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ニュースペーパー2014年5月号

2014年5月 1日

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「戦争をさせない1000人委員会」が出発集会
 安倍政権の集団的自衛権の行使に反対し戦争への暴走を阻止しようと、3月に結成された「戦争をさせない1000人委員会」の出発集会が、3月20日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれ、雨の中にもかかわらず4000人が参加しました。開会あいさつに立ったルポライターの鎌田慧さんは「全国の地域で『1000人委員会』を結成し、戦争をさせないための集会を網の目のように組織してほしい」と運動の拡大を訴え、作家の大江健三郎さんは、敗戦時に母親が「次の世代を担う子どもたちは、生き方を変えることができる」と語ったことを紹介し、「平和憲法を持ちこたえて、明日の生き方を作りだそう」と呼び掛けました。(写真)

 脚本家の小山内美江子さんは「日本の次の世代だけでなく、世界全体の次の世代のために、私たちはがんばらなくてはならない」と述べ、作家の落合恵子さんも「従順であることを善き国民と言うならば、私たちは名誉ある非国民として生きていこうじゃないか」と決意を語りました。このほか、山内敏弘さん(憲法研究者・一橋大学名誉教授)、池田頼将さん(元イラク派遣航空自衛隊員)、佐高信さん(評論家)などが安倍政権の危険性などを指摘しました。呼びかけ人にはこの他、作家の赤川次郎さんや俳優の菅原文太さん、法政大学総長の田中優子さんなど、105人にのぼっています(4月15日現在)。

インタビュー・シリーズ:89
戦争になったらどうするなんていうのは政治家として敗北
評論家/「戦争をさせない1000人委員会」呼びかけ人 佐高 信さんに聞く

佐高 信さん
プロフィール
1945年山形県酒田市生まれ。高校教師、経済雑誌の編集者を経て評論家に。「社畜」という言葉で日本の企業社会の病理を露わにし、会社・経営者批評で一つの分野を築く。経済評論にとどまらず、憲法、教育など現代日本について辛口の評論活動を続ける。著書に『安倍政権10の大罪』(毎日新聞社)、『飲水思源メディアの仕掛人、徳間康快』(金曜日)など。

─いまの社会状況をどうご覧になりますか。
 いまの社会状況をどうご覧になりますか。作家の城山三郎さんは、徴兵猶予のある理系の大学に入ったのに、わざわざそれを取り消し、海軍の志願兵となりました。戦後そのことを振り返って、「自分はあのとき志願だと思っていたが、それは違う。異論を許さない当時の社会や時代が、それを強制し、『志願』だと思わせたのだ」と言っています。「永遠の0」(本・映画)などが流行り、その時代を美化していますが、そんなものはつくられた雰囲気ですよね。しかし、若い人がそれに惹かれるのは、それだけ熱中できるものがない、将来に希望が持てない中にあることでもあるんだと思います。こうした風潮というのは、結局、非正規労働の問題などと全部結びついています。戦争は、突然、ある日、始まるのではないのです。

─こうした社会の雰囲気のなかで、私たちはどうしていくべきでしょうか。
 「疑う」ということが大事です。日本では、信じることが美しいとされてきましたが、信じるということは、信じた相手に責任を預けることでもあります。疑うということは自分に責任が返ってくるということです。信じることだけ子どもたちに教えていては、だまされて、また同じことを繰り返しますよ。だまされるのは楽ですが、だまされる責任を考えなくてはなりません。いまこの状況のなかでは、「疑う」「ウソをつく」「逃げる」というのが、権力に対する庶民の抵抗の武器です。「疑いなさい」「ウソをつきなさい」「逃げなさい」というのは悪いことのように感じるかもしれませんが、誰が誰を疑うかであり、誰が誰に対してウソをつくかであり、誰が何から逃げるかが問題なのです。そのことを抜きにして「だめだ!」とするのでは、道徳を振り回す石原慎太郎と同じ水準になってしまいます。
 こんな民話風の話があります。ある田舎でどぶろくを作っている。これは密造酒だから法律違反なので、税務署が調べに来る。ばあちゃんが留守番しているときに、税務署員が「酒つくってねぇか?」と尋ねる。するとばあちゃんは「つくってる」と答える。当然税務署員は作っている場所に案内しろと言う。ばあちゃんは隣のうちに留守番頼むから、と言って村の人に「税務署が来たんで、山さ連れてくから、その間に酒隠せ」とこっそり伝える。いぶかしがる税務署員を山の奥の竹やぶまで連れて行き、「あれ、タケ」と言うんです。「タケでねぇ、サケだ!」と怒れば、「ああ、間違った」。こういうばあちゃんの知恵が大切なんだ、とこういう話ばかりするから呼ばれなくなるんだな(笑)。「道徳教育」のよくないのは、のっぺらぼうにウソをついてはいけないと教えるところです。

─安倍政権の暴走が止まりません。安倍首相について、どうお考えでしょうか。
 そもそも、福島の現状を「アンダー・コントロール」と言うことができる彼を、まともに話が通じる人物だと思うのが間違いです。安倍がやっていることは、沖縄に象徴的に現れていますが、反対するところは切り捨てるという差別・分断政策です。差別し、切り崩し、潰す。政治というのは、本来は説得なんでしょうけど、そういうことはやってられない。「鬼平犯科帳」ふうに言えば「急ぎ働き」です。「殺さず、犯さず、貧しきから盗らず」という、盗人稼業でも守るべき最低限の掟すら守らず、皆殺しにする「急ぎ働き」、そういう踏み越えがある。
 そういう安倍の分断攻撃を、若い人たちは肌身で感じ取っているのではないか。非正規労働の問題や原発の問題など、感覚的に理解してきている、そこをどう汲み取っていくかということが重要です。運動する側の私たちも変わらなくてはならない。壇上をみると男性ばっかり、というのは今もそうです。いつまでもそういう体質のままでは勝てません。戦前、戦争になだれ込むとき、女性は選挙権すら持っていませんでした。女性への働きかけをしっかりしていかなくてはなりません。
 安倍は戦争を始めることによって、この状況を突破できるんだという考えになっているんだと思います。中国や韓国、北朝鮮などの相手国がどう思っているか、歴史的にどうだ、という考え方ができず、主観的な考え方しかない。一刻も早く辞めさせないと恐ろしいことになると思います。

