12月, 2009 | 平和フォーラム

2009年12月31日

イラク情勢Watch vol.79 米軍、都市部撤退後も軍事作戦を継続

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2009年12月24日

解説 普天間基地と辺野古

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2009年12月22日

ICNND報告「核の脅威を断つために」に対する原水禁事務局長見解

                                            原水爆禁止日本国民会議事務局長 藤本泰成

 日豪両政府のイニシャティブによる「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)の報告書が15日発表されました。最も非人道的な兵器、核兵器の無い世界を実現するための道筋を示すとともに、今すぐにもとるべき政策が盛り込まれ、原文は300頁にもおよぶものです。「核拡散の脅威と危険から現状維持は選択肢とならない。核兵器による交戦がないという奇跡に近い状況が永遠に続くはずがない。」との現状認識については、原水爆禁止日本国民会議(以下原水禁)も共有するものであり、その問題認識は重要です。「既存の核保有国に加え、1990年代にはインドとパキスタンが新たに核武装し、認めないが核武装国と認定されるイスラエル、さらに21世紀に入って2度の核実験を行った北朝鮮、おそらく核兵器製造能力を有するイランなど、核の増大が続き、平和利用の名の下に行われる核燃料再処理、ウラン濃縮の拡大なども加えて新たな核拡散の時代に突入した。核によるテロも現実の脅威となりつつある。」との指摘も、私たちは厳重に受け止めなくてはなりません。
 原水禁は、このICNND最終報告書の現状認識を、世界各国がきちんと共有化すべきと考えます。

 ICNND最終報告書は、2012年までの短期行動計画として、米・露の核兵器削減を基本にして、すべての核武装国が「核兵器の唯一の目的は核に対する抑止のみ」であると宣言するさらに、NPTを遵守する核を持たない国に対して、核兵器を使用しないという「消極的安全保証」を、法的効力を持って与えることをあげています。原水禁は、これを大いに歓迎します。

 しかしながら、核兵器の「先制不使用宣言」と核兵器を2000発にする「最小化地点」を2025年までとする行動計画は、2020年までに核廃絶を求めて行動する平和市長会議の主張や、これまで核廃絶を求めて取り組みを進めてきた原水禁や市民社会の期待からは大きく離れています。しかし、報告書の副題ともなっている、「実践的な計画」として、現実性を重視した計画というならば、これより遅れる事は許されません。この計画を前倒しし、核廃絶への動きをさらに加速して行かねばなりません。川口、エバンズ両議長とも、現実政治の動きを加速する必要を明言し、2010年2月までにまとめられるとされる米国の核態勢見直し(NPR)に、「核兵器の唯一の目的は核に対する抑止のみ」との考え方が盛り込まれるようフォローアップすることが重要であるとしています。
 米国の核廃絶の見直しに関しては、米国との安全保障条約の下にある日本の姿勢が重要だといえます。米国の関係者は、米国の核態勢を維持していこうとする勢力から、「日本が、戦術核トマホークの廃棄や先制不使用宣言に反対している。核保有国に転ずる可能性もある。」などと指摘され、米国の核廃絶の流れの抵抗勢力とされています。核廃絶を訴え、非核三原則を国是とする被爆国日本が、米国の核廃絶への動きの牽制役に回るなどと言うことは、本末転倒といえます。日本政府の核廃絶への強いメッセージが、世界を動かしていく重要な要素であると言えます。日米の両新政権が、強力なリーダーシップを取ることを求めてやみません。

 本報告書は、2010年NPT再検討会議の優先事項として、中東地域における「非大量破壊兵器地帯構想」の前進に触れていますが、日本の新政権が構想する、東北アジアにおける「非核地帯構想」には触れられていません。北朝鮮の核実験や米・中・露の核保有国が政策的に接近する東北アジアにおいての「非核地帯構想」は、世界の核廃絶に向けて重要であると考えます。
 また、兵器としての核廃絶を求めるものの、民生用原子力に関しては管理強化の姿勢はあるものの、大量の核分裂性物質(プルトニウムなど)を生成する核燃料サイクルシステムに関して肯定する姿勢は、「核と人間は共存できない」と主張してきた原水禁としては見逃すことは出来ません。核廃絶の問題は、エネルギー政策そのものと密接に関連するものと捉えられます。
 本報告書は、「核の脅威を絶つ」ことがテーマではありますが、核兵器の開発と核抑止との考えが「威嚇と対立」の国際関係の中で成立してきたことを考えるならば、世界が「対話と協調、相互互恵」の関係に移行していくことが重要であり、そのための努力がどのように展開されるべきかに関して、積極的に言及するべきではなかったかと考えます。

