声明・申し入れ、2020年、人権コーナー

2020年08月07日

萩生田大臣発言への抗議と盗掘されたアイヌ遺骨の返還を求める「チャランケ(談判)」の実施


8月6日と7日、参議院議員会館において、北海道内外のアイヌ民族でつくる「先住民族アイヌの声実現!実行委員会」と「日本人類学会のアイヌ遺骨研究を考える会(チャランケの会)」は、萩生田大臣発言と遺骨地域返還に関する「チャランケ」を実施しました。(チャランケとは、アイヌ語で「談判」の意味)。平和フォーラムとしても、この間、「盗掘されたアイヌ遺骨の返還を求める団体署名」に取り組んできており、「チャランケ」には平和フォーラムも参加しました。
「チャランケ」は国土交通省、文部科学省、内閣官房それぞれに対して行われましたが、特に、文部科学省に対しては、アイヌ民族への差別を「価値観の違い」とした、萩生田光一文部科学相発言に対して強く、抗議を行いました。
そのうえで、盗掘されたアイヌ遺骨の問題について「チャランケ」を行いました。「チャランケの会」の出原事務局長からは、「遺骨問題はアイヌ民族差別の象徴だ。国が『共生』という言葉を使うのであれば、大学などの研究機関任せではなく、国の責任できちんと実態を把握すべきだ。」と、国による実態把握を強く求めました。
また、全国の大学や博物館から民族共生象徴空間「ウポポイ」の慰霊施設に集約されたアイヌ民族の遺骨について、「人骨標本」として利用することのないよう、強く求めました。
遺骨盗掘の歴史的な実態調査については、アイヌ民族や歴史学者を含む調査を、国の責任で速やかに行うべきです。それを踏まえて、遺骨を出土地域へ返還し、埋葬することも、国の責任です。平和フォーラムは引き続き、「盗掘されたアイヌ遺骨の返還を求める団体署名」の取り組みを継続し、アイヌ民族と連帯して、取り組みを進めていきます。

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