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闘うことを克服する、人は理性的であれ!

2014年10月 1日

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 「チンパンジー攻撃的は生まれつき京大などが解明」というニュースに目がいった。「チンパンジーが、他の個体の命を奪うほど攻撃的になるのは、多くの食物や配偶者を手に入れるために獲得した生まれつきの性質だ」と、京都大学の古市剛史教授(霊長類学)はいう。「人の殺人行動を考える上で重要な発見」としているのはショッキングだ。人間もそのような性質を生まれつき獲得しているのかも知れない。そのような考え方で、人間社会の殺人行動をとらえることはどうなのだろうか。いろいろと考えさせられる。

 佐賀県に、今から2500年くらい前に始まる弥生時代の大規模な環濠集落、吉野ヶ里遺跡がある。木柵や土塁に囲まれ複数の物見櫓も配置され、発掘された人骨からは矢じりの刺さったものや首の無いものなど、倭国大乱の時代のきびしい戦いを彷彿させる。一方で、青森県に三内丸山遺跡という5500年から4000年くらい前の、縄文時代の大規模な遺跡がある。ここでは、吉野ヶ里のような大規模な戦いの傷跡はない。私たちは、歴史の中で人間同士の戦いが社会的な対立から発生してきたことを学んできた。狩猟採集の生活から農耕生活に至る過程で起こる社会的対立が、近代国家の領土や資源の争奪が、戦争の原因であると教えられてきた。だからこそ、個人であろうが、国家同士であろうが、私たちは対立を話し合いで解決できると考えてきた。そう信じてきた。人間の生まれついた攻撃心なるものがあるとすれば、人間はそのことを克服するために努力してきたと思いたい。

 しかし、そう信じることのできない事態が繰り返されている。大量破壊兵器を所有し、「悪の枢軸」とブッシュ米大統領が呼んだイラクから、米軍は撤退した。その後に残ったのは政治的混乱だ。悲しいかなイスラム社会の内部対立は、骨肉相食む戦闘行為に及んでいる。そして、そこにまた米国が空爆という殺戮の介入を行っている。シリアやウクライナなどでも戦争が続き、戦火の絶えることはない。これが人間の性だとするならやりきれない。「人間は社会的集団の中で生きる理性的動物である」であるならば、人間を信じなくてはとの思いを強くする。

 日本で唯一、二卵性双生児の自然哺育が続いている高知県立のいち動物公園のチンパンジー集団では、ふたごそれぞれに対して、母親以外のおとなによる世話行動が確認されたと報道されている。チンパンジーの社会でもそのような心温まる行為が存在する。

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