 2020年までに核廃絶を目指す私たちにとって、本報告書のプロセスを大幅に書き換える必用があります。日本政府は、これら重要な提言を見送ること無く、さらに現実的な政策で国際的にリードするよう政治的イニシャティブを発揮しなければなりません。

2009年12月21日

鹿児島県阿久根市・竹原信一市長の差別記述に抗議する

                                            フォーラム平和・人権・環境事務局長 藤本泰成

 鹿児島県阿久根市の竹原信一市長は、自身のブログ(「住民至上主義」11月8日付記事「医師不足の原因は医師会」)に「高度医療のおかげで以前は自然に淘汰された機能障害を持ったのを生き残らせている。結果 擁護施設に行く子供が増えてしまった」(全て原文ママ)と記述しました。
 基本的人権の尊重に基づいた共生社会をめざす私たちフォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)は、この記述が「障害者」に対する重大な差別であると考えます。
 「障害者」が生きる権利と、医療・福祉にかかる財政問題を天秤にかける言説自体がそもそも重大な差別性をはらんでいます。人間が、人間を値踏みし、人間を選別する「優生思想」といくばくかの距離もありません。
 「障害者」をはじめすべての人間が互いに尊重しあい、支えあい、共に生きる社会に向けて、私たちは一歩一歩切り拓いてきたし、またその実現に向け、なおいっそうとりくんでいくことが求められています。「淘汰」「機能障害を持ったの」などという表現には、共に生きていく者としての視点や共感は、存在しません。
 竹原市長の記述は、多くの人々が多くの努力をもってたたかいとってきた社会的な前進とは正反対の、時代を逆戻りさせるものでしかありえません。
 竹原市長は、この記述に対して抗議する「障害者」団体との面会を拒否し続けた末、12月18日にようやく「障害者の政治参加をすすめるネットワーク」のメンバーとの面会に応じました。「乱暴で誤解を招いた」として修正するとしたものの、差別的表現を持ち出しながら「言葉を制限すると文化がしぼむ」と開き直り、さらに19日の後援会の集会では「謝ったら竹原の全部を否定することになる。これは戦いだ」などと発言しています。
 これら竹原市長の一連の振る舞いに見られるように、この問題は単なる表現上の誤りではなく、竹原市長自身の「障害者」に対する差別意識に裏打ちされたものです。また多くの人からの抗議に対し省みることのない竹原市長は、民主的に運営されるべき行政の長たる適格性に欠けていると言わざるをえません。真摯な謝罪を抜きにして許されるものでは、断じてありません。
 私たちは、自らの引き起こした差別記述問題について、未だ謝罪しないばかりか開き直る竹原市長に、怒りをもって抗議します。そして当事者からの抗議を受け止め、ただちに当該記述について謝罪することを求めます。

2009年12月21日

日朝連絡会「秘録・日朝交渉-知られざる"核"の攻防」上映学習会

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2009年12月21日

集会案内/1月30日に普天間基地はいらない、新基地建設を許さない全国集会

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2009年12月18日

教科書問題学習会を開催

 

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平和フォーラムは、12月18日、総評会館で教科書問題学習会を開催し、約20人が参加しました。琉球大学名誉教授の高嶋伸欣さんの講演と平和フォーラムからの問題提起を行い、討議しました。新政権のもとでも文部科学省の官僚、教科書調査官が沖縄戦での集団死が日本軍の強制によるものであることを依然として認めず、川端達夫文部科学大臣はそのいいなり状態にあり、歴史認識の歪曲が続いている問題点などが指摘されました。

