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ニュースペーパー2011年1月号

2011年1月 1日

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 「東京にもこんなところがあるんだ!」─12月10日~11日に東京で開かれた「第42回食とみどり、水を守る全国集会」(内容8ページ)では、三つのフィールドワークも行われました。その一つとして、東京西部の八王子市で「東京の里山復活と地域資源を活かす取り組み」を視察。ここでは、市民団体と労働組合が一緒にエコプロジェクトを結成し、荒廃している里山の森林保全や、定期的な炭焼体験、地域材を使ったベンチづくりなどを市民に呼びかけて行っています。参加者は、市民が楽しみながら里山に触れる場づくりを興味深く学びました。(12月11日・八王子市のDAIGOエコロジー村)

【インタビュー・シリーズ その53】
持続可能で平和な社会をめざして
座談会 原水禁エネルギー・プロジェクト報告をまとめて

原水禁は、政権交代を機にエネルギー・プロジェクトを立ち上げ、再生可能エネルギーを中心としたエネルギー政策の提言をまとめました。今号ではプロジェクトのメンバーから、東北大学大学院教授の長谷川公一さんと、環境エネルギー政策研究所研究員の松原弘直さんにお話をうかがいました。司会は西尾漠さん(原水禁副議長・原子力資料情報室共同代表)です(提言はパンフとして発行。12ページ参照)。

「環境だけ」ではない自然エネルギーのこと〈長谷川〉


長谷川公一さん
西尾 再生可能エネルギーを基幹エネルギーにするには、地域という視点からどのように実現していくかということをお話いただければと思います。
長谷川 これまで、日本では自然エネルギーについて、「環境にやさしい自然エネルギー」みたいな発想が、主流だったと思います。そのイメージから未だに抜け切れず、その延長に現在があるという気がします。しかし、世界に目を向けるとそうではなくて、化石燃料の代替エネルギーとして、またはエネルギー安全保障とか、産業育成に発想をつなげる考え方が主流になりつつあり、日本はその流れに乗り切れずにいます。今後、日本がその流れに乗るにはどうすればいいのかを考えなければならないのですが、そういう段階に至らないという感じではないでしょうか。
 環境問題だけから考える自然エネルギーではなくて、新しい産業とか、エネルギー安全保障などという側面へ移行すべきだけど、それができていません。特に、太陽電池以外は、産業育成という観点からもとても遅れています。風力発電のための風車は組み立て産業であって、本来は日本に合った産業だったと思うのですが、乗り遅れてしまいました。
 一部のメーカーを除いて、国内では育っていないので、これも裾野を広げる必要があります。マーケットとして国内だけでは小さすぎるので、海外のマーケットに乗り出そうという動きもありますが、それもうまくいっていません。
 自然エネルギーは本来、ベンチャー的な要素が大きいので、そこをどう育てるか、それを支えるための政策が必要になります。日本の場合、ビジネスとしてのベンチャーがすごく弱いですからね。
 新しい動きとして非常に面白いのは、秋田県で地元の市民団体が中心になって、「風の王国」として風車を1,000本建てて、三菱の工場などを誘致しようとしているということがあります。行政として秋田市とか秋田県も非常に積極的です。これまで東北6県の中でも秋田県は環境問題については、自然エネルギーや環境問題全般に消極的でした。それが、市民主導型で積極的な動きとして見えてきて、とても新鮮に感じています。
松原 秋田県は象徴的ですが、実は全国でも都道府県や市町村に、自然エネルギーを使って地域起こしをやろうという動きが広がっているのです。
 その動きを、もっと支えてあげなければいけないのではないかと思います。そのときにお金は必要ですし、国の政策も必要です。それがあれば、地域でもっと広がるのではないでしょうか。太陽光に関しては、そういう動きが出てきています。

間伐材を利用して森林の再生を〈松原〉


松原弘直さん
長谷川 山村に住む人々の多くが高齢化して、今は森林が非常に荒れています。私は、宮城県登米市で、「地域新エネルギービジョン」というものをつくって、その問題に関わっています。
 例えば、チップやペレットという形で間伐材を利用すると、地元にお金ももたらされて、間伐を促進することによって、森林の手入れにもなって、温暖化対策にもなるというわけです。石油代替のエネルギー資源として、木質バイオを使うという取り組みもやろうとしています。ただ、経済的にペイするかどうかというのがポイントです。
松原 一方で、間伐した木材が打ち捨てられていて、運び出すのにコストがかかるから運び出せないということも聞きます。この前、間伐材を扱う工場を見学してきたのですが、国産材を使って合板がつくれるのです。合板をつくったり、その他の製品に使ったり。そのときに出てくる木くずをエネルギーに使うというのが本来の姿なので、材料として国産材を使うところをまずきちんと広げて、その上でエネルギーとして、ペレットとして使ってもいいですし、そういう利用を進めるのが重要だと思います。
 実行するための技術とか方法もわかっているのです。ただ、コストが見合わないなどの面があるので、そこをうまく支えてあげられたらいいと思います。
長谷川 青森県でも白神山地の保存運動をやっていた人たちが中心になって、津軽地方の鰺ヶ沢町で木質バイオを利用できないかということをやっています。まず材料として木を扱う工場をつくって、そこから出てくる木くずを流すための仕組みをつくろうとしています。今、ペレット工場は国内にできているのですが、外材を使った工場が多いのです。そうではなくて、工場自体できちんと国産材を扱ってもらって、その上でそこからペレットをつくるということをやるべきなのではないかと思います。
西尾 新しい動きとしては、例えば東京都と埼玉県が行っている地域間連携など、そんな動きと自然エネルギーとの関連が進んでいくのでしょうか。
松原 私たちが千葉大学でやっている共同研究では、エネルギーをたくさん使うところと、たくさん生み出せるところというのは離れているので、それを結びつける仕組みとして、地域間連携ということが非常に大切であるということがあります。例えば、東北、北海道、あるいは九州などの自然エネルギーが豊富なところから、エネルギーをたくさん使う大都市に電気をきちんと送って、その電気の対価として、お金が地域に戻るといった仕組みです。地域主体のエネルギー事業というものをきちんとやって、その上で地域間連携をやることによって、地域にお金が戻って、地域の中でお金が回るという仕組みは必ずつくれるのではないかと思っています。
 それを東北と東京都の間でつくれないかということで、文部科学省の外郭団体と研究をしています。ここ2、3年くらいでそんな姿が見えてくるのではないかと思っています。うまくいけば、それをモデルにして全国に広げられたらいいなと思っています。