─「戦争をさせない1000人委員会」の発起人として、この運動にかける思いを。
 小松一郎内閣法制局長官が「権力の番犬」と言われて怒った、ということもありましたが、「集団的自衛権」行使容認で憲法を「改変」するというのは、私たち自身が、そして自分たちの子や孫が「権力の番犬」にさせられて、戦争に行かされる、ということなんです。小松長官だけを「番犬」呼ばわりしている場合ではないですよ、と私は思います。このままではいろんな場面で「権力の番犬」にさせられていきます。
 自民党の政治家のなかでも、わかっている人は、戦争を二度とさせないということを政治家としての出発点としています。安倍みたいに、「イージス艦が攻撃されたらどうしますか」みたいなところから話が始まるのではなくて、戦争をなくす、人々やいろんなものが痛めつけられることをどう防ぐかが出発点であって、戦争になったらどうするなんていうのは政治家として敗北です。戦争にならないようにするのが政治家の役目なんであって、なったらどうするかという話を政治家が率先して話すというのは、それを言ったらおしめぇよ、という話なんです。
 そういう初歩的な間違いが非常に多い政権だから、私たちも非常に苦労するわけですが、幅広い人たちと共同戦線をつくるということが必要なんだと思います。自分の孫や子がかわいいというのは誰だってあるわけで、孫や子を戦争に行かせないようにするためには、「集団的自衛権」行使容認に踏み切るのは待っただ、ということは多くの人と共有できるのではないでしょうか。残念ながらいままで、運動はたくさん負けてきました。今度負けないためにはどうすべきか、絶えず考えながらやっていく必要があります。

─私たちが勝つための課題は何でしょうか。
 権力を持っている者に対峙するために、権力を持っていない者が組織して、運動をするということですが、組織が闘っていても、個人が闘っていなくては、運動は発展しないんだろうと思います。組織はあくまでも手段であって、一人ひとりが問われているわけですよね。ほんとうに戦争をさせない、どうやって抵抗するのか、一人ひとりが問われているときに、一人ひとりは弱いから組織をつくる、というのはその通りだけれども、それだけでは組織も弱くなってしまう。
 こんどの運動は、戦争になだれ込んでいくような状況のなか、戦前の運動を教訓にしながら、組織のなかの一人ひとりが闘うことを問われている。そして一人ひとりの闘いが、組織全体を強化していく、という方向に行かなくては勝てないのではないか。
 この間の反原発の闘いでもそうですが、雨宮処凛さんなどの若い人たちの運動は、個人の集まりで、デモをはじめると、最後には人数が増えている。組織だけのデモだと最後にはたいてい人数が減るんだけど(笑)。増える方向に持っていくには、一人ひとりがそれぞれ本気になって、戦争をさせないという決意をするかどうかがポイントになると思います。そうでなければ、組織に入っていない人たちを集めることはできないでしょう。
 集団的自衛権云々とかいろいろ難しい理屈はありますが、それをいかにわかりやすいスローガンに凝縮していくかが重要です。戦後の市民の闘いの歴史を見ていくと、勝ったのは珍しいくらいです。そのなかで「デートもできない警職法」のスローガンで闘われた、「警察官職務執行法」改悪反対運動は、スローガンだけで勝ったわけではないですが、人を惹きつけることができたということもあると思います。
 個別的自衛権や集団的自衛権の違いだとかが、わからないと反対できないということではうまく拡がっていきません。「集団的自衛権」行使容認は、あきらかに実質的な憲法の「改変」なんだ。これを認めては、憲法9条だけ守ってもセミのぬけがらを大事にするようなもので、これが憲法改変の攻撃であり、「壊憲」の攻撃なんだというポイントを捉えることが核心です。
 いままでの運動で、若い人や女性が少ないというのは、運動する人ってみんな理屈好きなんだよね(笑)。自分はいろんなことを知っていて、わからない人に教えるという態度では、参加したい人も遠ざけてしまう。そうではなくて、むしろ若い人たちの話を聞くなかで、自分たちの暮らしや命、あるいは子どもたちの命が粗末に扱われて、一部の人間の防波堤として使われてしまうということを伝えていかなくてはなりません。

インタビューを終えて
 断固たる、確固たる、ゆるぎない、反骨精神!右も左も切って取る話法は、小気味よい。同じ高校の社会科教員であった者として、よほど生徒にも人気があったのではと思う。「戦争は、突然、ある日、始まるのではないのです」という、佐高さんの言葉を噛みしめて、「戦争をさせない1000人委員会」は真正直に騙されることなく、「疑う」ことを基本に、したたかに権力と闘わねば。決意を新たにしました!
(藤本泰成)

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いまこそ日米地位協定の改正を
日本弁護士連合会が改正意見書を発表
弁護士 福田 護 

基地被害の救済に日本の法の空白
 筆者は長年、神奈川県央にある厚木基地の騒音訴訟に携わってきました。住民原告7000人の第4次訴訟の第一審判決が間近です。同様の訴訟が他の米軍航空基地でもありますが、これらの訴訟では、航空機騒音は受忍限度を超える違法なものだから損害賠償は認める、しかしその違法な騒音の差止請求は認められない、という判決が何回も何回も繰り返されてきました。日本国に対して差止めを求めても、米軍の活動を左右できない、米国に対しては日本の裁判権は及ばない、だからどこにも差止請求はできない、というのです。
 また最近、横浜の根岸住宅地区(米軍住宅地域)の真ん中に、戦後ずっと、「陸の孤島」として取り残された住宅で暮らしてきた日本人家族があり、その生活や土地利用の制限に対する損害賠償を請求する訴訟を起こしました。自宅に行くにも米軍のゲートで通行パスが必要で、親戚・友人・タクシー・宅配便の来訪も制限を受け、自己所有地でも自由に住宅建築もできないのです。ここには、基地に対しては米軍が排他的管理権を持っていて、日本国・自治体・市民らは立ち入れず、日本の法令の適用もないなどとされている問題があります。
 さらに例えば、米軍機の飛行訓練の問題に関しては、地位協定上「訓練空域」を設定できる根拠条項はありませんが、現実には多数の訓練空域が設定されているほか、低空飛行訓練ルートなどが米軍側によって一方的に設定されています。他方でこれらを制限する明文規定もなく、基地周辺地域だけでなく、実際上広く日本の上空で訓練飛行が行われています。
 しかし、米軍や米軍基地に関して生ずる問題については、できる限り広く日本の法令の適用があるものと解釈すべきです。国際法の基本原則として、領域主権の原則というものがあります。一国は、その領域内にある全ての人と物に対して排他的に規制する権限を有し、これに対する制約は、条約や慣習法を通じて当該国家がそれを承認した場合にのみ認められ、また疑いがある場合は、制約は制限的に解釈されなければならない、というものです。したがって、地位協定や関係法律の条項も、この原則に従って、できる限り制限的に解釈されるべきものです。


