10月, 2025 | 平和フォーラム
2025年10月30日
トランプ主導のウクライナ和平交渉に潜む帝国主義の影
渡辺洋介
1.はじめに
2025年8月のアンカレッジ米ロ首脳会談以降、ウクライナ戦争の停戦に向けた米ロの外交は「領土交換」を軸とする「大国間取引」の様相を呈している。特にトランプ主導の和平交渉は、紛争当事者であるウクライナの主張を軽視し、「武力による紛争解決の禁止」といった国際ルールを踏みにじるという重大な問題を抱える。罪のない市民や権力によって動員された末端の兵士の犠牲を止めるため停戦は不可欠だ。しかし、当事者の意思を無視し、大国の利益のみで築かれた平和は長続きしない。ウクライナに住む当事者の声と国際法を尊重した「真の和平」の実現こそが求められる。
2.アンカレッジ米ロ首脳会談と停戦へ向けた動き
2025年8月15日、アラスカ州アンカレッジでロシアによるウクライナ侵攻後、初めて米ロ首脳会談が対面で行われた。米ロ両政府は会談の具体的な内容を明らかにしていないが、関係者の証言などから一部が伝わっている。報道によると、会談後にワシントンへ戻る米政府専用機の中で、トランプ大統領はゼレンスキー大統領と約1時間、その後、英・仏・独・伊・フィンランドの首脳、EU委員長、NATO事務総長と約30分電話で協議した。
その協議で、トランプは「プーチン大統領は、ロシアが領有権を主張している4つの地域のうち2つ(ドネツク州とルハンスク州)をウクライナがロシアに割譲し、残りの2つ(ヘルソン州とザポリージャ州)の前線を凍結するよう要求した」(注1)と述べたという。また、米ロ首脳会談に同席した米国のウィトコフ特使は、プーチン大統領は上記のような領土の交換を条件に戦争を終わらせ、ウクライナや他国へのさらなる攻撃は行わないと約束する意思があるとの印象を持ったと述べた。
一方、プーチン大統領は、8月15日の記者会見で、「ウクライナにおける紛争解決が長期的かつ永続的なものとなるためには、これまで繰り返し説明されてきた危機の根本原因がすべて除去され、ロシアの正当な懸念がすべて考慮され、欧州および世界のその他の地域において公平な安全保障のバランスが回復されなければならない」(注2)と主張した。ロシアはこれまで紛争の根本原因として、ウクライナのNATO加盟に向けた動きや、同国のロシア系住民に対する差別を挙げている。
8月17日、ウィトコフ特使はCNNの番組で、米ロ首脳会談でウクライナに対する安全の保証が議論され、同国がNATOに加盟しなくても、欧州諸国や米国などが関与してウクライナに安全の保証を提供する用意があり、ロシア側もそれに同意したと語った。
8月18日、ゼレンスキー大統領と欧州首脳がワシントンに集結し、トランプ大統領と対面会談を行った。この会談では、プーチンとゼレンスキーによる直接会談や、トランプを交えた三者会談の可能性が検討された。会談中、トランプはプーチンに直接電話をかけ、その意向を確認した。この会談で米欧首脳はウクライナに対する安全の保証については「欧州が主要な負担を担い、米国が支援する」という原則で一致し、欧州諸国が計画を立案することとなった。
一連の流れを受け、8月19日に英仏独が、9月4日には英仏がそれぞれウクライナ支援に関する有志国首脳会合を主催した。両会合には石破首相が出席。9 月4 日の会合後、マクロン仏大統領は参加国35か国中26か国が停戦後のウクライナへの部隊派遣を約束したと発表した。これに対し、9月5日、林芳正官房長官は自衛隊の派遣を否定し、石破茂首相は復興支援を中心とする方針を改めて表明した。
一方、プーチン大統領は9月1日、「先日アラスカで行われたロ米首脳会談で達成された相互理解が同じ方向に向かうことを期待する。ウクライナ和平への道が開かれることを期待する」(注3)と和平にむけて前向きな姿勢をみせた。ところが、9月3日の記者会見でロシア国営テレビに「ウクライナでの戦争はすぐに終わるのか」と問われると、プーチンは「最終的に常識が勝てば、この紛争を終わらせるための受け入れ可能な選択肢に合意できる」と述べたうえで「トンネルの出口には光はあると思う。これからどうなるか見守るしかない。もしそうでなければ、私たちは軍事力によって、目の前に立ちはだかる課題を成し遂げざるを得ない」(注4)と答えた。ロシアの主張が受け入れられなければ戦争を継続するという姿勢のようだ。9月8日、ロシアのリャブコフ外務次官は「残念ながら、アンカレッジで生まれた合意に向けた強い機運が、反対派と戦争支持者の活動によって、ほぼ失われてしまったと認めざるを得ない」としたうえで「これは主に欧州による破壊的活動の結果だ」との見解を示した。
