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成熟都市のオリンピック 日本に資格はあるか

2012年9月 1日

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 今夏、テレビはロンドンオリンピックの映像であふれていた。開会式のオリンピック・スタジアム全体に表現された英国の田園風景と産業革命による近代の幕開け、英国の歴史を彷彿させるダニー・ボイル監督の演出に引き込まれた。そして、その演出を支えた大勢のボランティアスタッフにも敬意を表したい。入場式では、日本選手団は終始和やかに楽しんでいたように思う。東京オリンピックでのザクザクという一定の足音、緊張した入場行進を知っている世代にとって隔世の感があるが、しかし、このような情景を私は歓迎したい。「個の時代」の幕が開けていることを感じる。

 オリンピック憲章は「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」「いかなる世界ランキング表も作成してはならない」と規定する。オリンピックが何かを教える規定だが、日本のマスメディアは、こぞってメダルの数にこだわり、「日本」にこだわった。敗者も勝者も、結果ではなくそこまでのプロセスに価値がある。唇をかみながら「これがオリンピックです」と答えた選手に、メダルと「日本」はどのように映るのか、そのことは重要だ。オリンピック憲章を理解しない日本のマスメディアに疑問を感じる。

 また、オリンピック憲章は「オリンピック開催場所、会場、他のオリンピックエリアにおいては、いかなる種類の示威行動または政治的、宗教的、人種的な宣伝活動も認められない」としている。平和の祭典に政治を持ち込んではならないと。その点で、韓国サッカー選手の行動は残念としか言いようがない。そのことを引き起こした李明博韓国大統領の政治的パフォーマンスも問題だ。そして何よりも、日韓二国間に横たわる多くの問題に目を背けてきた日本の政治が問題だと思う。

 「成熟都市のロンドンのオリンピックを東京につなげたい」と産経新聞は主張する。果たして東京は成熟都市か、差別発言を繰り返す東京都知事は成熟した大人なのだろうか。彼に教えたい。「人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない」とするオリンピズムの根本原則を。

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