2013年12月16日に、米海軍厚木基地の艦載ヘリMH60が、
神奈川県三浦市の埋め立て地に「不時着」。
オートローテーションで降りてきたMH60は、
地面にたたきつけられ、「不時着」にしては、
メインローターを含む前部は横転、後部はねじ切れている。
協定が被害の防止、救済の妨げに
 基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とする弁護 士の全国団体である日本弁護士連合会(日弁連)は、米 軍基地による人権侵害・被害の防止や回復のため、早く から日米地位協定の抜本的改正の必要性を指摘してきま した。日米地位協定は、安保条約に基づいて日本に駐留する米軍と米軍基地の法律関係の基本を定めた条約です が、その規定の不備、不合理性が、被害の防止、救済に 非常に大きな妨げとなってきているからです。
 とくに、1995年の沖縄県での少女暴行事件以後、沖 縄県、沖縄弁護士会、政党などから、具体的な地位協定 改正案がいくつも提起されてきましたが、日弁連として も、普天間代替基地など米軍基地がさらに拡大され、軍 事力を優先した国策が進められようとしている現状のも とで、このたび、地位協定の中でもとくに重要と思われ る7つの項目について、改正意見をとりまとめて公表す るに至りました。
 取りあげた項目は、(1)施設・区域の提供と返還(2条 関係)、(2)米軍等に対する日本法令の適用と基地管理権 (3条関係)、(3)環境保全・回復等の問題、(4)船舶・航空 機等の出入・移動(5条関係)、(5)航空交通(6条関係)、 (6)刑事責任(17条関係)、(7)民事責任(18条関係)です。
 改正意見の内容は多岐にわたりますが、例えば、基地 の提供には期限を付して具体的な提供条件を使用計画書 に定めて公表すること、地元の意見を聴いて尊重するこ と、基地の中でも基本的に日本の法令が適用されるべき こと、日本側の立入調査権、日米のより厳格な環境保全 基準の適用、汚染者負担原則による原状回復義務、米軍 の訓練は原則として基地内で行われるべきこと、刑事事 件での米軍人等の身柄の日本側への引渡し、日米の刑事 管轄権の見直し、米軍人等の公務外不法行為の日本政府 による補償、その他です。  日弁連の担当委員である筆者としては、今後、今回の 意見書をパンフレット化し、シンポジウムを開くなどし て、現実の改正への道筋をつける努力をしていきたいと 考えています。
(なお、意見書の全文は、日弁連ホームページをご覧下 さい。 http://www.nichibenren.or.jp/
(ふくだ まもる)

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おおむね3年が40年に 原子力空母の居座りを許すな!
神奈川平和運動センター事務局長 小原 慎一

横須賀配備の原子力空母が2015年中に交代
 2014年1月15日、在日米海軍と外務省は、米海軍横須賀基地を母港としている空母G・ワシントンを、2015年後半に空母R・レーガンへと交代させると発表しました。2008年のG・ワシントン配備当時から想定されていたこと(就役25年を目途とする燃料交換を含む大改修)とは言え、極めて一方的な地元自治体への通告であり、2008年頃と比して、原発・原子炉の危険性に対するこの国の世論、市民の関心が大きく転換してきた状況を全く無視した既成事実化です。政府はもとより地元横須賀市さえも、ニミッツ級原子力空母の同型艦による交代との認識の範囲を超えず、原子炉事故の不安を指摘する市民の声を顧みる姿勢は見られません。
 東日本大震災直後からの東京電力福島第一原発のメルトダウンによる深刻な事故で「原子力安全神話」は瓦解しました。私たちが「東京湾に浮かぶ原子炉の危険性」を明らかにし、原子力空母配備反対の運動を展開していた時、実は厚い壁となっていたのがこの安全神話です。米軍は「炉心」、「圧力容器」、「原子炉格納容器」、「船体」を持って4重の防護とし、『電力に頼らず自然対流で原子炉を冷却できる』とも言ってきました。「船体」は原発でいう「建屋」、自然対流での冷却は福島第一原発1号機にも備わっていながら役に立たなかった非常用復水器に相当します。皮肉にも、空母の原子炉と発電用の軽水炉の同一性がここにも表れています。

原子力災害対策からも対象外のまま
 福島原発事故後、大飯原発の一時期の稼働を除いて原発は稼働していませんが、実は出入港を繰り返す米原子力潜水艦と空母G・ワシントンの原子炉は動いています。特に、空母の原子炉は能力的に原発に匹敵し、狭い船体内にある分、高いリスクを負っています。しかも原子炉の情報は、軍事機密として非公開のままで、「原子力災害対策指針」からも対象外です。原子力規制委員会の発足後、原発は少なくとも建前上は防災・避難体制の点検と見直しが進展していますが、原子力艦は2004年の「災害対策マニュアル(原子力安全委員会内の検討委)」が有効とされ、見直しの俎上にも載りません。このマニュアルでは応急対応範囲が空母は半径3キロ、潜水艦が1.2キロで、避難を計画する範囲は空母1キロ、潜水艦0.5キロです。
 国が原発並みの防災対策を渋る理由は明らかです。現行の予防防護措置区域(半径5キロ)には約20万人の横須賀市民が住み、緊急防護措置区域(30キロ)では三浦半島全域に大都市横浜の半分以上が加わり、東京や千葉の一部もかかります。防災計画など誰の目から見ても不可能です。
 原子力空母配備用に米国が示した「ファクトシート」は米軍艦船の原子炉事故はあり得ないとするもので、前記のマニュアルはこれを前提にした安全神話です。


