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なぜ日本で脱原発が進まないのか

2017年8月 1日

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 今年も原水禁世界大会が近づいてきた。原水禁は「全ての国の核に反対する」「核の商業利用にも反対する」原則的立場を堅持してきた。「核と人類は共存できない」という言葉は、まさしく原水禁運動を象徴している。

 1970年代から全国に建設された原発に対する反対運動は、地元の市民と原水禁だった。だからこそ、福島第一原発事故当時、原水禁運動に関わってきた多くの人には、忸怩たる思いがあっただろう。「だから言ったじゃないか」というよりは、「何で止められなかったのか」という思いである。事故直後、東電前で拳を上げる人々もいたが、原水禁はそのような行動を取ることはなかった。自省する思いが勝ったと言うことだ。

 その後「さようなら原発1000万人アクション」を立ち上げて、大きな運動を繰り広げた。しかし、まだ原発を止めることはできないでいる。なぜだろうか。ドイツ、イタリア、スイスが脱原発を決め、アジアでは台湾の蔡英文政権が脱原発を決定し、韓国の文在寅政権が、古里原発、月城原発の廃炉を決定している。2011年3月11日以降の福島の実態が、その判断に影響していることは間違いない。

 世界史に残るだろう大事故を起こし、放射性物質の拡散によって多くの避難者を生み、人々の生活を破壊し、事故後6年を経過してもなお故郷に戻れない人々が存在する日本において、しかし、安倍政権は原発推進を掲げて止めない。止めない理由は示されていない。

 2013年9月16日に大飯原発3・4号機が止まると、15年8月11日に川内原発1号機が再稼働するまで、日本社会は脱原発を経験したが、社会は何ら混乱しなかった。にもかかわらず17年7月現在、川内原発1・2号機、伊方原発3号機、高浜原発3・4号機の5基の原発が稼働している。廃炉にすると、すぐに負債になるから、無理に稼働させようとするのか。

 六ヶ所再処理工場の建設費は2兆円を超える、東海再処理工場の廃炉費は1兆円を超える。福島第一原発の事故処理には21.5兆円が見込まれるが、実際は天井知らずではないのか。全ての費用は電気料金に付加される。しかし、原発は止まらない。近く使用済み核燃料の最終処分場の適地マップが出るらしい。国土の70%が適地とされるのではと言われているが、10万年とも20万年とも言われる保管期間、何処が受け入れるのか。しかし、原発は動き、使用済み核燃料は増え続ける。

 今年の原水禁世界大会では「なぜ日本で脱原発が進まないのか」が議論になる。議論の中から脱原発が進むことを期待する。
(藤本泰成)

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