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2016年05月01日

いつでも何処でも 地震は起きる!

4月14日午後9時26分、熊本県益城町を震源とする最大震度7(M6.5)の地震が発生した。被害は甚大だった。しかし、それだけではない。翌々日の16日午前1時25分、最大震度6強(M7.3)の地震が、14日の震源の北東で発生した。その後も、震度5弱から6強の余震が相次いだ。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

阪神淡路大震災から20年、東日本大震災から5年が経過している。またかの思いが交錯するが、しかし、日本では大地震が周期的に繰り返されてきた。何も不思議はない。14日の地震は前震とされ、16日の地震が規模も大きく本震とされた。その後も、熊本地方と阿蘇地方そして大分県でM5.0を超える地震が多発している。気象庁は、「これまでの経験則からはずれている」と表現した。

この地震では、熊本県の日奈久・布田川断層帯や大分県の別府-万年山断層帯などが動いた。この断層帯は、和歌山県の紀の川流域から四国の吉野川流域、伊方原発のある佐多岬半島を通る中央構造線(メジアンライン)の延長上に存在する。中央構造線は、熊本から南西に向かって川内原発の近くの甑海峡断層帯へとつながっているという説もある。中央構造線が動く可能性や、現在、日奈久・布田川断層帯の北東部に集中する地震が南西側に拡大する可能性を指摘する学者もいる。その時には伊方原発・川内原発も危険となる。「経験則からはずれている」のだから、何が起こっても不思議はない。

本震が南西部で起こったらどうなっていたのか。原子力規制庁と九州電力は、川内原発付近は震度4で基準値震動(耐震設計上の想定)620ガルを大きく下回る260ガルだと報告し、停止する必要はないとしている。しかし、益城町では瞬間の最大震動が1580ガルを記録している。川内原発、これから再稼働しようとしている伊方原発で、その震動を超えないと誰が断言できるのか。2000年の鳥取西部地震、2008年の岩手・宮城内陸地震は未知の活断層で起こった。それはないのか。

そもそも、政府の地震調査委員会は、日奈久・布田川断層帯を含む九州南部で30年以内にM6.8以上の地震の起こる可能性を「7~18%」と想定していた。16日の政府の地震非常災害対策本部会議で、丸川珠代環境大臣は「(川内原発を)停止させる必要はないと判断されている」と報告している。何を根拠に判断したのか、語られていない。結局、いつでも何処でも地震は起きる。起きることを止められないならば、被害を最小限にとどめる努力が重要だ。その一番は、原発を止めることだ。
(藤本泰成)

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