最新版パンフ1冊150円で販売中
問合せは神奈川平和運動センター
(電話:045-778-9880)
永遠に侵略拠点であることを問い返そう!
 現在、米海軍が保有する10隻の空母のうちで、米国以外で唯一、母港となっているのが横須賀です。沖縄や岩国の海兵隊と同様、「前方展開部隊」である空母の母港化がどこまで続くのでしょうか。憲法9条のもとで侵略戦争の拠点を提供している日米安保体制、その異常さを再確認する必要があり、日本政府の責任は極めて重大です。日米地位協定と「おもいやり予算」という侵略拠点を維持する具体的背景を正確に把握し、追及しなければなりません。
 1973年10月に最初の米空母ミッドウエーが配備されましたが、横須賀では市民も市長や市議会も母港化に反対でした。当時、「母港の期間はおおむね3年」と政府は説明しましたが、昨年で40年を超えました。大嘘はこれだけではありません。80年代後半、「核兵器の持込み」疑惑が浮上すると政府は「非核3原則は遵守されている」と繰り返していましたが、核兵器持込みを認める密約の存在が発覚しました。
 湾岸戦争やイラク戦争での先制攻撃の中心的な担い手は横須賀の空母戦闘団でした。その戦闘能力を維持するため、最高裁で3度も違法と認定された爆音を撒き散らして、艦載機の訓練が厚木基地で続けられています。空母の交代に加え、イージス艦2隻の追加配備も伝えられています。横須賀、舞鶴、呉、佐世保の旧軍港4市を対象に1950年に成立した「旧軍港市転換法」は、その目的を『基地の町を平和な町に変える』こととしています。
 米海軍と海上自衛隊の一体的強化は、その理念を遠くへ追いやっています。集団的自衛権の行使容認はこうした現実の中から発していると言えます。集団的自衛権行使反対と空母の母港撤回を、改憲を許さない運動の柱として展開する決意です。全国からのご支援を期待します。
(おばらしんいち)

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新たな「食品表示法」の検討がすすむ
求められる消費者の選択に役立つ表示

「トランス脂肪酸」表示見送り─事業者寄りの姿勢
 昨年の通常国会において、現行の「食品衛生法」「JAS法」「健康増進法」を統合して、新たな「食品表示法」が成立しました。2年以内の施行にむけて、現在、表示の具体的なありかたをめぐって、消費者庁および消費者委員会において検討が行われています。昨年12月から消費者委員会の食品表示部会のもとに、「栄養成分の表示」「生鮮食品・業務用食品の表示」「加工食品の表示」の3つの調査会が設置され、3月26日にその中間報告が行われました。しかし、それぞれの報告内容において、事業者寄りの姿勢が目立っています。
 「栄養成分の表示」は、食品表示法のもとで新たに表示が義務化されますが、その対象成分は「エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム」は義務化し、さらに「飽和脂肪酸」「食物繊維」についても、任意ではあるが優先度が高いものとされました。しかし「トランス脂肪酸」は見送られようとしています。トランス脂肪酸は、マーガリンや菓子パン、ファーストフード、インスタント食品などに多く利用されていますが、悪玉コレステロール、動脈硬化、心臓疾患、ガン、免疫機能、認知症、不妊、アレルギー、アトピーなどへの悪影響が報告されています。欧米や韓国ではすでに表示の義務化がされており、代替品の利用が進んでいます。消費者庁では、日本人の摂取量が少ないことを理由に義務化に消極的ですが、若い世代を中心にファーストフードの摂取が増加していることから、早急な対策が求められています。

加工品の原材料産地の表示に多くの例外が
 また、「生鮮食品」と「加工食品」の区分も大きな課題になりました。「生鮮食品」には原産地の表示が義務づけられていますが、「加工食品」は一部を除いて表示義務はありませんでした。そのため、魚の刺身でも、1種類のものは「生鮮食品」として、どこで獲れたかが書かれていますが、複数の盛り合わせは「加工品」として、原産地を書かなくてもいいとされてきました。
 今回の改正案では、こうしたものも「生鮮」として原産地の表示が必要という方向になっています。しかし、「カット野菜ミックス」のように数種類の野菜を組み合わせて切ってある場合は、やはり「加工食品」となります。原料の産地が多いということも理由ですが、せめて国産か輸入品かの区別が必要です。
 また、「業務用食品の表示」の問題では、アメリカで製造したポテトフレークを業務用の原材料として輸入し、国内で揚げて製造したポテトチップスの表示では、製造者は国内の企業名だけで、原料のジャガイモやポテトフレークの原産国は表示されません。このような原材料の原産地表示が求められます。
 また、スーパーなどの店内で揚げるなどの調理をして販売する「インストア加工品」も、原材料の表示は義務でないため、「国産」の場合は強調表示されても、「海外原料」を使用する場合は表示されないのが一般的です。業者としては、販売に影響するとして表示ルールを作ることに消極的な姿勢が目立ちます。しかし、これは消費者の選択に関するニーズに応えていないことから、改善が求められています。


EUや韓国での進んだ食品表示が紹介されたシンポジウム
(2013年4月20日・連合会館)
どこで作った製品かわからない製造所固有記号制度
 さらに、昨年末、冷凍食品から高濃度の農薬が検出された問題が発生した際に、こうした商品には、製造所の名前や住所そのものではなく、固有記号しか記載されていないことが問題になりました。そのため、購入した食品が問題の工場で製造されたかどうか消費者が気づかず、回収が遅れたという事例が数多くあると指摘されています。
 本来、食品衛生法に基づく表示基準では、製造所の所在地と名前を記載することになっていますが、例外として、あらかじめ消費者庁長官に届け出た製造所固有記号を記載することで、所在地などを省略できるとされています。このような制度は消費者には理解されていません。早急に製造所固有記号を認めている例外規定を廃止し、表示規則の原則に立ち戻って、製造所の所在地と名称を表示させるようにするべきです。
 消費者団体などで構成する「食品表示を考える市民ネットワーク」(平和フォーラムも参加)では、こうした食品表示の検討状況を注視し、単に複数の法律をつなぎ合わせるのではなく、消費者の選択に資するような表示内容の充実を求めて、集会や学習会、メディア対策などの活動を続けています。

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大量被曝が前提の避難計画で原発の再稼働は許されない!
自治労脱原発ネットワークアドバイザー 末田一秀

 エネルギー基本計画が閣議決定され、新規制基準に適合した原発の再稼働方針が明記されました。しかし、新規制基準は、福島事故のような過酷事故の未然防止を目的としたものではなく、安全を保障するものではないことを原子力規制委員会の田中俊一委員長も明言しています。そこで、従来は想定不適当とされていた過酷事故が起こることを前提にして防災体制の再構築を図る必要が生じました。

