2018年、集会等の報告

2018年10月14日

きれいな水といのちを守る第35回全国集会に500人参加

 

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「水と森の盛岡」で開催 水道民営化も課題に
平和フォーラムや全水道労組、I女性会議、日本消費者連盟など、労働組合や市民団体などは、1974年から人体や環境に有害な合成洗剤の追放をめざして各県持ち回りで全国集会を開催しています。今年は10月13日~14日に岩手県盛岡市で「きれいな水といのちを守る第35回全国集会」として開催されました。「銀河の国からほとばしる 清き流れを未来まで」のスローガンのもと、会場の岩手教育会館には全国から2日間で延べ500人が参加し、講演や討論が行なわれました(上写真は開会集会)。

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1日目は全体集会が開かれ、主催者あいさつに立った岩手県集会実行委員会の小西和子実行委員長(県議会議員・顔写真左)は、「岩手でも40年前から市民団体などが合成洗剤の危険性を指摘してきたが、特に、宮古市にある重茂漁協の女性部は豊かな三陸の海を守るために、街の小売店から合成洗剤をなくし、石鹸を置いてもらう運動を続けている。その海は2011年3月11日の東日本大震災で壊滅的な打撃を受けたが、住民の懸命な努力で復興しつつある。こうした岩手の取り組みも見ていただき、安全・安心な暮らしを守る運動を積み重ねよう」と呼びかけました。
谷藤裕明・盛岡市長などの来賓あいさつに続いて、辻谷貴文・集会事務局長が基調報告を行い、合成洗剤をはじめとした化学物質の問題や、原発による放射能汚染、さらに、安倍政権のもとで進められようとしている水道事業の民営化問題などの情勢と運動課題を提起しました。
講演は「水と杜の街、盛岡から」と題し、盛岡市上下水道局特別参与の平野耕一郎さん(顔写真中)が、盛岡市の水道の歴史やきれいな水を維持する取り組みなどを紹介しました。同市は昔、中津川などの伏流水が豊富で人口が増加。一方で家庭排水による地下水汚染も発生、1934年に上下水道が通水しました。平野さんは人口減少に伴う水の需要減や施設の長寿命化など、今後の水道事業の課題や、水源涵養林の拡大で「安全でおいしい水づくりを後世につなぎたい」と語りました。
また、特別報告は「豊かな三陸の海を守るために」として、三陸の海を放射能から守る岩手の会の世話人である永田文夫さん(顔写真右)から、青森・六ヶ所村にある原発の使用済み核燃料再処理工場による放射能汚染から海を守る取り組みが報告されました。

 

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大震災や原発事故から水を守る取り組み
 2日目は分科会が開かれ、第1分科会の「入門講座」では、合成洗剤と石けんの違いを実験も交えて学び、合成洗剤のコマーシャルにだまされないことが必要と強調されました。第2分科会は、「化学物質と私たちのくらし」と題し、合成洗剤の柔軟剤や芳香剤に含まれる「香り」による被害中心に「化学物質過敏症」の問題と今後の運動を討議しました。
第3分科会は「水といのちを守るために」として、2011年の東日本大震災や16年の台風10号による被害を受けた宮古市での水道施設の復旧や、福島での原発事故の放射能汚染に対する水道施設の対応、さらに、盛岡市内の小学校での児童による魚の放流活動と水生生物の調査を通した水質を守る運動の報告を受けました。さらに盛岡市内の浄水場など水道施設を訪ねるフィールドワークも行われました(上写真は第3分科会)。
分科会後の総括集会で辻谷集会事務局長は「この運動は半世紀近くにわたり、安全・安心な水を守るために市民と労働組合が連帯する貴重な取り組みだ。いま安倍政権は水道法の改正で、水道事業の民営化を進めようとしている。集会の成果を周りに伝えて、民営化を許さない取り組みを広げよう」とまとめを行いました。最後に集会アピールを採択して2日間の集会を終えました。

集会後に、東日本大震災で津波被害を受けた釜石市などを視察するツアーも行われました(下写真は津波被害を受けた海岸の記念碑の前で)。

 

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