防衛大いじめ事件

2021年01月01日

防衛大いじめ事件は国に責任! 謝罪し、再発防止を徹底せよ!

防衛大人権侵害裁判を支援する会 事務局長 前海満広

12月9日、福岡高裁(増田稔裁判長)は防衛大学校(国)の責任を認めなかった一審福岡地裁判決を変更し、「元学生に対する暴力や、精神的苦痛を与える行為を予見することは可能だった」として、国の責任を認め約268万円の支払いを命じた。増田裁判長は防衛大が導入している「学生間指導」で暴力が横行していたのは上級生らへの指導を怠ったとして同大側の安全配慮義務違反を認めた。原告の青年は判決後の記者会見で「防衛大の組織と仕組みそのものに問題があるのではないか。判決を機に防衛大が変わってくれることを願っている」「二度と同じ被害者が出ないように」と、訴えました。

防衛大人権侵害裁判とは

2016年3月18日、福岡県内に住む元男子学生が、防衛大学校の学生寮(神奈川県横須賀市)で起きた暴行事件を巡り、「上級生らからいじめを受け、大学側も適切な対応を怠った」として、国と上級生ら計8人に慰謝料など計約3,697万2,380円(学生1,400万円・国2,297万2,380円)の賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こしました。

教官については「暴行を認識しつつ、助けたり予防したりする対策をとらなかった」として安全配慮義務違反を訴えています。防衛大学校の実態を問う全国初の裁判です。

一審判決は2019年2月5日、学生7人の行為の大半を「指導の範囲を逸脱した」「およそ指導とは言えず原告に苦痛を与えた」として、7人に計95万円の支払いを命じ、1人について請求を退けました。一方、集団的ないじめが原因との原告の主張は、「各被告の嫌がらせ行為に関連性は認められない」として原告の主張を避けました。

国(防衛大)に対する一審判決は2019年10月3日。どの学生が、いつどこでどのような加害行為を行うかは予見不可能であるとして、防衛大の安全配慮義務違反を認めませんでした。これは学生が学生を指導する学生間指導において、現実に多発する暴力を追認すると言わざるを得ない内容でした。今回の判決は学生間指導により、具体的な危険が発生する可能性がある場合には、この危険の発生を防止する具体的な措置を講ずべき義務も含まれる、と安全配慮義務の内容についてより踏み込んだ判断をしました。

国および防衛大臣は福岡高裁の判決を受け入れ上告断念をすべきです。そして再発防止を徹底するべきです。(まえうみ みつひろ)

TOPに戻る