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ニュースペーパー2010年5月号

2010年5月 1日

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4月16日、首相官邸において原水禁・連合・核禁会議3団体の代表は、鳩山由紀夫首相に対し、「核兵器廃絶を求める1000万署名」で集めた6,660,569筆の署名を提出しました。3団体を代表して、古賀伸明連合会長が、来る5月から始まる核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、被爆国日本の政府として核兵器廃絶に向けた積極的な姿勢を示すことを要請しました。鳩山首相は「核兵器を減らしていく努力を世界的にしていかなければならない。NPT再検討会議でも主張していく」と述べました。なお、この署名の一部は、目録とともに国連へ持参し、5月3日の総会の場で議長に手渡す予定です(写真左から、古賀連合会長、藤本泰成原水禁事務局長、鳩山首相、松井孝治官房副長官)。

【インタビュー・シリーズ その45】
市民・研究者の視点からめざす「核兵器のない世界」
NPO法人ピースデポ 代表 湯浅 一郎さんに聞く

【プロフィール】
1949年東京生まれ。東北大学理学部の学生だった71年から、脱原発運動、芸南火電、松枯れ・農薬空中散布などの公害反対運動に関わる。75年、旧通産省・中国工業技術試験所(広島県呉市)に入り、瀬戸内海汚染問題に取り組む。
84年、核トマホークの配備を契機に、「トマホークの配備を許すな呉市民の会」などを経て、98年、ピースデポ設立に参加。2008年より現職。著書に「科学の進歩とは何か」(第三書館)、「平和都市ヒロシマを問う」(技術と人間)など多数。

──ピースデポではアメリカの情報公開法を使って様々な核や軍事の問題を明らかにしていますが。
 1980年代後半、「核のない海運動」の中で欧米のNGOなどが情報をうまく使って、政府の政策に対して問題提起をして、状況を変えていけるような力を持っていることに接しました。そういう活動を日本でもできるような組織が必要なのではないかという議論があり、ピースデポの前身である「平和資料協同組合(準)」を90年に立ち上げました。そこでは、アメリカの情報公開法を活用して得られた情報を有効に分析・公開するなど、系統的な情報・調査活動によって、平和運動の基礎をつくることをめざしました。
 その一つが米空母タイコンデロガの水爆水没事故です。グリーンピースの若手研究者が航海日誌を分析し、横須賀に水爆を積んだまま寄港した可能性があることをアメリカの情報公開法の活用で明らかにしました。また、私の住んでいた広島県呉市でも89年の秋に米軍が、呉湾の海上に弾薬を放置していた問題が明らかになりました。このように、情報公開法で得られた情報というのは、非常に大きな道具になることが運動を通じてわかってきたのです。
 アメリカでは、国が持つ情報は市民のものであるという基本思想がまずあります。外交の問題によっては明らかにできないものもありますが、もし出せない場合は、その理由を請求者に対して説明し、説得しなければならないという考え方の下で法律がつくられています。そしてもう一つすばらしい部分は、アメリカ人に限らず、世界中の全ての人が請求できる点です。2007年秋、「テロ特措法」による海上自衛隊の燃料供給が、イラク戦争に転用された問題を明らかにしたことは、そうした活動の蓄積から生み出されたものでした。

──今の核兵器廃絶への動きについてどのように分析されていますか。


ピースデポの総会で発言する湯浅さん
(右端、2010年2月・渋谷)
 アメリカの政権交代によって、「核兵器のない世界」へのビジョンが世界の流れとして動き始めたと思います。ただ、政権側でそういう方針を打ち出したから、それが政策として動き始めるかどうかというのは別問題です。例えば、2010年の米国の核兵器予算を見ていくとあまり変わらないか、むしろ今持っているものを保持するための予算が少し増えています。さらに、新型の核兵器開発は行わないとしていたものが、新型核兵器の開発と思われる部品の研究に予算が付くなど、簡単にはいかない流れが強まっています。
 核態勢見直し(NPR)、その背景になっている第1次戦略兵器削減条約(START-Ⅰ)の後継条約の中身が定まらないこと。包括的核実験禁止条約(CTBT)も同じ状況で、どれを見ても壁にぶつかっているという感じがあります。(NPRは4月6日に発表され、START-Ⅰの後継条約、「新START」は同8日に調印されました)。
 オバマ米政権を批判するだけではいけません。アメリカ議会の行動を変えるためにアメリカの世論をどうつくるかということが問われているし、たぶんそれがいちばん大きな問題になると思います。日本でも民主党政権はある意味で同じ構造に置かれているのではないでしょうか。岡田克也外相も核兵器廃絶に向けて、なんとかしたいという気持ちを持ちながら、それを出し切れていません。それには、アメリカ側の立場も考慮しなければいけない事情もあるのでしょう。そこで重要なのは、市民社会がそれぞれの国の政権や政党、または官僚に対して、どういう声をあげていくかということだと思います。
 もうオバマ大統領をもてはやす時期は終わっています。しかし、まだ彼を応援したほうがいいと私は思います。そんなに早くあきらめる必要はないけれど、そのためには具体的な応援をしなければいけません。ここがむずかしいところです。
 さらに、核兵器のない世界というのが世界的な潮流になってきたという時期も考えると、そのグローバルな核兵器の廃絶を実現するために、まず自分たちが地域で非核化をめざすことで、核兵器によらない安全保障体制をつくる。それが結果として、グローバルな核兵器廃絶に貢献していく。そういう相互作用が重要です。それを行う方策として、北東アジア非核兵器地帯を提唱していくということがあるのではないでしょうか。
 たぶん6ヵ国協議と同じ枠組みになると思うのですが、非核兵器地帯条約をつくろうと動くことで多国間の協調で物事を解決していくように政治が動けば、市民社会もこんな方向性があるのだと実感を持てるようになるでしょう。仮に北東アジア非核兵器地帯を想定すれば、それは日本、韓国、さらに北朝鮮も含めて、自分たちの安全保障を核兵器に依存しないという道を選ぶことになるわけです。本来、核兵器のない世界をめざすということは、拡大抑止に依存しない世界をつくるということです。「被爆国としての道義的責任」を言うのであれば日本は率先して、北東アジアの非核化を推進すべきです。

