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護憲大会来賓あいさつ/江田五月・民主党最高顧問

2014年11月 1日

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民主党最高顧問 江 田 五 月

  1. はじめに―全国からお集まりの皆さんの日ごろのご活動に、心から敬意を表します。
  2. 安倍内閣の特徴―皆さんのご支援で、また大きな期待をかけていただいて、戦後初めて本格的な政権交代を実現した民主党が、政権を失っただけでなく、国民の期待に沿わない状況になっていたことについて、率直にお詫びします。しかし、安倍内閣の掲げたアベノミクスも次第に馬脚を現し、景気も地方や地場の中小企業や家計には届かず、逆に格差の拡大や働くものの不安定といった結果となり、労働者派遣法改悪によりこれをますます助長しようとしています。
  3. 特に、その危険な方向―私は、こうした傾向に加えて、安倍内閣の国民や世界の常識とかけ離れた危険な傾向につき、指摘しておきます。それは、例えば短くいえば「戦後教育のマインドコントロールからの脱却」とでも要約できる安倍首相の政治的意図です。端的に言えば、安倍首相の歴史認識はやはり歴史修正主義というべきものであって、戦争の勝敗はいわば時の運で、日本は武運つたなく敗れたが、その意図したところは崇高な理想であったので、私たち日本人は民族の誇りを取り戻さなければならないというものだと思います。これは、第2次世界大戦をめぐる世界と日本の歴史についての国民の認識とも世界の常識ともかけ離れていることは明らかです。
  4. 特定秘密と集団的自衛権閣議決定―特定秘密保護法も集団的自権行使容認の閣議決定も、それ自体ももちろん問題ですが、百歩譲って、国民が共有している歴史についての常識的な見解を前提とすれば、特定秘密も集団的自衛権も、日本が他国と進める外交関係や安全保障関係をより円滑で密接で、いわゆるシームレスなものにするために、有益であるとする説が成り立つとしても、安倍首相のこうした歴史認識が背景にあることを考えれば、その危険性は顕著で、これを看過することは出来ないと言わなければなりません。
  5. 閣議決定と立憲主義―特に、集団的自衛権行使容認の閣議決定には、憲法上の問題点があります。まず、立憲主義の観点があります。立憲主義は、決してカビの生えた古典的な原則ではなく、民主主義と対をなす国民主権の大原則です。国は、国民からの授権を受けた範囲でなければ、権力を行使できないのです。そして、集団的自衛権の行使は出来ないという見解は、単なる内閣法制局の見解ではなく、歴代内閣が踏襲してきた固定した憲法解釈として、憲法規範の内容の一部をなすものです。従って、これを改めようとすれば、憲法改正と同様のプロセスが必要であり、間違っても国会論議をパスして内閣が閣議決定で出来るようなものではありません。現行憲法には改正規定があり、内閣には憲法改正の発議権は認められていないのです。
  6. 閣議決定と平和主義―次に、平和主義の観点があります。憲法前文と第9条は、戦後、未曾有の犠牲を出した大戦を乗り越えて、世界中の人々が手にした高邁な理想を背景にしています。戦争を違法化し、国際紛争は集団的対処に委ねる、すなわち集団安全保障により対処するという思想を表現し、主権国家に固有の自然権としての個別的自衛権は認めるとしたものです。ところが戦後直ぐに世界は東西に分裂し、ブロック化したことを受け、この理想からの現実的妥協として集団的自衛権を認めたけれども、日本国憲法は当初の理想を保ち続けてきました。冷戦が終わり、世界の人々が世界平和の確立を自らの手で達成する可能性が高まってきました。冷戦下の危うい見せかけの平和になれた思考方法からは、真の世界平和のビジョンは描けなくても、日本国憲法の理想こそが、これからの世界に対し日本が貢献できる鮮やかな旗印なのです。まして、新たなブロック化の動きさえ見え隠れしてきた現在、その動きに翻弄されて、折角手にしている高邁な理想の旗印をここで放棄することは、次の世代にとって大変に貴重な財産をここで捨て去るに等しく、大罪だといわなければなりません。
  7. 安倍内閣との対決と危険な方向の除去―しかし私たちが現実に手にしている内閣は、安倍政権です。いかにこの内閣に私たちが違和感を抱いたとしても、世界の人々や未来を担う子どもたちに対し、私たちは「戦った」というだけでは、責任を果たしたとはいえません。現実に立脚し、この内閣の危険性を現実化させるのでなく、例えば日中関係や日韓関係の改善など、私たちに出来ることを最大限に果たし、安倍内閣のもとであっても、国際関係の安定と相互理解の伸張に務めたいと思います。来年は、戦後70年の記念の年となります。この年を、日本以外の国々が、日本軍国主義に対する勝利を寿ぐ年にされるようなことがあっては、またまた私たちは国際的孤立から紛争の種をまく道を歩みかねません。安倍首相の歴史修正主義が日本の国民や政治の主流ではなく、圧倒的な少数派に過ぎないことを示し、これを包囲し去ることが今必要だと思っています。皆さんと私たち民主党とがしっかりと手を結んで、私たちこそが圧倒的多数の国民の意思を代表する立場であるとの認識を確立して行くことをお約束して、挨拶とします。

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