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拉致と無償化

2014年5月 1日

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 高校授業料の無償化措置は、民主党政権下で2010年度から制度導入され、国連社会権委員会の勧告の趣旨から、外国人学校の生徒にも適用された。しかし、朝鮮高校へは、朝鮮民主主義人民共和国とは国交がない、日本人拉致などの政治問題が未解決、朝鮮総連の支配下にあると考えられるなどの理由をつけて適用を先送りしてきた。自・公政権になってからは、朝鮮高校を適用除外する制度変更が行われた。国家による差別である。国連社会権委員会は、この事態を「差別である」と言いきっている。日本政府へ、無償化の適用を求め続けてきた朝鮮高校の生徒は、とうとう裁判に訴えざる得なくなった。多くの人々が心を痛めている。

 日本社会が、この差別に立ち上がらない中で、今年度からは、一定の所得に達しない家庭だけに授業料分を国が補償する制度に変更された。国連が要求する「教育権の保障としての無償化」という視点は破棄され、「低所得者への施し」という施策に変えられた。市民の権利をなるべく認めないとする自・公政権の本質を具現化する制度変更である。マイノリティーへの差別を放置する中で、自らへの差別を生むという皮肉な状況が招来している。

 日本社会は、自らの矛盾に気づくことなく差別を生んでいる。いや、気づきながらも差別を続けていると言った方がよいだろう。神奈川県議会は、朝鮮学園への補助金を認める代わりに、拉致問題を教科書に記述するように求める決議を行っている。「子どもに罪はない」としてきた黒岩祐治知事は、2014年度予算成立後の記者会見で、「拉致問題を学ぶ教科書を見届けないと、補助金の執行はできない」とした。拉致問題を教えろと要求する政治家の多くは、従軍慰安婦問題や南京大虐殺など日本の侵略と植民地支配の歴史を闇に葬り、河野談話や村山談話を破棄し、自らの負の歴史を認めようとしない。自らの加害責任を認めない者が、他人の責任を追及する、なんと恥さらしなことか。自らの襟を正さない者の主張は、単なる「いじめ」でしかない。新大久保のコリアン社会を揺るがした「ヘイトスピーチ」と何も違わない。

 拉致被害者の横田夫妻が「拉致問題と朝鮮高校への無償化適用問題は別だ」と主張している。正鵠を射たその主張を、しかしどれだけの政治家が理解しているだろうか?

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