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アパルトヘイト擁護発言に 見る人権後進国日本の知性

2015年3月 1日

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 日本の政治家も文化人も、知性のレベル低下は目を見はるものがあると、十把一絡げに語ることは適切ではない。言い方を変えよう。安倍晋三首相の周辺はひどい。安倍首相の私的諮問機関「教育再生実行会議」の主要なメンバーである作家の曾野綾子さんが、重大な差別発言を産経新聞紙上のコラムで行った。若者が減少する中で、労働移民の受け入れは重要であり、資格や語学力の障害を取り除くべきとする一方で、「ここまで書いてきたことと矛盾するようだが、外国人を理解するために、居住を共にすることは困難。居住区だけは白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい」と主張した。人種差別撤廃後の南アフリカ・ヨハネスブルグでの体験を基本に、「人間は事業も研究も運動も一緒にやれる。しかし、居住だけは別にした方がいい」とコラムを締めくくっている。

 これに対し、各方面から「アパルトヘイトを擁護するのか」との批判が相次いでいる。居住区を分けるのはアパルトヘイト政策の根幹にあったものだ。米国南部の黒人差別の実態を学んだらいい。公共施設、ホテル、公衆トイレ、スイミングプール、水飲み場、公立学校までもが黒人用と白人用に分離されていた。日本における部落差別も居住区を分けることが多かった。そのことは差別を明確にする手法のひとつではなかったのか。明らかにすることで差別はより差別として機能する。「分けられること」を、分けられるマイノリティの側から見ればいい。

 南アフリカのモハウ・ペコ駐日大使も「アパルトヘイトを許容し、美化した行き過ぎた恥ずべき提案」と指摘し「世界中のどの国でも、肌の色やほかの分類基準によって他者を差別してはならない」として、産経新聞社に抗議文を送った。曾野綾子さんは「文章の中でアパルトヘイト政策を日本で行うよう提唱してなどいません。生活習慣の違う人間が一緒に住むことは難しいという、個人の経験を書いているだけです」と弁明しているが、「居住区を分けろ」と提唱していることは確かで、「私はアパルトヘイトや差別が何かを知りませんでした」と恥の上塗りをしているだけだ。このような発言がいかに日本を貶めるか、安倍首相も含めて気づいていない。日本の不幸ではないか。

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