9月, 2023 | 平和フォーラム

2023年09月30日

アジアで相次いだ米軍の大規模演習-自衛隊も参加部隊を拡大

木元茂夫

 アメリカは4月から9月にかけて、インド太平洋地域で大規模な軍事演習を立て続けに行った。しかも米国との二国間演習ではなく、アジア各国、NATO諸国も参加する多国間演習として。自衛隊も参加部隊を増大させた。4月に米比合同軍事演習バリカタン、これには過去最高の1万7600人が参加。22年は8900人だったから、ほぼ倍増である。続いて7月に、米英豪の軍事同盟オーカス(AUKUS)の一員であるオーストラリアと軍事演習タリスマンセーバーを実施、3万人を超える兵士が参加した。そして、8月から9月にかけてのインドネシア軍との合同軍事演習スーパーガルーダシールドである。約5000人が参加した。アメリカは何故、この地域で大規模軍事演習を繰り返すのか、自衛隊も参加を増大させているのは何故なのか。その背景と訓練の実相を見ていきたい。
 フィリピンは人口1億1157万人、人口は増加傾向にあり、22年のGDP実質成長率7.6%。輸出の第1位がアメリカで15%、第2位が日本14.1%、第3位が中国13.9%、輸入第1位は中国で20.6%、第2位はインドネシアで9.6%、第3位が日本で9%、第4位がアメリカで6.5%である。インドネシアは人口2億7577万人で、ASEAN最大の大国である。人口も労働力人口も増加傾向にあり、22年のGDP実質成長率5.31%。貿易相手国の第1位は中国で、輸出の23%、輸入の28%を占める。日本の8%、8%、アメリカの10%、5%を大きく引き離している。(注1)
 オーストラリアは人口2627万人、21年のGDP成長率4.69%、輸出の第1位が中国で36.4%、第2位が日本で12.5%、第3位がアメリカで7.4%、輸入は第1位が中国で23.4%、第2位がアメリカで11%、第3位が日本で5.6%。(注2)
 つまり、今後も経済成長が見込まれる地域で、そこで、中国が経済力を背景に存在感を増している。アメリカとしてはそれに対抗し、自国の存在を経済的にも軍事的にも高めたいという思惑があろう。しかし、米軍の大規模な投入は、地域の緊張を高めている。
 9月5日には東南アジア諸国連合の首脳会合がジャカルタで開催され、議長を務めるインドネシアのジョコ大統領は会議の冒頭、「ASEANはいかなる勢力の代理にもならず、平和と繁栄のためには誰とも協力する。ASEANを対立の場にするのではなく、協力拡大の場にしたい」と強調した。中国とアメリカの対立には巻き込まれたくない、という姿勢が鮮明であった。

フィリピン

 自衛隊はバリカタン演習(意味は「肩を並べる」)、カマンタグ演習(「海の戦士の協力」)等に参加している。もっとも早かったのはカマンタグ演習で安保法制が施行された翌年2017年から参加。この時は陸上自衛隊の中央即応集団から14名が参加。訓練内容は「人道支援・災害救援活動に係る指揮所演習」としていた。それが、18年になると陸上総隊司令部、水陸機動団、中央即応連隊の参加となり、軍事色を強めた。「昨年度末に発足した水陸機動団がAAVを活用し、災害発生時における救援活動について訓練します」と発表したが、AAVは水陸両用装甲車で搭載人員は15名程度、水上での走行スピードは時速13キロ程度で、とても災害救援に役立つとは思えない。19年になると水陸機動団約80名が参加、「水陸機動団がAAVに着上陸を実施するとともに、上陸後、救助部隊による負傷者の移送等を実施します」となった。これを米海軍の発表と突き合わせると、水陸機動団がAAVとともに、ドック型揚陸艦ジャーマンタウンに乗り、米海兵隊、フィリピン海兵隊とともに上陸演習を行った。第3海兵機動展開旅団長と水陸機動団長が並んで訓練を視察する写真まで公開されている。一方、18年の訓練では水陸機動団の前原傑2等陸曹(38)が、車両で移動中に大型車両と衝突して死亡した。運転していたのは自衛隊と「役務契約」していたフィリピン人のドライバーである。場所はスービック海軍基地に近い道路である。中央輸送隊(横浜市)所属の40代の1等陸曹も肋骨骨折を負ったが、その日のうちに退院した、と発表された。
 20年はコロナ禍のためか発表なし。21年も水陸機動団が参加。22年は水陸機動団に加えて、中央特殊武器防護隊と対特殊武器衛生隊が参加した。化学兵器の使用に対応する部隊である。陸上幕僚監部(陸上幕僚長のスタッフ組織で、訓練の計画・立案と広報も担当する)は、訓練の特色として、「比国において実施する日米比3か国の陸軍種等による共同訓練。 (1) 米艦艇から発着する米海兵隊MV-22により陸上自衛隊員が着上陸し、米比海兵隊と共同連携して捜索救助を実施 (2) 陸上自衛隊と米海兵隊が共同し、比海兵隊に対する特殊武器防護に係る教育を初めて実施」としている。初期の災害救援は後退し、軍事演習に純化しつつあると言えよう。
 バリカタン演習について自衛隊参加の詳細は発表されていない。米軍の発表(注3)によると、バリカタン23ではオブザーバー参加にとどまったようだ。その背景には、フィリピンとアメリカ、中国との関係の変化がある。ここ一年の動きを整理してみよう。

