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クローン家畜食品についての質問状

2009年2月 6日

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日消連/食の安全・監視市民委員会ほか

 
 
食品安全委員会委員長       見上 彪   様
農林水産大臣             石破 茂   様
厚生労働大臣             舛添 要一 様
                                特定非営利活動法人 日本消費者連盟
                                           代表運営委員  富山 洋子
                                食の安全・監視市民委員会
                                                代表  神山美智子
                                遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
                                                代表  天笠 啓祐
 
 食品安全委員会新開発食品専門調査会ワーキンググループが、1月19日、体細胞クローン家畜は食品として安全である、という評価書をまとめました。理由として、体細胞クローンの牛や豚は、死産や生後直後の死亡、病死が多く問題はあるものの、一定の期間を越えると従来の牛や豚と同等であるとしており、成長すれば従来の牛と豚とは差異のない健全性を有する、という理由のようです。また後代の牛や豚も問題ないとしています。 
 
 体細胞クローン家畜については、生産者も消費者も、何も知らされていないのが現状です。にもかかわらずなぜ評価を急ぐ必要があるのでしょうか。昨年9月、米国FDAは、すでにクローン家畜の子孫が市場に出回っているようだと発表しました。すでに日本に入っていても不思議ではない状況にあります。その現状を追認するために、評価を急いだとすると本末転倒といえます。 
 
 体細胞クローン技術は、死産や奇形などの異常が多く、病気での死亡率も高いなど、多数の問題点が指摘されています。ましてや、それをミルクや食肉など食品に用いることに対して、生産者や消費者は疑問や強い抵抗感をもっています。 
 
 私たちは、クローン家畜を食品として認めるには、まだ問題点が多く、早いと考えます。その問題点に対して貴委員会・貴省の考えをお聞きしたいと思います。 
 
 
 記 
 
1. 体細胞クローン技術で誕生した家畜には、多くの異常が見られます。まともに生まれてくることがまれです。このような技術を食品生産に用いることに対して強い疑問を持ちますが、その点についてどのようにお考えですか。 
 
2. 評価書では、体細胞クローン技術で誕生した牛や豚の食品としての安全性を評価するのに、従来の繁殖技術で誕生した牛や豚と比べて健全性で同等かどうか、という点で評価しています。これは単なる比較であって、安全性評価とはいえません。クローン家畜における安全性の定義や指標はどのようなものですか。 
 
3. また、このような異常多発にもかかわらず健全性もあると判断していますが、健全性の定義や指標はどのようなものですか。 
 
4. 体細胞クローンの牛や豚に異常が多い点については、原因がまだよくわかっていません。今回の評価書は、大半がマウスやラットでの評価に依存しています。牛と豚でも異なる現象が起きているのに、マウスやラットでの評価に依存するのは危険だと思います。なぜ、もっと牛や豚での研究を行った上で評価しないのですか。 
 
5. 欧州では、生産者や消費者の理解が得られていないため、承認する目途が立っていません。しかし、安全委員会のQ&Aでは、EUでも安全性が認められたという趣旨の記載があります。わが国においても、生産者や消費者の間で理解を得られていない段階で、食品として認めるべきではないし、承認することは時期尚早だと思います。その点に関してどうお考えですか。 
 
6. 欧米では市民の間で、体細胞クローン技術に対する倫理的な抵抗が強いことが各種調査で示されています。日本では、まだこのような倫理的な側面で市民の意向についての調査も行われていません。生命の操作はどこまで許されるのか、生命を特許として認めてもよいのか、クローン技術は許されるのか、このような点に関する調査や検討が必要だと思いますが、その点についてどうお考えですか。 
 
7. 体細胞クローン家畜は、動物の福祉に反し、生物多様性を奪うものだと思います。評価書では環境影響、倫理、道徳、社会経済等にかかわる審議は行わないとしていますが、動物福祉、生命倫理、生物多様性などの評価が大事であり、欧米では市民を含めてこの点での議論がかなり行われてきています。日本では、これらの議論はどこで行われ、どのような専門家がかかわり、その際、生産者、消費者団体、環境保護団体などは、どのようにかかわることができるのでしょうか、お答え下さい。 
 
8. 評価書では、体細胞クローン家畜に異常が多い原因として、エピジェネティクス異常が大きく取り上げられています。この新たな科学的知見は、まだ研究が始まったばかりであり、まだ結論を導くような段階にはないと思います。また異常の多さは、このエピジェネティクス異常だけで説明できるものではありません。その他の要因に対する取り上げ方が不足しており、評価書の中でも一部データ不足を指摘しているものもあります。これではとても安全を確認したとはいえないと思いますが、どのように考えますか。 
 
9. 昨年9 月末時点で、日本で病死等で死亡したクローン牛は136 頭に達すると報告されています。一定の期間に達した牛や豚は問題ないとするのであれば、これら病死の牛や豚の生存日数と病気の原因をすべて明らかにして下さい。また、その病死の過程で異常がみられなかったかどうかも明らかにして下さい。 
 
10. 現在日本では、受精卵クローン家畜製品については任意表示になっています。しかし、消費者がその表示を見たという話を聞いたことがありません。食品表示は、消費者の知る権利・選ぶ権利を保障するものです。任意表示では、ほとんどの企業が表示を行わないことが予想されます。体細胞クローン家畜食品も含めて義務表示にすべきだと考えますが、この点についてどうお考えですか。 
 
11. 現状のまま、体細胞クローン家畜が増えていけば、生物学的に弱かったり、病気になりやすい牛が増えていくことになります。健康な家畜から、健康な食べものが作られるのではないのでしょうか。この点についてどうお考えですか。

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