──ピースデポとは、今後も連携をとりたいと考えますが、平和フォーラムへ一言お願いします。
 全国に「網の目」があるという強さをどう活かせるかぜひ考えていただきたいです。労働組合に基盤を置く組織の有効性というものもぜひ発揮していただけたらいいと思います。全国に組織を持つ団体同士の連携がうまくいけば、もっと地域に浸透したものになっていくのではないでしょうか。
 核兵器をめぐる人類の歴史というのは、わずか70年程度でしかありません。核分裂の発見が1939年。未知の発見という研究者としての喜びが、その後の6年間で戦後の世界を牛耳る中心的な武器になっていくのです。そこに、研究者はその原罪を意識しながらも、大気圏内の核実験は繰り返され、その過程で第5福竜丸の問題(ビキニ事件)も発生しました。
 核開発とそれに伴う被害、そしてそれを止めようとする民衆の運動が繰り返されてきたという歴史があって、「その流れの中の現在」だということを自覚すると、また違った動き方が可能になると思うのです。そんな歴史的な流れを勉強して、自分の生き方とどのように関わってくるのかということを、考え始める人が現れると、組織的な活動が意味を持ってくるのではないでしょうか。
 集会などに参加した後の、自分の日常や生き方に何かが反映されたり、問題意識を生むきっかけになったりするということが重要だと思います。そういう意味では、動員でデモ行進に参加することも学習機能を持っています。今年から来年にかけてはそういうタイミングだと思います。
 私自身は、核拡散防止条約(NPT)再検討会議(5月・国連本部)は政治的にあまり前進しない気がしています。だから、これは通過点だと位置づけて、その後どんな運動をつくり出していくのかということが問われているのではないでしょうか。これからも、皆さんとともに「核兵器のない世界」へ向け尽力したいと思います。

〈インタビューを終えて〉
 核情報や軍事問題は、情報化社会にあっても日常の話題にはなりづらいものです。だからこそ、丹念に情報を収集し、発信することが求められるわけですが、湯浅さんが代表を務めるピースデポは、準備期間も入れれば20年以上にわたって、その役割を担ってきたことになります。核兵器廃絶に向けて、「自分たちの安全保障を核兵器に依存しないという道を選ぶことが非核化への道」と語る湯浅さん。核と安全保障問題についてわかりやすく情報提供し、非核化の大きな世論をつくりだしていくために、私たちも力を尽くしたいと思います。
(藤岡 一昭)

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普天間基地はいらない 新基地建設も許さない
5.15沖縄平和行進、普天間基地包囲行動に向けて

新政権下の沖縄米軍基地見直し
 鳩山首相は普天間基地移設問題について5月決着を目標にしていますが、前政権と米国政府が合意した辺野古への新基地建設は困難な状況が生まれてきました。しかし政府内では、キャンプシュワブ陸上案、鹿児島県徳之島への一部移転、与勝半島沖の新基地建設なども検討されていると伝えられ、首相が県外、国外移転に向けた見直しを決断するには至っていません。
 一方、与党議員の沖縄等米軍基地問題議員懇談会(沖縄議員懇・川内博史民主党衆院議員が会長)では、普天間基地を抱える宜野湾市の伊波洋一市長によって、普天間ヘリ部隊のグアム移転に関する検証が行われました。そこで明らかになったのは、1万8,000人とされている沖縄海兵隊の定数と限りなく食い違う実情、沖縄海兵隊の抑止力の欺瞞、SACO合意(普天間基地返還も含む日米合意・1996年)以降の国際情勢の変化に伴う新たな米軍再編(2006年)によって、普天間代替基地建設の根拠がなくなってきた事実などです。
 こうした情勢の変化や新事実は、自公政権下では国民に明らかにされず、新政権の沖縄基地問題見直しの姿勢や沖縄議員懇の動き、宜野湾市をはじめとする沖縄県民の粘り強い取り組みによって明らかにされてきたものです。