2022年
●10月3日 フィリピンのルソン島で米比海兵隊との共同訓練に陸自水陸機動団と中央特殊武器防護隊・衛生隊が参加。
●11月19日 習近平国家主席とハリス米副大統領が、アジア太平洋経済協会議(APEC)の開催国タイで会談。
●11月21日 米ハリス副大統領、フィリピンのパラワン島を訪問し、「南シナ海でフィリピンの軍や航空機、船舶が攻撃された場合には、米国は防衛力を発動する」と明言。
●12月6日 航空自衛隊、戦後初めてフィリピンに戦闘機を派遣(クラーク空軍基地にF15を2機)

2023年
●1月4日 フィリピンのマルコス大統領、中国を訪問し習近平主席と会談。中国が約3兆円の投資を約束したと発表。
●4月3日 フィリピン大統領府が、米軍が使用できる基地の候補4カ所を発表。
●4月11日 フィリピンで米比合同軍事演習バリカタン23がはじまる。過去最高の1万7600人が参加。うち、12,000人は米軍。
●4月22日 中国の秦剛外相、フィリピンを訪問し、マナロ外相と会談。
●4月30日 フィリピンのマルコス大統領、「フィリピンが巻き込まれるような形で挑発的な軍事行動の拠点として使われることは認めない」とワシントンへ向かう機内で記者団に断言。
●5月1日 ワシントンで米比首脳会談。バイデン大統領は「(比は)世界で最も複雑な地政学的状況にある」と発言。米国がC130輸送機や巡視船を提供することを約束。
●6月1日 フィリピンで、日米比の海上保安庁、沿岸警備隊が初めての共同訓練。
●8月5日 フィリピン軍、南シナ海の南沙諸島(英語名スプラトリー諸島)の海域で、軍が雇った2隻の民間の輸送船のうち1隻が、中国海警局の船から放水を受けたと発表。

4月のマルコス大統領の訪米まで、フィリピンと中国の間に厳しい対立はなかった。「挑発的な軍事行動の拠点として使われることは認めない」と大統領は言い切っていた。それが、訪米とバリカタン演習のあと変化する。中国軍が南シナ海でスカボロー礁等を埋め立てて造った基地に近い、パラワン島パラバック州で、米軍は対艦戦闘訓練を実施。高機動ロケット砲システム・ハイマースが海上の目標に向けて実弾を発射した。この後、中国海警局も南シナ海でフィリピンの船舶に強硬な態度を取るようになった。

オーストラリア

 2021年9月に結成された日米豪の軍事同盟(AUKUSオーカス)の一員であるオーストラリアは、米軍との大規模演習タリスマンセーバーを2年に一度行っている。陸上自衛隊は2017年には第12旅団の130名であったが、2019年には水陸機動団と1ヘリコプター団、約330名が参加した。330名とは海上自衛隊の大型揚陸艦「くにさき」の最大搭載人員とピッタリ一致する。事実、佐世保に配備されている米海軍のドック型揚陸艦と艦隊を組んで、「くにさき」は日本を出発している。21年はコロナ禍のため参加人数を大幅に削減した。
 そして今年である。参加部隊は過去最大となった。
 陸上自衛隊は、水陸機動団及び第1ヘリコプター団に加えて、西部方面隊(第5地対艦ミサイル連隊)、富士学校(特科教導隊)及び北部方面隊(第2情報隊が加わった。海上自衛隊は大型揚陸艦「しもきた」に加えて、ヘリ空母「いずも」が参加した。しかも、寄港していたベトナムのカムラン湾から、直接オーストラリアに向かったのである。
 陸上幕僚監部は今回の訓練の「特色」を次の4点に整理している。(注4)