地域防災計画作成に対する中央統制
 最初に行われたのは、都道府県や市町村が防災計画を策定する際に参考とする原子力災害対策指針を、原子力災害対策特別措置法に位置づける法改正でした。防災計画策定はあくまで自治事務ですが、この法改正によって自治体は指針により縛られることになりました。
 さらに内閣府大臣官房原子力災害対策担当室長と消防庁特殊災害室長の連名で「地域防災計画(原子力災害対策編)作成マニュアル」なるものが作られ、自治体に通知されています。作成マニュアルは「地域防災計画上定めておくべきと考えられる一般的な事項を取りまとめたもの」と説明されていますが、県分と市町村分が用意され、引き写せば防災計画が策定できるたたき台となっています。このような形で中央統制が図られているのです。
 新たに発足した原子力規制委員会は、2012年9月26日に指針策定の検討を開始し、わずか3度の会議で10月31日に指針を決定しました。拙速な議論の中で、たたき台から成案になる間に「防護方策の計画作成には、住民の代表者の参加が不可欠である」とする記述が削除されていました。指針はその後、2013年2月27日に緊急時活動レベル(EAL)等の基準を定める改正、同年6月5日に緊急時モニタリングとヨウ素剤に関する改正、9月5日にEAL等の改正が行われています。防災計画の改定が指針の改正をどこまで反映できているかのチェックも必要です。

防災体制の整備範囲をどう拡げるか
 指針では、従来原発から10キロ圏内とされていた原子力防災計画の作成範囲は、予防的防護措置を準備する区域(PAZ:概ね5キロ圏内)と緊急時防護措置を準備する区域(UPZ:概ね30キロ圏内)の二段階に拡大されました。福島事故で概ね50キロ圏の飯舘村が避難区域になっていることを考えると、UPZが概ね30キロでいいはずがありません。どの範囲まで拡げるべきかは、気象条件や地形条件を反映させた放射能の拡散シミュレーションを行えば参考情報が得られます。福島事故時に計算結果が速やかに公表されなかったことで有名になったSPEEDIに福島事故と同様の放出量を入力すれば簡単に計算ができるのですが、京都府など一部の自治体しか実施していません。滋賀県は、大気汚染用のシステムで独自に計算し、UPZを最長42キロまで拡大しており、同様の取組みを求め続ける必要があります。
 また、UPZの外側でも放射性のプルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域(PPA)では屋内退避する必要があり、防災計画が必要です。原子力規制委員会発足前の安全委の検討では、PPAも「防災対策を重点的に充実すべき地域」に位置付けられていたものの、途中で格下げされました。規制委も「今後検討を行うべき課題」として具体化を先送りにし、距離の目安すら示されていません。

被曝が前提の避難を開始する判断基準
 原発から概ね5キロとされるPAZの防護措置は、緊急事態を区分するための判断基準(EAL)で自動的に実施するとされています。EALで警戒事態、施設敷地緊急事態、全面緊急事態のいずれに該当するかが決まれば、防護措置、すなわち避難するかどうかが決まる仕組みです。
 しかし、指針の定めた防護措置は警戒事態で情報収集、施設敷地緊急事態でも避難の準備で、避難指示が出るのは全面緊急事態になってからです。全面緊急事態のEALをみると、炉心損傷を示す放射線量の検出や敷地境界で500マイクロシーベルトの検出などとされていて、このような深刻な事故に至るまで避難指示は出ないのです。予防的な防護措置が取られるわけでないことを、当該地域の住民の方に知ってもらう必要があります。原子炉格納容器圧力逃がし装置、いわゆるベントを使用すれば大量の放射能が放出されますが、ベントの使用は施設敷地緊急事態に区分され、避難準備段階です。新規制基準の審査では、各電力会社から過酷事故のシナリオが示されていますが、事故発生から約20分後には炉心溶融にいたるとされています。このような短時間で避難をすることは不可能です。これではPAZ内の被災者の大量被曝は避けられません。
 指針は、PAZでは確定的影響等を回避、UPZでは確率的影響のリスクを最小限に抑えるとしています。確定的影響とは大量被曝により脱毛、皮膚障害等が起こることを指し、確率的影響とはがんや先天異常などです。つまり、原発近傍のPAZでは被曝線量が大きくなり確定的影響が起きる可能性を認めて、それを回避することが目標になっているのです。
 一方、原発から概ね30キロとされるUPZでは、環境における計測可能な判断基準(OIL)を用いるとしています。放射線レベルを測って、高くなったら避難の指示を出すというものです。判断基準OILにはいくつかの種類が用意され、緊急に避難するOIL1は、毎時500マイクロシーベルトとされています。この値は平常時の約1万倍に相当し、避難しないで留まれば1週間で50ミリシーベルトの被曝に相当します。また、OIL2で毎時20マイクロシーベルトが検出されると1週間程度のうちに一時移転の指示が出ることになっています。「測った値で判断するから迷わない」とされていますが、値が検出された地点からどの範囲に指示を出すかは決まっておらず、結局迷うことになると懸念されます。
 いずれにしても線量が上がらないと指示が出ないのですから、避難中の被曝は避けられません。福島事故以前は、原発事故はゆっくり進展するから放射能放出前に避難できると説明されてきました。今回の判断基準は、被曝が前提となっている点で改悪に当たります。

避難計画の実効性があるのか検証を
 防災計画で避難指示が出た際の避難計画を策定できているのは、1月末段階で30キロ圏内135市町村のうち58市町村にとどまっています。従来10キロ圏とされていた避難区域が概ね30キロに広がったため、対象になる人口が増加し避難距離も長くなりました。最も周辺に人口が多いのは東海第二原発で、橋本昌茨城県知事は「UPZにつきましては人口が約94万人、該当する市町村の全人口では106万人と極めて多いことから、県内にあるバスを総動員しても1回に24万人しか搬送できないため、一斉に106万人を避難させるのは不可能であると考えております」と2012年3月に議会答弁しています。
 自家用車の避難が中心になれば、渋滞は避けられません。福島事故時には通常約30分で行けるところまで3時間から8時間かかったとの証言もあります。原子力規制委員会は「移動手段や移動経路に関する事項は、避難時間シミュレーションの結果なども参考にして決定する」ことを求めていて、旧原子力安全基盤機構の支援を受けてシミュレーションが行われています。しかし、21道府県のうち11県では結果が公開されていません。避難計画に実効性があるのか、シミュレーション結果をもとに検証されるべきです。

