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憲法理念の実現をめざす第55回大会(佐賀大会)閉会総会まとめ

2018年11月19日

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憲法理念を実現する第55回大会実行委員会

事務局長 勝島一博

3日間にわたる憲法理念の実現を目指す第55回大会もいよいよ閉会の時が近づいています。

この3日間、参加者の皆さんには、真摯な討論をいただいたことにまず感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。

また、本大会成功に向けて、大変お忙しい中、ご協力いただいた助言者や運営委員の皆さん、そして、大会を支えていただきました地元佐賀県平和運動センターの皆さんに心から感謝申し上げます。

さて、この3日間の中で多くの貴重な意見をいただき議論を進め、深めることができました。1日目には「日本国憲法でつくる明日―改憲は許さない」をテーマにシンポジウムを開催し、2日目の分科会では、第1分科会の「非核・平和・安全保障」から第7分科会の「憲法」まで、7つの分野でそれぞれのテーマに沿って参加者の皆さんから多くの発言をいただき議論が深められたと聞いています。

各分科会の詳細について触れ、議論のすべてにわたってまとめることは到底できませんが、それぞれの分科会での問題提起や議論をしっかりと受け止め持ち帰りいただくとともに、明日からの職場や地域での様々な運動に繋げていただければと思います。

その上で、私なりの稚拙な見解と喫緊の課題について申し上げ「まとめ」とさせていただきたいと思います。

 

さて、今大会の名称は、「憲法ではなく政治を変えよう」であり、開会総会では、「日本国憲法でつくる明日―改憲は許さない」をテーマに藤本大会実行委員長のコーディネートのもと、3名のパネラーの方々から様々な問題提起をいただきました。

飯島滋明・名古屋学院大学教授からは、自民党の憲法改正推進本部が取りまとめた4つの改憲案の中の緊急事態条項について詳しく触れていただき、そもそも緊急事態条鋼は、一言でいうならば「あらかじめ法を無視する制度である」と表現されました。そして、この改憲案は、自民党からは、大規模災害時の対応のためと説明されていますが、これまでの災害に対しては、行政や消防などの迅速な対応で十分対処できていることからも、現行の「災害対策基本法」で十分対応可能であるとお話しされています。そして、むしろ、自民党の狙いは、自衛隊の明記を基本とした9条改憲と合わせて、戦争の遂行や反政府的言動をとる市民の弾圧こそ目的であると強く指摘しています。そして、緊急事態条項は、軍事的な緊急事態における内閣の権限拡大や、人権の大幅な制限に利用される危険性があり、まさに、憲法による秩序を停止させ、権力者による秩序をはびこらせることに繋がるといえるのではないでしょうか。

また、清末愛砂・室蘭工業大学准教授は、憲法24条に謳われる個人の尊厳と両性の本質的平等が、9条の戦争放棄、武力の不保持と合わせ、日本国憲法の非暴力平和主義を支えていると話されました。現在安倍政権が憲法を壊し軍事化された社会を目指すことに対し、日本国憲法に基づく自由で民主的な社会をつくっていこうと訴えられています。

また、16日まで訪問されていたガザ地区の状況についても特別に報告いただきましたが、まさに戦場の中での活動に心から敬意を表したいと思います。

そして、清水雅彦・日本体育大学教授は、2014年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定による解釈改憲から、2015年日米ガイドラインの再改定、そして2015年9月の憲法違反の戦争法成立による立法改憲など安倍政権による実質的な改憲が進行してきたことについて報告いただきました。

3名のパネラーの方々からは、共通して、自民党が今臨時国会の中で発議を目論む改憲案の問題点について、それぞれのお立場から発言いただきました。そして、その内容は、戦後新しく日本国憲法が制定される中でめざしてきた、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の国づくりが、いま安倍政権の改憲によって平和主義をかなぐり捨て、戦争できる国づくりを求め、一人ひとりの人権を踏みにじり戦争に協力する社会や人づくりへ向かおうとしていることを指摘するとともに、改めて、改憲を許さず現憲法を守りその理念を具体化していくことの大切さをお話しいただいたのだと思います。

