7月, 2007 | 平和フォーラム

2007年07月30日

原水禁・連合・核禁会議/原爆症認定訴訟、熊本地裁判決についての3団体アピール

日本労働組合総連合会/原水爆禁止国民会議/核兵器禁止平和建設国民会議

 

 本30日、熊本地方裁判所は、原爆症認定訴訟において、原告21人のうち、ほぼ全員の19人の請求を認め、原爆症不認定処分を取り消す判決を言い渡した。

 熊本地裁判決は、昨年5月の大阪、8月の広島、本年1月の名古屋、3月の仙台・東京の各地裁判決に続く6度目の被爆者勝利の判決であり、いずれも認定基準を機械的に適用する現行認定制度の過ちを厳しく批判したものである。

 国・厚生労働省は、原爆症認定を認めた熊本地裁判決をはじめ、これまでの度重なる国側敗訴の判決を厳粛に受け止めなければならない。その上で、被爆者との協議を行い現行の認定制度を抜本的に改め、本訴訟原告をはじめ原爆症認定申請者に対して、原爆症認定を早急に行うことを求める。

 あわせて、国・厚生労働省はこれまでの各地裁判決における控訴を取り下げるとともに、熊本地裁判決に対しても控訴しないことを強く要請します。

 私たち連合・原水禁・核禁会議の3団体は、原告、関係者のご努力に敬意を表し、被爆者援護施策の充実・強化とともに世界の核兵器廃絶と恒久平和の実現をめざし、力を合わせて取り組むことをあらためて決意し、アピールとする。
                            以  上

2007年07月29日

「韓国・朝鮮の遺族とともに」-遺骨問題の解決へ 2007夏全国集会決議(外部リンク)

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2007年07月29日

韓国・朝鮮の遺族とともに遺骨問題の解決を-’07年夏全国集会(07月28日~29日 飛騨高山・名古屋)

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 7月28日から29日にかけて、実行委員会主催の「韓国・朝鮮の遺族とともに遺骨問題の解決を-’07年夏全国集会」(29日)と飛騨神岡・高山地区フィールドワーク(28日)が行われました。 2004年12月の日韓首脳会談で合意された日本の残された遺骨調査について、日本政府が誠実に対応することを求めて、民間からのとりくみを促進させるため、曹洞宗や真宗大谷派などの宗教者や、 民団や朝鮮総聯、韓統連など南北韓国・朝鮮の在日民族団体関係者、さらに平和フォーラムなどが広く参加して、昨年からとりくんできたものです。 本年は、遺骨の身元調査や遺族への返還を具体化していくとりくみとして、岐阜県の飛騨神岡鉱山でのフィールドワークを行い、遺族を含め59名が参加しました。 真宗大谷派の高山別院で「神岡鉱山と朝鮮人労働者」(講師・真相究明ネットの竹内康人さん)、曹洞宗の坂田徹応さん、大谷派の谷本修さんの報告による学習会を行った後、 バスでフィールドワークに発ち、神岡鉱山の視察や遺骨の発見された3つの寺(両全寺・洞雲寺・本教寺)での法要を行いました。 フィールドワークは、下嶌義輔さんの案内で、浅井ダム見学の後、両全寺で金文奉さんの遺骨の引き渡し式。 その後、神岡鉱山跡(上部構造物)を見学しました。強制労働体験者の金得中さんが過去を思い起こして説明をしてくださいました。 曹洞宗 洞雲寺で、神岡鉱山関係の犠牲者81名を供養する献花式が行われました。 曹洞宗の工藤英勝さんが、犠牲者の名前と本籍地、没年月日を読み上げる中、菊の花を参加者が献花しました。 その後、高山市の本教寺で、本殿に同寺に安置されている遺骨、数十壺を並べて、供養祭が営まれました。 両全寺で、遺骨の発見された金文奉さんのご遺族の金大勝さんの希望にそってに寺院から遺骨を返還したことは大きな成果です。