地域での労働組合のポテンシャルは大きい〈長谷川〉


西尾漠さん
 司会 原水禁・平和フォーラムは、いろんな形の労働組合が関わっていますが、労働組合の人たちがどういうふうに運動を支えていけるのか。また、政策を変えさせていくにはどうしたらいいでしょうか。
長谷川 そこがいちばん問題だと思います。政策を変える原動力になるような力を、どこに見出すことができるのか。一つはNGOだと思います。労働組合ももちろん広い意味でのNGOなので、政策提言するということが大切でしょう。原水禁が自然エネルギーについて政策提言することは非常に大事なことだと思います。
松原 環境から入った自然エネルギーというと、「ちょっと環境にやさしいことをしましょう」という、やわらかい運動になってしまうのですが、そうでなくて「経済の根幹にかかわるエネルギー問題」なのだということを認識すれば、労働組合の方ももっと積極的にそういう活動ができるのではないかと思います。知っていただくということが重要ではないかと思います。
長谷川 それから、今の日本は閉塞的な状況だと思うのです。この閉塞状況を、松原さんも強調しておられるような、どういうビジネスモデル的なものをつくって、いわばブレイクスルー(障壁の突破)をするのかということに、いくつか候補があると思うのです。やっぱりデンマークとドイツ、それからスペインなどが一つのいいモデルになると思います。これらの国では、急速に風力発電や太陽光発電のビジネスが盛んになってきています。その意味では「ビジネスとしての自然エネルギー」というものの可能性も重要ですが、労働組合にとっては、雇用という視点ももちろん大事なわけです。


間伐材を使った木質バイオ発電施設(岩手県葛巻町)
 さらに安全性ですとか、環境、平和というそういう観点から、労働組合が自然エネルギーの推進ということをアピールしていくのがとても重要ではないでしょうか。
 比較的広がりがあるのは、太陽光発電と木質バイオだと思いますが、地域がまずそういうものを見つけるということです。探せば、自然エネルギーのための資源というのは地域にありますので、それをまず見つけてビジネス化するにはどうしたらいいかということを、考えていけばいいと思います。成功モデルをみんなで共有することが大事だと思います。トップダウンではなく、自治体間でのつながりとか、横の広がりが重要になってきます。
 例えば、自治労にとっては地域づくりというのは一つの大きな課題だと思いますし、それから交通関係の労働組合にとっては、持続可能な公共交通。モータリゼーションが進む中で、バス路線だとか、在来の交通路線という従来の地域の足をどう守るのかという観点からも、こういうエネルギーによる地域おこしみたいなものを見つけることも必要ではないでしょうか。
 そういう余地があって。スマートシティみたいなことも比較的、人口の密集した大都市圏の話のような、そういうイメージがあるのですが、もう少しそれを広げると、もっと広域的なレベルで考えることもできるかもしれません。
 人口1万人くらいまでの小さな町のほうが、いろいろな実験が可能な気がします。山形県庄内町もそうですし、岩手県の葛巻町なんかもそうです。比較的日本で面白い実験をやっているところは、人口1万人前後くらいの町村が多いのではないでしょうか。
松原 10万人以上というところは逆に少ないですね。長野県飯田市で10万くらい。逆に1万くらいだとちょっとこじんまりしてしまう感じはありますが、10万だともう少し大きなことができるのかなと思います。
 いろんな「環境モデル都市」や「環境未来都市」がありました。自治体を盛り上げる仕組みを、国もつくろうとしています。国の政策に乗ることも悪くはありません。しかし、それは補助金頼みになってしまうので、そこを変えたいと思います。もっと地域が自立してそういうことができればいいでしょう。
西尾 労働組合というと、どうしても闘いとか闘争という面が強く見えてしまいますが。
長谷川 労働組合の組合員の方たちも、それぞれの職場では労働者ですけれど、地域に帰れば市民ですし、そういう意味では地域に根付いた、根を下ろした存在だと思うのです。例えば、宮城県でいうと、元々は農家の出身で日曜日には農作業をやるような人々もいますし、その意味で労働組合の強みというのは、職場としても生活者としても、地域に根を持っているということだと思います。
 今までも、いろんな形で地域闘争みたいなことは言ってきたと思うのですが、それは組合の外にいる人にとっては、ちょっと見えにくい。労働組合というのは、数の上では日本で最大規模のNGOで、そういうストックをどう生かしていくかというのは日本全体にも、地域にとっても大きな財産ですし、自然エネルギーの分野でも、労働組合が持っているポテンシャル(潜在性)は大きいのではないかと思います。

