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尖閣問題で安保回帰を呼び込むな!

2010年11月 1日

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 9月7日、中国漁船が尖閣諸島近海で日本の海上保安庁巡視艇に接触・衝突するという事件が発生した。日本政府は、船長を逮捕し、18日間拘置した後、処分保留で釈放した。事件直後に中国政府は宋濤外務次官が丹羽宇一郎駐中国大使に逮捕について抗議し、翌々日には楊潔箎(ヨウケツチ)外務大臣が同様の抗議を行った。

 中国政府の対応は、ガス田開発に関する条約交渉の停止や民間レベルでの交流の停止、レアメタルの輸出の実質的停止、そして温家宝首相の船長の無条件釈放要求にまでエスカレートすることとなった。中国国内では大規模な反日運動が予見され、中国政府はそのような情勢も含め厳しい対応に終始した。日本政府は、「日中関係に影響があるとは思わない(仙谷由人官房長官)」など、早期に中国側の要求に応えようとはしなかった。

 尖閣諸島では、04年に中国人7人が不法上陸する事件があった。当時の小泉純一郎首相は、司法手続きに入らず全員を強制送還した。他国との外交上の問題は、「国内法に基づき粛々と対応する」(前原誠司外務大臣)ことで解決しうるのだろうか。将来的な両国関係を考慮しつつ、繊細で大胆な判断が求められる。
残念なことに、またアジア蔑視の感情的発言が政治家から相次いだ。石原慎太郎東京都知事は「やくざな国だ」、枝野幸男民主党前幹事長は「中国は悪しき隣人」と罵った。両国に横たわる不信感を増長する発言は何の解決にもならない。

 「東アジア共同体」の構想は、日本がもはや日米安保とそれを基本にした日米同盟だけでは立ち行かないことを前提にしていたのではないのか。このことを安保回帰につなげてはならない。

 8月27日に出された「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」の報告は、離島地域の防衛力強化を求めている。東西冷戦が終結した今日、ことさらに中国の脅威を煽り、自衛隊の南西諸島への展開・強化を進めようとしている。中国を仮想敵国とすることで、沖縄米軍基地問題に象徴される国民の「安保離れ」にくさびを打とうというものだろうか。姑息な手段は、日本の将来を誤るだろう。

 この事件を契機に、アジア諸国と真摯に向き合い、日本との間に横たわる課題と不信感を一掃し、新たな時代に向けて歩み出さなくてはならない。

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