 29日の全国集会には、全国から150人が参加しました。集会では、韓国から急きょ参加した強制動員被害真相究明委員会の朴聖圭事務局長や恒久平和議連の近藤昭一衆議院議員のあいさつ、 神岡鉱山に労務動員された金得中さんの証言、宗教者や各地のとりくみ報告が行われました。 基調報告で、上杉聰共同代表は、飛騨市の調査過程で戸籍受付帳が大量発見されたことを報告し、全国に残されている戸籍受付帳を政府に整理収集させる運動を今後の課題として提起。 集会は最後に、この点を含め、日本政府が誠実に対応する朝鮮人労務動員者の遺骨調査・返還、人道上の誠意ある対応を強く求める決議を採択しました。

 →基調報告  →集会決議  →朝鮮新報記事

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2007年07月19日

原水禁/原発の耐震指針の抜本的な見直しと全原発の総点検を求める

http://www.gensuikin.org/npp/kswzk.htm#apl

2007年07月06日

北朝鮮のミサイル発射に対する抗議

フォーラム平和・人権・環境事務局長 福山真劫

 7月5日、朝鮮民主主義人民共和国(以下・北朝鮮)は、「テポドンⅡ」1発を含む7発の弾道ミサイルを発射し、ロシア沿海州南方の日本海海域に落下しました。

 これは、2002年9月17日の「日朝ピョンヤン宣言」などで北朝鮮が約束したミサイル発射凍結のモラトリアムなどに反するとともに、2005年9月19日の北朝鮮の核兵器開発をめぐる「6カ国協議共同声明」で確認した東北アジアにおける平和と安定のために共同で努力する精神に反するものであり、著しく同地域の緊張を高めるものです。そもそも事前通報すらなく公海上にミサイルを発射することは船舶の公海自由航行を脅かす国際ルールに反する行為です。私たちは北朝鮮のミサイル発射に強く抗議します。

 北朝鮮は、今回のミサイル発射が周辺諸国民の平和と生活に大きな不安を引き起こしている事態を認識し、国際社会における平和的な連携と協調のなかで一刻も早く事態の解決をすることを求めます。そのため、すみやかに6カ国協議や日朝包括協議について再開に応じ、国連安保理における緊急協議にも真摯な姿勢で対応し、東北アジアに緊張緩和の実現と信頼醸成に務めることを求めます。

 日本政府は、ミサイル発射の事態を受け、即日、特定船舶入港禁止特別措置法を適用し、北朝鮮の貨客船「万景峰92」の入港を半年間禁止する経済制裁を発動しました。日本政府は、北朝鮮の今回の行為への対処については、6カ国協議関係各国をはじめ国連機関などの協議を通じて、緊密に協議・連携するとともに、あくまでも外交的な努力によって適切な対応をすべきです。軍事的な抑圧を加えて緊張を激化させたり、制裁を一方的に発動したりすることによって、人道的支援をはじめ日朝間における政府・自治体・民間レベルの対話と協力を遮断することのないよう求めます。

 私たちは、すすむべき方向の基本は「日朝ピョンヤン宣言」であり、日朝両政府はもう一度、「日朝ピョンヤン宣言」などで確認された原則に立ち返り、拉致問題の解決、過去の清算、日朝国交正常化、東北アジアの平和確立に向けてとりくむべきであることを訴えます。とりわけ日本政府が今回の事態を口実に「過去の清算」などについて消極的になることなく、真摯な姿勢でとりくむことを求めます。

 さらに、日本政府には、日米のミサイル防衛(MD)をいっそうすすめる口実にしないよう求めます。日本周辺ですすめられる米軍再編と日米軍事一体化は、北朝鮮を硬化させ、東北アジアにおける緊張関係を強めてきました。私たちは、日本政府に、米・ブッシュ政権に追従して軍事的緊張政策ではなく、「日朝ピョンヤン宣言」、昨年の「6カ国協議共同声明」に基づき、東北アジアにおける平和と安定に向けた努力を強化し、日朝国交正常化の実現にむけていくことを求めます。私たちは、朝鮮半島および日本列島を含む東北アジアの非核地帯化の実現にむけて、軍事的圧力によらない外交努力を強化することを改めて訴えます。

 

2007年07月03日

原水禁・連合・核禁会議/久間防衛大臣の引責辞任に対する3団体アピール

日本労働組合総連合会/原水爆禁止国民会議/核兵器禁止平和建設国民会議

 1. 久間防衛大臣は本日(7月3日)午後、先月30日の講演での「原爆投下しょうがない」発言で引責辞任した。久間発言はいかなる理由であれ原爆投下を正当化するものであり、従来からの核兵器使用に関する政府見解から逸脱するものである。久間大臣の辞任は当然であり、原爆被害を経験したわが国の政府閣僚がこのような認識を持つことは許されることとではない。