3.ロシア軍機によるNATO諸国の領空侵犯
その後、ロシア軍機がNATO諸国の領空を侵犯した。9月10日、ロシアの複数の無人機がポーランドの領空を19回侵犯した。これに対し、ポーランドのF-16戦闘機が出動するとともにNATO条約第4条に基づいて緊急協議を行った。NATO条約第4条は「締約国は、いずれかの締約国の領土保全、政治的独立又は安全が脅かされているといずれかの締約国が認めたときはいつでも、協議する」(注5)として、第5条の集団防衛措置(注6)の発動に至る前に必要な協議をすることを定めたものである。これを受けて、ポーランド軍はオランダのF-35、イタリアの早期警戒管制機(AWACS)、ドイツのパトリオット防空システムに支援され、ロシアの無人機3、4機を撃墜した。1949年のNATO発足以降、加盟国の領空でNATO軍が敵機を撃墜したのはこれが初めてだ。
この件に対して、ロシアはウクライナ西部の軍事施設を打撃しようとしただけでポーランド内での攻撃計画はなかったと故意性を否認した。
こうした事態を受けて、NATOのマルク・ルッテ事務総長と米空軍大将のアレクサス・グリンケウィッチ欧州連合軍最高司令官は9月12日、新たに東部戦線を監視・防衛する作戦「イースタン・セントリー」を始めると発表した。デンマークF-16機2機、仏ラファール3機、独ユーロファイター4機などNATO航空戦力を中心に東部戦線全体に柔軟で継続的な防衛体系を構築するという内容だ。ルッテ事務総長は「我々はNATOとして我々の領土を防御する決意と能力を明確にするべき」とし、それが「イースタン・セントリーが設計された理由」だと話した。
その翌日、ロシアの無人機がルーマニア領空にも相次いで現れた。ルーマニア軍はF-16戦闘機2機と同国の航空監視任務を担当するドイツのユーロファイター2機を緊急出撃させ、無人機が領空を抜け出すまで監視した。F-16のパイロットは撃墜の許可を得たが、撃墜によるリスクを考え、攻撃しない判断を下した。
この件についてロシアはコメントをしていない。
なお、無人機による領空侵犯との関連は不明だが、ロシアとベラルーシは9月12日から16日までの日程でバルト海などにおいて合同軍事演習「ザーパド2025」を実施していた。
9月19日、ロシア軍のMiG-31戦闘機3機がバルト海東部フィンランド湾のエストニア領空を12分間侵犯した。NATOの防空支援任務の一環としてバルト3国に展開していたイタリアのF-35戦闘機が緊急発進し、ロシア軍機に対応した。また、エストニアはNATOの緊急協議を要請した。これを受けて、G7外相は9月23日、相次ぐロシアの領空侵犯を懸念する声明を発表(注7)。一方、ロシア国防省は、9月20日付の声明で領空侵犯を否定した(注8)。
9月23日、トランプ大統領はロシア軍機による領空侵犯が相次いだことに関して記者団の質問に答えて「NATO加盟国はそれらを撃墜すべきだ」と述べた。一方で「NATOの同盟国がロシア軍機を撃墜した場合、米国は同盟国を支援するのか」という質問を受けると、トランプは「状況次第だ」と答えた。この状況で米国がNATO諸国を支援すれば第三次世界大戦につながりかねない。それを恐れて、曖昧な態度を示したのだろう。
4.国連総会を舞台にした米国・ロシア・ウクライナの攻防
9月23日、トランプ大統領は、ニューヨークの国連総会で演説し、その後、ゼレンスキー大統領と会談した。会談後、トランプは、自身が過半数の株を保有するソーシャル・メディア「トゥルース・ソーシャル」に「ウクライナは、EUの支援を受け、ウクライナ全土を本来の姿に取り戻すために戦い、勝利できる立場にあると私は考えている」「時間と忍耐、そして欧州、特にNATOからの財政支援があれば、この戦争の発端となった本来の国境線を取り戻すことも十分に可能な選択肢だ」(注9)と投稿した。この投稿は、トランプ大統領が「領土交換による停戦」という従来の方針を転換し、「ウクライナの軍事的勝利をめざす」ことにしたのではないかと受け止められた。
