原水禁大会 | 平和フォーラム
2020年10月01日
コロナ禍で開催された「被爆75周年原水爆禁止世界大会」
2020年は、被爆75周年という大きな節目の年です。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響で、広島、長崎、福島現地へ全国から人を集めて例年通りの原水禁大会を行うことはできず、オンラインでの開催となりましました。原水禁大会でユーチューブを利用した動画配信を行うため、「被爆75周年原水爆禁止世界大会」公式チャンネルを開設しました。ユーチューブ公式チャンネルでは、予告動画をはじめ、収録風景なども公開し、これまでとは違う形で、原水禁大会を行うことをアピールしました。大会は、集会・シンポジウム・分科会・特別分科会・独自集会という構成で、動画の事前収録を中心に準備し、一部、広島・長崎現地の行動や集会を生放送配信しました。
動画を使って学習会もできます
8月1日に福島市内で開催された「トリチウム汚染水の海洋放出」に関する学習会を3日に福島大会関連動画として公開したことを皮切りに、4日には22本の分科会動画を公開、5日に17本の特別分科会動画を公開しました。分科会動画は「沖縄と東北アジアの平和」「核兵器をめぐる今」「福島原発事故の今と原子力政策」「福島の10年、原発事故を問う」「気候変動とエネルギー問題を考える」「ヒバクとは何か、フクシマとチェルノブイリをつないで」と、大会基調で扱う問題をテーマにしました。特別分科会では、「被爆の実相」や「継承」をテーマに、広島市内のフィールドワークを体験できる動画、被爆証言、高校生と大学生によるパネルシアター(朗読劇)動画など、これまでの原水禁大会では扱うことがなかったものも取り上げました。また、ユーチューブ公式チャンネルに公開された動画は、引き続き視聴することが可能であるため、同時刻に一つの分科会しか参加できなかったこれまでとは大きく違い、時間や場所を選ばずに、分科会に参加(視聴)することができ、今後の学習の機会などにも活用することができます。
広島・長崎では生放送も
8月6日午前、広島原爆ドーム前から「人間の鎖」で非核を訴える広島原水禁主催のアピール行動を生放送しました。同日午後には、議長挨拶や被爆者の訴え、基調提起などを含んだ広島大会の動画を配信しました。多数の関係者に「原爆を許すまじ」を歌ってもらい、リレー合唱形式にしてエンディングとして流しました。同日「核兵器廃絶と日本のプルトニウム」をテーマに国際シンポジウムも公開しました。米国、韓国、中国、日本のパネリストの発言を受けて、原水禁としての見解をまとめました。
8月8日午後、長崎市内での長崎原水禁が主催する集会の様子、9日午前、爆心地座り込み行動を生放送で配信しました。同日午後には、長崎大会の動画を公開し、高校生平和大使を中心に高校生が「この声を、この心を」を歌ったリレー合唱をエンディングに使用しました。続けて、生放送で高校生シンポジウムを行い「高校生だからできること」をテーマに議論し、今後の活動について考えるとともに、支援者へのメッセージをまとめました。
8月12日午後、福島大会の動画を配信し、「福島原発事故に対する思い」を現地の人に話してもらいリレートークとして、エンディングに流しました。現地に集まることができない分、大会動画を作成する際に、多くの現地の方に関わっていただきました。
海外ゲストでは、アメリカ、ドイツ、中国、韓国、ベラルーシからメッセージをいただくなど協力してもらい、それぞれの大会でメッセージ動画を組み込むほか、分科会でも字幕を付けて公開しました。
オンラインで原水禁大会を開催するという初の試みでしたが、ユーチューブ公式チャンネルを活用したことで、現地参加者という枠に限らず、より多くの方に開かれた大会となりました。個々人での視聴という形式であるため、新規大会参加者の獲得が難しかった面は否めません。これらの反省点をいかしながら、今後、より多くの方々に参加してもらえるよう、改善し、来年の「被爆76周年原水爆禁止世界大会」に活かしていきます。
「被爆75周年原水爆禁止世界大会」公式チャンネルでは、引き続き、原水禁大会関連動画を配信していますので、ぜひご覧ください。あわせて、チャンネル登録もお願いします。(橋本 麻由)
●ユーチューブ「被爆75周年原水爆禁止世界大会」公式チャンネルURL
https://bit.ly/gensuikin
【オンライン原水禁大会プログラム構成】
集会 | 広島大会 |
長崎大会 | |
福島大会 | |
国際シンポジウム | |
高校生シンポジウム | |
分科会 22本 | |
特別分科会 17本 | |
独自集会等 | 広島・人間の鎖行動 |
長崎・独自集会、座り込み行動 | |
福島・学習会 |