普天間飛行場に代わる新基地は必要ない
 政府内には「日本の安全保障にとって沖縄海兵隊は抑止力として必要」とする考え方があります。しかし、沖縄海兵隊の基本的な任務は戦闘ではなく訓練であり、1年の半分は日本国外で訓練を続け、日本の安全保障のために常駐している訳ではありません。
 さらに、米軍再編計画で実数1万2,400人のうち8,600人とその家族がグアムに移転します。辺野古沖新基地建設の理由となったSACO合意の時点から海兵隊の配置は30%程度に減少してしまうことになります。そうでありながら、米軍はグアム移転計画前の約束で、辺野古沖に新基地をつくるよう日本側に求めていることになります。新政権は、政権公約どおり米軍基地の見直し協議を進めるべきです。

県外、国外移転こそ沖縄県民の声


昨年の5.15沖縄平和行進の様子(09年5月・沖縄)
 71年の沖縄返還以降も沖縄の米軍基地偏重は解決されていません。基地負担の代償としていくら補助金が投入されても、ケタ違いの基地負担は沖縄を苦しめてきました。
 2月の名護市長選挙では、辺野古新基地建設反対を掲げた稲嶺進さんが市長に当選しました。沖縄県議会は「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」を、従来の基地建設容認派も含めて全会一致で採択しました。県内41市町村長も県内移設に反対しています。また、一部移転地として検討されている鹿児島県徳之島でも島民ぐるみで基地移転反対の声が上がっています。
 平和フォーラムは5月13日から16日に向けて「沖縄平和行進・普天間基地包囲行動」を取り組み、新基地建設はもちろん、沖縄米軍基地の縮小撤去に向けた運動を強めていきます。私たちは、もうこれ以上沖縄に基地負担を押し付けることはできません。

■5.15沖縄平和行進・普天間基地包囲行動
◎5月13日 全国結団式(県立武道館アリーナ)
◎14日~15日 平和行進
 東コース 辺野古~宜野座村~金武町~北谷町
 西コース 読谷村~嘉手納町~北谷町~宜野湾市
 南コース 平和記念公園~南城市~浦添市

◎15日 5.15平和とくらしを守る県民大会(宜野湾市海浜公園屋外劇場)
◎16日 米海兵隊普天間基地包囲行動

※詳しいスケジュールは、沖縄平和運動センターのHPを参照してください。
http://www.peace-okinawa.net/

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今年は「韓国併合100年」
朝鮮半島との新たな平和・友好関係を

「豊臣秀吉」─朝鮮半島侵略の象徴
 人に足を踏まれた痛みは感じるが、人の足を踏んだことには無自覚です。日本では「蒙古襲来以来」という枕詞が残り、アジア・太平洋戦争でも受けた被害は強く語られますが、日本が侵した歴史や加害はなかなか語られません。人に苦痛を与えたことを意識して自覚するには教育や学習が必要です。
 朝鮮半島の人々にとって、豊臣秀吉はまさに侵略の象徴です。長年、日本と朝鮮半島の文化的・歴史的つながりを追求してきた前田憲二監督は、映画「月下の侵略者─文禄・慶長の役と『耳塚』」を昨年制作しました。豊臣秀吉の二度にわたる侵略戦争、朝鮮の人たちの鼻を切り戦果としたこと、陶芸家等、多数を拉致したことなど克明に描いた作品です。非道・野蛮で残忍な秀吉の侵略戦争が、朝鮮半島の人々に日本に対する否定的な認識を深く刻み込みました。

植民地・戦争・分断の歴史
 江戸時代には朝鮮通信使など一定の関係修復が図られましたが、明治維新直後から、日本政府は武力や要人暗殺を通じて朝鮮半島への侵略を強め、日露戦争後の1905年条約(いわゆる「韓国保護条約」)によって、大韓帝国の外交権を剥奪し、韓国統監府の設置によって事実上、植民地化しました。そして、1910年8月22日に「韓国併合条約」締結を強行したのです。本年はそれから100年となる節目です。
 最初の35年間、日本の植民地支配と侵略戦争遂行の中、朝鮮民族の文化は否定され、同化(日本人化)と皇民化政策が進められました。創氏改名で日本名が強制され、戦争協力のため、強制連行・強制労働、徴用・徴兵が行われました。これらが後の「従軍慰安婦」や「BC級戦犯」などの問題につながります。
 日本の敗戦による解放後も、米国・ソ連の対立を背景に、大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の南北分断国家となり、朝鮮戦争をはじめ激動の時代でした。その中で日本は、自らが与えた植民地化や侵略戦争による被害の補償はもとより、謝罪や調査すら十分には行ってきませんでした。

