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政治に感情を持ち込むな!─ 危うい日本の政治

2019年2月 1日

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 居酒屋で「好きなもの適当に頼んで、まかせるから」と言ったら、30代のスタッフは「鯨の竜田揚げひとつ」、おーっ!「鯨の竜田揚げ」かよ。60代には給食のイメージしかない鯨の竜田揚げは、お金を払って食べるものでもない。鯨には、日本人の貴重なタンパク源として、お世話になった。自分は、ベーコンは鯨だとばかり思っていたから、豚肉のベーコンを知らず恥をかいた。日本人の鯨談義はつきない。日本の捕鯨は、12世紀に遡ると言われる。ノルウェー、フランス、スペインなどの9世紀には及ばないものの相当の歴史がある。20世紀初頭には南氷洋での捕鯨が開始された。しかし、1946年には「国際捕鯨取締条約」が締結、翌々年には「国際捕鯨委員会(IWC)」が組織され、鯨の国際的保護が始まった。日本は1951年に国際捕鯨委員会に加盟した。

 2018年12月25日の閣議において、そのIWCから脱退することを、日本政府は決めた。今年7月より商業捕鯨の再開をめざすとしている。オーストラリアなどの反捕鯨国や環境保護団体グリンピースなどのNGOは、この決定をきびしく批判している。日本は領海内と排他的経済水域(EEZ)内において商業捕鯨を再開するという。菅義偉官房長官は、捕獲量をこれまで同様に資源保護のためにIWCが決めた算定数(ミンククジラなどを中心に500~600頭)の範囲内に収めるとした。タンパク源の少なかった時代と違い、今日、日本人の鯨消費量は1人あたり年間30g、どの視点からも、日本政府の行動が国益にかなうとは考えられない。IWC内では、捕鯨賛成国が41カ国、反対国が48カ国と拮抗する。ならば、捕鯨への、日本の食文化への理解をすすめることが重要ではなかったのか。米国トランプ大統領は、CO₂削減のためのパリ条約やイランとの核合意、TPPや中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を重ねている。「アメリカファースト」が、国際社会に何をもたらすのか、日本も過去に国際連盟を脱退した歴史をもっている。


 気に入らないから脱退するというような、きわめて感情的な選択や言辞が、政治の世界にあってはならない。将来をしっかりと見通した政策と理性的判断が必要だ。そのことが、日本の国際的立場を安定したものにしていく。慰安婦問題や徴用工問題、レーダー照射問題、日韓は感情的に対立しているように見える。今の日本は危うい。
(藤本泰成)
 

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