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原子力産業は差別 構造から成り立つ

2015年6月 1日

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 原水禁は、他の組織に先駆けて1975年の被爆30周年原水禁世界大会で「核と人類は共存できない」としてNPTが容認する原子力の平和利用(原発などの商業利用)に反対する立場を明確にした。それは、その原料であるウラン採掘の現場から使用済み核燃料の最終処分まで、人類と放射能の闘いが永久に続く、そのことに気がついたからこそ、原水禁は核兵器廃絶の運動から「核絶対否定」=平和利用否定の脱原発の運動にたどり着いた。原水禁の2015年NPT再検討会議派遣団は、その原点に立ち返るべく米国はニューメキシコ州のアルバカーキーに足を向けた。

 まず、ラグナプエブロの集落に近いジャックパイル鉱山跡を見学した。露天や地下の坑道から採取した鉱石の残滓が集落から1キロと離れていないところに野積みされている。また、他所の土砂で覆って放置されている。その鉱石からイエローケーキをつくった精錬所跡でも同様に、精錬後の鉱滓が野積み状態だ。

 そもそも、ピサと呼ばれる岩山が林立するこのグランツミネラルベルトは、貧しい土地であった。アコマプエブロやラグナプエブロなど19のプエブロ(先住民の集落)があり、最大の部族であるナバホネイションなど先住民族は、流れる地下水を頼りにトウモロコシなどを栽培して暮らしていた。その土地を勝手に掘りウラン鉱を採掘したのは白人社会だ。先住民族はウラン採掘と精錬の労働者として酷使され、そしてウラン鉱山の廃鉱と同時に捨てられた。突然の貨幣収入は、彼らの農耕生活を破壊した。そして、環境汚染と健康被害だけを残した。先住民族の社会は、米国社会の闇の中にひっそりと存在する。

 ナバホネイションで、ウラン採掘に反対する運動の先頭に立つレオナ・モルガンさんは、「ロサンゼルスでもサンフランシスコでも、何度もこの問題を伝え、足を運んでほしいと訴えてきた。しかし、誰も来なかった。原水禁が初めてだ」と話した。そこに、この問題の本質がある。日本の原子力発電所で働く労働者が、2次や3次の下請けであり、搾取の中にあることは周知の事実だ。同様に、ウラン採掘現場で働いた、または近くに住んでいる先住民族が差別の中にあることも事実だ。

 原子力産業は、差別の構造から成り立っている。そして、日本の経済成長を原発の電気が支えてきたことを考えると、私たちも差別者であった。
(藤本泰成)

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