川内原発からの距離
避難弱者に配慮した計画が必要
 再稼働1番手とされる川内や玄海、伊方原発などの周辺市町村では避難計画の策定を終えたとされています。そこで川内原発の地元の避難計画を詳しく見てみましょう。薩摩川内市などの広域避難計画では、自治会ごとに人口、世帯数、バス避難集合場所、避難経路、避難先施設が一覧にされています。しかし、自家用車両による避難が困難な住民が何人いるのか、そのために必要なバスは何台か、また、そのバスをどのように調達するのか何も書かれていません。泉田裕彦新潟県知事は、民間人であるバス運転手の被曝防護ができなければ避難計画は成立しないと指摘しています。
 避難経路は自治会ごとに2つずつ示されていますが、複合災害時に津波や崩落で使えなくなる可能性がないのかが問題です。いちき串木野市の避難計画には避難先までの距離も示されていますが、平均で68.5Km、最長では89.9Kmもあります。確保できる台数に限りがあるためバスはピストン輸送になると考えられますが、避難先が遠方になれば次のバスがやってくるまで長時間待たなければなりません。ところが、薩摩川内市、いちき串木野市、姶良市の避難計画ではなんと屋外のバス停や公園、グラウンド、橋などが集合場所に指定されている自治会があります。大勢が集まれる公民館などが集落にないからでしょう。UPZに避難指示が出るのは定常時の1万倍の放射線が検出されているときで、いつ来るかわからないバスを屋外で待ち続ければどれだけ被曝するのでしょうか。これでは避難計画といえません。
 福島事故の際に老人保健施設や病院の入所者・入院患者さんの避難がどれだけ困難であったかは相川祐里奈著「避難弱者」(東洋経済新報社)に詳しく報告されています。バスの座席に座ることのできない方々も多く、30Km圏外の同種の施設や病院もたいてい満床状態で受け入れは簡単ではありません。
 仁比聡平議員は、3月28日の参議院本会議の質問で、川内原発の30キロ圏内に240の病院・福祉施設があり、患者、入所者は1万4千人にのぼると指摘しています。これに反応してでしょうか、翌日、鹿児島県はPAZ内の病院と社会福祉施設7施設の避難計画作成が完了したと発表しています。伊藤祐一郎知事は、10キロ圏内の要援護者の避難計画を8月ごろまでに作成するとしています。10キロ圏ではなく30キロ圏の在宅も含めた避難弱者への対策が整わないと避難計画ができたとは言えないはずです。また、各地で国の補助金により、容易に避難できない病院等に放射能除去フィルターの工事をして屋内退避でしのぐという対策が進められています。しかし、職員や食料が確保できるのか疑問は尽きません。
 かつてアメリカのショーラム原発は電力会社の避難計画の不備を住民に裁判で訴えられ、一度も稼働することなく廃炉になりました(1989年)。防災体制が不備のままの再稼動はありえないとの立場は、原発への賛否を超えて共有できるはずです。
(すえだかずひで)

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再処理やプルサーマル推進とエネルギー基本計画
プルサーマルやらせてくれるところはないと静岡県知事

 3月24-25日にオランダで開かれた「核セキュリティー・サミット」で日米首脳が発表した共同声明は、プルトニウムの最小化を各国に奨励しました。一方、安倍政権は4月11日に閣議決定した新「エネルギー基本計画」で、「再処理やプルサーマル等」を推進すると宣言しました。使用済み燃料を再処理してプルトニウムを分離し、これをウランと混ぜてプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料にして原子力発電所で使うプルサーマル計画をこれまで通り進めるということです。
 これに先立ち、静岡県知事は、共同通信のインタビューで、「今すぐプルサーマルができるかというと、やらせてくれるところはどこもない」と述べています。六ヶ所再処理工場が運転開始となり、プルサーマルができないとなると、分離済みプルトニウムの量は増える一方となります。この問題を意識してか、「エネルギー基本計画」は、「プルトニウムの回収と利用のバランス」に触れています。以下、これらの文書・発言を抜粋して問題点を検討してみましょう。

エネルギー基本計画 再処理は推進だが柔軟性?
 「再処理やプルサーマル等を推進する。・・・プルサーマルの推進、六ヶ所再処理工場の竣工、MOX燃料加工工場の建設、むつ中間貯蔵施設の竣工等を進める。」
 「利用目的のないプルトニウムは持たないとの原則を引き続き堅持する。これを実効性あるものとするため、プルトニウムの回収と利用のバランスを十分に考慮しつつ、プルサーマルの推進等によりプルトニウムの適切な管理と利用を行う。・・・様々な不確実性に対応する必要があることから、対応の柔軟性を持たせることが重要である。特に、今後の原子力発電所の稼働量とその見通し、これを踏まえた核燃料の需要量や使用済燃料の発生量等と密接に関係していることから、こうした要素を総合的に勘案し、状況の進展に応じて戦略的柔軟性を持たせながら対応を進める。」

セキュリティー・サミット プルトニウムの最小化を
 総理ステートメント「これらの核物質[高濃縮ウランや分離済みプルトニウム]の最小化に取り組んでいきます。また,プルトニウムについては、『利用目的のないプルトニウムは持たない』との原則を引き続き堅持します。これを実効性あるものとするため,プルトニウムの回収と利用のバランスを十分に考慮します。」
 日米共同声明「プルトニウムの最小化のために何ができるかを各国に検討するよう奨励する。」
 国別報告「また,唯一の戦争被爆国として日本は・・・軍事用核物質について,少なくとも民生用核物質と同程度のセキュリティが保たれるべきであると考える。核テロが起これば,核兵器が使用された場合の壊滅的な人道面での結末と同様の事態を招きかねず,そのような事態を生じさせないためにも,あらゆる核物質に関して核セキュリティを強化する必要がある。・・・プルトニウムの回収と利用のバランスを十分に考慮する。」
 ハーグ核セキュリティー・サミット・コミュニケ「我々は,国家がそれぞれの国内的要請と一致する形で,HEUの保有量を最小化し,また分離プルトニウムの保有量を最小限のレベルに維持することを奨励する。」

