声明・申し入れ

2019年03月01日

被災65周年3・1ビキニデー全国集会アピール

マーシャル諸島・ビキニ環礁で第五福竜丸が被災し、また多くの島民や漁船が被災してから65年目を迎えました。被災し亡くなった第五福竜丸の久保山愛吉さんの「被爆者は私を最後にして欲しい」との強い反核・平和の願いにもかかわらず、世界には、15000発近くの核兵器が存在し、人類の生存そのものを脅かし続けています。世界では、平和を求める市民社会の声がありながら、しかし、テロや紛争が際限なく続き不安定な中にあります。
2017年7月には、被爆者が求め続けた核兵器禁止条約が国連で採択され、初めて核兵器の全面禁止が、国際社会に問われています。現在、条約の発効に向けて、世界各国で署名・批准がすすめられています。朝鮮半島をめぐる非核化を中心とした平和と安定を求める動きも活発化してきました。南北、米朝の首脳会談が開かれ、2月27日から28日にかけても、ベトナムにおいて、第2回目の米朝首脳会談が開催されました。今回は合意文書を交わすには至りませんでしたが、今後も対話と協調を軸にした協議が進むことに強く期待したいとおもいます。朝鮮半島の非核化の進行は、私たちが提唱してきた「東北アジア非核地帯構想」の実現を促し、平和に向けて大きな前進を勝ち取るものと期待されます。
一方、唯一の戦争被爆国である日本の安倍政権は、INF(中距離核戦力廃止条約)から離脱し、実戦で使える小型核の開発や新たな艦載用の巡航ミサイルの開発などを盛り込んだ核態勢の見直しをすすめるトランプ政権を支持し、世界の非核兵器保有国の動きに背を向けています。核兵器禁止条約を否定し、米国の核の傘の下、核抑止力による安全保障に頼る日本政府の姿勢は、被爆国にあるまじきものです。
安倍政権は、国会での多数を背景に、憲法改悪に向けた動きを加速させています。また、県民投票によって辺野古新基地建設を拒否する沖縄の民意を踏みにじり、いまも辺野古を埋立ています。オスプレイの配備や空母の建造、イージス・アショアや巡航ミサイルの導入など専守防衛を逸脱し、米軍と一体となった海外展開へむけて動きだしています。原発問題でも、脱原発を選択する世論の圧倒的意思を無視して、原発再稼働を強行しています。ここでも民意や現実を無視する強権政治を進めています。安倍政権の暴走をこれ以上許してはなりません。
私たちは、平和と民主主義の最大の危機に直面しています。今年は原水禁運動にとって正念場です。私たちの運動の真価が問われる重要な局面を迎え、これまで原水禁運動が進めてきた反核・平和、脱原発・フクシマ連帯、ヒバクシャへの援護・連帯を前進させ、安倍政権の危険な動きに抗する理念と運動の強化が求められています。
「核と人類は共存出来ない」とする原水禁の理念を踏まえ、運動をより一層強めていきましょう。
2019年3月1日
被災65周年3・1ビキニデー集会

 

 

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