お忙しいなか、大変貴重な発言をいただいたパネラーの皆さんに心から感謝申し上げたいと思います。

さて、喫緊の課題の1点目として、改めて、憲法を守るたたかいについて申し上げたいと思います。

昨日の第1分科会「非核・平和・安全保障」は「安保法で軍隊化する自衛隊」をテーマに、半田滋さんから報告をいただきました。

そのなかで、半田さんは、これまでの2014年7月の閣議決定や、翌年の集団的自衛権行使容認の戦争法の成立、さらには、「新たな冷戦の始まり」と称される米中関係によって、自衛隊の任務と日米関係が大きく豹変してきていると指摘しています。

そして、今年4回目となる「21世紀における日米同盟の再構築」と題するアーミテージレポートに触れ、アメリカは、日米統合部隊の創設や自衛隊基地と在日米軍基地を日米で共同使用すること、さらに、自衛隊が米軍の一部として相応の軍事的役割を担うこと、自衛隊基地や民間施設を米軍が自由に軍事使用することを要求しており、まさに、このレポートに沿って、日米の軍事的一体化が現在進行してきていると話されました。

また、安倍改憲の真の狙いは、自衛隊を憲法に明記することで、違憲との批判が強い安全保障関連法を、改憲によって合憲とし、次の段階では、フルスペックの集団的自衛権行使と多国籍軍への参加に踏み切るとも指摘しています。

そして、憲法に自衛隊を書き込むことによって、自衛隊は軍隊としての活動が広がり、隊員確保のための徴兵制実施や文民統制が後退する一方、米軍との共同行動が増加すると話されています。

さて、今臨時国会以降、私たちは、安倍政権との平和憲法を守る戦後最大のたたかいを迎えようとしています。

この間、私たちは、安倍政権と日本会議が進める改憲と戦争できる国づくりに対して、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」に参加し、全国で3000万署名をはじめとしたさまざまな取り組みを進めてきました。いよいよ、なりふり構わず改憲に突き進む安倍政権に対し、私たちの憲法を守る確固たる決意が今求められています。この臨時国会以降改憲発議と国民投票が具体化する場合、闘争本部を立ち上げるなど、平和フォーラムとしてありとあらゆる闘いを構築していかなければなりません。改めて、全国の皆さんのご理解と闘いへの参加をお願いいたします。

なお、昨日の第7分科会「憲法」では、名古屋学院大学の飯島滋明教授は、国民投票法についても「独裁者ほど国民投票を好む」として、現在の国民投票法の危険性を指摘しています。

この国民投票法は、2007年第一次安倍政権のもとで初めて憲法改正のための具体的な手続きを定め、強行採決によって成立しました。しかし、この国民投票法は①「有効投票数の2分の1」というだけで最低投票率の定めがないこと、②公務員・教育者を対象に国民の運動が規制され、選挙管理関係以外の自衛官を除いた裁判官、検察官、警察官までその規制の対象となっていること、③護憲派の宣伝に規制がかかり、改憲派の宣伝が圧倒的に多くなる仕組みであることなど、多くの問題を抱えた内容であり、改憲のための「改憲手続法」と言うべき内容です。

引き続き憲法審査会での国民投票法改正案の取り扱いについても注視するとともに、情勢に応じて、改憲の引き金とならないように、国民投票法の抜本的な改正を求める積極的なたたかいも準備していかなければなりません。

 

そして、喫緊の課題の2点目として、安倍政権の退陣を求めるたたかいについてです。

さて、2019年は、統一自治体選挙や参議院選挙が予定される政治決戦の年であり、私たちは、強固な野党共闘を柱に、改憲阻止、安倍政権打倒の展望をつくり出さなくてはなりません。

とりわけ、2015年に結成された市民連合を基軸とした野党共闘による安倍政権とのたたかいは、2016年の参議院選挙以降、全国からの期待も寄せられ、一気に定着し、さらに広がりをみせています。私たちは、来たる参議院選挙のなかでも、さまざまな政党との信頼関係をもとに、市民連合を中心とした本格的な野党共闘を実現し勝利していく、そしてこのことによって改憲阻止、安倍退陣をかちとっていかなければなりません。