翌日、ゼレンスキーは国連総会で演説し、プーチン大統領を止められなければ「プーチンは、この戦争をより広くより遠くへと進め続けるだろう」と警告した。また、ウクライナに安全の保証を提供するためには、国際機関の対応は「弱すぎる」と批判。さらに「長年にわたる軍事同盟に属しているからといって、自動的に安全が保証されるわけではない」(注10)と付け加えた。この発言はNATOを念頭にしたものとみられている。
同日、米国のルビオ国務長官が、ロシアのラブロフ外相と協議した。米国務省の声明によると、ルビオはラブロフに対し「トランプ大統領の殺害行為をやめるべきだという呼びかけ」と「ロシア・ウクライナ戦争の解決に向けてロシア政府が意味のある行動を取る必要性」を改めて伝えた(注11)。
その3日後、ラブロフ外相は国連総会で演説した。ラブロフは「ロシアがNATOと欧州連合を攻撃する計画であるという根拠のない非難に煽られて、ロシアに対する武力の脅しが頻繁になっている。プーチン大統領は、このような挑発を繰り返し否定してきた。ロシアにはそのような意図はこれまでも、そして今もない。しかし、我が国に対するいかなる侵略も断固たる対応を受けるだろう」(注12)と述べ、NATO侵略の意図を否定するとともに軍事的挑発に対しては断固たる行動をとることを示唆した。
5.暗礁に乗り上げた米ロ首脳会談
10月16日、トランプ大統領はプーチン大統領と電話会談を行い、ハンガリー・ブダペストで直接会談することで一旦は合意した(後述するように、この会談は5日後に無期延期となる)。翌日、トランプは、ゼレンスキーとホワイトハウスで会談し、ゼレンスキーに対し、ロシアの要求を受け入れるよう迫った。
一方、ロシアはウクライナとの和平に応じる条件を記した「ノンペーパー」と呼ばれる非公式文書を10月18~19日ごろに米国に送付した。同文書でロシアはドンバス地方(ドネツク州とルハンスク州)の完全な支配を改めて要求した(注13)。この方針は、トランプが提示した、各地点での前線凍結を条件とした停戦開始の呼びかけを事実上拒否する内容だった。
10月20日、ルビオ国務長官は、ロシアのラブロフ外相と電話会談し、今後の対応について協議した。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』の報道によると、ルビオは電話協議後、ホワイトハウスの当局者に対し、「早急に会談を開いても、和平交渉で前向きな成果は期待しにくい」と伝えたという。翌日、米ホワイトハウス当局者は、ハンガリーでの米ロ首脳会談について「近い将来に会談する予定はない」ことを明らかにした。また、両国の外相による事前の会合も中止された。
10月22日、トランプはウクライナについて「勝つ可能性はあるが、私は勝つとは思わない」と述べ、9月23日の発言(ウクライナは、ウクライナ全土を本来の姿に戻すために戦い、勝利できる立場にある)を修正した。さらに、トランプは、ロシアの2大石油企業(ロスネフチ、ルクオイル)に経済制裁を科すと発表した。停戦に向けたロシアの「真剣な取り組みの欠如」がその理由とのことだ。これはトランプ第2次政権下での初の本格的な経済制裁となった。
一方、プーチン大統領は、10月23日、トランプ政権による対ロ追加制裁について「経済的な繁栄に重大な影響を与えることはない」との見解を示した。また、ハンガリーでの米ロ首脳会談中止に関しては「延期のことを話したのだろう」と述べて、首脳会談の協議は続いていることを示唆した。さらに、プーチンは、トマホークなどの欧米製長距離ミサイルがウクライナに供与され、ロシア領が攻撃された場合、「報復は極めて深刻なものになる」と警告した。この件について、トランプは、長射程ミサイルのウクライナによる使用を米国が承認したとする報道を「虚偽である」と否定している(10月22日)。
10月26日、トランプは米大統領専用機内で記者団に対し、プーチン大統領との関係は良好であるとしつつも、「今回の件は非常に残念であり、中東和平より先に解決すると思っていた」と語った。
これに対し同日、ロシアのペスコフ報道官はロシア国営テレビで、両首脳の会談に「前提条件はなかった」と主張。会談プロセスを阻害したのはウクライナと欧州であると非難した。報道官は「トランプ大統領が近い将来に平和的解決の進展が見込めないと考えていることを理解している」との見解を示すとともに、首脳会談に向けた準備協議は継続中であることを強調した。
6.「ミュンヘンの再来」か:トランプ主導のウクライナ和平交渉に潜む帝国主義の影
