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日弁連シンポジウム「あるべき障がい者基本法改正~権利条約批准に向けての国内法整備の第一歩として」

2010年12月20日

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 2006年、国連総会において、障がいのある人の権利条約が採択され、日本でも現在、批准に向けて急ピッチで国内法の整備中です。2009年には内閣府に「障がい者制度改革推進本部」(本部長・菅直人首相)が設置され、さらにその下に設けられた「障がい者制度改革推進会議」(室長東俊裕弁護士)において、当事者参画型の議論のもと、各国内法の検討が行われています。この会議は、委員の半数以上が障がい者当事者であり、あらゆる政府の審議会で歴史上初めての画期的なメンバー構成です。2010年6月7日には「障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)」、12月17日には「障害者制度改革の推進のための第二次意見」がとりまとめられました。第一次意見では、障害者制度改革のスケジュールなどが示され、第二次意見では、主に障害者基本法改正案の方向性が提示されました。障がい者基本法は、障がい者施策の基本的理念や国・自治体の責務などを定めた障がいのある人に関する国内法の核となるものですが、政府は第二次意見を踏まえた改正案を来年の通常国会に、早ければ3月にも提出する方針といわれています。今回の障がい者基本法改正はきわめて重要で抜本的改正が必要であるとして、日弁連は、12月20日、東京・弁護士会館でシンポジウム「あるべき障がい者基本法改正~権利条約批准に向けての国内法整備の第一歩として」を開きました。参加者は、障がい者当事者、弁護士など100人あまりでした。
 シンポジウムは、我妻崇日弁連副会長がまず開会あいさつ。「障がい者制度改革推進会議の第二次意見とりまとめがあった同じ12月17日、日弁連は『障がいのある人の権利と施策に関する基本法改正要綱案の提言』」を出し、人権法としての抜本改正をめざすことを表明しました。次いで、「第二次意見」について制度改革推進会議の構成メンバーである日本障害フォーラム(JDF)の尾上浩二さんが特別報告。大きなポイントは、1.保護(福祉)の客体から権利の主体へ、2.障がいの概念について医療モデルから社会的モデル(インクルーシブ社会(共生社会)へ)への転換の2つであることを強調しました。
 つづいて、障がい者政策担当の岡崎トミ子内閣府特命担当大臣があいさつ。「障がい者基本法改正は障害者制度改革の要」とし、改正後の基本法を土台に、「差別禁止法」や障害者自立支援法に代わる「総合福祉法」の制定を含む制度改革に「全力を尽くしていきたい」と表明しました。なお、集会には、民主党の三宅雪子・黒岩宇洋の両衆議院議員も参加。それぞれ意見表明しました。
 この後、日弁連障害のある人に対する差別を禁止する法律に関する特別部会事務局長の黒岩海映弁護士が「障がい者基本法改正について」と題して基調報告。森祐司JDF政策委員長が「障がい者基本法改正に関するJDFの見解」を提起しました。そして、パネリストに山崎公士神奈川大学教授と久松三二全日本ろうあ連盟常任理事・事務局長が加わり、関哉直人・東奈央の両弁護士がコーディネータとなりシンポジウムをすすめました。このうち、黒岩弁護士は、日弁連の「基本法改正要綱案」を説明。法律の名称を「障がいのある人の権利及び施策に関する基本法」と変更すべきこと。障がいのある人の人権を規定し、これを確保するための諸施策を規定する必要があること。合理的配慮を提供しないことが差別であることを含む差別の定義、手話その他の非音声言語が言語であること、障がい故に侵されやすい基本的人権などを総則で確認し、障がいのある人の権利条約の実施状況の監視機能を担い、関係大臣に対する勧告権等も有する推進機関の設置を規定しなければならないこと。パリ原則に基づく組織を今後の立法により設置が望まれることなど提言しました。また、障がい者制度改革推進会議構成員でもある山崎教授は、権利条約の国内法化という基本法の意義を見失ってはならないこと、内閣総理大臣の政治的意思・決断の重要性を強調。久松事務局長は、手話などコミュニケーションの重要性を強調しました。
 最後に日弁連の特別部会長の野村茂樹弁護士のまとめと閉会あいさつで終了しました。

→障がい者制度改革推進会議
→障害者制度改革の推進のための基本的な方向(第一次意見)
→障害者制度改革の推進のための第二次意見
→障害者基本法の抜本改正にあたっての日本障害フォーラム(JDF)意見
→日弁連/障がいのある人の権利と施策に関する基本法改正要綱案の提言
→日弁連/障がい者基本法対照表

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