地域の特色あるエネルギー利用を〈松原〉
西尾 資源を地域でうまく生かすには、どのように展開すればいいでしょうか。
長谷川 社会学ではフレーミングという、シンボルが非常に重要で、例えば新潟県巻町で巻原発を止めたときは、自分たちの地域運営は自分たちで決めるのだということを大きく打ち出しました。あのとき、「巻原発建設反対!」とか、昔から労組などで活動してきた方々は言ってきたわけですが、「住民投票を実行する会」は、それを前面に出さないで、「自分たちの地域の運命を自分たちで決める」ということを強調しました。
 あれが日本で初めての、社会的な問題についての住民投票でした。住民投票で自分たちの運命を決定しましょうという、そういうフレームが成功しました。その意味では、いいフレーミングをつくり出すということが重要だと思います。
 山形県庄内町でも、それまで地域を悩ませてきた強風を何とかエネルギーに変えたいという、それがすごく地域の支持を得たと思います。その上で、どういうポジティヴなシンボルを出すことができるのか。「市民風車」というのも全国で10ヵ所以上に増えたわけですけど、やっぱり「市民風車」というフレーミングがよかったのだと思います。
松原 太陽光は、その点で入りやすかったのだと思います。扱うメーカーも非常に多いですし、元々日本が1位をキープしていた産業でもあるので、太陽光は非常にうまくいった例と言えるでしょう。でもやっぱり太陽光だけではなくて、地域でどういう自然エネルギーがあって、何が最適なのかということをきちんと検証するべきだと思います。
 最近各地で小水力の推進協議会ができていますし、地熱についても徐々に知見も出てきているので、もっとノウハウを貯めていけば、太陽光以外でも地域でもっと自然エネルギーの導入や開発が自らできると思うのです。
 また、単に自然エネルギーだけでやろうとすると、中途半端に終わってしまうので、別のことと組み合わせて行えばよいでしょう。例えば環境教育、農業など地域事業と組み合わせるとか。
 温泉の熱も当たり前すぎて、あまり注目されていませんけど、実は結構使われているのです。熱利用はとても重要ですが、熱は地域で使うしかないということから、地域密着型です。地熱や、バイオマスの熱もありますし、全国的には太陽熱というのはどこでもありますので、その利用をもっと進めるべきだと思います。

エネルギーシフトから生活全体のシフトへ〈西尾〉
長谷川 コミュニティに必要な要素というのは本当に多くあります。エネルギーもその一つだと思うのですが、農業であったり福祉であったり、いろんなものをきちんと揃えないとコミュニティは成り立たないと思います。
 そういう中で、ぜひ自然エネルギーを活用できるように、インフラを整えていくということが必要ではないかと思います。それによって、いろんなリスクを下げられます。例えば、化石燃料の高騰に備えるとか、そんなことができるのではないでしょうか。
 コミュニティというのは総合性があります。それが「地球」なんていうと非常に遠い感じです。国家、国というのもやはり遠いと思います。でもここで言うコミュニティというのは足で歩ける範囲なのです。多くの住民が顔も見知っています。
 そういう中に、組合員というのはコミュニティの中の構成要素の一つだという観点から、コミュニティに貢献する労働組合として存在し得るでしょう。それが実際に、どういう政策提言を行い、または実際に出資をしたり、ボランティアとして活動したり、あるいは新たにNPOを立ち上げたりとか、そういう地域の重要な担い手として、市民でもある労働組合員がいるということがとても重要な要素だと思います。
 それからいろんなコミュニティビジネスがあるのですが、例えば東北地方では「農家レストラン」というのがあって、女性が中心になって経営されているところが多くあります。農家の女性たちが自分たちでお金を稼ぐようになると、すごく発言力が増すということがあります。
 日本の労働組合というのは、男性中心という感じがすごく強くて、実際に組合関係の集会に行っても女性はすごく少ないのです。実は、女性のほうが、男性よりコミュニティのことをよく知っていることが多いわけです。
 だから女性組合員には、エネルギーのことでも、どんどん参加してほしいです。ここは一つのポイントでしょう。自然エネルギーがいいのは、自分たちでつくれるということです。化石燃料ですと、輸入しなければ使えないので、自分の手で生み出せるということは大きな自信にもなるし、コミュニティのインフラになり得るのです。
 山形県庄内町の場合、「節電発電所」という、つまり節電行動と地域の自然エネルギーと非常にリンクする試みをやっていて、そうすると地域全体でのエネルギー自給率も上がります。
 仙台市の場合も光のページェントというのをやっていて、その電力と自分の家で節電するというオフセット的な関係で、省エネ行動と12月に町を輝かせる光のページェントを結びつける取り組みをやっています。今は全国的に12月になると照明だけをやっているけれど、あれは電力を消費するだけです。だから、自然エネルギーの良さは節電と結びつけやすいということだと思います。
松原 最近言われていますが、省エネと同じく大事なのはエネルギーシフトです。今使っているエネルギーを変えるという、ちょっと大変ではあるのですが、そこをやはりやっていけたらいいと思うのです。自然エネルギーを使えばそれができるわけです。
司会 エネルギーシフトから生活全体のシフトへということですね。持続可能な社会へのシフト。その発端は、自分たちの地域のエネルギーシフトにあるということです。私たちが出した提言が、そうした方向への一助になれば幸いです。今日はありがとうございました。

