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松下政経塾は何を見つめるか!

2012年3月 1日

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島根県益田市、市内で一番高いビルにあるホテルの窓から眺めると、小さな駅舎と一両ないし二両編成のディーゼル車、甍の向こうに茫漠たる日本海が眺められる。人口約5万人、のんびりとした農村風景が広がる田舎町と言っていい。

 この町が、昨年の夏突如として全国に注目された。つくる会系育鵬社版の中学校用歴史・公民教科書を採択したのだ。市長は福原慎太郎、松下政経塾の22期生。この市長の主張に沿って育鵬社版教科書が採択された。この地区の誰もがそのような教科書を望んではいないだろう。神奈川県藤沢市でも採択された。市長は海老根靖典(当時)、彼もまた松下政経塾出身で、杉並区で2005年につくる会の扶桑社版歴史教科書を採択した山田宏杉並区長(当時)と同窓である。

 松下政経塾は現在30期生、これまで113人が卒塾した。野田佳彦首相以下衆議院議員31人、参議院議員7人を数え、地方政治家も多い。日本の国政に、地方政治に一大勢力となっている。しかし、そこから日本の将来のあり方が見えてこないのはどうしてだろうか。

 松下政経塾のメッセージには、「グローバリゼーションの波が急速に押し寄せ、今まで通用していた日本型システムは既に崩壊しつつあります。今こそ、未来に希望のもてる『新しい国家ビジョン』が必要であり、松下政経塾の果たすべき使命はいよいよ大きくなっています」と書かれている。しかし、塾生の多くは、もうすでに崩壊しつつある新自由主義、新保守主義、そして米国追随の政治姿勢に拘泥する。社会的弱者に寄り添うことなく、能力と競争を社会の基盤に据えようとする。そのあげく、アジア諸国から厳しく非難される「つくる会系教科書」の採択に固執する。

 彼らは、米国に代表される欧米文化に熱い思いを寄せながら、江戸封建社会を支えた儒教的思想と明治以降の天皇制を伝統文化としてその尊重を説く。相反する矛盾の中にいるように思えてならない。戦後の成長政策から脱却できず、しかし、台頭するアジア諸国との関係構築には全く後ろ向きだ。そのような姿勢からは、「新しい国家のビジョン」は生まれない。

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