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「ヘイトスピーチ」への断罪 ─人権確立への一歩に─

2013年11月 1日

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 学校法人京都朝鮮学園へ、いわゆる「ヘイトスピーチ」(憎悪表現)を繰り返してきた「在日特権を許さない市民の会」(在特会)に対して、京都地裁(橋詰均裁判長)は、一連の発言を「差別」として学校近辺での街宣の禁止と合計1226万円を超える賠償を命じた。在特会は、2010年4月の徳島県教組書記局への襲撃や、2011年1月には奈良県水平社博物館への差別街宣事件などを繰り返し起こしてきた。判決は、極めて明瞭に在特会の行動を断罪している。判決文の中には「こいつら密入国者の子孫」「不逞鮮人を許さないぞ」「朝鮮人を保健所で処分しろ」「犬の方が賢い」「ゴキブリ、ウジ虫、朝鮮へ帰れ」など、聞くに堪えない差別発言が並ぶ。

 判決は、民族教育は人格的生存に不可欠な権利として憲法13条、および教育を受ける権利の自由的側面として憲法26条によって補償される。加えて、国連人権法上も普遍的権利として保障されるとしている。かかる権利は、教育権として全ての人に補償されるべき権利の側面と、少数集団に特有な権利として二重に保護されるべきとし、最後に「我が国における歴史的経緯を踏まえれば、日本国内における在日朝鮮人に対する民族教育は、特別な意義を有する」と結んでいる。

 このように、朝鮮学園を民族教育の極めて重要な権利行使の場とし、それに対する「ヘイトスピーチ」が、少数集団に属する人々の自尊心や民族的自我を傷付け、少数集団に対して深刻な被害をもたらすものであり、ゆえに日本が批准している「人種差別撤廃条約」が禁止する「人種差別」に該当するとした。ついで「ヘイトスピーチ」は、朝鮮学園の民族教育に対する違法な侵害と評価すべきであり、朝鮮学園が関係する在日朝鮮人の自己実現に極めて重要な役割を果たしていることからすれば、教員や児童、その父母らの精神的苦痛の総量が積極的に評価されるべきとしている。この判決に示された考え方は国際基準であり、私たちはしっかりと受け止めなくてはならない。

 日本政府は、民族教育を認めず高校無償化制度から朝鮮高校を排除した。国連社会権規約委員会は、日本への勧告で「排除は差別」と断じている。日本が批准した社会権規約は、その実現のために「漸進的な努力」を義務づけている。しかし政府は「必ずしも従わなくて良い」と発言している。市民団体の交渉に臨んだ文科省の官僚は「罰則規定はない」と主張して恥じない。あの「改憲案」を作るくらいの安倍政権だから、ため息しか出ない。
 

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