 2. 久間発言は、かつて勝者である米国が自国民をなるべく殺さず戦争を終わらせるために原爆投下を正当化した主張と同じ言葉を被爆国の大臣がしたものであり、悲しさとともに怒りを禁じ得ないものである。
 広島で14万人、長崎で7万人もの命が奪われ、今なお多くの国内外の被爆者が放射線障害で苦しめられている。久間発言は被爆者の心情を踏みにじるものであり、被爆者をはじめ国民に対し、きちんと謝罪すべきである。また、政府は原爆被害の実相を国内外に広め、国家補償による被爆者援護の充実をはかるべきである。

 3. さらに、核兵器使用に関しては、1996年の国際司法裁判所の勧告的意見で「核兵器の威嚇または使用は人道上の原則と規則一般に違反する」とした国際的規範に逆行するものであり重大な発言である。
 これでは世界に向けて核廃絶を訴えるリーダーシップを発揮することはできない。
 まもなく原爆投下された8月6日、9日を迎えるが、今こそ、世界のあらゆる核兵器の廃絶に向け、核軍縮および核拡散防止条約(NPT)体制の推進、包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に全力をあげるべきである。

 
 4. 私たち連合・原水禁・核禁会議は、原爆使用を容認した久間発言に対してあらためて強く抗議するとともに、世界の核兵器廃絶と恒久平和、被爆者援護の充実を求め、運動を強化していく決意である。

以上 

2007年07月03日

久間章生防衛大臣の辞任表明について

フォーラム平和・人権・環境

 久間章生防衛大臣は7月3日、長崎への原爆投下は「しょうがない」とした発言の責任をとり、大臣を辞任する意向を表明しました。原水禁と平和フォーラムは、大臣罷免と被爆者への謝罪を求める要請文を政府に提出、被爆地である長崎・広島の原水禁も抗議行動に取り組みました。さらに、被爆者団体の強い抗議も行われました。野党4党も一致して、大臣の罷免を要求しました。久間大臣の辞任表明は、こうした行動をはじめとした、久間発言と核兵器に反対する世論の成果であると考えます。

 久間大臣の発言は、不見識な一閣僚の発言にとどまるものではありません。安倍内閣の進める日米軍事一体化と「戦争のできる国作り」のなかで、これまで防衛省(庁)・自衛隊の行動を規制してきた様々な制約が、一挙に外れてしまったことの現われなのです。私たちは久間大臣の辞任で事態を終わらせることなく、安倍総理の責任を強く追及しなければなりません。

 安倍内閣の成立以降、久間防衛大臣のもとで、米軍再編関連法や改正イラク特措法が成立し、米軍とともに「海外で戦う軍隊」としての役割が明確になってきました。一方で海上自衛隊掃海母艦の名護市辺野古への投入や、陸上自衛隊情報保全隊による平和運動監視が発覚するなど、自衛隊の「治安維持機関」としての役割も明らかになりました。

 上述した防衛関連法だけではなく、安倍内閣は今国会で、改憲手続き法、教育関連3法、年金特例法、社保庁改革法などを強行採決しました。生活者・労働者を切り捨てる様々な制度改悪も進んでいます。国会では自民・公明両党による多数派の横行がまかり通っているのです。しかし一方で、報道各社の世論調査では安倍内閣の支持率は急速に落下しています。こうした世論を背景に、参議院選挙で与野党逆転を実現すること、その上で早期の解散総選挙に追い込み政権交代を実現することが、重要な政治目標となってきました。

 原水禁と平和フォーラムは、全世界からの核兵器の廃絶を求めます。また核を含む先制攻撃を前提とした日米軍事同盟と、そのための在日米軍再編に強く反対します。原水禁と平和フォーラムは、安倍内閣の進める「戦争のできる国作り」を許さない取り組みを、今後も一層強めていきます。
 

2007年07月02日

東北アジアに非核平和の確立を!日朝国交正常化を求める連絡会学習会・会合(総評会館)

