憲法審査会レポート、2025年

2025年06月13日

憲法審査会レポート No.59

6月12日、衆院憲法審査会に先立って行われた幹事会に対し、改憲推進5会派が任期延長に関する改憲骨子案を提出しました。ただし、憲法審査会への提出ではないため、骨子案の内容は議事録に残りません。

2025年6月12日(木) 第217回国会(常会)
第9回 衆議院憲法審査会

【アーカイブ動画】

https://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=55864
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【マスコミ報道から】

自民など5党派が改憲骨子案 議員任期延長で―衆院憲法審
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025061200889&g=pol
自民、公明、日本維新の会、国民民主各党と衆院会派「有志の会」は、12日の衆院憲法審査会に先立つ幹事会で、緊急時の国会議員任期延長に関する憲法改正骨子案を提示した。”

災害やテロなどなどの緊急時に国会議員の任期延長、改憲骨子案を初提示…自民など5党派
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250612/k10014833321000.html
“骨子案は、任期延長を認める「選挙困難事態」の認定要件などが柱となっている。自然災害や感染症の 蔓延(まんえん) 、武力攻撃、テロや内乱といった緊急事態で、広い範囲で国政選挙の実施が長期間困難と認められる場合、内閣が選挙困難事態とその期間を認定するとした。”

“選挙困難な緊急時は議員任期を延長” 自民など改憲骨子案
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250612/k10014833321000.html
“…立憲民主党の武正公一氏は「東日本大震災と同じ規模の地震が起きたとしても現行の繰り延べ投票で対応可能であり、『選挙困難事態』の立法事実はない」と述べ、任期延長のための憲法改正には慎重な立場を示しました。”

改憲5党派、議員任期延長の改憲骨子案提示 憲法審では取り上げず
https://digital.asahi.com/articles/AST6D3Q05T6DUTFK009M.html
“審査会長を立憲民主党に握られ、議論の主導権を奪われた対抗姿勢を示す狙いだが、審査会の正式なテーマとして扱うことは見送られた。”
“幹事会は議事録の残らない非公開でおこなわれた。”

5党派が「議員任期延長」の改憲骨子案提示 自民内の「溝」が懸念材料 衆院憲法審幹事会
https://www.sankei.com/article/20250612-OPK6FA7GCZIVHMCZ6T2X7AVTKQ/
“船田氏は記者団に参院自民の意見を骨子案に反映させたことで対立は解消したとの認識を示した。しかし、立民の閣僚経験者は「議論を進めるほど自民内が割れている状況が明らかになる」とほくそ笑む。”

【傍聴者の感想】

今回は各会派の代表から今国会中の審査会の討論について総括を受け、自由討論が行われました。事前の幹事会では自民、維新、公明、国民、有志の会の5会派から改憲案の骨子が提出されたものの、自民党の総務会を経ていないなど自民党内で手続きが採られていないものとのことで、審査会に出席した議員や傍聴には配布はされませんでした。

討論では、あらためて「選挙困難事態」をめぐって意見が交わされました。自由民主党などが改憲の理由として示す「選挙困難事態」に対して、立憲民主党から「立法事実にあたらない」、日本共産党から「議員の任期延長は国民の選挙権の停止につながる」といった反論がありました。

日本維新の会からは「国民主権を具現化し、主権者である国民に判断を仰ぐためにも、国民投票の実施を」、国民民主党からは「憲法審査会の具体的成果を可視化すべき」といった意見が示され、憲法改悪に向けた一歩を踏み出したいという思惑が明白に見て取れました。

物価上昇や「コメ不足」などに象徴される、人々の苦しい生活をどう改善するかはあとまわしです。彼らの政治的思考のあり方は「国家」の下に「国民」をいかに従属させるかであり、有権者である「国民」の日々の生活の向上にはないということが強く感じられました。参院選勝利に向けたとりくみを強めたいと決意しました。

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