「東アジア共同体」構想に不可欠な「過去の清算」


「建国記念の日」を考える集会(2月11日・自治労会館)
 今、日本に東アジア重視の姿勢を明確にした新政権が誕生し、鳩山首相は「東アジア共同体」構想を主張しています。これを具体化し、東アジア諸国との友好関係を築くには、中国や朝鮮半島をはじめとした「過去の清算」に向けたさらなる努力が必要不可欠です。
 これまで日本は、東アジア諸国に対して、1995年の自社さ政権の中での「村山首相談話」や、日中・日韓共同宣言の内容を政府見解としてきました。しかし、他方で靖国神社への首相の公式参拝問題や、歴史歪曲教科書の検定合格、首相の「従軍慰安婦」強制否定発言など、東アジア諸国との関係を悪化させる日本の官民・政治家による動きが後を絶たない状況でした。
 この状況から東アジア諸国との関係を改善するため、平和フォーラムは、日朝基本条約締結をめざす「日朝国交正常化連絡会」や「在日朝鮮人歴史・人権月間」(今年は8月22日~9月20日)の取り組み、「韓国・朝鮮の遺族とともに全国連絡会」の証言集会(9~10月)、永住外国人参政権の実現、日韓が連携した「韓国強制併合100年共同行動」への協力などを進めます。
 取り組みの基本目標は次の点です。
  1. 侵略戦争と植民地支配の認識、加害責任、戦後補償など「過去の清算」に向けた努力を明確にした「首相談話」の発表。
  2. 「従軍慰安婦」など戦時性的強制被害者や強制連行・強制労働被害者の戦後補償問題の解決の道筋を示すこと。
  3. 全関係諸国を含む戦争被害者に対する国立の非宗教的追悼施設を建設し、靖国問題を決着すること。
  4. 戦争被害の実態調査や東アジア諸国との歴史認識の共有化を図るなど、共通理解への努力を具体化すること。
  5. 日中・日韓共同宣言に示された若者の共通した歴史認識確立の努力とともに、村山首相談話に示された政府の公式な「歴史観」に基づく教科書検定。
  6. 唯一国交のない朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との早期の国交正常化をめざして交渉を開始し、拉致被害など両国間に横たわる懸案事項を解決すること。

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新たな「食料・農業・農村基本計画」決まる
農政を大きく転換、食料自給率50%に引き上げへ

 政府は3月30日に、今後10年の農政方針を示す「食料・農業・農村基本計画」を決定しました。同計画は「食料・農業・農村基本法」に基づき、2000年から5年ごとに見直し策定を行っていますが、今回は昨年の政権交代を受け、これまでの自民党農政の下で進めてきた大規模農家に施策を集中する「規模拡大・効率化」一辺倒の政策を転換して、生産現場の主体性や創意工夫を尊重し、多様な取り組みを支援する農政への転換が図られようとしています。

「規模拡大・効率化一辺倒」の反省


農業政策を考える生産者・消費者集会(3月11日・参院会館)
 日本の農業は農産物価格の低迷、担い手不足などで、生産維持がますます困難になっています。食料自給率も先進国中最低の41%(08年・供給熱量ベース)程度にとどまり、食への不安・不信も高まっています。特にこの15年間で農業所得は半減し、販売農家数が3分の2に減るなど、危機的状況を迎えています。農地も埼玉県の全面積に匹敵する38万ha以上が耕作放棄されています。
 こうした農業・農山村の危機的状況は、森林や水をはじめとした環境や地球温暖化問題などに影響を与えています。一方、世界的には食料不足に苦しむ人々は年々増加し、10億人を超えており、今後も食料需給のひっ迫傾向と価格の高騰が予想されています。
 今回の基本計画では、まず2020年の食料自給率目標を50%まで引き上げるとして、そのための政策の柱として、1)農家に経営費の赤字分を補てんする戸別所得補償制度の導入、2)安全や安心など消費者ニーズに合った生産体制への転換、3)生産だけでなく、加工・販売や自然エネルギー発電を結びつけた「農業の6次産業化」(1次産業+2次産業+3次産業=6次産業)による所得増大などをあげ、農業・農村の再生をめざすとしています。
 これまで自民党などが進めてきた「規模拡大・効率化」一辺倒の農政の反省に立ち、「兼業農家や小規模経営農家を含む意欲ある全ての農業者が将来にわたって農業を継続し、経営発展に取り組むことができる」とする方向性を明確にしています。これは、農林水産業を資源循環型社会の基軸として位置づけ、食の安全や環境問題などに配慮した政策への転換を求めてきた私たちの要求課題の多くが取り込まれたものです。

欠かせない財源確保と市民の理解
 しかし、こうした方向性を実現するためには、財源問題が大きな課題になっています。政策の中心となる戸別所得補償制度では、今年度からモデル対策を行う米以外は、具体的な対象品目、導入時期等が明確になっていません。また、農林業がもたらす環境保全などの多面的機能を評価した助成や、食品の安全性の評価や管理を一元化した「食品安全庁」の創設も今後の検討課題とされています。これらにはお金がかかることから、財務省が難色を示したと言われています。
 しかし、農林水産省予算は80年代から1兆円以上も大幅に減額されてきた一方、防衛費は同期間に2兆円近くも増額されています。基本計画で謳っているように「食料の安定供給は国家の最も基本的な責務」とするならば、国全体の政策のあり方を根本的に問い直さなければなりません。そのためには、今後の国会論議などを通じて、食料・農業・農村政策の確立に向けた法・制度と着実な実施が求められます。
 また、市民・消費者の理解も欠かせません。農業・農村が持っている環境や国土の保全、都市の過密化を防いで均衡ある地域社会の発展、安心できる食料の供給などの多面的機能は、全ての人々が受けているものです。厳しい経済状況の中で、食品価格の低下が著しく、それが結果的に農業の存続を危うくしています。「国民全体で農業・農村を支える社会」(基本計画まえがき)への転換をどのように図っていくかが問われています。平和フォーラムは、今後とも生産者・消費者団体とともに、地域から具体的な施策や要求を集約し、その実現を求める取り組みを進めることにしています。

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2010年NPT再検討会議の課題
進められるか 核軍縮の流れ