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高嶋伸欣琉球大学を講師に、「政治的に悪用され続ける『拉致問題』と我々の責任」と題して報告を受けました。 高嶋教授は、家永訴訟を継ぐ高嶋教科書裁判の原告。「拉致問題で歪む日本の民主主義-石を投げるなら私に投げよ」の著者であり、 現在の教科書での沖縄戦記述の歴史歪曲問題でも修正撤回に向けて活躍されている方です。 日本人の差別意識や「拉致問題」が教科書にまで登場していることの問題などをわかりやすく提起しました。

レジュメ(pdf)  →資料(pdf)

 

2007年07月01日

原水禁/久間章生防衛大臣の原爆容認発言に強く抗議し、防衛大臣の罷免と辞任を求める

原水爆禁止日本国民会議議長 市川定夫

内閣総理大臣 安倍 晋三 様

防衛大臣 久間 章生 様 

久間章生防衛大臣の原爆容認発言に強く抗議し、防衛大臣の罷免と辞任を求める 

 6月30日、久間章生防衛大臣は、千葉県にある麗澤大学での講演で、先の大戦での米国の原爆投下について「長崎に落とされ悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で、しょうがないなと思っている。それに対して米国を恨むつもりはない」と述べました。その中でさらに久間防衛大臣は、米国が旧ソ連の参戦を食い止めるため原爆を投下した側面があるとの見方を示し、「日本が負けると分かっているのにあえて原爆を広島と長崎に落とし、終戦になった。幸い北海道が占領されずに済んだ」と述べました。 

 これらの一連の発言に対して、私たちは満身の怒りを持って久間防衛大臣に抗議します。核兵器使用は、戦争中とはいえ民間人に対して行った大量殺戮であり、広島・14万人、長崎・7万人の命を奪いました。いかなる理由があっても人道上も、国際法上も絶対にゆるされるはずはありません。 

 そのことはすでにオランダの国際司法裁判所が、1996年の勧告的意見の中で「核兵器の威嚇または使用は人道法の原則に一般に違反する」との結論を出しています。久間発言は、この国際的な流れに逆行し、核兵器使用に関する従来の日本政府の見解からも逸脱するものです。現役の防衛大臣が、何らかの理由があれば、核兵器を使えることを容認する発言でもあり、絶対に許せません。 

 さらに、アメリカの原爆投下が、ソ連参戦を防いだとしていますが、現在の歴史研究では、参戦阻止ではなく、アメリカが戦後政治の中で優位に立つためにソ連(世界)に対してデモンストレーションも兼ねて投下されたという研究も多数なされています。そのことは、広島・長崎を実験台にし、世界に原爆の威力を見せつけたということでもあります。その意味でも、被爆地長崎県選出の国会議員でもある久間防衛相の発言は、被爆者をないがしろにし、歴史を無視する発言でもあります。 

 その上原爆は、無差別大量殺戮兵器です。被爆国として積極的に核兵器廃絶の声を上げることが求められているにもかかわらず、原爆投下=無差別大量虐殺を正当化する流れの一部の意見を、軽々しく言い放つのでは、現役閣僚という公的な立場にある者としても無神経な発言です。原爆投下を正当化する流れに組みすることは、断じて許す訳にはいきません。 

 このような軽率かつ危険な発言する者が、このまま閣僚としての任にふさわしくないのは当然で、直ちに辞任することを求めます。 

 さらに、今回の講演は、「久間防衛大臣が6月30日、講演します!」と案内(麗澤大学研究センター)されているように、防衛大臣の肩書きを持って講演したにもかかわらず、この発言を一個人のものとする発言(自民党中川秀直幹事長)など本質を矮小化する動きもでています。私たちは、現役閣僚という公的責任のある者としての「認識」と「発言」を許すわけにはいきません。政府のこれまでの方針とも違う久間発言は、このまま現職閣僚としてとどまることは不適と考えます。安倍内閣に対しては、早急に罷免をすることを強く求めます。 

 被爆者の苦しみは、戦後62年が過ぎたいまでも続いています。こうした中での今回の発言対して、被爆者たちが絶対に許さないと怒りの声を、広島や長崎そして全国であげています。私たちは、被爆者の方々と平和団体、労働団体などと連帯をして、久間防衛大臣の即刻の辞任ないし罷免と被爆者に対する謝罪をあらためて強く求めます。さらにまた、日本政府が平和と核軍縮の取り組みの先頭に立つことを強く求めます。

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