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原水禁/馳文科大臣の高速増殖炉「もんじゅ」の研究継続発言に対する抗議声明

2016年7月25日

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馳文科大臣の高速増殖炉「もんじゅ」の研究継続発言に対する抗議声明

原水爆禁止日本国民会議(原水禁)
議  長 川野浩一
事務局長 藤本泰成

   7月22日、またも高速増殖原型炉「もんじゅ」において、運営主体の日本原子力研究開発機構(原子力機構)が必要な点検を2ヶ月間放置していたことが判明した。未点検を知らせる警告表示も無視していたことは弁明の余地がない。原子力機構及び監督官庁の文部科学省は、昨年11月13日、1.ナトリウム漏洩事故以降、安全性に関わる指導を受けてきたが成果を上げていない、2.保守管理等の不備に関わる種々の問題が次々と発覚し、現在に至るも十分な改善が認められないなどとして、原子力機構に換わる運営主体の特定と特定が困難ならば施設のあり方を基本的に見直すよう、原子力規制委員会から勧告を受けていた。もんじゅは、1983年の設置許可を受けその研究が開始されたが、1995年のナトリウム漏洩事故以降本格的稼働には至っていない。長期間に及ぶ保守・管理・維持、および施設の老朽化、高速増殖炉自体の技術的困難性や諸外国での研究中止などを受けて、研究自体のモチベーションの低下は否めない。そのことがモラルの低下にもつながってはいないか。
   原水禁は、原子力資料情報室と原子力発電に反対する福井県民会議と協力し、専門家の協力を得て「『もんじゅ』に関する市民検討委員会」(委員長 伴英幸原子力資料情報室共同代表)を立ち上げ、今年5月9日「『もんじゅ』に関する市民検討委員会提言書」をまとめ、政府に提出した。結論は、以下の通りである。
   1.「もんじゅ」の新たな主体はありえない。ありえない主体探しに無駄な時間をかけるべきではない。
   2.「もんじゅ」は廃炉にすべきである。
   高速増殖炉計画は使用済み核燃料の再処理と表裏一体であり、日本政府は「核燃料サイクル計画」としてエネルギー基本計画の中核に位置づけてきた。しかし、高速増殖炉計画及び再処理工場の稼働も先の見通せない状況の中で、非核保有国で唯一プルトニウム利用を行っている日本に対する批判は強まっている。福島原発事故以降の原子力発電をめぐる状況は世界的にもきびしく、日本は48トンにも増えたプルトニウムの利用計画さえ策定できずにいる。
   オバマ米大統領は、核拡散と核テロの脅威から、核セキュリティーサミットを開催してきた。その中で「分離プルトニウムを大量に増やし続けることはしてはならない」と主張している。日本のプルトニウム利用に関しては、原子力協力協定を結んでいる米国内からも批判の声があがっている。世界で高速増殖炉の商業利用が断念される中にあって、日本に対する批判は高まりこそすれ消えることはない。
   馳浩文科大臣は7月20日、朝日新聞のインタビューに応えて、「もんじゅ」について「廃炉という選択肢は現段階でまったくない」「動かすことが前提」と述べている。世界の趨勢と高速増殖炉計画・核燃料サイクル計画の今後をどう捉えているのか。きわめて無責任な対応と言わざるを得ない。昨年10月20日、国連総会で演説した中国の傳聡軍縮大使は、日本の再処理計画を批判し、「核兵器を保有すべきだと日本の一部の政治勢力が主張し、核兵器開発を要求している」と述べている。戦争被爆国として「核廃絶」を主張している日本が、核政策として再処理・プルトニウム利用を継続し、そのための「もんじゅ」の研究継続であるならば、これまで大きな声を上げ続けてきたヒロシマ・ナガサキの被爆者への裏切りに他ならない。
   原水禁は、世界の核廃絶への道を開くためにも、「もんじゅ」の廃炉を、勇気を持って決断することを日本政府に対して強く要求する。また、日本のプルトニウム利用政策の廃棄を国際的な重要課題として位置づけ、全力でとりくんでいくことをあらためて表明する。

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