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沖縄県知事選挙、宜野湾市長選挙を終えて
東アジアの平和と基地のない沖縄に向けて


支持者と握手する伊波洋一前宜野湾市長(11月13日・北谷町で)
 11月28日投開票の沖縄県知事選挙は、現職の仲井真弘多知事が再選し、基地のない沖縄の期待を受けて立候補した伊波洋一前宜野湾市長は極めて残念な結果となりました。また同日行われた宜野湾市長選挙では、伊波前市長と同じ立場で立候補した安里猛前副市長が当選を勝ち取りました。

基地撤去への県民の意思は変わらない
 今回の沖縄県知事選挙、宜野湾市長選挙は、今年1月の名護市長選挙、4月の沖縄県民大会、5月に行われた普天間基地包囲、8月の参議院選挙、そして9月に実施された名護市議会議員選挙と続く、沖縄県民の普天間基地閉鎖・返還、辺野古新基地建設反対の強い「民意」の中で争われました。
 その結果、政府・民主党は候補者を推薦できず、辺野古新基地建設を容認してきた仲井真知事も9月以降は再選に向けて「県外移設」を主張せざるを得なくなりました。
 しかし、県外移設も日米安保の根本的な見直しと、日本政府による対米従属の転換がなければ実現は不可能であり、「現行の日米安保は必要。しかし米軍基地は全国で負担を」ということでは、結局、普天間基地が固定化され、解決に向けた道を閉ざすことにしかなりません。
 県知事選挙は極めて残念な結果となりましたが、政府方針に対して見直しを迫る沖縄県民の民意は、むしろゆるぎないものになったと言えるのではないでしょうか。引き続き宜野湾市長、名護市長とともに、普天間閉鎖・返還、新基地建設反対、そして沖縄の自治権確立に向けて政府に強く働きかけていかなければなりません。

危うい「防衛計画の大綱」改定の中身


東アジアの平和を築く集会(12月14日・東京・総評会館)
 政府は年内に「防衛計画の大綱」を改定し、これまでの専守防衛を規定した「基盤的防衛力構想」を見直し、「動的抑止力」を防衛計画の基本に据えようとしています。動的抑止力という考え方は、脅威や不安定要素(地域)に対して事前に軍事的抑止力を対峙させようというもので、これまでの専守防衛という「静的抑止力」とは根本的に違う防衛概念です。具体的には中国、北朝鮮の脅威に対して南西諸島・海域の防衛強化が示され、より機動的、攻撃的な防衛体制が築かれようとしています。
 こうした考え方は、北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件など黄海の軍事的な緊張や中国の軍事力拡大の動きを背景に、武器輸出三原則の見直しなどの基本姿勢の変更にも及ぼうとしています。そして新しい防衛計画の大綱は、日米安保を深化させるものとして、沖縄を中心とする米軍基地や自衛隊と米軍との共同行動が盛り込まれています。

改めて日米安保の見直しを
 普天間基地閉鎖・返還、辺野古新基地建設反対には、日米安保の見直しが不可欠であり、憲法の平和主義に抵触する恐れがある新しい防衛計画大綱に対する取り組みも強く求められます。
 平和フォーラムは、引き続き沖縄県民とともに、東アジアの平和と基地のない沖縄に向けて粘り強く行動していきます。

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取調べ可視化、人権救済制度、在日朝鮮人差別問題
2011年、人権確立への取り組みを推進しよう

 長期にわたった自公政権の中で、人権政策はなおざりにされてきました。それどころか、国際的な人権確立の進展を傍目に、国内では「障害者自立支援法」や入管法「改正」、あるいは権利を求める女性の動きに対する敵対など、バックラッシュ(揺り戻し)というべき状況が続いてきました。
 人権確立を求めるマニフェストを掲げ、2009年にようやく実現した政権交代は、この閉塞した状況を打開し、日本の人権水準を押し上げていくことに、大きな期待を抱かせるものでした。
 政権交代から2年目となった2010年も、様々な努力と試行錯誤が行われてきましたが、しかし、多くの課題が浮き彫りになった1年となりました。