県知事 プルサーマルは無理
 静岡県知事(共同通信4月3日)プルサーマルは「白紙」。「今すぐプルサーマルができるかというと、やらせてくれるところはどこもない。非常に厳しい」。蓄積している核兵器利用可能なプルトニウムは「一番大きな問題だ。44トン、原爆5千発分。どう処理するか、今まで大きな形で表立って議論はされてこなかった」。プルトニウムの処分を実現する技術開発が重要。使用済み燃料は、安全性の観点から、早く乾式貯蔵にすべき。すでに六ヶ所再処理工場に送られている使用済み燃料が送り返されるとなった場合は、引き取って乾式貯蔵する。「出たごみは自分のところで(一時)貯蔵するのが筋」。
 新潟県知事(4月9日記者会見)「東京電力は(福島第1原発事故の)事実を隠蔽(いんぺい)した。それがどうしてかに踏み込まずして、柏崎刈羽原発は(再稼働の議論の)入り口に立てない。」(新潟日報4月10日)

反核運動の課題
 日本が国別報告で「軍事用核物質について,少なくとも民生用核物質と同程度のセキュリティが保たれるべきであると考える」と述べていることは、裏返せば、民生用プルトニウムについて、軍事用核物質と少なくとも同程度のセキュリティーを保つべきと理解していることを意味します。そして、日本は、その分離済みプルトニウムの最小化を各国に呼びかけています。
 このことと「エネルギー基本計画」がプルトニウムの回収と利用のバランスを考慮し再処理計画に柔軟性を持たせると述べていることを考え合わせれば、当面の六ヶ所再処理工場の運転はないのだろうと世界の反核運動が考えても不思議はありません。折しも再処理工場を所有する日本原燃は、4月11日、MOX燃料加工工場の完成予定時期を2016年3月から2017年10月に延期すると発表しています。再処理が今秋始まった場合、少なくとも3年間はそのプルトニウムの消費ができないということです。
 原発の再稼働の見通しが立たず、近い将来、大規模でプルサーマルが実施される見込みがない状況で六ヶ所再処理工場の運転が開始されるようなことになれば、安倍政権だけでなく日本の反核運動の姿勢も問われることになりかねません。
(田窪雅文:核情報主宰)

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《投稿コーナー》
どうして、私たちは差別されてしまうのでしょうか
朝鮮学校無償化除外問題をめぐる裁判の現状
弁護士李春熙

制度の対象とされなかったのは朝鮮学校だけ
 2014年2月17日、東京朝鮮中高級学校高級部の生徒ら62名が原告となって、国を被告とする国家賠償請求訴訟を提起しました。この裁判は、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(高校無償化法)に基づく就学支援金の支給対象から、朝鮮学校の生徒だけが除外され続けていることの違法性を問う裁判です。
 そもそも、高校無償化法にもとづく就学支援金制度は、「社会全体であなたの学びを支えます」とのキャッチフレーズのもとで、「家庭の状況にかかわらず、全ての意志ある高校生等が安心して勉学に打ち込める社会をつくる」ことを目的として、私立高校等に通う生徒に就学支援金を支給するというもので、各種学校である外国人学校も対象とされました。地方自治体レベルで助成等が行われている例はあるものの、外国人学校に通う生徒を対象として国庫から公金が支給されるのは画期的なことでした。
 しかし、法案審議の際、当時の中井洽拉致担当大臣が朝鮮学校への適用を疑問視したことから、にわかに論争が巻き起こりました。民主党政権下では、「外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべきものである」という政府統一見解が維持されながらも、日朝間の政治情勢などに影響されて「審査」が先送りされ続け、2012年12月に自民党政権が発足するやいなや、下村博文文部科学大臣が朝鮮学校除外を明言し、その後、2013年2月20日に、朝鮮学校を支給対象とするための根拠となる省令の規定を削除して、全国に10校ある朝鮮高級学校を不指定処分にしたのです。各種学校である外国人学校(高校)のうち、制度の対象とされなかったのは朝鮮学校だけです。この不指定処分に前後して、各地で訴訟が提起されています。冒頭に述べた東京訴訟は、大阪、愛知、広島、福岡に続く5番目の提訴ということになります。裁判の内容はそれぞれの地域ごとに異なり、朝鮮学校を運営する学校法人が原告となって不指定処分の取消などを求める行政訴訟と、生徒個人が原告となって国の違法行為にもとづく損害(慰謝料)の賠償を求める国家賠償請求訴訟などに大別されます。


請求訴訟に向けアピール(2月17日・東京地裁前)
生徒の学ぶ権利を侵害するもの
 2014年4月2日には、東京訴訟の第1回口頭弁論期日が開かれました。42席の傍聴席を巡って、380名もの傍聴希望者が列をなしました。「人間として、普通の感情をもって、私たちを見てください。そして、教えてください。どうして、私たちは、他の学校の生徒たちと同じように悩み、苦しみ、夢をもち、汗を流し、一生懸命に学校生活を送っているのに、差別されてしまうのでしょうか」。これは、原告となった朝鮮学校生徒が法廷で行った意見陳述の一節です。
 この生徒の率直な問いかけが示しているとおり、この裁判で問われているのは、朝鮮学校に通う子どもに対する差別の問題です。制度からの除外によって侵害されているのは、朝鮮学校に通う子ども達の学ぶ権利です。これは、高校無償化法の制度上も明らかです。法律上、就学支援金は「学校」への補助ではなく、受給資格及び受給権は生徒一人ひとりにあります。学校法人は、受給権者である生徒に代わって就学金を代理受領することが定められているだけなのです。2010年11月、高木義明文部科学大臣(当時)談話は「もとより、就学支援金は学校に支給されるものではなく、生徒個人個人に対して支給されるものです。また、国籍を問わず、我が国において後期中等教育段階の学びに励んでいる生徒を等しく支援することは、教育についてのすべての者の権利を謳っている国際人権A規約の精神にも沿うものと考えます」と明言しています。

この裁判で流れを押し戻す突破口を
 朝鮮学校、そして在日朝鮮人をとりまく日本社会の雰囲気は、ますます悪化しています。高校無償化制度からの除外だけでなく、各地の自治体はこれまで数十年にわたって支給し続けてきた補助金を、「拉致問題」「朝鮮総連との関係」などを口実に次々とカットし、さらに朝鮮学校の教育内容に公然と介入をはじめています。
 しかし、少なくとも就学支援金制度に関していえば、制度発足当初の趣旨と目的に沿って判断すれば、「裁判所においてすら」適用除外が違法であるとの結論に至ることは明白です。この裁判は、朝鮮学校バッシングの流れを押し戻す突破口になるはずです。東京訴訟をはじめ、各地の裁判はこれからも続きます。ご支援をよろしくお願いします。東京訴訟の第2回期日は、2014年7月2日午前10時から東京地裁415号法廷で行われる予定です。傍聴券発行が予定されているため、お早めにお集まりください。 (リー・チュニ)

