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「八紘一宇」を軽薄に使うな!歴史に学べ

2015年4月 1日

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 参議院予算委員会を聴くともなく聴いていると、「八紘一宇」と言う言葉が耳に飛び込んできた。質問に立った三原じゅん子自民党参議院議員が、「日本には、神武天皇が即位したときに言ったとされる『八紘を掩ひて宇にせむこと』に由来する『八紘一宇』と言う言葉がある。これは『一つ屋根の下、家族のようにやろう』という意味で、世界各国も自国の利益ばかりに拘泥せずきちんと世界のルールを守るべきだ」と言うように使っていた。

 予算委員会では、この言葉に対してヤジも飛ばず問題にもされていない。三原議員は、質問の最後を「八紘一宇は日本の国柄」「この精神で安倍首相は世界平和に貢献せよ」と締めくくった。

 もうこの国は終わりではないのかと、ため息も出ない。来日したメルケル・ドイツ首相が「過去の総括は和解の前提」と言ったばかりである。「八紘一宇」は、侵略戦争のスローガンとして使われた。中国や朝鮮半島の人々は、「八紘一宇」と言う言葉をどのように聞くのか。その言葉が、東アジア諸国に何をもたらしたか。そのことに思いをはせなくてはならない。

 「皇国の国是は八紘を一宇とする肇国の大精神に基き世界平和の確立を招来することを以て根本とし先づ皇国を核心とし日満支の強固なる結合を根幹とする大東亜の新秩序を建設するに在り」。これは1940年7月26日に第2次近衛文麿内閣が決定した「基本国策要綱」の根本方針である。これにより、国防国家構想による強力な軍事力を持って中国蒋介石国民政府を最大の敵と捉え、「大東亜共栄圏」の建設に向けて、日本は侵略戦争に邁進することとなった。このことを知っても、なお「八紘一宇」を国柄と主張するならば、もはや犯罪的ですらある。

 「基本国策要綱」が出されたその年、神武天皇を祭神とする宮崎神宮の近くに「八紘一宇の塔(八紘之基柱)」が建てられた。1979年に宮崎を訪れた昭和天皇は、塔の前で県民の歓迎を受けるのを固辞した。入江相政侍従長は「八紘一宇の前に立つは割り切れぬ気持ちがおあり」と日記に記した。

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