実効的な法制度の実現を


取調べの可視化を求める集会(12月2日、東京・弁護士会館)
 連立政権発足当初から課題の一つとされてきた取調べの可視化について、菅直人首相は実現に向けて幅広い観点から検討を進めることを表明し、民主党も2011年の通常国会での成立をめざして動き始めています。えん罪の温床となってきた警察・検察の取調べの過程公開は、人権保障の観点からみても大変重要な進展となるもので、実現に向けしっかり後押ししていかなくてはなりません。
 また被差別の当事者を中心に強く求められてきた国内人権機関と個人通報制度の実現に関しては、法務省が「新たな人権救済機関の設置に関する中間報告」を発表し、「人権委員会」を政府からの独立性を持ったものとして設置することを検討する姿勢を示しました。国連人種差別撤廃委員会の日本審査総括所見でも、人権救済機関や差別禁止制度の不備が指摘されています。
 日々引き起こされている様々な人権侵害の救済には、当事者の金銭的負担がなく、単純な手続きでスピーディーな解決が望めるシステムでなければ実効性はありません。国際水準に見合う人権確立の内実を伴った社会の実現のためには、人権救済制度の確立は必要不可欠なものです。
 現在、11年の通常国会における「人権侵害救済法」の制定をめざす取り組みが強化されています。これらの動きと連動しながら、実効的な人権法制度を実現していかなくてはなりません。

強まる排外主義に立ち向かおう
 2010年は「韓国併合」から100年・戦後65年という節目の年でもありました。朝鮮半島で数々の人権侵害を重ねてきた歴史に正面から向き合い、歴史的責任の清算を果たすことが期待されました。多くの人々による様々な取り組みの中で、「意に反して行われた」植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対しての痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明した「菅首相談話」が発表されることになりました。
 しかし一方で、「高校授業料無償化」問題に端を発した朝鮮学校に対する攻撃は続いています。菅首相は延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件をきっかけに朝鮮学校への無償化適用手続きを停止することによって、政治的外交的問題を口実にして、日本社会の一員である在日朝鮮人の生活と権利の抑圧を、事実上追認してしまっています。このような状況は全国に波及しつつあります。地方自治体では朝鮮学校への補助の打ち切りが画策されています。
 また、京都朝鮮第一初級学校への襲撃事件(2010年3月)をはじめとして、在日朝鮮人を主なターゲットとした排外主義勢力の活動が活発化してきた1年でした。従来インターネットの匿名性の中で流布されてきた差別的言説が、現実の運動として登場しています。
 私たちは今、日本社会の中にあふれかえっている在日朝鮮人の人権状況を形成してきた歴史的経緯に対する無知・無理解を、そして現実に存在する差別を、私たち自身の問題としてしっかり捉え返して、多民族・多文化共生社会の実現に向けた重要な課題として取り組まなくてはなりません。

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第42回食とみどり、水を守る全国集会の討議から
見つめ直そう「食の安全」「食料・農業政策」「環境」

 平和フォーラムは、農民や消費者団体などと、12月10日~11日に東京・千代田区の日本教育会館で「第42回食とみどり、水を守る全国集会」を開催、全都道府県から700人以上が参加しました。「食の安心・安全・安定」「食料・農業・農村政策」「水・森林を中心とした環境問題」を主なテーマに討議などを行いました。集会での主な論点を見てみます。

TPP問題で幅広い論議が必要


全都道府県から700人が参加した
(12月10日・日本教育会館)
 全体集会で主催者あいさつに立った棚村博美集会実行委員長(国公総連委員長)は「予想を上回る参加者を得たことは、食や農林業、環境をめぐる情勢の厳しさも反映している」として、特に10月に菅直人首相が表明した環太平洋連携協定(TPP)問題に触れ、「農業や食料、環境問題にも大きな影響を与える。慎重な検討が必要だ」としました。
 TPPは農産物も含めて、全面的な関税撤廃や、金融や労働者の移動なども原則自由化が求められるものです。農水省の試算では国内農業生産は半減、自給率は14%まで低下し、農業の持つ多面的機能の損失額は3兆7千億円にものぼるとされています。「TPPに参加したら地域が維持できなくなる。いま全道で反対集会をやっている」(北海道農民連盟)など厳しい現状も報告され、集会講師の谷口信和東京大学教授は「菅首相は『農業開国』などと言っているが、自給率40%しかない国がいつ鎖国したと言えるのか」などと、政府やマスコミの姿勢を批判。山口靖農林水産省大臣官房政策課上席企画官も「TPPは労働者の移動なども含め、経済全体のシステムを変えるものだ。もっと幅広い国民的な論議が必要」などと訴えました。
 その一方、農業の担い手の減少、高齢化も著しく、「農村はいま、米価の下落、米の収量の減少と品質の低下という三重苦にある」(秋田)、「米価下落の原因はミニマムアクセス米にある。農水省は国家としての備蓄制度をしっかりやるべき」(大阪)などの意見も出されました。農水省の山口企画官は「食品産業全体で80兆円の規模がある中で、農業部分は10兆円しかなく、多くは加工・流通部分だ。そのため、農家は加工や販売も含めた6次産業化を進める必要がある」などと答弁。さらに、来年度から本格実施される戸別所得補償制度の拡充・強化が必要との声も相次ぎました。