各地からのメッセージ
和歌山県平和フォーラムの取り組み
和歌山県平和フォーラム常任幹事 藤原 慎一郎

 原発立地県や沖縄をはじめとする反基地を闘う熱い地域と比較すれば、「報告」など気おくれするが、弱小県なりの報告をおこないます。官公労4単産、民間単産・単組11で構成、県組織のみで地域組織は無い。原水禁県民会議、労農市民会議の事務局も担い、解放同盟との共闘にも取り組んでいる。代表(運輸労連)、事務局長(自治労)を要に、専従事務局員1名(女性)を配置している。
 原水禁・護憲大会、沖縄平和行進には代表団を構成して参加、脱原発や反基地などの現地行動には可能な限り代表を参加させ連携している。こうした行動へ出席した若者が、組合活動や平和運動への端緒となっているとの報告があり大切にしたいと考えている。昨年から今年にかけ力を入れている取り組みは、米軍輸送機オスプレイの飛行訓練(オレンジロード)反対とオスプレイが参加する南海トラフ巨大地震を想定した、「津波災害対応実践訓練」反対運動です。県知事へ撤回の申し入れ、友好議員との交流・議会への質問、前田哲男さん(軍事ジャーナリスト)や湯浅一郎さん(ピースデポ代表)を招いての講演・集会、800名の協力者を得ての「新聞意見広告」などに取り組んできた。
 憲法9条を守る一点に幅拡い県民運動をめざす「9条ネットわかやま」に参画している。「弁護士の会」を中心に多くの住民組織が結集、県民の過半数署名の獲得、多様なイベントを実施してきた。今年の憲法記念日には和歌山城公園で一大イベントを計画するなど、多くの県民が参加出来るように運動への工夫を重ねている。
 中央の平和フォーラムが主催する行動に参加して常々感じることは、原発立地県や基地を抱える地元の運動との格差です。とりわけ沖縄の訴えには心が痛む。格差をどう克服するか、中央・地方に突き付けられた課題と考えます。「戦争をさせない1000人委員会」など重要な提起です。しかし今、労働組合をめぐる情況は多くの課題を突きつけられる中で、平和運動への対応は鈍るばかり。次々に提起される運動も拡がりのないままに、次の課題へと移り、焦りのみが残ります。安倍政権による「戦争のできる国へ」の道行が進行しつつある中、頭の痛い問題です。
 2003年に出された「連合評価委員会」の提言が身に浸みます。「連合は常に自己の原点に立ち返り、自己を変革することによって、この社会の危機を変革する歴史的使命を果たさなければならないのである」。平和フォーラムへの提言でもある。
(ふじわらしんいちろう)

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〔本の紹介〕
原子力発電は「秘密」でできている
西尾漠著クレヨンハウス刊


 昨年、特定秘密保護法が制定され、市民の知る権利がますます制限されることになりました。その中で原発をめぐる情報も大きく制限されることになりそうです。本来、日本の原子力開発は、「自主」「民主」「公開」の三原則が基本ですが、すでに「商業上の機密」や「核拡散防止・テロ対策=核セキュリティー上の問題」として、「公開」に大きな制限がかけられています。同じく昨年、原子力基本法に原子力開発を「我が国の安全保障に資する」との文言が盛り込まれ、平和利用そのものもあいまいになろうとしています。ますます原発の「秘密」のベールが厚くなろうとしています。
 原発をめぐる情報が隠されれば隠されるほど「安全」が空文化していきます。人々の関心と監視という緊張の中で原子力の安全が確保されるのであって、隠されることが常態化すればするほど、様々なミスやトラブルなども隠され、市民がそれを知ることから遠ざけられてしまいます。本書は、そのような今の原発をめぐるあやうい状況を「秘密」をキーワードにしてわかりやすくまとめられています。
 「秘密」が強化されれば、そこに関わる人々の人権も大きく侵害されることも指摘しています。原発に関わる
 人々(反対派も含め)の身元調査や思想調査などの人権が侵害される事態も憂慮しています。あらゆる情報が収集され、監視され、管理されることは、ドイツの哲学者・ロベルト・ユンクが「原子力帝国」で指摘してきた管理社会の到来がまさに現実化しようとするかのようです。その先には全体主義や核武装が待っているのでしょうか?今日の核をめぐるあやうい状況は、情報や安全、人権、核拡散・核武装などあらゆる問題に結びついてきます。情報統制と人権侵害が進み、軍事利用への懸念が拡がることに対して、筆者は脱原発しかないことを訴えています。「被災者や原発で働くひとたちの権利の確立と脱原発を車の両輪に、なんとしても安心して暮らせる世の中にしていきたい」と述べています。原発の持つ影の部分に対して考えさせるパンフレットです。これも脱原発へ向かう、重要な問題提起です。
(井上年弘)

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核のキーワード図鑑


教育が領土紛争をあおりたて

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5月3日に「施行67周年憲法記念日集会」
「戦争をさせない1000人委員会」呼びかけ人参加

 安倍政権は、昨年12月に「特定秘密保護法」を強行採決・成立させました。さらに、今度はもうひとつの原則「平和主義」を規定した憲法9条を空文化する「解釈改憲」による「集団的自衛権」行使容認へと踏み込もうとしています。憲法はいま、施行から67年目にして、最大級の危機を迎えつつあります。
 平和フォーラムは毎年5月3日に「憲法記念日集会」を開いています。今年は「戦争をさせない1000人委員会」の呼びかけ人の方々などの発言を予定しています。どなたも参加出来ます。多くの方のご参加を呼び掛けています。

5月3日(土)13:30~16:00(開場13:00)
東京・千代田区「日本教育会館」3Fホール

(地下鉄「神保町駅」3分・竹橋駅5分・九段下駅7分JR水道橋駅15分)

発言者:
鎌田慧さん(ルポライター)
雨宮処凛さん(作家・活動家)
小室等さん(シンガーソングライター)
佐高信さん(評論家)ほか

参加費:500円(資料代を含む)
主催:フォーラム平和・人権・環境(03-5289-8222)

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