声明・申し入れ、2009年

2009年07月18日

2009在日朝鮮人歴史・人権週間東日本集会アピール

 私たち「在日朝鮮人歴史・人権週間」実行委員会に結集する団体を初めとして多くの賛同者が、本日ここ横須賀に集まり理解を深めた。
 日本帝国主義は朝鮮半島を植民地とし、政治も文化もすべて奪い尽くし、土地も取り上げられた朝鮮半島の人々は仕事を求め、故郷を離れ、「祖国なき民」とさせられた。本日集まった横須賀の地は、過去もアジアに対する侵略の最前線基地であったが、今も自衛隊の中枢機関が存在し、米原子力空母の母港とされ、アジアに対し脅威を与えているなど、戦前・戦中とまったく同様である。
 戦時中、この横須賀には海軍工廠を中心に、多くの朝鮮人が国内から集められ、また朝鮮半島から連行されて地下壕の掘削に携わり、あるいは軍需工場で働かされた。加えて南方の島々へと軍属として、または兵士として派遣された。日本帝国主義は朝鮮人を先兵にしてきたのだ。日本社会は朝鮮民族に対し、そういう「負の歴史」を清算しないままに、朝鮮人差別を繰り返してきた。
 こうした差別が繰り返されるのは、日本近・現代史と在日朝鮮人の歴史についての不認識と人権感覚の欠如、国際感覚からかけ離れているからだろう。
 本集会では、「強制連行」をめぐっての政府見解の「右より変化」や「独りよがり」で、国際社会では相手にされていないことなども、今までにも増して明らかになった。とくに近年における安倍前首相や、麻生首相の発言は「歴史的事実を正視」せず、「戦争を肯定」し「戦争を肯定する子ども作り」に奔走する歴史修正主義者と一体になっている。今、戦争の危機が迫っているが私たちは過去の過ちを繰り返してはならない。
 本日、ここに集まった私たちは、とくに在日の「無年金問題」も課題にしてとりくまなければならない必然性を確認した。
 在日朝鮮人高齢者には無年金の方も多いが、長く幸せに生きるためには、国に働きかけての「年金の確保」をできるようにすることが日本人としての責務だろうし最低条件だ。多くの方々に戦時中に働いていた軍需工場や民間会社でかけていた年金の支給漏れがあるようだ。今すぐ、社会保険事務所に対し行動することや、あるいは地区の同胞生活相談センターにも相談することが重要だ。
 朝鮮人が置かれている現状も、さまざまな角度から伺うことができた。今集会の名を以て感謝するとともに、ともに行動し、在日朝鮮人の人権確立と共生を確認する。以上、集会アッピールとする。
 

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