(1) 13か国が参加する米豪主催の多国間訓練に参加することで、同盟国・同志国との相互理解を促進し、信頼関係を強化(注 13ケ国とはオーストラリア、カナダ、フィジー、フランス、ドイツ、インドネシア、日本、ニュージーランド、パプアニューギニア、韓国、トンガ、イギリス及び米国である)
(2) 水陸両用作戦においては、米独軍と共同し、豪州の良好な訓練基盤を活用して海上機動~着上陸~着上陸後の陸上戦闘からなる一連の水陸両用作戦を演練
(3) 対空戦闘においては、米国以外で初となる03式地対空誘導弾の実射及び米航空機と対抗方式での対空戦闘を演練 (注 03式地対空誘導弾と12式地対艦ミサイルは実弾発射とある。奄美、宮古、石垣に配備されているミサイルである。03式は空からの攻撃に反撃して12式地対艦ミサイルを防衛することが任務である)
(4) 対艦戦闘においては、豪軍との共同及び国外において初飛行となるSE2による情報収集並びに米国以外で初となる12式地対艦ミサイルの実射を含む共同対艦戦闘を演練 (注 SE2とは、陸自の無人偵察機スキャンイーグルのこと)

インドネシア

 ASEAN最大の大国で、マラッカ海峡、ロンボック海峡、スンダ海峡という重要な3つの海峡をもつ。自衛隊は多国間演習スーパーガルーダシールドに昨年、陸上自衛隊最精鋭と呼ばれるパラシュート降下部隊第1空挺団をはじめて参加させた。今年は水陸機動団も加わり、日本でも訓練の一部を行った。防衛省が関係自治体に提示した訓練概要は下記のとおり。

〇目的 島嶼部への攻撃を始めとする各種事態に実効的に対応するため、必要な部隊を迅速に機動・展開させ、必要な戦術技量の向上を図る。
〇実施場所 習志野駐屯地(及び演習場)およびインドネシア(習志野駐屯地(及び演習場)においては降下前後の動作確認や共同ブリーフィング等)
〇実施期間 令和5年8月27日~同年9月13日
〇参加規模 陸自:第1空挺団約160名
 外国軍:米軍約120名、インドネシア軍約130名、英軍約30名 米空軍機:C-17(大型輸送機)

 スーパーガルーダシールド演習全体では、米軍2100人、インドネシア軍1900人など約5000人が参加と報道されている。
 インドネシア、シンガポール両海軍はドック型揚陸艦を参加させ、揚陸訓練を実施した。オーストラリアが強襲揚陸艦を保有しているのは知っていたが、この両国がこうした軍事能力をもっているのにはびっくり。
 陸上幕僚監部はこの演習の「特色」を下記の5点に整理している。(注5)

(1) インドネシアで実施する日本、米国、インドネシア、オーストラリア、英国、シンガポールの6か国共同。
(2) 昨年度参加した空挺作戦に係る訓練に加え、今年度は水陸両用作戦及び戦闘射撃に係る訓練にも参加し、空挺作戦及び水陸両用作戦による島嶼奪回を共同で演練。
(3) 空挺作戦に係る訓練に当たり、陸自、米軍及びインドネシア軍に加え、新たに英軍が参加し、日本国内での作戦準備からインドネシアへの長距離の空中機動を含む一連の行動を演練
(4) 水陸両用作戦に係る訓練に当たり、水陸機動団が本訓練に初参加し、陸自、米軍、インドネシア軍及びシンガポール軍の4か国が空挺作戦と連携した強襲着上陸を演練
(5) 戦闘射撃に係る訓練に当たり、日本、米国、インドネシア、オーストラリア、シンガポールの5か国共同による攻撃戦闘を実射・実爆で演練

