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)に転嫁しています。しかし、北朝鮮が核・ミサイル開発に突き進んだのは、米国が朝鮮戦争の停戦協定を平和協定に転換することを拒否し、核先制攻撃戦略に基づく米韓合同軍事演習を強行するなど、北朝鮮に対し対話せずに圧力だけを強めてきたからです。

私たちは、世界中のどの国による核開発にも戦争挑発にも反対します。そして、朝鮮半島における軍事緊張の当事者は米国と朝鮮です。私たちは、米朝両国が前提条件をつけずに平和協定の締結に向けた対話のテーブルに着くよう要求します。

 トランプ政権に追随して「北の脅威」をあおっているのが安倍政権です。その狙いは、安倍政権自体、安倍首相自身が抱える問題から国民の目を逸らすためだけではありません。「共謀罪」の法制化で国民監視体制を敷くことと合わせて、国民の統合策とし、さらには戦争への国民動員策とするためです。あるいは、北朝鮮を敵とみなし敵基地攻撃能力保有の必要性を強調することにより、憲法9条を改廃するとの狙いも潜ませています。私たちは、平和憲法の柱である9条を破壊しようとする安倍政権の暴走を断じて許しません。

 朝鮮半島では、北の人民も南の民衆も、対決ではなく対話を、戦争ではなく平和を心から願っています。その南北間には2000年6月に両首脳が署名した6.15南北共同宣言があります。韓国に文在寅民主政権が誕生したいまこそ、南北が対話し交流し協力し合い、6.15共同宣言の実践に向けて歩み出すことを希望します。

 私たちは、シンポジウムを通じて、制裁や圧力では問題が解決しないこと、また、周辺各国は、いたずらに朝鮮を危険視するのではなく、北と南が対等な立場に立って自主的に話し合えるよう、環境整備に寄与すべきだということを理解しました。そして、朝鮮半島を初めとした東アジアに平和を築き上げるためのヒントが提示されたことも互いに確認しました。

 私たちは、朝鮮半島の平和を、そして東アジアの平和を心から望んでいます。20世紀は戦争の世紀でしたが、私たちには21世紀を平和の世紀とする責務があります。

 韓国の文在寅民主政権誕生を契機として、東アジア全域を直面する戦争の危機から平和へのステージに作り変えましょう。シンポジウムで得た貴重な種子をそれぞれの持ち場に持ち帰り、平和の花を咲かせましょう。

 

2017年6月11日 東アジア市民連帯

 

2017年06月09日

止めよう!辺野古埋め立て 「共謀罪」は廃案に!全国の行動(平和フォーラム関連)

 

平和フォーラムは各都道府県で、「止めよう!辺野古埋め立て、「共謀罪」は廃案に!の全国的な行動を呼びかけています。その結果、6月10日の国会包囲行動に前後して、平和フォーラム関連の各都道府県組織では多くの取り組みが行われます。

その一覧は次です。

共謀罪・辺野古全国行動.pdf

6月10日の国会包囲行動はこちら

 

TOPに戻る