 今後の核軍縮・不拡散の行方を左右する核拡散防止条約(NPT)再検討会議が5月3~28日、米・ニューヨークの国連本部で開催されます。前回、2005年の会議では、何ら実質合意を見出せず、「失敗」に終わってしまいました。今回は、核大国アメリカの大統領が代わり、新たに登場したオバマ大統領は、「核兵器のない世界」をめざす訴えを繰り返し、それに合わせて、核兵器廃絶への国際的機運が高まる中で開かれようとしています。
 私たちをはじめ、被爆者や市民も今回のNPT再検討会議に熱い視線を送り、現地に集い、その論議の行方を見守ろうとしています。前回の停滞を破り、核廃絶へと着実な歩みを進めることができるのか。あるいはさらなる核拡散を招くのか。そこが問われる今回のNPT再検討会議です。

停滞から核廃絶への動き


2005年NPT再検討会議での被爆者のデモ
(米・ニューヨーク)
 前々回、2000年のNPT再検討会議では、「核廃絶への明確な約束」を含む核軍縮のための13項目の具体的な措置が盛り込まれ、核軍縮の進展が大きく期待されました。しかし、05年までの5年間、具体的な進展はありませんでした。
 前回、2005年の再検討会議は、中東諸国と米国との対立を軸に、まったく成果を見ないまま幕を閉じました。核兵器廃絶に向け、「明確な約束」をした2000年の合意とは一転して後味の悪い結果となり、大きく世界は落胆させられました。その後、北朝鮮の核実験やイランの核開発疑惑など核拡散の動きが広がり、核軍縮の機運は停滞を余儀なくされました。
 しかし、オバマ政権の登場で、核軍縮の機運が一気に高まり、「具体的核軍縮」への期待が持たれています。09年4月、プラハでの「原爆投下国としての道義的責任」を明言したオバマ米大統領の演説、それに呼応して9月には「被爆国としての道義的責任」に触れた鳩山由紀夫首相の国連演説、さらに12月には、潘基文(バンキムン)国連事務総長の演説など、各国の要人たちは、口々に核兵器廃絶への努力を語り始めました。
 NPT再検討会議に先立ち、2010年4月8日、チェコのプラハで新START(戦略核兵器削減条約)が米ロ首脳によって調印されました。世界の核兵器の90%以上を保有する両国が発効後7年以内に、配備される戦略核弾頭をこれまでよりも30%減らして1,550発に定めるなど、前進しました。また、4月6日に発表された米国の「核態勢の見直し(NPR)」の中では、依然として核抑止論の上に立ち、核兵器の先制不使用などに踏み込むことはできませんでしたが、「新たな核兵器開発を止める」こと、NPT遵守という条件付きながら、「核兵器を持たない国には核攻撃しない」という消極的安全保障を宣言しました。

具体的な約束を迫ることが重要
 今度のNPT再検討会議では、このような動きや背景を、どこまで他の核兵器国にも広げることができるかが一つの焦点です。また、停滞している包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准・発効、兵器用核分裂物質の生産禁止条約(FMTC)などについての議論が促進されるべきものです。さらに、インドやパキスタン、イスラエル、そして朝鮮民主主義人民共和国など、NPTの非遵守国の核開発なども問題にされるでしょう。イランの核開発疑惑とともに、国際的な流れの中でどう解決させるかが問われています。
 広島・長崎の両市長を先頭とする平和市長会議が提唱し推進している、2020年には核兵器の全廃をめざすとする「2020ビジョン」もその実現に向けて、今回の再検討会議はまさに正念場です。NPTでは核保有国は核軍縮義務がありながら、これまで誠実に取り組んでこなかった歴史があります。そのことは非核保有国の大きな不満となっています。核軍縮の機運をとらえ、具体的に期限を決めて核軍縮の努力を核保有国に強く迫ることが重要です。これらの課題を前進させるため、被爆国日本の積極的な姿勢が強く求められています。

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米国が核態勢の見直しを発表
核無き世界への一歩になるか

核拡散と核テロリズムの防止に焦点
 4月6日に米国の「核態勢の見直し」(NPR)が発表されました。基本目的は、1)核拡散及び核テロリズムの防止、2)国家安全保障戦略における核兵器の役割の低減、3)削減された核戦力レベルにおける戦略的抑止と安定性の維持、4)地域的抑止の強化と米国の同盟国に対する再保証、5)安全でセキュリティーの確保された効果的核兵器の維持となっています。中でも焦点になったのが、「核拡散と核テロリズムを防ぐこと」でした。
 今後5年から10年の核政策の指針となるNPRですが、同盟国への核の傘の役割を巡って米政権内でも議論がまとまらず、再三発表が延期されてきました。NPRに向けて提言を出すための超党派の「米国戦略態勢議会委員会」でも、米国の核の傘の下にある国、特に日本が、自らの核戦力を生み出す可能性が高いとされ、そのため、拡大抑止の信頼性に懸念があるとして、核兵器の役割縮小への障害となっていました。日本が従来、通常兵器による攻撃に対しても、米国に核の傘を求めてきた政策が圧力になっていたと言えます。