多様な視点から食の安全や環境を守ろう
 「生活者重視」の民主党を中心とする政権交代で「食の安全」行政へも期待が高まっていますが、講師の神山美智子さん(食の安全・監視市民委員会代表、弁護士)は、「毎日のテレビでたれ流される健康食品で被害が起きたり、食品で健康被害を受けても公的な救済制度がない」など、日本では消費者の権利が確立していないと指摘。これに対して、民主党の大河原雅子参院議員(食の安全議員連盟事務局長)は、「食品安全庁を設置し食品のリスク管理機能を一元化する。原料原産地などの食品表示の拡大を図る」など、民主党の政策を中心に提起しました。
 報告では、群馬県高崎市での学校給食への地場農産物の活用などの実践、東京都における「食品安全条例」制定等の自治体の取り組みが紹介され、「消費者も自ら参加して食の安全をつくっていこう。また、TPPは輸入食品の安全規制緩和にもつながるものだ」(日本消費者連盟)などとまとめられました。
 「水・森林を中心とした環境問題」をめぐっては、「水基本法」制定が課題となり、高橋裕東京大学名誉教授が「水行政の一元化と総合的な水管理をめざした基本法」を提唱。さらに連合から2011年の通常国会で同基本法の制定をめざす活動が報告されました。
 森林・林業問題では、岡田秀二岩手大教授が政府の「森林・林業再生プラン」について「林業の再生と森林の持つ多面的機能の発揮、山村の新たな産業開発を実現するもの」と位置づけました。関連して、東京の森林の現状と木材の利活用の実践例や、尾瀬沼を保全する企業活動も紹介され、多様な視点から環境を守ることの大切さが強調されました。

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「原子力輸出」の皮算用
「稼ぐ」ための戦略が将来にもたらすリスク
フリージャーナリスト  鈴木 真奈美

 日本政府は「原子力輸出」を「新・成長戦略」の柱の一つに据え、受注獲得に向けた動きを国内外で活発化させています。とりわけ傾注しているのが、ベトナム。日本は同国を「途上国向け輸出の試金石」と位置づけ、その促進を業務とする国策会社・「国際原子力開発」を設立しました。出資者は原子力メーカー、電力会社、そして「官製ファンド」の産業革新機構です。
 その甲斐あってか(?)ベトナム政府はこの10月、導入を計画している原発の「協力パートナー」に日本を選びました。まだ「事業可能性調査」(FS)の段階ですが、「事実上の受注」(経産省)といいます。同計画のFSはすでに昨年から、日本原子力発電が国の補助金をもとに進めています。その額は約20億円です。

海外進出を支える日本の公的資金


日本の原発技術が海外へ輸出される(鹿児島・川内原発)
 原子炉本体の輸出は、部品のそれとは比べ物にならない政治的・経済的リスクを伴います。さらに、核拡散や核廃棄物といった厄介で重い責任を背負うことになります。そのため政府も業界も、一部の例を除き、原子力プラントの輸出にはあまり積極的ではありませんでした。日本が海外進出へと舵を切ったのは、一つには国内需要の低迷があります。ちなみに受注合戦に参加している他の国々(フランス、ロシア、韓国)も似たような事情を抱えています。
 「勝ち負け」は、発注国が望む条件をどれだけ満たせるかによります。中でも鍵となるのが融資能力です。多くの場合、原発の初期投資額は円換算で兆の単位にのぼるため、低金利の融資をパッケージで提供できる国が有利となります。
 そこで政府は日本企業の受注獲得を後押しするため、政策金融による融資枠を拡大したり、貿易保険が保証する対象を広げたり、「原子力輸出」の関連事業に補助金を提供するなど、様々な支援策を進めています。さらには政府開発援助(ODA)を原発導入に必要な周辺インフラに当てることも計画されているのです。
 これらの施策は小泉政権時代から準備されてきました。資金の出所は、主に税金です。公的年金資金の運用も検討されています。その結果「原子力輸出」に投じられる公的資金は莫大な額にのぼるだろうし、今後も膨らみ続けるでしょう。

資金難にあえぐ米国で計画撤退も
 「新・成長戦略」の資料には「稼ぐ」の二文字があります。業界の発行物等では、まず米国へ輸出し、それから途上国という筋書きになっています。米国を優先するのは、途上国に比べて不確実性が少なく、投資回収リスクも低いと見られているためです。米国の原子力産業は瀕死状態にありましたが、ブッシュ前政権が救済策を導入した結果、30基ほどの新設が申請されました。しかし、もはや自力で炉などを製造する体力がないので、日本など海外企業に頼るしかありません。これが、米国発「原子力ルネサンス」の発端なのです。
 問題は資金調達です。原発は市場の信用が低く、国内の金融界は融資に消極的。そこで米政府は「債務保証」を打ち出しました。これは事業者が返済不能に陥った場合、金融機関の損失を税金で補てんするというものです。しかしリスクの大きさから、それでも十分な資金が集まっていません。第一、債務保証が下りる条件を満たした案件は、まだ一件もないのです。
 そうこうしているうちに、コストは当初の見積もりを大幅に上回り、計画から撤退する事業者も出てきました。有望であったはずの米国でさえ、先行きは不透明です。資金難にあえぐ米国事業者は、日本の政策金融に融資を求めています。
 融資に限らず、「原子力輸出」がはらむリスクは多方面にわたります。政府によると、途上国向け輸出は核廃棄物処理や核燃料調達まで「パッケージ」で提供するといいます。それが日本の将来に何をもたらすのか、明確にする必要があると言えます。「原子力輸出」を皮算用して、浮かれている場合ではないのです。

