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「分断」を乗り越えられるか

2018年2月 1日

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 スウェーデンのアパレルメーカー「H&M」の南アフリカ国内に展開する数店舗で、黒人の権利を訴える政党「経済的解放の闘士」(EFF)の要請で集まった市民に襲撃される事件が発生した。事の発端は、「COOLESTMONKEYINTHEJUNGLE」と胸に書かれたパーカーを着た黒人少年のカタログ写真だった。「ジャングルで一番かっこいい猿」と書かれたパーカーを黒人少年に着せるという、そのような発想がどこから生まれたのか、これが許されると誰が考えたのか、スウェーデンという国のこれまでを考えると理解しがたい。一方EFFは、「差別を謝罪する時代は終わった」と主張しているが、力尽くでの解決には同意できない。

 米トランプ大統領が会議の席上、中米やアフリカ諸国を「屋外便所(shithole)のような国々」と呼んだと報じられている。移民排除を掲げるトランプ大統領は「なぜハイチ人がもっと必要なのか、追い出せ」と発言したとも言われている。名指しされた国の反発は大きく、国連人権高等弁務官事務所のコルビル報道官も「『人種差別主義者』としか言いようがない」との非難声明を発している。

 7割を超す在日米軍基地を抱える沖縄で、子どもたちが活動していた校庭に米軍ヘリの部品が落下した。事故を受けて、「やらせだ」「仕方ないだろう」「後から学校を作ったくせに」「基地で生活しているくせに」など、誹謗中傷の電話が寄せられた。同じく園舎の屋根で部品の見つかった保育園にも同様の攻撃が行われている。無知と偏見の中における、しかし悪意に満ちたこのような攻撃を、私たちはどう考えねばならないのか。

 止むことの無い地域紛争は、多くの難民を生んだ。一方でISのようなテロ組織も生まれている。世界を謳歌した自由主義経済は行き詰まり、貧困と格差は世界を覆っている。漠とした不安に人々は苛まれ、他者への攻撃に不安と怒りを発散する。国民と難民・移民は、黒人と白人は、本土と沖縄は、何が違うというのか。人々の分断が、あらゆる場面で進んでいる。米国は元々移民の国だ。400年も過ぎれば、移民は国民となり国民は移民を排除する。そのような事がまかり通る。150年も遡れば、沖縄は琉球王国だ。米国のペリー提督とは160年も前に、独立国として堂々と渡り合ってる。今を見据えるだけではなく、遠い過去の歴史に遡り、遠い将来を見通す。今必要なのは、そうした作業ではないか。
(藤本泰成)
 

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