声明・申し入れ、2014年

2014年04月24日

平和フォーラム総会 福山代表あいさつ

平和フォーラム総会あいさつ

フォーラム平和・人権・環境
共同代表   福 山 真 劫

全国各地から平和フォーラム総会への参加に感謝します。
またこの1年、平和フォーラムの闘いへのご結集本当にありがとうございました。総会にあたって、平和フォーラム幹事会を代表して、数点提起させていただきます。
一点目は、平和フォーラムの可能性についてです。
平和フォーラムは、30団体で、労働組合員のところを見れば、加入者数は約150万です。全労協加盟や上部団体なしの組織もありますが、多くは連合にも加盟しています。会員数では連合の4分の1の勢力であり、全労連120万よりは多数です。
しかし一方、私たちの誇るべきものは、共産党系を除いて、他の平和団体・人権団体と比較すると、私たちは全国組織であり、圧倒的な組織力を持っています。さらに平和・民主主義・脱原発への熱い思いと闘いの歴史を持っていること、福島の原発事故が告発した内容を受け止める思想性を持っていること、セクト主義ではなく、多数派形成をめざす運動上の戦略を持っていることです。そういう意味では、ここが私たちの出発点です。
そしてここから、時代に求められている役割を果たすため、組織と運動を強化するのだとして全力で頑張ってきました。また私たちは、私たちの取り組みだけでは、安倍政権を包囲し、政策転換、退陣に追い込むことはできないということも知っています。そういう意味で、平和フォーラムは、連合の位置の大きさを知るがゆえに、連帯を求めて働きかけを強めてきました。また同時に全野党、市民、市民団体へと大きく連帯の輪を拡大させてきました。それがワ―ルドピースナウであり、さようなら原発1000万アクション実行委員会であり、沖縄の県民ぐるみの闘いへの連帯であり、特定秘密保護法反対の闘いであり、戦争をさせない1000人委員会です。そして政党との関係では民主党、社民党とともに立憲フォーラムとの連携した取り組みを重ねてきました。こうした取り組みが確実に新しい可能性を切り開き、安部政権と対抗しています。
一言付け加えると、民主党、社民党には、出直し的再出発をめざしてほしい。民主党も社民党も正念場です。はっきり言えば、私たちにとって、9条擁護・憲法理念の実現、辺野古新基地建設反対、脱原発、格差社会との対決を掲げないような、時代の危機認識ができないような政党はいらないし、未来があるように思えません。また連合には、労働組合本来の立場を堅持し、安倍政権の分断・懐柔政策に対決し、軍需産業や原子力産業の間接的影響力を断ち切り、労働組合のナショナルセンターとして集団的自衛権行使反対・脱原発・辺野古新基地建設反対の旗を掲げて、奮闘してほしい。市民の連合に対する評価は一挙に高まると思われます。

2点目は暴走する安倍政権との対決です。
安倍政権が誕生して1年4か月が経過しようとしています。戦後レジームからの脱却として、戦後の憲法体制の破壊し、東日本大震災・福島原発事故を契機に作り出された「脱原発への流れ」を逆転させようとしています。この半年の間でも、特定秘密保護法強行採決、靖国公式参拝、防衛大綱の見直し、国家安全保障戦略の決定、武器輸出3原則見直し、エネルギー政策の見直し、辺野古への基地建設の推進と暴走をしています。何としてもこの暴走を止めねばなりません。
安倍政権は、アベノミクスの幻想をばらまくことによって、各種世論調査では支持率は引き続き高いものがありますが、基盤は強くありません。もともと先の衆議院選挙においては、第1党とはいえ、27・6%しか獲得していません。そして東日本大震災の復興の遅れ、東電福島原発事故を収束することができず、放射能も垂れ流しのままです。その上個別政策では、安倍のめざす特定秘密保護法、原発再稼働、辺野古への基地建設も、集団的自衛権行使の合憲化も、9条の改悪も支持されていません。また靖国公式参拝や歴史認識の修正する政策は、中国、韓国だけではなく欧米なども含めて国際的にも、不信感・不安感を拡大させています。
安倍周辺のお友達グループの本性が明らかになり、批判が高まっています。公明党との関係も揺れだしています。残念なことは、安倍内閣と対抗する我々の側、政治勢力の未形成、社会的運動が未形成です。しかしわれわれが作り出しつつある闘いを基本に連帯の輪をさらに拡大していけば、安部を包囲し、安倍の政策転換、退陣の実現が可能です。
安倍自公政権の具体的な次の狙いは、集団的自衛権の合憲化、沖縄は辺野古への新基地建設、原発再稼働の3課題であり、日本の国のあり方を大きく変えてしまうものであり、日本の未来を壊してしまう内容を持つものです。今の情勢によれば、東アジアで軍事的緊張を意識的に作り出し、国民を偏狭なナショリズムであおり、国会における多数勢力を背景に強行されかねません。
今を生きるものの責任として、平和団体・脱原発団体に関わっているものの責任として、安倍の暴走を止め、平和・民主主義・脱原発の日本をつくらなければなりません。それぞれの課題の闘う枠組みを見れば、平和フォーラムの役割と責任は、きわめて重大です。