2025年10月末現在、ウクライナ戦争をめぐる米ロの交渉は暗礁に乗り上げている。罪のない市民や権力によって動員された末端の兵士の犠牲をこれ以上増やさないことが肝要であり、そのために停戦に向けた動きが具体化していることは歓迎すべきである。しかし、トランプ主導の和平交渉は、すべての紛争当事者の主張に耳を傾けず、「武力による領土獲得の禁止」といった基本的な国際ルールを踏みにじる形で、大国間の力関係のみで停戦を実現し、紛争を「解決」しようとしている。この交渉スタイルは、第三国の主権や領土を、当事者の意思を無視し、大国の利益に基づいて決定・処理するものであり、まさに帝国主義時代の再来を予感させる。
第二次世界大戦の開戦前後、東欧諸国は帝国主義の犠牲者となった。ポーランドは、1939年の独ソ不可侵条約に付随する秘密議定書に基づき、ナチス・ドイツとソ連によって分割占領され、国家を失った。バルト3国も同様の運命をたどった。エストニア、ラトビア、リトアニアは、同秘密議定書の合意によりソ連の勢力圏とされ、ソ連の侵攻(1940年)によって、強制的に併合された。
チェコスロバキアも同様だ。1938年3月にオーストリアの併合に成功したナチス・ドイツは、続いてドイツ民族が集住するチェコスロバキアのズデーテン地方の併合を要求した。1938年9月に開催されたミュンヘン会議では、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの四大国が、戦争回避を目的として会談した。四大国は、チェコスロバキアの主張には耳を貸さず、ドイツに対し「これ以上のヨーロッパでの領土要求は行わない」と約束させたうえで、ズデーテン地方のドイツへの割譲を承認した。当事国であるチェコスロバキアは会議に招聘されなかった。これは、大国が第三国の領土を、その国の意思を無視し、大国間の利益調整に基づいて処理した典型的な事例である。
しかし、その結果どうなったか。ドイツは約束を反故にし、半年後の1939年3月に残りのチェコ地域も併合した。このミュンヘン会議における宥和政策が、ナチス・ドイツを増長させ、第二次世界大戦につながったと評されている。
トランプ主導の和平交渉は、当事者の声に耳を傾けず、大国間の利益を優先させた「ミュンヘンの融和」を思い起こさせる。ウクライナは親西欧の傾向が強い中・西部とロシア系住民が多数居住し親ロシアの傾向が強い東部・クリミア半島に分かれ、世論は一様でない(注14)。非常に困難で労力のかかる試みとなるかもしれないが、当事者である住民の多様な声に耳を傾け、当事者が納得する方法で問題を解決しようとする姿勢を持つことが重要である。
また、「武力による紛争解決の禁止」といった基本的な国際秩序を踏みにじる行為を容認することは、当然好ましくない。それを容認すれば悪しき前例を作ることになり、今後、トランプ政権下の米国を含む他の国も、より安易に「武力による紛争解決」を選択肢に入れることになるであろう。
一方で、これ以上戦争による犠牲者を増やすべきではなく、即時停戦が必要であることは間違いない。しかし、即時停戦を追求すれば、ロシアの言い分をある程度受け入れざるを得ない。これまでの和平交渉の経緯を見ると、ウクライナに住む当事者の声はほとんど無視され、基本的な国際法が踏みにじられるという、大きなジレンマを抱えている。難しい状況にあるが、トランプ主導の和平が、上述した非常に重大な問題点を抱えていることを忘れてはならない。ウクライナに住む当事者の声と国際法を尊重した「真の和平」の実現こそが求められる。
注1:アクシオス(AXIOS)2025年8月16日
Putin made maximalist claims to Ukrainian territory in Trump summit: Sources
https://www.axios.com/2025/08/16/putin-trump-summit-territory-claims-donetsk
注2:ロシア大統領府HP 2025年8月16日
Joint news conference by the President of Russia and the President of the United States
http://en.kremlin.ru/events/president/news/77793
注3:ロイター・コネクト(Reuters Connect)2025年9月1日
Putin says ‘understandings’ reached at Alaska summit open way to peace in Ukraine
