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改憲の前に社会の あり方を語り合おう

2015年12月 1日

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 日本会議が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の主催の集会が、11月10日に、日本武道館で開かれた。安倍晋三首相が、「21世紀にふさわしい憲法を追求するときが来ている」とのビデオメッセージを寄せた。美しい日本の憲法とは、あの「自民党憲法改正案」(以下、改正案)なのだろう。美しい国にふさわしい憲法をと言うが、改正案ほど醜悪なものはない。子どもの作文以下だ。子どもの作文には、素直な感動がある。改正案は感動どころか、邪悪なにおいがする。近代市民社会の歴史やその歴史が積み上げてきた哲学や理念を理解していない、のではなく、ねじ曲げている。論争にもなり得ない。だからこそ、哲学や理念では勝てない彼らの主張する改正案なのだろう。

 「戦争法」が成立して、「平和のための新9条論」がいろいろな人の間から浮上してきた。東京新聞は「こちら特報部」で取り上げ、「戦後日本が平和国家のあるべき姿として受け入れてきた『専守防衛の自衛隊』を明確に位置づける。解釈でも明文でも、安倍流の改憲を許さないための新9条である」と書いた。しかし、私の周りではあまり評判が良くない。新9条をとの声は、改憲派を利するという感覚だろうか。それとも、護憲はあくまでも護憲との感覚だろうか。2008年に平和フォーラムは、「9条に命を吹き込む」として、自衛隊を「国土警備隊、平和待機隊、災害救助隊」に再編する「平和基本法」を高文研から上梓し、自衛隊をどう考えるか提起したが、議論は深まらなかった。「自衛隊を合憲とするのか」との声もあがった。しかし、「戦争法」反対の闘いの中での主張は、「自衛隊の海外派遣は許せない」「集団的自衛権行使は許せない」であって、「非武装中立」とか「自衛隊は違憲」との従来の主張は、私が聞く限りはなかった。

 さあ、どう考えるのか。私は、今は新9条を議論する時期ではないと考える。やるべきは「自衛隊を戦場に送らない」「戦争法廃案」である。その中で、9条の問題に絞るのではなく、現実の足下の課題を見極めた上で、日本社会を俯瞰し、そのあり方を議論すべきだ。貧困と格差は、私たちの社会を土台から腐らせている。過去最大約5兆円の防衛費の余裕が日本にあるのか。「経済成長」のみに拘泥することなく、人間としての豊かさとは何か、一人ひとりの安全とは何かを、真剣に議論しなくてはならない。
(藤本泰成)

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