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笑いながらのヘイト─ 優しさはどこに

2018年3月 1日

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 日曜日、久しぶりにゆっくりとテレビの前に座った。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)という番組の「温泉同好会inフィンランド」というコーナーを見た。しかしそれは、温泉にのんびり入るのではなく、気温マイナス10度、水温0度の湖で、よしこ、まひる、オカリナ、大島(この人は森三中の一人)と名乗る若い女性たちが、意味なく氷の下を潜ったりする番組だった。
この番組は何を視聴者に訴えるのかと疑問に思った。心臓麻痺の可能性をも超えてがんばる彼女たちの、克己心を賞賛する番組なのか。そうではなく、彼女たちが水着に着替え、寒さに震える姿を端から笑う番組なのか。この番組をニタニタと笑いながら多くの人が見るのだろうか。見ていて不愉快になった。

 その数日後、ジャーナリストでヘイトクライムなどを告発している安田浩一さんの話を聞いた。TOKYOMXテレビの「ニュース女子」という番組に話題が及んだ。沖縄の高江のヘリパット建設に反対する人々を「日当をもらっている」「テロリストだ」「救急車を止めた」などと、何ら取材もせず悪意に満ちたデマを意図的に流し続けた番組で、放送倫理・番組向上委員会が「重大な放送倫理違反」と厳しく批判している。

 安田さんがこの番組を本当に許せないとしたのは、何の取材もなしにフェイクを流したことだけではなく、笑いながら高江の反対派の人たちを揶揄していることだ。全人格をかけて批判し自らの考えを主張しているのでもなく、いつもニヤニヤしながらスタジオの中で笑って差別する、馬鹿にしているのは本当に許せないと。同番組で日当を配ったとされた「のりこえねっと」共同代表の辛淑玉さんも、「あの番組は大変むごい。彼らは笑いながら私を名指しし、笑いながら、沖縄の人たちを侮辱しました」と述べている。

 貧困や格差が拡大し、戦争法や共謀罪など権力に対抗する人々を弾圧しようとする法律が矢継ぎ早に成立していく。その中で、私たち自身が対立を深めてはいないか。ヘリコプターの部品が落下した沖縄の保育園や小学校には、「やらせだろう」などとの心ない攻撃の電話が相次いだという。安倍政権下で、何かが変わろうとしているのだろうか。ひとり一人に優しい社会であって欲しい。
(藤本泰成)

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