先制不使用を求めてきた反核運動


米国防省でNPRを発表するゲーツ国防長官
(中央・4月6日)
 このことは、昨年報告のまとめられた「核不拡散・核軍縮に関わる国際委員会」(ICNND)の議論の中でも浮き彫りとなりました。同委員会のギャレス・エバンズ共同議長(元オーストラリア外相)が来日したときに、「核廃絶を唱える一方で核兵器が好きだと言っていては、世界からまともに相手にしてもらえない。通常兵器による攻撃に対しても核兵器で守って欲しいという政策をとりながら、核廃絶を唱えるというのは根本的に矛盾している」と発言したほどです。また、日本は米国に対して、退役間近の戦術核兵器「核搭載トマホーク」ミサイルを退役させないよう要望までしていたのです。
 これに対して、この1年余り、日本の反核運動は、先制不使用や実質的にそれと同様の意味を持つ、「核の唯一の役割宣言」(核の役割を核への抑止に限定すること)を求めることに焦点を当て、ICNND委員会や政府への働きかけを続けてきました。日本でも実現した政権交代後は、鳩山由紀夫首相、岡田克也外相とも核兵器廃絶への姿勢を明確にし、岡田外相は先制不使用支持の考えを表明して、米国に核付きトマホークの延命を求めない書簡を送り、核兵器の役割限定を呼びかけるなど、核兵器に関して日本外交としては画期的と言える具体的な動きを見せました。
 11月のオバマ大統領の初来日では、原水禁も旧政権が求めていたトマホークの延命をしないことや、「核兵器の唯一の役割宣言」を求める書簡を送り、2月には204人の超党派議員が連名で、核軍縮に関する要請書簡を送るなど、様々なレベルでの取り組みがされてきました。

5月のNPT再検討会議の成果に期待
 発表されたNPRでは、核不拡散条約(NPT)遵守という条件付きですが、非核国を核攻撃しないと約束する「消極的安全保証」を宣言、核兵器の役割縮小に関しては、「唯一」ではなく「基本的な」役割という文言にされながらも、それが明記されました。「唯一の役割」も今後の課題とされています。ロシアとの難しい交渉を1年間続け、ようやく調印した新START(戦略核兵器削減条約)とともに、核の無い世界にむけた具体的な一歩と言えるでしょう。バン・キムン国連事務総長はNPRに消極的安全保証が含まれたのを歓迎し、核保有国に対して全ての核兵器を廃棄するよう促すと発言しています。
 NPR全体を見ると戦略核削減、新たな核弾頭開発はしないなどと記される一方、核兵器維持管理・核開発施設の強化、ミサイル防衛の拡大など、新STARTや包括的核実験禁止条約(CTBT)の議会による批准をにらんだ、反対勢力対策と思われる点も多く含まれていて、単純な評価は困難です。トマホーク退役が決定したことなどは、日本からの働きかけも功を奏したものと思われます。
 4月12~13日の核セキュリティー・サミットを経て、核軍縮の本舞台となる5月のNPT再検討会議を前に、「核無き世界」への一歩を踏み出したオバマ大統領には多くの課題が残されていますが、前回2005年の再検討会議にはなかった成果が期待されます。

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新START条約調印される
戦略核削減条約として評価

新しい核軍縮への第一歩
 昨年12月5日に失効した第1次戦略核兵器削減条約(START-1、1991年調印)の後継条約交渉は難航の末、ようやく合意が成立し、4月8日にプラハで条約調印が、米国のオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領によって行われました。条約は、START-Ⅰの後継となるため、「新START」と呼ばれています。
 新STARTは後述するように、多くの問題を含んでいます。しかし、2002年に米国のブッシュ前大統領がロシアのプーチン前大統領(現首相)との間で調印された「米ロ戦略的攻撃能力削減に関する条約」(モスクワ条約)は、核弾頭数だけを2012年までに1,700~2,200個に削減するとしただけで、運搬手段について何の取り決めもせず、また弾頭削減状況の検証手段を規定しないなど、簡単な内容でした。それに対し、新STARTは弾頭と運搬手段の削減、さらに検証についても透明性を図ろうとしていることなどが含まれています。
 私たちは、START-1から20年の時を経て、ようやく新しい核軍縮への一歩を踏み出しました。まずは歓迎したいと思います。

まだまだ遠い核兵器廃絶


調印式に臨む米ロ首脳
(4月8日・プラハ・米政府HPより)
 新STARTでは配備する戦略弾頭数は1,550個以下、運搬手段(ミサイル数や爆撃機など)を800基(実戦配備は700基)に制限し、7年以内に達成するとしています。しかし条約では、戦略爆撃機を核弾頭数で1と計算しているため、配備数は実際にどれほど削減されるかは不明です。米ロ両国とも70機以上の戦略爆撃機を保有していて、10発以上の核弾頭搭載が可能ですから、配備数はそれほど削減されないと考えられます。
 また、配備されない核弾頭は廃棄されずに、備蓄弾頭として保持が可能となります。現在、米ロが保有している戦略核弾頭は、「米国科学者連合」(FAS)の発表では、米国が2,126発、ロシアが2,600発と推定していて、あまり数が減らないとなると、米ロはまだまだ過剰な核保有の状況と言えます。その上、新START調印の日に、ロシアはミサイル防衛(MD)に関する声明を発表し、「米国のミサイル防衛システムでロシアの戦略核兵器の能力に脅威が生じた場合は、新STARTから脱退する権利を有する」と述べました。
 米国は「条約にはMD計画を制約する条項は一切含まれていない」(ゲーツ国防長官)としているだけでなく、4月6日に発表された「核態勢の見直し」(NPR)で、MD計画の重要性を明らかにしていますから、新STARTはまさに危ういスタートといえます。条約の批准に配慮し、ロシアもまた米国との戦力バランスにこだわるなど、新STARTは戦略核削減条約としては評価できても、私たちが求める核兵器廃絶にはまだまだ遠いと言えます。
 ただ現在、米ロで紛争が起こる心配は存在せず、調印式に臨んだオバマ米大統領は「この条約がさらなる削減の礎となるだろう」と語っていますから、私たちもさらなる核削減を期待し、求めていかなければなりません。