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直接の対話こそ平和を築く
2011年、朝鮮半島の非核化を

緊張が続く朝鮮半島情勢
 朝鮮半島は年が明けてもなお戦争への危険をはらんでいます。韓国は延坪島(ヨンビョンド)砲撃事件のあと、北方限界線に近い「西海(黄海)5島」の要塞化を進めるとし、一方で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)も射程60kmの放射砲など5,300門を軍事境界線一帯に配備したと伝えられています。韓国ではすでに2007年に、射程500km、1,000kmの巡航ミサイルを配備していると報道されていますから、戦争になれば両国とも壮絶な破壊戦争になるでしょう。
 李明博政権は登場以来、米韓合同演習を含め、絶え間なく北朝鮮を標的とした軍事演習を行っており、ちょっとした紛争が南北戦争へ発展する危険があります。さらに問題なのは、大延坪島砲撃事件後の米韓合同演習で、米軍は中国を牽制する姿勢をあらわにしており、中国軍部を刺激し、中国軍増強の加速、東アジアの緊張激化という結果を招くでしょう。

米日韓による軍事協力体制構築を狙う米国
 米国は現在二つの問題を抱えています。一つは経済的困難で、国防総省も今後5年間で総額1,000億ドルの削減をするとしています。もう一つは中国軍の戦力が急速に強大となり、いわゆる第1列島線に近づけない状況になりつつあることです。米国は今年2月に「4年毎の国防見直し(QDR)」を発表しましたが、その中で「アンチ・アクセス環境下での戦いをどうするか」を強調しています。これは中国の海軍力の強化によって、米中紛争が起こった際、米軍が中国周辺に接近できない状態をどう打破していくかが緊急の課題だと訴えたものです。
 今年10月5日、朝鮮日報は10月4日付けの中国国営日刊紙「光明日報」電子版が、オーストラリアの「エアー・パワー」最新号を引用し、「中国は50基から250基の巡航ミサイルを、移動式ランチャー20~30基と共に実戦配備した」と報じたと伝えました。これは「長剣10」と呼ばれ、射程は1,500~2,000kmで、沖縄や在日米軍基地だけでなく海上の空母攻撃が可能です。またより性能が優れている対艦弾道ミサイル(ASBM)「東風21D」もほぼ開発を終えたとの米国の見解も伝えています。
 米国のマレン統合参謀本部議長は、12月8日韓国で、米韓合同演習への日本の自衛隊の参加を求めましたが、米国は劣勢となる対中国戦略で、日本、韓国の軍事力を必要としているのです。

米朝直接対話しか解決の道はない
 緊張を増す朝鮮半島情勢を解きほぐし、北朝鮮の核問題を解決する基本は、2005年9月19日の「6ヵ国協議共同声明」にあります。そこでは6ヵ国協議の最終目標は朝鮮半島の非核化であり、北朝鮮は一切の核兵器開発計画を放棄し、米国も北朝鮮を一切攻撃しないこと、さらに「行動対行動」原則などを確認しました。
 しかし米ネオコンの妨害などで、北朝鮮は06年10月9日、最初の核実験を実施します。この後ブッシュ政権は米朝直接交渉に姿勢を転換し、07年10月の6ヵ国協議主席代表会合で、北朝鮮の核3施設の無能力化、07年末までに全ての核計画の申告、核物質・技術移転をしないことで合意が成立し、08年10月11日に米国は北朝鮮の「テロ支援国家指定」の解除を行います。
 今度こそ進むかに見えた北朝鮮の核廃絶への作業は、08年12月の6ヵ国協議が核施設の検証問題などで対立。合意が成立しない中で米国ではオバマ政権が誕生します。このオバマ大統領の登場によって、北朝鮮は交渉の姿勢を「自国を核保有国として認めた上で米朝交渉を進める」として立場を変えます。
 一方で、米国の立場は、クリントン国務長官が2月13日に行ったアジア・ソサエティの講演で「北朝鮮が完全で検証可能な形での核計画の放棄を行う用意があるなら、オバマ政権は米朝の国交正常化や朝鮮半島の休戦協定の平和協定への転換、経済支援に前向きに応じる」とした発言に集約できます。オバマ米大統領は北朝鮮問題担当としてボスワース元駐韓大使を任命しますが、ボスワース特別代表が訪朝したのは09年12月8日でした。
 これに先立って北朝鮮は4月5日に人工衛星の打ち上げ(軌道に乗らず失敗)、さらに5月26日に二度目の核実験を行います。この人工衛星発射で国連安保理の議長声明と制裁が行われたことで、北朝鮮は6ヵ国協議から脱退の声明を出します。
 2010年は韓国哨戒艦沈没事件(真相はなお不明)、大延坪島砲撃事件と危機が増大していきます。北朝鮮によるウラン濃縮も明らかになりました。
 こうした中、北朝鮮は米朝直接対話を強く求め、また中国の強い働きかけで、6ヵ国協議への参加も表明しています。今、求められるのは6ヵ国協議を再開し、対話を進めることです。ハードルを下げてでもそれは必要でしょう。さらに米国による米朝直接対話の決断が必要です。

