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シンポジウム「外国人研修・技能実習制度から見た労働契約法制」

2009年10月10日

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 外国人研修生・技能実習生は20万人を超えるほどに増加しました。時給300円に代表される「奴隷労働」とも言うべき実態や、賃金不払い、強制帰国、パスポート取上げ、携帯電話の所持禁止、セクシュアルハラスメントなど、さまざまな人権侵害が横行してきました。そのなかで2008年8月22日に山梨県で起きた中国人技能実習生に対する強制帰国・暴行傷害事件は、労働条件の改善と適正な研修を求めた中国人女性たちに対して、会社と協同組合(第1次受入機関)、そして中国の送り出し機関が共謀して暴力的に強制帰国を図るものでした。この山梨事件は瞬く間に中国国内に知れわたり、昨年の中国海外メディアによる10大ニュースに入るほどとなりました。そして、中国国内の法律家、弁護士を動かすこととなり、本格的な日本と中国の支援の連携が実現しました。
 この山梨事件を契機に、外国人研修・技能実習制度による労働基準破壊や人権侵害に対してそれぞれの国における労働法制はいかに働くのか、実効力があるのかという問題意識が広がりました。そこで、中国、韓国、日本の学者、弁護士、NGO活動者、労働者、市民が、民主主義の破壊に対して、労働契約法制を相互に検討しながら、普遍的国際規範も関係づけ、どのような草の根における連携をつくり出せるのかを、一緒に探ろうという点から、10月10日に初の日中韓シンポジウム「外国人研修・技能実習制度から見た労働契約法制~中国、韓国、日本の弁護士、学者、NGO の連携に向けて」が東京・明治大学リバティタワーで開催されました。主催は、大脇雅子弁護士と常凱中国人民大学労働関係研究所所長・教授を共同代表とし、外国人研修生権利ネットワークや平和フォーラムなどで構成する実行委員会。中国からの15名、韓国からの2名を含む150名が参加しました。
 外国人研修生権利ネット代表の莫邦富さんの総合司会で開会し、大脇雅子共同代表の主催者あいさつにつづいて、常凱教授が「中国における対海外労務派遣と労働契約法」、日本労働弁護団会長の宮里邦雄弁護士が「日本における労働契約法制の外国人労働者への適用と労働契約をめぐる紛争の裁判管轄について」それぞれ問題提起を受けました。パネルディスカッションは中国5人、韓国2人、日本3人の計10人がスピーチ。中国からは、「多国間の法律協調と労働者派遣の共同ガバナンス-中国人研修生の問題を中心として」と題して陳歩雷中国労働関係学院副教授、「海外労働派遣における労働者の権利保護について-研修生のケースを中心として」と題して王晶首都経済貿易大学労働経済学院労働関係主任・副教授、「中国における労働力派遣及び労働法」と題して李天国人力資源と社会保障部労働科学研究所労働関係研究室主任研究員、「海外労務派遣に関する労働紛争の問題」と題して馮喜良首都経済貿易大学労働経済学院副院長・教授、「研修・技能実習における弁護士の役割」と題して段毅広東労維律師事務所主任律師・弁護士。韓国からは、「韓国における移住労働者の組織化」について民主労総未組織非正規職室・移住労働者担当のパク・スギョンさん、「韓国の移住労働者労働権について」公益弁護士グループ・共感のチョン・ジョンフン弁護士。日本からは、外国人研修生問題弁護士連絡会の指宿昭一弁護士が「外国人研修生裁判等の事例報告」、すべての外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワーク(RINK)の早崎直美さんが「どうして研修生たちは声を上げられないのか?!~研修生の権利擁護こそ制度改善の鍵」、全統一労働組合の中島浩書記次長が「外国人研修生・技能実習生をめぐる使用者側の最近の動向と私たちの取り組み」についてそれぞれ報告・提起しました。時間がないため、会場からの発言はこの春の入管法問題の先頭で論陣を張った旗手明さんと、福井で研修生問題をとりくむ高原一郎さんの二人だけから行われました。集会は常凱さん、宮里さんのコメントを受けたのち、移住労働者と連帯する全国ネットワークの鳥井一平事務局長のまとめで終了しました。この民間交流の日中韓シンポを今後も続けていくことを確認しました。

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