https://www.reutersconnect.com/item/putin-says-understandings-reached-at-alaska-summit-open-way-to-peace-in-ukraine/dGFnOnJldXRlcnMuY29tLDIwMjU6bmV3c21sX1ZBMTEwMzAxMDkyMDI1UlAx
注4:ロシア大統領府HP 2025年9月3日
Vladimir Putin answered media questions
http://en.kremlin.ru/events/president/news/77914
注5:北大西洋条約
データベース「世界と日本」(代表:田中明彦)日本政治・国際関係データベース
政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所
https://worldjpn.net/documents/texts/docs/19490404.T1J.html
注6:NATO条約第5条全文は以下の通り。出典は注5と同じ。
締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。したがつて、締約国は、そのような武力攻撃が行われたときは、各締約国が、国際連合憲章第五十一条の規定によつて認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む。)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を受けた締約国を援助することに同意する。
前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。
注7:G7外相共同声明:ニューヨークにおける国連総会ハイレベルウィークの際のG7外相会合
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100908912.pdf
注8:その後(2025年10月23日)、バルト海に面するリトアニアの領空をロシア軍のSu-30戦闘機とIl-78空中給油機計2機が17秒間侵犯する事件も発生した。侵入を受けて、NATOのバルト三国での航空警備任務を担う戦闘機が緊急発進し、ロシア軍機を追跡した。しかし、ロシア国防省は、領空侵犯の事実を否定した。
注9:AP通信 2025年9月24日
Trump says he now believes Ukraine can win back all territory lost to Russia with NATO’s help
https://apnews.com/article/russia-ukraine-war-un-zelenskyy-trump-f28942b3915e40226654548bb3ee7919
注10:ゼレンスキー大統領国連総会演説原稿 2025年9月24日
https://gadebate.un.org/sites/default/files/gastatements/80/ua_en.pdf
注11:米国務省HP 2025年9月24日
Secretary Rubio’s Meeting with Russian Foreign Minister Lavrov
https://www.state.gov/releases/office-of-the-spokesperson/2025/09/secretary-rubios-meeting-with-russian-foreign-minister-lavrov
注12:ラブロフ外相国連総会演説原稿 2025年9月27日
https://mid.ru/en/foreign_policy/news/2049686/
注13:ストレイツ・タイムズ(The Straits Times)2025年10月22日
Russia reiterated previous Ukraine peace terms to US in private communique
https://www.straitstimes.com/world/europe/russia-reiterated-previous-ukraine-peace-terms-to-us-in-private-communique