今回の参議院選挙では、2016年の参議院選挙と同じ41議席を野党共闘で獲得することによって、3分の2の改憲勢力を参議院で打破することが可能といわれています。しかし、半年後に参議院選挙が迫った今日の状況は、野党共闘の進捗状況からも極めて厳しい状況であり、決して楽観は許されません。

改めて、参議院選挙における野党共闘の強化に向けてそれぞれの地域で皆さんのより一層の奮闘を期待いたします。

 

そして、3つ目の課題が、沖縄の取り組みです。

開会集会で沖縄の中村県議から報告をいただきましたが、沖縄における辺野古新基地建設の情勢が緊迫してきています。

沖縄防衛局は、8月17日から護岸がつながった辺野古側に土砂を投入するとして、辺野古新基地建設をめぐり重大な局面を迎えることになりました。

この政府の動きに対し、翁長雄志前沖縄県知事は、仲井眞知事の埋め立て承認を撤回することを表明し、その後、8月9日には、沖縄防衛局に対する聴聞を行い、8月31日には、仲井眞前知事の埋め立て承認の効力を失わせる承認撤回を実施しました。

残念ながら、翁長県知事は急逝されましたが、その後、9月30日投票で行われた県知事選挙は、玉城デニーさんが8万票の大差をつけて勝利、改めて、「辺野古に新基地はつくらせない」という沖縄県民の確固たる意志が示されることとなりました。

翁長知事は、県知事に就任早々、2015年9月には、国連人権理事会でスピーチを行い、「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を世界中から関心をもって見てください」と主張し、沖縄の人たちの、自由、平等、人権、民主主義がないがしろにされていることを世界中に訴えるとともに、自己決定権を取り戻す決意を世界中に表明しました。そして、「辺野古新基地をつくらせないオール沖縄会議」とともに沖縄の民意を踏みにじり、法をねじまげ工事を強行する安倍政権と命がけの闘いを繰り広げてきました。

私たちは、この翁長知事の意思をしっかりと引き継ぐとともに、「普天飛行場の一日も早い閉鎖と返還、辺野古新基地建設阻止に全身全霊で取り組む」とする玉城新知事を支持し、辺野古新基地建設をはじめ軍拡を進める安倍政権を許さず、辺野古新基地建設を国が断念するまで取り組みを継続・強化していかなければなりません。

現在新基地建設をめぐっては、政府と県との対話が始まっていますが、辺野古の基地建設工事は強行されています。また、年明けには、辺野古新基地建設の賛否を問う県民投票の実施が予定されるなど、緊迫した状況は続いています。

また、普天間基地の5年以内の運用停止と辺野古新基地建設は切り離された別物の課題であったにもかかわらず、このことも実現していません。

今後も、沖縄の「自己決定権や、自由、平等、人権、民主主義を求めるたたかい」は力強く継続していきますが、沖縄で、東京で、そして全国で私たちの連帯した闘いが求められています。決してあきらめることなくこの連帯の輪を広げていこうではありませんか。

配布資料に同封させていただき、また、先行して取り組んでおられる団体もありますが、「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」がすすめる、土砂搬出計画の撤回と土砂投入の中止を求める署名を全国で進めていただきたく存じます。また、沖縄平和運動センターの要請に基づき政府に対する抗議行動など取り組んでまいりますのでご理解とご協力をお願いいたします。

 

最後に、3日間の討論でも明らかになりましたが、今、安倍政権のもとで日本の国の形が大きく変えられようとしています。また、日本における立憲主義、民主主義、平和主義を守り未来に引き継ぐ闘いが正念場を迎えています。まさに「憲法ではなく、政治を変えよう」をスローガン掲げ開催した今護憲大会での議論を、参加者一人一人が職場や地域にしっかり持ち帰り、明日から私たちが改憲阻止、そして、安倍退陣を求めるという正念場の闘いの先頭に立って奮闘しあう、このことを全体で確認し3日間の大会のまとめとさせていただきます。ご苦労様でした。

 

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