2009年12月15日

詳報 普天間基地はいらない新基地建設を許さない12・15緊急集会

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2009年12月15日

普天間基地はいらない新基地建設を許さない12・15緊急集会


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12月15日、「普天間基地はいらない新基地建設を許さない12・15緊急集会」が 東京・永田町の星陵会館で開催されました。 主催は、フォーラム平和・人権・環境と「辺野古への基地建設を許さない実行委員会」。同日朝に開かれた基本政策閣僚委員会で「移設先は当面決めない・移設関連予算は計上し環境アセスは継続・移設先は与党3党で協議・日米の協議機関設置」と決定したばかりのなか、参加者は650人を超え、会場からあふれてロビーでモニターテレビを見る人たちも多数となりました。
集会は、藤岡一昭平和フォーラム副事務局長の主催者あいさつ、民主党の平岡秀夫衆議院議員と社民党幹事長の重野安正衆議院議員の国会情勢報告と参加国会議員の紹介と一言あいさつにつづいて、沖縄からの報告としてヘリ基地反対協共同代表の安次富浩さんと山城博治沖縄平和運動センター事務局長からの提起と訴え、加藤泉神奈川平和運動センター事務局長、伊藤彰信全港湾委員長、うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会の古荘斗糸子さんからの連帯アピール、まとめを藤本泰成平和フォーラム事務局長が行い、最後に団結がんばろうでしめくくりました。参加国会議員は、平岡・重野議員の他、民主党から瑞慶覧チョービン衆議院議員、社民党から山内徳信・渕上貞雄・又市征治・近藤正道参議院議員、服部良一・中島隆利・吉泉秀男衆議院議員でした。
このうち、平岡議員は、「国民にいたずらに脅威を喧伝し、必要なことはほとんど知らせなかった今までの日本の安全保障政策を変えていく」意気込みを表明し、伊波宜野湾市長の調査結果と資料を高く評価し、「アメリカと議論し基地を縮小していく」と宣言しました。
重野社民党幹事長は同日の基本政策閣僚委が普天間移設問題の年内決着断念を確認したことについて「社民党がこの間、普天間問題で巻き返しをやってきたと自負している」と述べるとともに、グアムを視察してグアムへの全面移転は国難との考えを示した北沢防衛相と会い、わずか1日の視察で結論を急ぐのではなく、新たな移設先について十分に検討するよう求めたことを報告。2010年1月の名護市長選、参院選、県知事選にも触れ、その「勝利の意味は決定的に重要」と訴えました。
安次富さんは、岡田外相が11月の訪沖時に語った県外移設は「狭い道」との発言を引きつつ、「狭い道をこじあけるのが外交交渉ではないか」と述べ、鳩山政権に真剣な対米交渉を要求。辺野古のアセスは続行するとの閣僚委の方針については、「アセス手続きを続けるのであれば、後から追加・修正資料の提出を行なった方法書からもう一度やり直すべき」と主張しました。
山城事務局長は、閣僚委の決定について「政府が今しばらく立ち止まっていることに私たちは大きな勇気と力を得ている。この流れを変えるわけにはいかない。この内閣を支え、今日3党で協議したことに間違いがないように、決してプレることがないように後押しし、しっかり監視していこう」と呼びかけるとともに、辺野古移設と海兵隊グアム移転は「パッケージ」だとする新基地建設推進論について「米軍自身がグアムに行くという詳細な計画を立て、グアムの環境アセスを実施し、そのことを着々と進めている」と指摘し、パッケージ論は「個喝の道具でしかない」と批判しました。
集会を通じて、辺野古に予定されている基地は輸送艦などが接岸できる新しい海上基地であること、防衛省や外務省は、それをアメリカとほとんど協議せず、国民も知らされていないこと、「ジュゴン訴訟」でサンフランシスコ連邦地裁は、米国文化財保護法違反であると中間判決し、従って最終判決前に米国政府は工事着工ができないこと、グアム移転経費の日本側支出は5500億円であり新基地建設費は1兆円であること、これに群がる日米ゼネコンによる利権争いは究極の税金の無駄遣いであることが浮き彫りにされました。そして、1万人の結集をめざす2010年の「1.30全国集会」(日比谷野外音楽堂)の成功を誓い、熱気あふれる集会を終えました。

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