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新型インフルエンザ対策特別措置法改正案についての見解

2020年3月12日

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  新型コロナウィルスの感染拡大が進む中で、政府の対策はすべてが後手に回っており、場当たり的なものとなっている。検査体制の不備などから、感染者拡大の実態はいまだ不明であり、医療体制の確立が急務であるにもかかわらず、一向に政府の施策は見えてこない。

 安倍総理は、何の法的根拠もなく、小学校・中学校・高校の休校を決定した。国民の教育を受ける権利などの私権制限につながりかねない施策である。休校は、社会的に弱い立場の子どもや特定の家庭によりダメージを与えやすく、また、小さい子を家に残して仕事に出かけることができないために、出勤できなくなる看護師が存在するなど、医療、福祉など社会的な機能への悪影響も指摘されている。

 一方、国会では、新型インフル特措法の対象に、新型コロナを加える方向で法改正が進められている。同法改正案では、総理大臣が「緊急事態宣言」を行うことができるとされているが、安倍政権に国民の私権制限につながる強大な権限を与えることに対して、大きな懸念を抱かざるを得ない。

 この「緊急事態宣言」は「国民生活および国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがある」場合に、期間(2年上限)、区域等を定めて総理大臣が発令する。都道府県知事は外出自粛などを要請でき、一定の条件を満たせば、医療品や食品などの物資の収用や土地・建物の強制使用などが可能となる。

 このような私権を制限する法律の適用に当たっては、最低限、国会による事前承認など、政府の独断専行を許さない仕組みが必要である。衆議院では、原則として政府が国会に事前報告することや、事前に学識経験者の意見を聴取することなどを盛り込んだ付帯決議を可決したが、強制力をともなわないものであり、不十分である。

 安倍政権の、黒川東京高検検事長の定年延長問題などに象徴される政治の私物化などをみれば、安倍政権が安易に「緊急事態宣言」を行い、私権を制限することの危険性は明らかである。このような重要な法案を、十分な審議もせずに成立させるべきではない。

 本来、政府が行うべきは、検査体制や医療体制の充実、また、経済が縮小する中での社会的弱者に対する対策である。これらの対策は、緊急事態措置を必要とするものではない。安倍総理は、独断専行で政策を遂行するのではなく、専門家の意見を聞きながら、既存の法律にのっとり迅速に対応すべきであり、拙速な緊急事態措置は許されない。

 条文にある「新型インフルエンザ等対策を実施する場合において、国民の自由と権利に制限が加えられるときであっても、その制限は当該新型インフルエンザ等対策を実施するため必要最小限のものでなければならないものとすること。」とする法の趣旨をふまえ、「緊急事態宣言」の安易な発令に、反対するものである。

2020312

フォーラム平和・人権・環境

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