 第1空挺団等は米空軍の大型輸送機C-17で神奈川県の厚木基地を出発してインドネシアに向かった。「日本国内での作戦準備からインドネシアへの長距離の空中機動を含む一連の行動」というのは、そのまま、インドネシア上空でパラシュート降下をやったということだろうか。
 「強襲着上陸」とは、相手国の軍隊が布陣する海岸線または陸地への上陸作戦を意味する。「攻撃戦闘を実射・実爆で演練」というのも恐ろしい。「実爆」とは具体的には何だろう、迫撃砲の実弾発射のことか。

 自衛隊の海外の軍事演習は明確に一つの方向性をもっている。海上から地上への兵力の投入と、地上配備のミサイルでの艦艇攻撃である。自衛隊は「共同対艦攻撃訓練」と呼ぶ。「島嶼防衛」と防衛省・自衛隊は言う。尖閣諸島の防衛を念頭に置いてのことだ。しかし、米軍はそうではあるまい。中国軍の南シナ海での展開に対抗すること、海上軍事基地に対する攻撃も視野に入れ始めたのではないか。パラワン島で対艦戦闘訓練が実弾発射で実施されたのを聞いて、そう思うようになった。しかし、問われているのは対話と外交であって、軍事演習のエスカレートでは決してない。

注1 アジア経済研究所『アジア動向年報2023』
https://www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Books/Doko/2023.html
注2 外務省HP オーストラリア基礎データ|外務省 (mofa.go.jp)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/australia/data.html
注3 米軍画像サイトDVIDS
https://www.dvidshub.net/image/7786488/balikatan-23-marforpac-general-visits-afp-and-jgsdf-during-balikatan-23
注4 陸上幕僚監部23年7月3日20230703.pdf (mod.go.jp)
https://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/2023/pdf/20230703.pdf
注5 陸上幕僚監部23年8月24日20230824_001.pdf (mod.go.jp)
https://www.mod.go.jp/gsdf/news/press/2023/pdf/20230824_001.pdf

 

2023年09月22日

ニュースペーパーNews Paper 2023.9

9月号もくじ

ニュースペーパーNews Paper2023.9

表紙 被爆78周年原水爆禁止世界大会
*声を上げることは民主主義にとって重要なこと
        Friday For Futue Tokyo のお二人に聞く
*横須賀母港化50年にあたって
*ドイツの脱原発の道のりと課題
*LGBT 理解増進法を考える
*放射能汚染水の海洋放出を考える

2023年09月13日

オスプレイ クラッチが原因で墜落事故 飛行停止を求めて防衛省に要請

 2022年6月に米国カルフォルニア州の砂漠で訓練飛行中だった米海兵隊オスプレイの墜落事故で、はじめて事故原因が機体の欠陥にあることを示した事故調査報告書が2023年7月21日に公表されました。

 この報告書を受け、オスプレイと低空飛行に反対する東日本連絡会とフォーラム平和・人権・環境は9月12日、防衛省に対して米軍オスプレイ及び陸上自衛隊のオスプレイの飛行停止を求めて要請行動を行いました。

 今回の事故と報告書について防衛省は、事故原因について「ギアボックスの構成要素であるクラッチを原因として発生」とあらためて機体に欠陥があったことを認めたうえで、「使用時間が800時間を超えるクラッチに関連する部品(IQA:インプット・クイル・アセンブリ―)の交換により、ハードクラッチエンゲージメント(HCE)を99%以上低減できる」として、飛行の安全にかかわる構造上の問題はないと米軍当局から説明を受けており、米軍オスプレイの飛行停止を求めることも、陸自オスプレイの飛行停止も行うことないとしました。

 防衛省の説明に対して二団体は、HCEを引き起こす根本要因が不明であることや800時間ごとの部品交換で99%事故を低減できるという説明の根拠が明らかでないこと、2022年6月の墜落事故がオスプレイの二つのエンジンで同時にHCEが起きたことが極めてまれなケースと防衛省が認識していることなどをとらえて、再度回答を求めましたが、防衛省は米軍当局からの説明を繰り返し、「仮に二つのエンジンが停止しても、オートローテーションもしくは滑空という手法」で対応できるとの答えにとどまりました。

要請項目と防衛省の回答はこちら(PDF)