小型核・戦術核の大幅規制を
 現在、核兵器の小型化が各国で進み、通常兵器との垣根がだんだん低くなってきており、簡単に核兵器が使われる危険が高まっていることに私たちは強い危機感を持つものです。インド、パキスタン、イスラエルの国々が核兵器を使う危険が高い国と言えます。
 米国はより破壊力、殺傷力が大きい、また精密度の高い兵器の開発を進め、それはイラク、アフガニスタンで使用されていると考えられますが、戦争の実態を明らかにすることが厳しく制限されている中では、なかなか世界に伝わりません。一方、そのような開発ができないロシアを含めた国々は結局、核兵器開発に頼らざるをえないという悪循環の中に陥るのです。
 その悪循環を主導しているのが、米国を中心とする世界の軍産複合体だと言えます。強調したいのは、米国が進めるMDシステムは軍産複合体を潤し、軍拡を招いても実効性はほとんどないということです。さらに、MDでテロを防ぐことは不可能です。私たちはイランや北朝鮮を口実とするMD配備に反対しなければなりません。

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【本の紹介】
八月九日のサンタクロース─長崎原爆と被爆者
西岡 由香 著


2010年2月凱風社刊
 長崎県在住の著者が、前作「夏の残像」(08年、凱風社刊)に続く二作目の原爆をテーマにして描いた作品です。中心となるマンガのストーリーは、原爆を知らない東京の女子中学生が、親の転勤で長崎に転校し、学校の新聞部に入り、被爆者を取材する中で被爆者が抱える問題、心の揺れなどに触れることによって、平和への願いを実感していくというものです。その中で「八月九日のサンタクロース」として、サンタクロースが贈り続けているプレゼントとして、「もう二度と誰の上にも原爆を落とさせない」という「明日への約束」を継承していくことにほかならないと訴えています。著者がこれまで多くの被爆者と触れあう中で、その想いが本書の核心となっているのでしょう。高齢化し、年々少なくなっていく被爆者の想いや声をどのように継承していくのかは常に私たちに問われています。そのことを考える上でもこの本は一つの問題提起となっています。
 その他に、長崎の原爆・被爆の実相といまに続く被爆の問題が簡潔に解説され、ストーリーのバックボーンを支えています。初めて触れる方にもわかりやすくなっています。さらに巻末には、エッセイとして、なぜ「継承」をテーマにしたのかが載せられています。著者の「継承」への想いが述べられています。
 著者は、原爆の深い闇を前に立ちすくんでしまうが、ペンを止めることはないとし、「ただ黙々と描くことが、私が原爆にあらがう方法」としています。著者なりの対峙の仕方ですが、そのことは、これを読む側にとっても、本書によって原爆を憎み、被爆者を想うことも原爆にあらがう一歩になるはずです。子どもから大人まで幅広く読める本書がその一助になるでしょう。 (井上 年弘)

※この本は、長崎県原水禁でも取り扱っています。割引もあります。(TEL 095-823-7281)

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【映画評】
インビクタス 負けざる者たち
(2010年アメリカ/クリント・イーストウッド監督)


 世の中には、極限状態にあっても希望を捨てず、自らの意志を貫き通すことで歴史に名を残す人がいます。ネルソン・マンデラ元南アフリカ大統領。彼もそんな一人に数えられるでしょう。彼はアパルトヘイト政策(白人とそれ以外を差別する人種隔離政策)に反対し、反逆罪で27年間もの長期にわたって獄中にありました。釈放後は、アパルトヘイト撤廃に尽力し、アフリカ民族会議議長を経て、1994年に黒人として初の大統領となりました。
 大統領就任直後、まだ差別政策の影響を引きずり、人々が誇りと自信を持てずにいる南アフリカでマンデラは、改善の手段としてラグビーワールドカップの代表チームに注目します。しかし、チームは国の恥とまで言われるほどの弱小チーム。彼はそんなチームを初優勝へ導くのですが、本作ではどのようにしてそれを実現できたのかが描かれています。
 権力を手にしたマンデラが、自分たちを迫害し続けた白人たちに対して報復や怒りを表明するのではなく、国民に和解と協調を呼びかける姿は感動を呼びます。側近たちには反対されながらも、SP(要人警護官)や公邸の職員に黒人ばかりではなく、前大統領時代からの白人たちも平等に起用しています。しかし、執務そっちのけでラグビーに夢中になる、モーガン・フリーマン演じるマンデラには違和感がありました。イーストウッド監督にとっては30作目になる本作。もう少しアパルトヘイトや獄中体験について詳しく言及する場面があってもよかったのではないかと思いました。
 娯楽映画にそこまで要求するのは違うのかもしれませんが、少々残念でした。とは言え、特に若い人たちにとっては、ほんの10数年前まで、このような差別的政策が容認され、反対する指導者の身柄が拘束され続けていたことに驚きを感じることでしょう。
 最後に、何気ないワンシーンなのですが、代表チームメンバーたちがラグビーの指導で黒人集落を訪問する場面で、子どもたちがバスを降りた選手たちの中から、チーム唯一の黒人選手を見つけ、その名前を呼びながらうれしそうに彼を取り囲む場面では、涙腺がゆるんでしまったことを告白しておきます。
(阿部 浩一)

