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日弁連/足利事件の録音テープから分かる取調べの実態~今こそ取調べの可視化の実現を

2010年1月27日

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 取調べの可視化を含む刑事訴訟法改正案は、すでに参議院で二度も可決されており、また、マニフェストに可視化実現を掲げた民主党は衆議院総選挙も勝利し、2009年9月に鳩山新政権が誕生しました。法務大臣に就任した千葉景子参議院議員は、9月16日の大臣就任記者会見において、取調べの可視化を実現することを明言しました。しかし、その後の法務省の動きは鈍く、今次通常国会での提出法案とされていません。そのなかで、実現に向けた動きを強めようと、1月28日には、国会内で「取り調べの全面可視化を実現する議員連盟」(会長・川内博史衆院国土交通委員長)の設立総会が開かれます。
 足利事件などのえん罪事件の発覚によって、取調べの可視化の必要性が改めて注目されています。足利事件で無期懲役が確定し服役させられた菅家利和さんは、DNA再鑑定の結果無実が確定的となり、釈放されました。宇都宮地裁で行われている再審公判では1月21、22の両日、当時の取調べの様子を録音したテープが再生され、取調べにあたった元検事を証人尋問。犯行を否認する菅家さんを精神的に追い詰めて「自白」に追い込む様子が明らかにされました。
 これを受けて、日本弁護士連合会は1月27日、取調べ全過程の録音・録画(可視化)の実現に向けた市民集会を東京の弁護士会館で開き、法曹関係者や市民の関心も高く会場ほぼ満席の約250名が参加しました。
 集会は、最初に日弁連の宮﨑誠会長開会あいさつ。「冤罪事件に共通する深刻な問題である、警察・検察の密室の取り調べ」を指摘しました。つづいて、「録音テーフが語る足利事件の取調べの実態」をテーマに足利事件主任弁護人の佐藤博史弁護士、法心理学の浜田寿美男奈良女子大学教授の講演と、菅家利和さんのインタビューが行われました。
 佐藤弁護士は、再審公判で再生された検察官の取調べを録音した4本のテープの内容を詳しく紹介。「『やっていません』という被疑者の叫びを押しつぶす『悪魔の取り調べ』」と批判するとともに、「取調べテープの存在は検察官自身が取調べを録音する価値を認め、録音が取調べに支障ないことを示している。市民のみなさんが録音を聞けば、菅家さんの真実の叫びを見抜くことは可能」と指摘しました。
 虚偽自白の研究や供述分析などにとりくむ浜田教授は「取調官が聞く耳を持たない状況では、穏やかな調べにもかかわらず虚偽自白させられてしまう。同じように虚偽自白させられた事件は数多くある」と説明しました。
 菅家さんは「刑事が自宅に来て『お前が犯人だ』と責められ、警察に連れて行かれた日のつらい思いが、検事調べの時もずっと残っていた。犯人と決めつけられて味方がおらず、どうにもならなかった。刑事が来た(任意同行の)段階から可視化してもらいたかった」と振り返りました。
 集会では、最高裁で再審開始が決定した茨城県の布川事件の元被告の桜井昌司さんと杉山卓男さん、鹿児島県の志布志事件の川畑幸夫さんと藤山忠さん、富山・氷見事件の柳原浩さんらも自身の体験を報告し、可視化の実現を訴えました。
 なお、集会には民主党・自民党・新党大地の衆参国会議員5人も参加。このうち自身刑事被告人でもある鈴木宗男参議院議員は自らの取調べ体験をわかりやすく報告しました。

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