2013年、集会等の報告

2013年03月28日

3.28「TPP交渉参加の撤回を求める生産者・消費者行動」おこなう

 鈴木教授 (2).JPG鈴木教授 (1).JPG 

3月15日に安倍晋三首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明したことに抗議し、その撤回を求めて、フォーラム平和・人権・環境は3月28日に、全日本農民組合連合会や北海道農民連盟、日本消費者連盟などとともに「性急すぎるTPP交渉参加の撤回を求める生産者・消費者行動」を行いました。参議院議員会館で開いた集会には、全国から100人以上が参加、各党代表の意見表明などを受け、外務省への要請や農林水産省・厚生労働省との意見交換を行いました。
主催団体として平和フォーラムの石原富雄副代表は「TPPは農業・農民だけの問題ではない。食料自給率の低下や地域経済への影響は甚大だ。7月の参議院選挙に向けて、性急すぎるTPP参加に反対する運動を地域から広げよう」と訴えました。また、全日農の斎藤孝一会長や北海道農民連盟の川崎伸一副委員長も「日米首脳会談では農産物の関税撤廃の例外は全く保証されていない」と強く批判、日本消費者連盟の山浦康明共同代表も「先の牛海綿状脳症(BSE)の米国産輸入牛肉の基準緩和に続き、食品添加物や残留農薬の基準も米国の都合で変えられる」と危機感をあらわにしました。
各党からは、民主党の篠原孝衆院議員(TPPを慎重に考える会会長)をはじめ、生活の党のはたともこ参院副幹事長、社民党の又市征治幹事長、みどりの風の谷岡郁子代表が参加し、「TPPは単純な貿易自由化ではなく、多国籍企業のためのルールで国民生活を破壊するもの」「自民党は衆院総選挙でTPP反対で当選したはず。有権者への裏切りだ」など、政府・与党の姿勢を厳しく批判し、参院選に向けた決意を訴えました。
TPP問題で早くから警鐘を鳴らしてきた、東京大学大学院の鈴木宣弘教授は「安倍首相は国益を守ると言っているが、すでに関税も含めて合意されているものを日本は受け入れるだけだ。また、米国は参加を認める条件として、自動車や保険でも日本へ要求をしている。TPPの本質は、米国の巨大企業中心の1%の利益のために、大多数を不幸にするものだ」と指摘。さらに政府が出したTPPの経済効果の試算は恣意的だとし、「GDPの押し上げ効果はほとんどなく、農業の多面的機能の損失や産業の空洞化による雇用喪失、国民皆保険制度の崩壊など、リスクがあまりに大きい」と分析しました。(写真右)
こうした意見を踏まえて、外務省要請や農水・厚労省との意見交換が行われ、「交渉参加表明の撤回と情報開示、国民との十分な議論」を求めたほか、TPPに参加した場合の農林業や地域経済、食の安全などに及ぼす影響などについて議論しました。参加者からは「農林水産業で3兆円減という政府試算は関連産業の影響を無視しているのではないか」「北海道農業は輪作で成り立っており、一部の品目だけ守っても維持できない」などの意見が出されました。農水省などの担当者は「大きな懸念があることを意識し、交渉に臨みたい。これからもそうした声を寄せてほしい」と述べました。(写真左)
集会では今後の活動として、参院選前で交渉参加の山場となる6月頃にも集会や国際シンポなどを開くとともに、各地域でも集会や学習会を積み重ねる事を確認。そのために、市民団体の「TPPに反対する人々の運動」が作成したパンフの活用などが呼びかけられました。
政府に提出した「TPP交渉参加表明の撤回とFTA/EPA交渉に対する要請書」はこちら

 

TOPに戻る