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投稿コーナー
MAKE the RULEキャンペーン
新しいルールで地球をクールに

キャンペーンの輪が拡がる
 2008年8月1日、温暖化防止活動に取り組む全国の団体が実行委員会を組織し、日本が確実に温室効果ガスを削減するためのルールをつくることをめざす「MAKE the RULEキャンペーン」がキックオフしました。
 日本には温室効果ガスを減らす技術があり、一人ひとりの心がけと行動が広がっているにもかかわらず、それが増え続けてきたのは、あるべき未来を描き実現するためのルールがなかったからです。温室効果ガスの中長期的な削減目標と、その達成のための社会的・経済的しくみ(炭素税、排出量取引制度、自然エネルギーの固定価格買取制度など)を、「気候保護法(仮称)」として制定することを求め、市民を巻き込みながら政治を動かすための活動を展開してきました。
 多くの市民の声を国政に届ける手段として、国会請願署名に力を入れ、全国の実行委員団体をはじめ、賛同団体、個人の皆さんに呼びかけてきました。署名活動は、街頭、コンサート会場、アースデイやエコプロダクツ展のイベント会場など、全国各地、様々な形で展開してきました。署名は09年7月と2010年3月に、多くの国会議員を通じて国会に提出しました。さらに、地域にある団体からの地元議会への働きかけを重視し、各自治体から「気候保護法を求める意見書」が国に提出されました。
 キャンペーンの拡がりは4月1日現在、署名数367,761筆、地方議会による意見書の採択は2県121市町村。参加201団体、賛同有識者144名、呼びかけ人23名となっています。

実効性ある「地球温暖化対策基本法」の制定を


白くまを先頭に渋谷の街でアピール
 09年9月、民主党政権が誕生し鳩山由紀夫首相は、国連気候変動サミットで2020年に25%の削減をめざすことを表明しました。MAKE the RULEキャンペーンはこの発言を支持し、民主党が掲げていた地球温暖化対策基本法を実効性のあるものとできるよう、議員会館での勉強会などを重ねてきました。
 ところが、3月12日に閣議決定された法案は残念ながら、総選挙のマニフェストに書かれた内容から後退してしまいました。25%削減目標については、数字は盛り込まれたものの、その条文は、「他の主要国が野心的な目標を設定しないと設定されない」と条件が付けられました。そして、削減のための重要な手段である、キャップ&トレード型の排出量取引制度(政府が温室効果ガスの総排出量を定めるなどとする制度)は、総量方式の制度を基本としつつ、原単位方式も検討するという形になり、その精神を活かしきれませんでした。さらに、高コスト・高リスクで温暖化対策に逆行する原子力発電が「温暖化対策の手段」として位置付けられ、推進が明記されています。
 このまま骨抜きの状態で施行するのではなく、様々な声に耳を傾けて、この後の国会で審議していただきたいと願います。

ハガキアクションで私たちの声を国会へ届けよう
 MAKE the RULEキャンペーンは、3月10日に、1)中長期目標の「25%削減」の条件づけを見直すこと、2)国内排出量取引制度の総量規制を明確にし、導入時期を明らかにすること、3)高い再生可能エネルギー目標を掲げ、全量の固定価格買取制度を導入すること、4)原子力の推進・利用を盛り込まないことを求める要望書を政府に提出しました。
 今、法案の国会審議を目前に控え、地元から選出されている国会議員一人ひとりに直接私たちの声を届けるため、「MAKE the RULEハガキ大作戦!」を展開しています。水色のはがきをウェブサイトからダウンロードし、コメントを添えて議員に送りましょう。意味ある法律の実現に向けて、ハガキアクションにぜひご参加ください。

MAKE the RULEキャンペーンサイト
www.maketherule.jp
TEL 03-3263-9210 FAX 03-3263-9463

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平和フォーラムが第12回総会開く
基地問題や東アジアの平和を求め運動を

 4月21日に総評会館で平和フォーラムの第12回総会と原水禁国民会議の第85回全国委員会が開催され、2010年度の運動方針などを決めました。昨年の総選挙による三党連立政権やアメリカのオバマ政権の誕生など、大きな変革期に対し、1)新しい米国・東アジア諸国との関係構築、2)再生可能なエネルギーを中心とした政策転換、3)人権の世界基準を求めるなどを重点的な取り組み課題として、政策実現に向けて全力で運動することを確認しました。
 加盟団体、各都道府県組織代表からは、沖縄基地撤去の闘い、原発問題に対する各地の取り組みなど、運動の強化に向けた意見が出されました。

 

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