2023年09月05日

【抗議声明】辺野古訴訟 地方自治をないがしろにする最高裁の不当な判決に抗議する

沖縄県が国を訴えていた辺野古の軟弱地盤にかかわる裁判で、最高裁(岡正晶裁判長)は9月4日、福岡高裁支部判決を維持し、県の上告を棄却しました。県の訴えた軟弱地盤の問題などに立ち入ることなく、また行政不服審査法の濫用を審判するどころか、国の機関が私人として権利救済を受けたことを追認する不当な判決であり、到底許すことはできません。

沖縄県は、沖縄防衛局が出願した変更承認申請の内容が、「埋立ての必要性」や「国土利用上の合理性」が認められないこと、軟弱地盤がある地点で国が十分な力学的試験を実施していないことから、「災害防止」への配慮がないなど、技術的、専門的な知見を踏まえて、公有水面埋立法の要件を満たさないと法律的に正しい判断をしていました。しかし、最高裁は実質審理を行うことなく、行政不服審査法に基づいて行われた国の「裁決」があれば「速やかに裁決の内容を実現」すべきで、沖縄県知事は、国土交通大臣の「是正の指示」に従う義務があると、県の主張を一顧だにしませんでした。地方公共団体の法定受託事務である今回の埋立承認処分で、公有水面埋立法の要件成立判断に審理を尽くすことが司法の当然の義務であるはずです。しかしまったくこの点の判断を行うことなく、県の行為を「裁量権の逸脱であり濫用である」とする国の主張を追認し、辺野古新基地建設を進めるための国の処分を認めたことは、極めて不当であると言わざるを得ません。

辺野古新基地建設を進めるためになりふり構わず、強権的な姿勢を崩さない国の行為に、司法がお墨付きを与えた最高裁判決は、辺野古新基地建設問題にとどまらず、地方自治の本旨および国と地方公共団体は対等であるとした地方分権改革の意義を無に帰すものと考えざるを得ません。沖縄県の玉城デニー知事は、最高裁判決にあたってのコメントで「判決は、地方公共団体の主体的な判断を無にするものであり、地方公共団体の自主性や自立性、ひいては憲法が定める地方自治の本旨をも蔑ろにしかねない」と痛烈に批判しています。

平和フォーラムは、玉城県知事の地方自治にかかわる姿勢を支持します。

国はいま、台湾有事を煽りたてて、沖縄をはじめとする南西諸島で軍事増強をすすめ、有事の際の最前線に位置づけています。多くの犠牲を強いた沖縄戦の過去を顧みず、「再び沖縄を戦場にする」ものにほかなりません。平和フォーラムは、住民に犠牲を強い地方に国の意思を押しつける日本政府に対して、軍事拡大を許さず、民主主義、地方自治を取り戻す闘いを今後一層強化していく決意を表明し、今回の最高裁判決に抗議します。

2023年9月5日
フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)
共同代表 藤本泰成
共同代表 勝島一博

2023年09月01日

『Q&A関東大震災100年朝鮮人虐殺問題を考える』の紹介

2023年9月1日、関東大震災朝鮮人虐殺事件から100年を迎えました。

平和フォーラムはこれまでに、朝鮮人虐殺の問題を学ぶ集会や学習会を行ってきました。とりくみの中で、朝鮮半島が日本の植民地とされる中で起きた植民地出身者に対するジェノサイドであったこと、日本政府がこれまで真相解明はおろか犠牲者および犠牲者数の調査もせず、謝罪すら行わずに来たこと、小池百合子・東京都知事の追悼集会へのメッセージ送付拒否に象徴されるように、事件をなかったことにしようとする歴史歪曲の動きも見られることなどが明らかになりました。

こうしたとりくみの成果を踏まえながら、多くの人に問題認識を広げていきたいとの思いから、今回、Q&A形式で関東大震災における朝鮮人虐殺問題を簡単に学べるブックレットを発行しました。

『Q&A関東大震災100年朝鮮人虐殺問題を考える』

編者:朝鮮大学校朝鮮問題研究センター在日朝鮮人関係資料室
発行:フォーラム平和・人権・環境
発売:八月書館
定価:990円

※書店にてお求めになるか、送料は別途かかりますが、お送り先・お名前・必要冊数をお書き添えのメールまたはファックスにてご注文ください。
MAIL:office@peace-forum.top FAX:03-5289-8223

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