3点目です。具体的取組ついて、先ほどの3課題について、簡単に提起をします。
沖縄では、米軍占領下でも、復帰後も基地のない平和沖縄をめざして闘い続けてきました。そうした中で、日米両政府は、戦後69年になろうとしているにもかかわらず、辺野古への米軍新基地建設を推進しようとしています。沖縄では、昨年41の全市町村の首長と議会議長が普天間の即時返還・辺野古への基地建設反対の建白書を安倍政権に提出し、県民総ぐるみの闘いが大きく高揚しています。11月の県知事選挙が最大の攻防戦になると予測されますが、その前段で安倍政権は、弾圧と懐柔政策を使い分けながら、建設への既成事実を積み上げるべく、躍起となっています。沖縄の闘いを分断し、基地と差別を押し付ける辺野古への基地建設は絶対に許せません。5月、平和行進に取り組み、沖縄の怒りをもう一度共有し、東京、県外から沖縄と連帯した大きな運動を構築しよう。
脱原発の闘いは、東電福島原発事故後3年を経過しているにも関わらず、収束のめどはたっていません。福島の避難者は約15万人と言われています。一方「さようなら原発1000万人」の闘いが全国に拡大しています。福島の課題、事故原発の収束課題、再稼働阻止、核燃サイクル路線阻止に全国で取り組みましょう。とりわけ9・23東京集会に結集し、脱原発への道筋を確実に作り出しましょう。
戦争をさせない1000人委員会運動についてです。憲法前文に「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、この憲法を確定する」とあり9条には「戦争と武力による威嚇と、行使は永久に放棄する。戦力は保持しない。国の交戦権は認めない」とあります。私たちは、アジア太平洋戦争の惨禍を経て、こんな素晴らしい憲法を持っているのです。私たちの誇りです。
米国は、歴代の自民党政権と連携しながら、自らの軍事戦略に基づきながら、「憲法9条」の空洞化を進めてきました。そして現在「最後の歯止めを」破壊し、集団的自衛権行使の合憲化をめざしています。米軍再編成と合わせて、米国の軍事戦略の下に米軍とともに闘う自衛隊に仕立て上げようとしています。集団的自衛権の行使は、立憲主義、平和主義を放棄し、戦争する国へと日本の国の在り方を変えてしまいます。絶対に許せません。
戦争させない1000人委員会が3月、大江健三郎、佐高信、山内敏弘、鎌田慧さんなど多くの呼びかけ人により出発しました。安倍の政策転換を勝ち取り、退陣に追い込む枠組みができました。すべての勢力の総がかりの闘いを作り上げましょう。平和フォーラムの総力を挙げて取り組みたいと思います。全国でぜひ1000人委員会運動を作り上げてください。この中にしか勝利への展望はありません。

4点目です。現在オバマ大統領が多くの課題を背負って来日しています。
世界で超大国であった米国の位置が軍事的・経済的・政治的位置が大きく揺らぎ、新しい秩序の形成に向け、世界が動き出している中での来日です。とりわけ、TPPに代表されるように経済面での日米間の利害調整、安倍の偏狭なナショナリズムの修正を行い、米国の経済戦略・軍事戦略の中に、日本の組み込みをめざしています。
私たちは、オバマに対して、米の産軍複合体・日米の安保村の思いどおりにはさせないこと、TPP反対、集団的自衛権行使の合憲化反対、辺野古への基地建設絶対反対、地位協定の改定など異議申し立てをし続けねばなりません。
最後ですが、時代が大きく変えられようとしています。9条を投げ捨て戦争する国へ、福島原発事故の恐怖と深刻さをもう忘れ原発推進する国へ、犠牲を押し付けて続けてきた沖縄に米軍新基地建設を押し付ける国へ、加害責任を隠ぺいし歴史認識を修正する国へ、格差社会の深刻化にはしらん顔する国へ、こんな国づくりをめざす安倍政権を絶対許せません。平和フォーラムが闘わなければどこが闘うのだという決意のもと、平和・民主主義・脱原発の旗を高く掲げて闘いぬきましょう。
簡単ですが、挨拶とさせていただきます。ともに頑張りましょう。

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