注14:羽場久美子「ウクライナ戦争と米国の世界戦略―事実を多面的に見る目を―」『脱軍備・平和レポート』第24号(2023年12月)
http://www.peacedepot.org/wp-content/uploads/2023/12/DP-Report-No24.pdf
2025年10月24日
憲法審査会レポートNo.61
高市政権成立、改憲発議に意欲示す
10月21日、高市早苗・衆議院議員が首相に就任しました。今回公明党が政権から離脱、そのかわりに日本維新の会から「連立」と称する閣外協力を取り付けましたが、その際交わした「連立政権合意書」には憲法9条改正と緊急事態条項創設に向けた両党による条文起草協議会設置、「国旗損壊罪」や「スパイ防止法」制定などの項目が含まれています。
同日、衆議院憲法審査会が開催され、枝野幸男会長が辞任(予算委員会委員長に就任)、このかん野党筆頭理事を務めてきた武正公一・衆議院議員があらたに会長に就任しました。
高市首相はもとより「憲法改正」「非核三原則見直し」などを主張してきた極右傾向の濃い人物です。今後の改憲をめぐる動向に対しては、強い警戒と注視が必要です。
【マスコミ報道から】
自維 連立政権合意書 要旨=2025年10月24日更新=
https://www.jiji.com/jc/v8?id=20251021jiirenritu
“▽日本維新の会の提言「21世紀の国防構想と憲法改正」を踏まえ、憲法9条改正に関する両党の条文起草協議会を設置する。設置時期は、25年臨時国会中とする。”
“▽緊急事態条項(国会機能維持および緊急政令)について憲法改正を実現すべく、25年臨時国会中に両党の条文起草協議会を設置し、26年度中に条文案の国会提出を目指す。”
2025年10月21日(火)第219回国会(臨時会)
第1回 衆議院憲法審査会
【アーカイブ動画】
https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=55952
【会議の内容】
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/219-10-21.htm
2025年10月24日
ニュースペーパーNews Paper 2025.10
10月号もくじ
ニュースペーパーNews Paper 2025.10
表紙
*被爆地の歴史踏まえ平和の実現に貢献したい 広島・放影研労組 柳川委員長に聞く
*日本政府はこのご遺骨と真摯に向き合え
*F35B戦闘機垂直着陸訓練の中止を
*なぜ今「核被害者フォーラム」か
*排外主義にNO!
2025年10月16日
「今すぐやめろ!辺野古新基地建設~代執行に屈しない!10.28東京集会」のご案内
10月28日、東京・文京区民センターで「今すぐやめろ!辺野古新基地建設~代執行に屈しない!10.28東京集会」が開催されます。平和フォーラムも本集会に賛同・協力しています。以下の通りご案内いたしますので、ぜひご参加ください。
今すぐやめろ!辺野古新基地建設~代執行に屈しない!10.28東京集会
防衛省=沖縄防衛局は昨年8月21日代執行工事に着手、今年1月29日、大浦湾の軟弱地慇の改良工事を強行しました。計画では大浦湾に約7万1千本の砂くいを打ち込み、4年で完了するとされています。 しかし、防衛省によると打ち込んだ砂くいは6月時点で2900本とのことですが、現在は台風などの影響で杭打ち船は大浦湾から全て撤退しています。更に海面下90mの軟弱地盤の改良工事は現在の技術では不可能です。このままのペースでいけば埋立て工事だけで10年以上かかるとの指摘もあります。
財政面でも大きな問題があります。2025年度時点で予算総額9300億円の内、77.3%の7186億円を支出する見込みにもかかわらず、投入されたのは埋立てに必要な土砂の17.5%でしかなく、今後政府は予算を増やさざるを得ません。
沖縄県民は先の参議院選挙で新基地建設反対を掲げる髙良沙哉氏を勝利させて、揺るがぬ民意を力強く示しました。
また玉城知事も「工事の進行の中で、変更申請がでてきたら法に基づき毅然と対応する」としており、県民とともに闘い続ける決意です。
私たちは、沖縄の人々の不屈の闘いに応えて、「本土」でも辺野古新基地建設反対の声を大きく広げていこうと集会を開催します。多くの皆さんの参加を呼びかけます。