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《各地からのメッセージ》
市民団体とともに基地問題や脱原発の取り組みを展開
北海道平和運動フォーラム 事務局長 長田 秀樹

 北海道平和運動フォーラム(道フォーラム)は、官公労7単産、民間13単産が加盟し、北海道内に10の地域(ブロック)協議会と56の地区連絡会で構成されています。主な年間の運動は、道フォーラムが中心となり賛同する市民団体等と「実行委員会」を組織して展開しています。
 「不戦の日!8.15北海道集会」及び「武力で平和はつくれない!12.8北海道集会」は戦後60年北海道行動実行委員会、「憲法を私たちの手に5.3北海道集会」は5.3北海道実行委員会を組織し開催しています。今年の「12.8集会」では、半田滋さん(東京新聞編集委員)が「迷走する普天間問題 指針なき日本の安全保障政策」と題して、「防衛計画の大綱」や普天間基地問題について講演しました。
 脱原発の運動は、泊原発3号機のプルサーマル計画撤回や幌延深地層研究所計画反対の取り組みを中心に展開しています。11月24日には国のプルサーマル計画許可に対して、「脱原発・クリーンエネルギー市民の会」による「泊原発3号機プルサーマル計画の撤回を求める緊急全道集会」(写真)を開催しました。
 また、当時の動燃が抜き打ち調査を行った日(1985年11月23日)に毎年、「北海道への核の持ち込みは許さない!11.23幌延デー北海道集会」を開催し、今年で25回を数えています。「核抜き」道条例や「研究のみ・放射性廃棄物を持ち込まない」三者協定を遵守させ、最終処分地にさせない取り組みを進めています。
 北海道では、「在沖縄米海兵隊による矢臼別移転実弾習」や「米空軍戦闘機・千歳基地訓練移転」等が強行され、年々演習規模も拡大されています。また、米艦船の民間港入港も相次ぎ、軍事基地化が目論まれています。その都度、全道集会や街頭宣伝など抗議行動を展開し、「反対の声」をあげています。引き続き、全国の仲間と連帯し、護憲、反戦・平和、脱原発の運動を大きく前進させたいと思っています。ともにがんばりましょう。
 ※今号から各地の活動を紹介していきます。

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【本の紹介】
マスコミは何を伝えないか ―メディア社会の賢い生き方
下村 健一 著


2010年・岩波書店刊
 「報道被害」という言葉が広く知られるようになったのは1994年、長野県松本市で発生した「松本サリン事件」からではないでしょうか。有毒ガス・サリンを発生させた犯人として、第一通報者だった会社員の河野義行さんに嫌疑がかけられ、後に新興宗教団体・オウム真理教の犯行だと明らかになったこの事件。当時の報道では、警察情報を鵜呑みにしたマスコミ各社が横一線の、河野さん犯人視報道を繰り広げました。そんな渦中、マスコミ関係者で数少ない、その流れに疑問を投げかけていた一人が、本書の著者である下村健一さんでした。
 本書では最初に、「報道被害はなぜなくならないか?」として、報道被害発生のメカニズムを、元TBSアナウンサーとして知られる著者が、"自らも加害者である"という立場から読み解いていきます。それを踏まえて、被害を発生させる側であるマスメディアが、起きた被害に対してどんな解決策を取ることができるのかを、「修復的報道」(著者の造語)という言葉を用いて考えます。そして、受信者側だとされてきた市民がインターネット等を通じて自ら発信者となる「市民メディア」の可能性について言及します。
 最終章では、受信者側が、情報を主体的に判断し、活用できる能力を身につけること、「メディアリテラシー」について語られます。
 日本では、例えば犯罪報道を見ていると、まだ容疑者の段階で犯人扱いされるのが当たり前の状況があります。加熱する報道に耐えかねて、容疑者の親族が自殺に追い込まれるということもあるくらいです。マスメディアを構成する個々人も、現場を離れれば情報を受信する側の一市民でもあるわけで、成熟した市民社会の形成のためにも、メディアリテラシーは誰にとっても必要な考え方だと言えるのではないでしょうか。
 本書は豊富な事例を交えて、「──マスコミは一部しか報じないものなのだ、という《もともとの性格》をリアルに認識し、どうすればよいかを考える」という、メディアリテラシーの入門書としても大変読みやすい内容となっています。
(阿部浩一)

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【新刊パンフ案内】
原水禁エネルギー・プロジェクトからの提言
持続可能で平和な社会をめざして

 原水禁では、エネルギー・プロジェクトを立ち上げ、自然エネルギーなどの再生可能なエネルギーを基幹エネルギーとして、それを中心に据えたエネルギー政策について議論を重ねてきました。その提言をこのたび一冊のパンフレットにまとめました。

サイズ:A4判 23ページ/頒価:200円(送料別)

内容:基本的な考え方/エネルギー消費は小さくできる/自然エネルギーを基幹エネルギーに/CO2の大幅削減は現実的/脱原発・脱化石燃料の方向性/分散型エネルギーを活用した地域の再生/提言、補論

編集・発行:原水禁エネルギー・プロジェクト

申込:原水爆禁止日本国民会議

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