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2018年08月01日

避難指示中に宴会かよ!

7月3日から8日にかけて、原水禁代表団として中国を訪問している最中、日本は中四国地方を中心に「西日本豪雨」と呼ばれる未曾有の災害にみまわれた。台風7号の影響で梅雨前線が活発化したことで、北海道と九州から長野県にかけて、500ミリから1800ミリを記録する豪雨となった。7月14日現在で死者は200人、行方不明者が48人にのぼっている。繰り返される自然災害に胸が痛くなる。

7月5日の午前中には、兵庫県で作業員3人が流され1人が死亡している。午後1時には、神戸市で10万人、大阪府茨木市など3府県15市町村で計約20万人に避難指示・勧告が出された。神戸市灘区の神戸大学では裏山が崩れ、避難勧告が出され休校となった。

北海道岩内町でも、河川の氾濫が予想されるとして355世帯660人に避難勧告が出された。奥尻町や八雲町でも土砂崩れが起きて道路が不通となり、停電も発生していた。気象庁は、5日午後2時、臨時会見を開き、8日にかけて西日本と東日本で猛烈な大雨が降り続くとし、『今後、重大な災害の発生するおそれが著しく高くなり、大雨特別警報を発表する可能性があります』と警告を発した。

全国的に甚大な被害が想定される状況の中で、5日中には被害や避難が続出していたにもかかわらず、衆議院の赤坂議員宿舎では、安倍晋三首相を囲んで“赤坂自民亭”と称する宴会が開催されていた。岸田文雄政調会長や小野寺五典防衛相、上川陽子法相も参加し、自民党の国会議員たちが笑顔で酒を酌み交わしていた。小野寺防衛相は自衛隊の災害出動の責任者であり、岸田政調会長の地元の広島県の被害は甚大だ。上川法相は、オウム真理教事件に関わる死刑囚7人の死刑執行命令書に署名したばかりだった。

安倍政権は「命」をどのように捉えているのだろうかと疑問に思う。たくさんの人々が、豪雨の中で不安な避難を強いられていた。その後、災害は拡大し、多くの人々が土砂に埋まり家に潰され、洪水に流されて命を失っている。その最中の6日、参議院本会議で審議が始まったのは市民の7割が反対と言われる「IR実施法案」だ。私たちは馬鹿にされている。

思い出すことがある。2001年の「えひめ丸事件」だ。宇和島水産高校のえひめ丸がアメリカ海軍の原子力潜水艦に衝突され沈没し生徒と教員9人が死亡した。一報を受けた後もゴルフを続けた森喜朗首相(当時)は、支持率8%に低下する中で、結局総辞職を余儀なくされた。それが、まともな社会なのではないか。
(藤本泰成)

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